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もちろん、IPSiO G707のアドバンテージは速度だけではない。その印刷品質、特に普通紙への印刷品質には目を見張るものがあった。試しに、普段、レーザープリンターで利用している普通のコピー用紙を使って印刷してみたが、本当ににじみのない鮮明な印刷結果を得ることができた。 通常のインクジェットプリンターの場合、普通紙への印刷では、どうしてもにじみによって細かい文字などがツブれてしまう傾向にあるのだが、小さなフォントの文字はもちろんのこと、表中の数字、図版の中の注釈や説明など、細かな文字までクッキリと印刷されていた。これは、細かな部分が見やすいというだけでなく、印刷物を全体を見たときの印象にも影響がある。IPSiO G707の印刷物は、パッと見たときの印象が非常にシャープなのだ。見る人に良いイメージを与えられる点も、このプリンターの大きな特長のひとつだろう。 このようにシャープで見やすい印刷が可能なのは、ひとえに「GELJET」テクノロジーの恩恵だ。IPSiO Gシリーズで採用されているGELJETビスカスインクは、一般的な染料インクに比べて高い粘度特性と紙への高い浸透性を持っており、インクは紙に着弾すると、その瞬間に紙の繊維に浸透を始め、瞬時にGEL(ゲル)化して乾燥する。このおかげで、細かな文字などの印刷もキレイにこなせるのだろう。 筆者の場合、編集部から送られてきたPDF形式の紙面レイアウトを印刷し、それを見ながら原稿を執筆することが多いのだが、これまでは速度やコストのことを考えて、主にレーザープリンターを使ってモノクロで印刷していた。全体的なレイアウトを確認するのはモノクロでも十分で、カラーで確認したい部分はPCの画面で確認すればいいと考えていたからだ。
しかし、IPSiO G707の速度やクオリティを目の当たりにしてしまうと、これまでの作業形態がムダに思えてくるようになってしまった。カラーで、速く、しかもキレイに印刷できるのであれば、やはりそれに越したことはない。現在、併用しているモノクロレーザーとカラーインクジェットの2台を引退させて、IPSiO G707に1本化しようかと真剣に悩んでいる。 |
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このほかIPSiO G707で印象的だったのが、「レベルカラー印刷」という機能だ。印刷時、プリンタードライバの設定画面で「レベルカラー」を選択すると、ドキュメントの種類を自動的に判断して、プリンターが濃度調整をしてくれる。 具体的には、ドキュメント内の文字などの濃度はそのままに、グラフや表などのイメージやグラフィックの部分の濃度が薄く印刷される機能だ。一般的なプリンターにも、同様にドキュメントの濃度を調節する「ドラフト印刷」という機能が備えられているが、これがドキュメント全体の濃度を薄くしてしまうのに対して、レベルカラー印刷では必要な部分の濃度は濃いままに保たれるのが特長だ。 実際にレベルカラーを設定して印刷してみたが、確かに通常の印刷に比べてグラフなどのイメージやグラフィックの部分が薄くなるものの、通常の文章やキャプションなどの文字は通常印刷同様、見やすい濃度が保たれていた。 これは、プレゼン資料など、多くの部数を印刷するときに便利な機能だ。通常のモードでの印刷は確かにキレイだが、大量のインクが必要になり、そのコストがかさんでしまう。しかし、レベルカラー印刷であれば、カラーインクの消費量を最低限に抑えることができる。もともとGELJETカートリッジはコストパフォーマンスも高く、Lサイズカートリッジの場合、フルカラーで約8.3円/枚※1、モノクロで2.3円/枚※2とランニングコストが低いが、レベルカラー印刷を利用すれば、さらにコストを節約できるはずだ。
また、プレゼン資料などの場合、印刷物のクオリティをいつまでも保てることが重要になってくるが、こういった点でもIPSiO G707の優位性は高い。GELJETインクの場合、前回も解説したように耐水性や耐光性も極めて高い。プレゼン資料を持ってクライアントを訪れるときに、不幸にも雨に見舞われたといったような場合でも、大切な資料をにじみから守ってくれる。 実際、普通紙に印刷したドキュメントを水に浸してみたが、確かに用紙は波打ってしまうものの、印刷された文字はにじむことなく、指でこすってもインクがかすれるようなこともなかった。普通のインクジェットプリンターなどでは考えられない驚異的な耐水性と言っていいだろう。 |
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![]() ![]() このように、IPSiO G707の実力をさまざまな角度から検証してみたが、その速度、クオリティともに、相当に高いものであると実感させられた。これまでのプリンターのイメージを覆すほどのインパクトを持った製品と言っていいのではないだろうか。
ここで検証した以外にも、プリンター上部にモノを設置できるようにデザインされた省スペース性の高いデザインや両面印刷への対応といった特長も備えており、あらゆる点で隙のない製品だと言える。特にオフィスなどでの利用は最適で、既存のインクジェットプリンターの置き換えはもちろんのこと、場合によってはレーザープリンターーとの統合なども十分に考えられる実力を持っている。オフィスの印刷環境の効率化に一役買う製品だと言っていいだろう。 |
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