レーザーとインクジェットのイイトコ取り!IPSiO G707/505
リコー IPSiO G707/505のGELJETテクノロジーに迫る カラーレーザープリンターの品質とスピードを持ちながら、インクジェットプリンター並の手軽さを実現。これまで相反すると考えられてきた双方の特長を見事に両立させたリコーの「IPSiO G707/505」。高粘度で、しかも高浸透性を持つ全く新しいインク「GELJETビスカスインク」によって実現される「GELJETテクノロジー」の詳細に迫ってみよう。


カラーレーザーか? インクジェットか? 

プリンター、特にカラープリンターを購入する際に悩ましいのは、どのような方式の製品を選ぶかだろう。個人ユーザーであれば、費用の問題からインクジェットプリンターを選ぶことが多いかもしれないが、企業やSOHOユーザーの場合、カラーレーザーとインクジェットのそれぞれの特長を考慮し、どちらを選ぶかを慎重に検討しなければならない。

 しかし、この比較検討は、実際のところ非常に難しい。というのも、カラーレーザー、インクジェット共に、それぞれ相手にはない特長を備えているからだ。たとえば、スピードとコストが代表的だろう。カラーレーザープリンターは、確かに高速な印刷が可能だが、その価格は20〜30万円前後、高機能な製品であれば100万円前後というのも珍しくない。一方、インクジェットは個人向け製品が数多く出荷されていることもあり、その価格は非常に低く、普及型の製品であれば3〜5万円前後で購入できる。しかしながら、最近のインクジェットは速くなったとは言え、やはりカラーレーザーほどの速度は期待できないことが多い。

カラーレーザーとインクジェットプリンターの特長比較
  カラーレーザープリンター インクジェットプリンター
初期コスト ×(18万前後) ◎(5万前後)
ランニングコスト ×
カラー印刷速度 ○(6ppm前後) △(3ppm前後)
モノクロ印刷速度 ◎(20ppm前後) △(6ppm前後)
カラー印刷品質
モノクロ印刷品質
普通紙への印刷 ×

※代表的な1ドラム式A4カラーレーザープリンターとA4インクジェットプリンター製品でのフルページ印刷スピードでの比較

 また、実際にはこれが最も大きな違いと言っていいが、普通紙への印刷品質という点で、両者には決定的な違いが表れる。誰もが一度は試したことがあると思うが、インクジェットプリンターを利用した普通紙への印刷は決して褒められるような品質とは言えない。ひどい場合、色がにじみ、用紙が波打ってしまう。個人的な用途で一時的に印刷するならまだしも、これをプレゼンなどの資料に使うことは到底、考えられないだろう。プレゼン資料のように、一定の品質のものを、多数、しかも高速に普通紙に印刷するのであれば、やはりカラーレーザーが有利となる。

 つまり、現状のカラープリンターでは、その種類によって得手不得手が存在し、どちらか一方を選ぶことが難しいというわけだ。理想を言えば、カラーレーザーの速度と品質を備えながら、インクジェット並に低価格で扱いやすい製品が望まれるところだろう。

 

GELJETテクノロジーが解決
 

高速印刷と高画質を実現する
GELJET™ワイドヘッド

普通紙で高画質の秘密は、
GELJET™ビスカスインクだ。

     
   

インク粘度テストを行って、GELJETビスカスインクのメリットを実感した。にじみがなく、すぐに紙に定着していく。染料インクはどんどん広がりにじんでしまっている。他社の顔料インクは粘度が低く、サラサラしているため、乾燥も定着も遅い。

 

 それでは、カラーレーザーとインクジェットのいわば「イイトコ取り」をしたような都合のいい製品は現実に存在するのだろうか? もちろん、これまでは存在しなかったのだが、ここに来て、かなり理想に近い製品が登場してきた。リコーから発売されたジェルジェットプリンター「IPSiO G707/505」がそれだ。

 この製品の本体標準価格は、G707が89,800円、G505が59,800円となっており、ハイエンドのインクジェットプリンターとほぼ同等のリーズナブルな価格設定がなされている。また、印刷速度も高速で、G707でカラー毎分8.5枚*1、モノクロ毎分14枚*2、 G505でカラー毎分7枚*1、モノクロ毎分9枚*2と、まさにカラーレーザー並の実力を誇っている。前述したコストとスピードという問題点を高いレベルで両立させている製品と言っていいだろう。
      *1 JEITA標準パターン J6 (A4)を「標準はやい」モードで印刷した場合
      *2 JEITA標準パターン J1 (A4)を「標準はやい」モードで印刷した場合

 そして、何より特筆すべきなのが、この製品に採用されている「GELJETテクノロジー」と呼ばれる独自技術だ。基本的なしくみはインクジェットに似ているが、画期的なインクを利用する全く新しい印刷方式となっている。それでは、GELJETテクノロジーのしくみを、現状のインクジェットの印刷方式と比較しながら紹介していこう。

 まずは、インクジェットだが、これは文字通り、プリンターヘッドからインクを吹き出すようにして、紙にインクを定着させる印刷方式となる。基本的なしくみについては、GELJETテクノロジーも、これとほぼ同様だ。IPSiO G707/505では、1.27インチという大きなサイズを持つ「GELJETワイドヘッド」が採用されているが、ここからGELJETビスカスインクを噴出して印刷を行なう。

 では、インクジェットと何が違うのかというと、利用するインクが異なる。インクジェットの場合、一般的には染料インクが使われている。染料インクとは、水に溶ける性質を持ったインクのことで、この水溶性の色材を溶剤に混ぜてインクとして利用する。問題は、このインクの性質だ。染料インクの場合、噴出されたインクは紙に着弾すると、紙の繊維にまで染み込んでしまう。つまり、これが広がって「にじみ」の原因になったり、用紙が波打ってしまうわけだ。

