我々探検隊が今回向かったのは、慣れた者ですら迷うことのある、広大な東京駅の地下である
さて、今回は東京駅である。新幹線の待ち時間に東京駅周辺で時間をつぶす、ビジネスマンならばそういった機会も多いことだろう。今回はそんなビジネスでの利用シーンを想定し、JR東京駅を中心としたスポットを探検してみた。
今回も測定にはWiMAX内蔵のソニー「VAIO Pシリーズ」を使っている。測定は10月21日の昼頃に行った。
※WiMAX接続に使用する機種によって接続速度や感度に違いがある場合があります。ご了承ください。駅構内の強すぎるWiMAX電波に感動した
東京駅は、ホーム自体はほとんどが地上階にあるものの、改札は地上1階と地下1階にある。改札内には飲食店・売店・待合所などさまざまな施設があるが、いずれも完全な屋内で、本来ならば屋外からのWiMAX電波が入り込むことはほとんど期待できない場所だ。
しかしそんな場所であるにも関わらず、東京駅の改札内ではWiMAXが使える。UQコミュニケーションズにはJR東日本も出資している関係もあり、積極的に駅構内へWiMAX基地局を設置しているのだ。
東京駅の改札より中は、まさにWiMAX完全配備の布陣。どこへ行ってもアンテナ5本!
たとえば東京駅地下の「びゅうスクエア待ち合わせ場所」には、「当駅でWiMAX使えます!」のシールが貼られていて、当然のようにアンテナはバリバリの5本表示、10Mbpsクラスで通信が行える。この待ち合わせ場所は多数の椅子が置かれているので、新幹線の時間待ちなど時間調整にWiMAXでネットを使うのには最適だ。
改札内の待ち合わせの名所であるところの地下「銀の鈴広場」でも、WiMAXはバリ5表示で通信できる。このほかにも改札内の地上1階にある「丸の内中央案内所」の前でもバリ5表示のままだった。時間の関係ですべての場所は試せなかったが、改札内では圏外は確認できなかった。駅構内はかなりカバーされていそうな感じである。
ちなみに「銀の鈴広場」などでは公衆無線LANサービスも提供されている。今回は「銀の鈴広場」で某公衆無線LANサービスも試してみたが、その速度は数百kbpsとふるわなかった。混雑などさまざまな要因があるので、いつでもこうとは言い切れないが、少なくとも今回試用したときにおいては、WiMAXの圧勝だった。
改札の外、けっこう使えます!
改札外近くの代表的な待ち合わせ場所、動輪の広場。WiMAXは余裕の接続
改札の外に出ても、改札近辺であれば地下でもバリ5で通信ができる。丸の内側の地下北口前にある「動輪の広場」でも、やはりバリ5の10Mbpsクラスだ。反対側の八重洲地下中央口の改札前も、同様にバリ5だ。八重洲側にはカフェもあるので、改札に入る前にWiMAXを使いたいならば、このあたりを活用するのが良さそうだ。
しかし改札外、改札から離れたところにある地下街では、電波は弱いところが見られた。たとえば八重洲地下街のメインアベニューとオリーブロードが交わるところでは、アンテナの表示は3本から2本となった。八重洲地下街にはあまりWiMAXの基地局はないようだ。場所によってはそこそこつながるが、それでも接続は不安定なので、確実にWiMAXを使いたいならば、もっと改札方面に移動した方が良いだろう。
駅からやや離れて、新丸ビルの地下。ふつうにつながる
八重洲の逆、丸の内方面も、改札から離れるとWiMAXの電波は弱くなる。しかし地下道を通ってそのまま新丸ビルに入ったところ、地下であるにも関わらず、アンテナ表示は4本となった。速度は下り3Mbps程度と、さすがにスペック限界よりは低いが、十二分にブロードバンドしている。
新丸ビルは地上階を上っていくと、エスカレータ周辺に休憩スペースが設けられているが、この休憩スペース周辺でもWiMAXを使うことができた。この休憩スペース、クッション入りの椅子が多数設置されているので、東京駅周辺で食事休憩しつつ、食後にでもネットをチェックしたい人には便利なスポットだ。
東京駅周辺は、現在駅舎を含めて大規模な工事や再開発が行われている。そのため、今後はサービスエリアが急速に変化していくこともあり得る。しかし少なくとも、エリアが減ることはないだろう。そしてなにより、現在の時点で、駅構内の待合所のようなビジネスマンが使いそうな場所でWiMAXが充実しているのはありがたいと感じられた。
[Reported by 白根雅彦]