ビエラリレーコラム
  • 2013年12月2日 UPDATE
  • Reported by 西川善司

TH-L65WT600の高画質化機能をプレイせよ!

世界初(※)のDisplayPort™1.2a搭載、4K/60Hz表示対応の薄型テレビ「TH-L65WT600」をゲーム好き視点でレポートするこの企画だが、西川善司編の第2回目は、TH-L65WT600の映像エンジン周りの解説と、その活用方針の話題などをお届けしたいと思う。
※2013年9月5日現在、チューナーを搭載した民生用テレビとして

4KのPCゲームを120fpsでプレイする方法!?

改めていう必要がないかもしれないが、TH-L65WT600は、4Kテレビである。しかも60Hz(60fps:毎秒60コマ)の4K映像の表示に対応している。「4Kコンテンツがない」と言われるが、PCゲームはTH-L65WT600が出る前から4K-READYだったので、PCゲームファンからすればTH-L65WT600は「待ちに待った製品」と言えなくもない。

4K・PCゲーミングはPCとTH-L65WT600とを接続するだけで始められる。しかも、TH-L65WT600は、4KのPCゲームを60Hz(60fps)で楽しめるのだ。

3840×2160ドットの3Dグラフィックスを60fpsで表示するためには、そのPCにAMD製GPUならばRADEON R9系のハイエンドモデル、NVIDIA製GPUならばGeForce GTX700系のハイエンドモデルの搭載が必要になるわけだが、TH-L65WT600の機能をうまく活用することで、4K-PCゲームを120Hz(毎秒120コマ)で楽しむこともできる。

「AMDやNVIDIAのハイエンドGPUを用いても、さすがに120fpsの4K映像レンダリングは難しいのでは?」というツッコミはごもっとも。CrossFireやSLIといった複数GPUを同時並列に動かすソリューションを駆使すればいいところまで行きそうだが、それでも4Kの120fpsのコンスタント描画は難しいだろう。

ではTH-L65WT600でどうやって4K/120fpsゲーミングを楽しむのか……というと、TH-L65WT600に搭載されている「4Kフレームクリエーション」を活用するのだ。

4Kフレームクリエーションは、60Hzの映像を構成するコマとコマの間の中間のコマを算術合成して挿入する、いわゆる残像低減技術に分類されるものだが、この機能、ちゃんと4Kのゲーム映像にもちゃんと効いてくれるのだ。

フレーム補間による120fps表示に加え、バックライトスキャニングも組み合わせているため残像感も少ないのが「4Kフレームクリエーション」の特長

パナソニックのフレーム補間技術は自社開発のもので、競合他社製品の同種技術と比較すると完成度は高い。よほど意地悪なテストケースで実験しなければ、破綻が起きないレベルまでに仕上がっている。この秘密は、パナソニックの補間フレーム技術のアルゴリズムにある。一般的なフレーム補間技術では、映像中の各画素が「どの方向にどれだけ動いたか」を識別して、画素単位の動きベクトルを検出し、移動前と移動後の中間地点にその画素を補間する…というようなイメージの処理をしている。これは「過去から未来」に向かっての動きベクトルの検出に相当する。しかし、遮蔽物から突然何かが飛び出してきたときなどは、何もないところから突然画素が出現することになるので「過去から未来」に向かっての動き探索では動きを検出できない。そこで、パナソニックのフレーム補間技術では「未来から過去」に向かっての逆方向の動き探索も行って的確な動きベクトルの検出を行うようにしている。これが「時間方向再射影」(Temporal Reprojection)という考え方だ。この考え方を取り入れた補間フレーム生成を実践しているメーカーはまだ少ない。

ゲームでは、物陰から敵が出現するし、ただプレイヤーの視点を動かしただけでも、情景が複雑に見え隠れする。「4Kフレームクリエーション」では、そうした映像内の複雑な動きにも対応できるため、4Kゲームの映像もかなり高品位に120fps化してスムーズに見せてくれるのだ。

「4Kフレームクリエーション」の設定はTH-L65WT600実機のメニューでは「Wスピード」にて、その効果の強さを設定できる

もちろん、「4Kフレームクリエーション」は、その動作のために映像フレームをわずかながらバッファリングする必要があるため、本連載前回に紹介した低表示遅延を実践する「ゲームモード」有効化時には利用できない。よって「4Kフレームクリエーション」による4K/120fpsゲーミングはゲーム操作が忙しくないゲームとの相性がいいことになる。

TH-L65WT600の奨励4Kゲームとして推されている「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア」などはまさにおあつらえ向きなタイトルだと言えよう。

推奨4Kゲーム「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア」

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超解像でフルHDゲームも4K化して楽しもう!

