◆ DVR-A03・A04・A05と来たら... 記録型DVDドライブにおいてスタンダードなポジションを確率したPioneer。毎回毎回エポックメイキングな製品を投入しては、我々ユーザーを驚かせてくれる。DVR-A03・A04・A05と順調きて、いきなりSK11だ。「つぎ11なのかよ!!」と、推定2千5百万人DVDマニアのツッコミが一斉にPioneer所沢工場方面に向けられたかと思う。 もっともあれは薄型ドライブなので従来のラインナップとは違うわけだが、ハーフハイトドライブの次期モデルってのは順番からすればA06だろうと、大方の人が予想していたことだろう。また同時に、やれることをすべてやり尽くした感のあるA05の次はどんな進化をするのか、期待が高まっていたわけである。 そして今年6月、その噂のA06こと「DVR-A06-J」がいよいよ登場する。 ◆ DVD+R/RWをサポート! 今回のA06最大の特徴は、前モデルA05に搭載された新技術をそのままに、なんとDVD+R/RWの読み書きにも対応したところだ。したがって書き込み対応メディアはなんと6種類。DVD-R/RW、DVD+R/RW、CD-R/RWという豊富さである。DVDフォーラムの重鎮であるPioneerのドライブがDVD+に対応することで、いろいろな波紋を呼びそうだが、Pioneerとしてはユーザーの混乱を避けるため、と説明している。 これは企業としてのスタンスに関係することだが、Pioneerという会社は古くはレーザーディスクに始まってCDドライブ、そしてプロ用DVD for Authoring時代から現在に至るまで、延々と光ディスクドライブを作り続けてきたメーカーだ。したがって、「何かの都合で読めない・書けない」ってことに対してものすごく神経を使っている。もう読めなくてもいいんじゃないですかオレたち諦めますからと言っても、「いやあもうちょっと」といってがんばっちゃうヒトタチ、って感じだ。そういうスタンスというか意地とド根性が、DVD+の対応として現われたのではないか、と筆者は思うのだが。 4倍速対応の前モデル、A05の登場によって、記録型DVD市場は完全に火が着いたと言っていい。すると今まで記録型DVDを全く知らない人達だって、CD-Rと同じだろといった感覚でユーザーになってくる。もうDVD-も+も一緒くたにしてメディア買ってきちゃうということが、現実にあり得るような時代になっているのだ。そこでいちいちDVDフォーラムとかDVD+RWアライアンスとか説明しても、始まらないのである。それだったらもう-も+も関係なく、何買ってきても読み書きできるようになったほうがいい。その方がユーザーも便利だ。 ◆ A06だけの新技術搭載 ではそんなA06のスペックをチェックしよう。まず外観の変更点だが、フロントベゼルを見てお気づきだろうか。いやDVD+RWのロゴがあるのは当たり前として、従来モデルでは標準搭載であったヘッドホン端子とボリュームがなくなっている。これはかつてCD-ROMドライブで音楽CDも再生していた頃の名残りだが、さすがにもうこの端子を使っている人もいないだろうということで、省略されている。一方A05でマニアに評判の良かった黒トレーは、引き続き今回も採用されている。
次に各メディアの記録・再生スピードを見てみよう。DVD-R/RWの記録速度はA05と同じ、DVD+Rは4倍速メディアに対応している。DVD+RWは標準の2.4倍速だ。またCD-RWは従来の8倍速から10倍速にアップしている。
だがA06を、単にDVD+対応しただけのドライブだと思って貰っては困る。それ以外にも投入された2つの新技術があるのだ。この新技術を一言でまとめるなら「DVD-RWの強化」である。 DVD-RW強化テクノロジーの一つが、プレシジョン・レコーディング・テクノロジー(Precision Recording Technology)だ。各メディアメーカーのDVD-RWディスクの記録特性を徹底的に調査し、最適な書き込みができるようにピックアップをチューニングすることで、ディスク品質のバラツキによる記録エラーを大幅に減少させている。これにより、初期記録特性を向上させるだけでなく、書き換え回数が多いディスクでも安定した書き込みができるようになる。その向上率は、なんと従来機の10倍。今までDVD-RWはメディアのコンディションにシビアだという印象だったが、これでずいぶんユーザーの受け止め方も変わってくるだろう。 もう一つのDVD-RW強化テクノロジーは、デフェクトマネージメントだ。DRT-DMと呼ばれるこの技術をDVD-RWで採用したのは、A06が世界初である。この技術は、例えば書き込み中にメディアに付いたホコリや傷などによってエラーしたブロックがあったとする。するとDRT-DM機能が働いてその部分をスキップし、安全な部分からもう一度データを書いてくれるのである。
