第12次突撃

東海道新幹線・成田エクスプレス編

〜UQ-WiFiでネットにつなげっ!

 今回はちょっと趣向を変えて、東海道新幹線と、「NEX」こと成田エクスプレスの車内でのネット利用を試してみた。東海道新幹線と成田エクスプレスの一部車内では、UQ WiMAXの無料オプションサービス「UQ Wi-Fi」による無線LAN接続が可能となっている。今回はWiMAXだけではなく、この「UQ Wi-Fi」を使った車内LAN接続もレポートしたい。

 今回もテストにはWiMAX搭載のソニー「VAIO Pシリーズ」を使っている。測定は新幹線は11月16日の昼ごろ、成田エクスプレスでは12月9日の午前中に行った。

※WiMAX接続に使用する機種によって接続速度や感度に違いがある場合があります。ご了承ください。

3G回線以上に安定してネット利用できる東海道新幹線車内の無線LAN

 東海道新幹線においては、残念ながらUQ WiMAXのカバーエリアは一部に過ぎない。エリアは順次拡大中だが、少なくとも現状では、なんらかの代替手段が必要だ。それが、UQ WiMAX契約者に無料で提供される公衆無線LAN接続サービス「UQ-WiFi」だ。

 

JR東海道新幹線N700系車両

 東海道新幹線の最新型車両「N700系」の車内では、各種公衆無線LANによるインターネット接続サービスが提供されており、「UQ Wi-Fi」も利用可能となっている。

 この無線LANサービス、仕組みとしては「線路脇に設置されている長大なアンテナ様のケーブルと新幹線が無線通信し、その回線を車内で共有する」という形式になっている。そのため、トンネル内だろうがどこだろうが、ほぼ途切れることなく安定してインターネットが利用可能となっている。この安定性は時速300km近い新幹線車内では驚異的だ。

 しかし残念ながら、速度自体はあまり速くない。線路脇のアンテナと新幹線とのあいだの無線通信がそれほど高速ではなく、それを車内の大量のユーザーと共有することになるため、速くても1.5Mbpsくらいで、1Mbpsに達しないことも多い。

 ただ、速度はでなくても、安定して接続できるメリットは大きい。東海道新幹線は坑内基地局がないトンネルが多いため、もっともつながりやすいはずの3Gですら、通信が安定しないことがほとんどだ。WiMAX端末を持っているときにも、やはりこの無線LANサービスを使う価値があるだろう。

成田エクスプレスはWiMAX利用だけに通信速度は新幹線以上!

成田エクスプレス(NEX)の最新型車両「E259系」

 続いて成田エクスプレス車内も試してみた。成田エクスプレスは東京などと成田空港を結ぶJR東日本の特急列車だ。この成田エクスプレスでは、新型車両「E259系」の車内で無線LANによるインターネット接続サービスが提供されている。このサービスも「UQ Wi-Fi」で利用可能だ。

 成田エクスプレス車内の無線LANは、仕組みとしては「車両の上に搭載されているWiMAX端末によるネット回線を車内で共有する」という形式になる。そのため、原理的には車両自体がUQ WiMAXのサービスエリア内にないと使えない。しかし成田エクスプレスは東京から成田まではもちろん、八王子や大船まで、ほぼ全沿線がUQ WiMAXのサービスエリア内に含まれているので、トンネル以外のほぼ全域でインターネット接続を利用可能となっている。

 接続にWiMAXを使っているだけに、通信速度はなかなかのものだ。場所やほかの利用者などの状況によって変わるが、最大で10Mbps以上、遅くなっても5Mbpsくらいの速度は得られた。新幹線車内の無線LANよりよほど速い。

 サービスエリア内なので、車内無線LANを使わないでも、手持ちのWiMAX端末で直接インターネット接続は可能だが、試してみたところ、場合によっては電波が弱くなる区間があった。それに対して車内無線LANでの接続はかなり安定していて、ストリーミングなどもほとんど途切れずに利用できた。成田エクスプレス「E259系」に搭載されているWiMAX端末は、普通のモバイル用WiMAXモジュールを車内で使うのに比べ、アンテナ感度が良いように感じた。WiMAX端末を持っていても、成田エクスプレス「E259系」車内では、無線LANを使った方が快適にインターネットを利用できるだろう。

IDとパスワードは必ず取っておくべし!

 東海道新幹線で車内無線LANを使えるのは、「のぞみ」の最新型車両であるN700系に限られる。N700系の編成は比較的本数が多いので、それほど待たずに乗れることも多い。ただし、同じN700系の「のぞみ」でも、大阪以西の山陽新幹線の区間では車内無線LANは使えないので注意が必要だ。ちなみにN700系では窓側席やいちばん前の席にはコンセントも設置されている。

 成田エクスプレスで車内無線LANを使えるのは、新型車両のE259系に限られる。E259系は時間帯によっては本数が少ないので、かなり狙っていかないと乗りにくいかもしれない。ちなみにE259系は全席の肘掛けにコンセントが設置されている。

 東海道新幹線、成田エクスプレスともに、たいていは乗車時間が長いので、車内でネットが使えるのは非常にありがたい。仕事にも時間つぶしにも良いので、これらの路線を使うときは、可能な限り無線LANとコンセントが使用可能な編成・席を選びたいと思うくらいだ。「UQ Wi-Fi」を利用するには、ウェブ上のMy UQメニューから申し込み、ログインIDやパスワードなどを取得しておく必要がある。出張では利用するときなどは、必ずMy UQでパスワードなどを確認しておこう。

[Reported by 白根雅彦]