TH-L65WT600には従来のフルHD(1920×1080ドット)映像を解像力をアップして4K映像として描き出す超解像処理エンジン「4Kファインリマスターエンジン」が搭載されている。

この4Kファインリマスターエンジンは、「リマスター超解像」と「ディテール超解像」の2つの機能ブロックから成り立っている。

「4Kファインリマスターエンジン」の概念図。「リマスター超解像」は主に4K化を実践するところ。一方、「ディテール超解像」は質感と精細感の向上処理を実践するところ。

リマスター超解像は、入力映像中の輪郭変化パターンを、内蔵している12万件の映像データベースに照会して、元の高解像の輪郭変化パターンに置き換えるようにして解像力を向上させる。

ディテール超解像は「もともとはこういう陰影だったはず」という推論に基づき、信号処理的な観点から解像力向上処理を行うものだ。

4Kファインリマスターエンジンはもちろんゲーム映像にも効かせることが可能…というか、ゲーム映像はMPEG圧縮ノイズなどとは無縁のベースバンド映像なので、超解像処理とはもともと相性がいいくらいだ。

つまり、PS3,Xbox360,Wii Uといった現行ゲーム機をTH-L65WT600と接続すれば、フルHDクラスのゲーム映像を4K化して楽しむことができるのである。

輪郭線などにもドット感が消え、テクスチャ表現には埋もれていた色ディテールが浮かび上がって見えるようになり、まるで視力が良くなかったかのような見え方になるのに感動する。それこそ、遊び慣れているゲームであればあるほどその感動は大きくなるはずだ。

特記すべきは、この4Kファインリマスターエンジンによる超解像処理は、低表示遅延を実践する「ゲームモード」と組み合わせられるという点だ。映画視聴時だけでなく、ゲームプレイ時にも積極的に活用していきたい機能だ。

フルHDのゲーム映像を4Kで見るか、それともあえて「フルHDのまま」で見るか

「PCゲームは4K出力して4Kで楽しみたいが、現行ゲーム機はフルHD出力なので、それをそのまま超解像なしで楽しみたい」…そんなことをいうHiFiゲーマーがいるかも知れない。

TH-L65WT600は、そんなわがままにも対応できるよう「1080pドットバイ4ドット」機能を備えている。

「1080pドットバイ4ドット」機能の設定。「ゲームモード」との併用もOK!

名前は長いが、実はやってくれることは結構シンプルで、入力映像がフルHDだった場合、1920×1080ドットの各ピクセルを、TH-L65WT600の3840×2160ドットの液晶パネルに対して、単純に4ピクセル分で描画してくれるのがこの機能なのだ。

言い換えれば、TH-L65WT600の4KパネルをフルHDパネル的に活用する機能だともいえる。

4Kファインリマスターエンジンによる4K化映像に見慣れてしまうと、フルHD映像がなんともドット感の強い映像に見えてしまうが、65インチのフルHD解像度の液晶パネルでフルHDを見るとそんな感じなのである。

ゲームをプレイしない一般ユーザーであっても、TH-L65WT600ユーザーになった暁にはこの機能を試してみると面白いと思う。来客時にもしばらく4K化映像を見せたあとで「フルHDだとこんな感じなのよ」…と見せて上げると、4Kテレビ所有の優越感も増すことだろう(笑)。

1080pドットバイ4ドット=オン。つまり、TH-L65WT600に対してフルHD表示をさせている状態
1080pドットバイ4ドット=オフ。フルHD映像を4Kファインリマスターエンジンを通して4K化して表示させている状態。同じTH-L65WT600に表示させている映像なのにここまで違う!