 もちろん、最近のインクジェットには、染料インクの弱点を克服すべく、不溶性の顔料インクを採用した製品も登場しつつある。顔料インクの場合、その色剤は溶剤には溶けず、固形のまま溶剤の中に分散している。これをプリンターヘッドから噴出すると、紙に着弾後、溶剤だけが乾燥し、顔料の色材だけが紙の表面に定着することになる。この方式は、確かに前述した染料インクの問題をクリアすることができるが、その一方で、溶剤が乾燥しにくく、定着に時間がかかるという欠点も持っている。

 そこで登場したのが、IPSiO Gシリーズで採用されているGELJETビスカスインクだ。GELJETビスカスインクも顔料インクの一種だが、一般的なインクに比べて、はるかに高い粘度特性と紙への高い浸透性を持っているのが特長だ。このため、前述した顔料インクとは、紙にインクが着弾してからのプロセスが異なる。GELJETビスカスインクの場合、インクは紙に着弾すると、その瞬間に紙の繊維に浸透を始め、瞬時にGEL化して乾燥する。染料インクのように紙に浸透するが、GEL(ゲル)化するため、にじみや広がりを押さえることができる。また、一般的な顔料インクと違って乾燥も早いというわけだ。

 


普通紙で威力を発揮! 

 

複数のインク滴を紙への着弾前に空中で合体させて最適なインクサイズをつくりだす独自の「M-Dot(Modulated Dot Technology)」。

 このようなGELJETテクノロジーによって出力された印刷物は、どちらかというとカラーレーザーで出力したものに近い印象だ。普通紙を利用した場合でも、インクジェットのようなにじみはなく、カラーレーザーでの出力のように文章の一文字一文字が、そして図表の細部にわたる部分までがクッキリと、シャープに表現される。

 インクジェットで出力した印刷物などでは、画数の多い文字がにじみによってツブれて、ただの黒い四角のようになってしまうことがよくあるが、IPSiO G707/505での出力では、そういった傾向も見られない。小さなフォントの文字までも非常に見やすいのが印象的だ。

 また、顔料色材ならではの高い耐久性も特長だ。水に溶けない特性を持っているため、出力した印刷物に水滴などがついたとしても、印刷表面のにじみを押さえることができる。また、耐光性も優れており、蛍光灯や日光に長時間さらされても色あせしにくく、長期保存に向いている。印刷物に求められるさまざまな要求を高いレベルで実現していると言っていいだろう。

 

GELJETビスカスインクの特長
  染料インク 顔料インク GELJETビスカスインク
印刷方法 紙の繊維に染み込む 紙表面に定着 GEL化して浸透と同時に
紙表面に定着
性質 水溶 不溶 不溶
発色性
定着性
耐水性 ×
耐光性 ×


用紙のたわみもなく、スピーディーな印刷が可能 

 

レーザープリンターで使用されている静電吸着ベルトで用紙を搬送する「GELJET™ BTシステム」を採用。従来のローター搬送と違って用紙全体を支えて搬送するため、たわみのない安定した紙送りが可能になった。

 このほか、IPSiO G705/505では、用紙の搬送方式が工夫されている点も他の製品にはない特長だ。レーザープリンターでも利用されている静電吸着ベルトを用いた用紙搬送システム「GELJET BTシステム」が採用されており、インクジェットプリンターで一般点なローラー搬送方式にくらべて用紙端部のたわみを押さえることができるようになっている。

 もちろん、印刷速度も高速だ。前述したように、IPSiO G707/505には1.27インチという大型のプリンターヘッド(GELJETワイドヘッド)が採用されており(1ヘッド384ノズル)、一度に印刷できる印刷幅を広く確保。同時に高密度の印刷を可能にしている。G707でカラー毎分8.5枚、モノクロ毎分14枚、G505でカラー毎分7枚、モノクロ毎分9枚という、カラーレーザーに迫る印刷速度を実現できているのも、このヘッドのおかげと言っていいだろう。

 さて、このような数々の新技術を搭載したIPSiO Gシリーズの特長を踏まえて、もう一度、冒頭で紹介したプリンターの種類ごとの違いを整理し直してみよう。

 

IPSiOの優位性
  カラーレーザー インクジェット IPSiO G707
初期コスト ×(18万前後) ◎(5万前後)
ランニングコスト ×
カラー印刷速度 ○(6ppm前後) △(3ppm前後) ◎(8.5ppm前後)
モノクロ印刷速度 ◎(20ppm前後) △(6ppm前後) ○(14ppm前後)
カラー印刷品質
モノクロ印刷品質
普通紙への印刷 ×

 

 

コンパクトかつ低ランニングコストを実現した超高速GELJETプリンター「IPSiO G」は、オフィスに最適

 上記の表に示すように、コスト、速度、品質のどれを取っても、IPSiO Gシリーズが優位であることは明らかだろう。IPSiO Gシリーズの登場によって、どうやらカラープリンター選びに頭を悩ませることもなくなりそうだ。


次回は、「IPSiO G 707」を自分のオフィスで使ったレポートをお届けしよう。
仕事モードでヘビーに使ってみたので、乞うご期待!

 

□株式会社リコー ホームページ
 http://www.ricoh.co.jp/

□製品情報
・ジェルジェットプリンターを体感「IPSiO G スペシャルサイト」
 http://www.ipsiog.com

□関連記事
・リコー、顔料インクを採用した企業向けA4インクジェットプリンタを発表(Enterprise Watch)
 http://enterprise.watch.impress.co.jp/cda/hardware/2003/11/19/604.html
・リコー、ビジネス向け高速A4インクジェットプリンタ(PC Watch)
 http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/1119/ricoh.htm