このようなエラー補償技術は、DVD-RAMでは早くから規格の中に盛り込まれている。またCD-RWのMt.Rainierでも同様の機能が盛り込まれた。今回、A06がDRT-DMに対応したことで、DVD-RWのパケットライトは、より信頼性が高まったことになる。 ◆ 機能強化されたバンドルソフト群 A06本体だけでなく、バンドルのソフトウェアも大きく進化する。その一つが、Sonic MyDVDだ。現在バンドルされているのはVer4.0だが、6月末にリリースが予定されているMyDVD Ver5.0への無償アップグレードパスが用意されている。このVer5.0では新たに、Pioneer DVR-55、77H、99HのようなDVDレコーダで録画したVR記録のメディアを読み込んで編集・オーサリングしたのち、DVDビデオフォーマットとして書き直すという機能が搭載される。録画ライブラリの整理も一段と楽になると言うわけだ。
またA06バンドル版独自のサービスとして、オーサリング時に音声をDolby Digital(AC-3)にエンコードできる機能が付く。従来のリニアPCMに比べて大幅に容量が削減できるため、その分を映像の画質向上に回すことができる。しかもAC-3はNTSCのDVD Video規格公式オーディオフォーマットなので、DVDプレーヤーとの互換性もバッチリだ。
そのほか、従来のPioneer製ドライブですっかりおなじみとなった解説書「DVD活用ハンドブック」も、好評につき引き続きバンドルされることとなった。もちろん刷新されたソフトウェアに合わせて、内容もリニューアルされている。セットアップからソフトウェアの使いこなしまで、初心者でも安心して取り組めるだろう。 ◆ 総論 量販店のメディア売り場に行くと、今やDVDメディア売り場もCD-Rのそれに匹敵するほどのものすごい種類と物量になっている。デッキ型DVDレコーダ市場が拡大してきていることも手伝って、DVDのメディア選びは、以前に比べると格段に混乱しやすくなっている。 多くのメディアメーカーがDVD-とDVD+のメディア両方を製造しているが、パッケージデザインがメーカーのブランドイメージが中心となっているため、両者のメディアがひどく似ているものがある。-と+のメディアを両手に持って固まっている人も見かけるようになった。そういう状況でも、とりあえずどんなに間違ってもDVD-RAMさえ買ってこなければどちらでも使えるA06は、ビギナーにも安心して勧められるドライブだ。 もちろんフォーマットに詳しい人であれば、すべてのフォーマットをケースバイケースでうまく使い分けてもいいだろう。特に今回はDVD-RWの安定性強化が行なわれたため、今後RW系メディアを使った追記バックアップやDVDレコーダとのコンテンツやりとりなど、用途が広がりそうだ。 いよいよ記録型DVDが普及タームに入った現在、PC用としてはこのような複数フォーマットに対応するドライブが主流になってくる。現在DVD+派のユーザーも、DVD-R/RWが使えるようになるメリットは大きいだろう。Pioneer DVR-A06-Jは、両派ユーザーともにオイシイドライブなのだ。 「Pioneer DVR-A06-J徹底解析!
パイオニアのホームページ
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
この記事に関するお問い合わせ<watch-adtieup-pioneer0306@ad.impress.co.jp> [PR]企画・製作 インプレスウォッチカンパニー 営業部編成課 Copyright (c) 2003 Impress Corporation All rights reserved. |