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PC Watch特別企画
進化して生まれ変わったEDiCube MV1300H
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パソコン直販で人気が高いエプソンダイレクト。中でも設置場所を取らないスリムPCであるEDiCube MXシリーズは、価格に対する機能の豊富さとデザインの良さで人気の高いラインナップだ。今回、そのEDiCube MXがEDiCube MVシリーズとして生まれ変わった。さらなる機能強化が図られたという、その全貌に迫ってみよう。
PC Watch特別企画
 機能も操作レスポンスも
レビュー Edi Cube MV1300H
インタビュー 杉田氏X深澤氏
 では実際に電源を入れてみよう。電源を入れたときには、その静かさに驚かされた。ちなみに電源投入直後は大きなファンの音がするが、すぐに静かになる。これは、搭載されているCPUクーラーが温度監視による自動可変タイプなので、通常使用時は非常に静かなのだ。願わくば、HDDがもう少し静かだということはなかったのだが、ひどく気になるほどでもないので許容範囲ではあるだろう。
 さて、本製品にプリインストールされているソフトウェアだが、以下のとおりである。
  • Symphovision(テレビ視聴・録画ソフト)
  • Symphomovie(動画編集ソフト)
  • Ulead DVD MovieWriter 2.1SE for EPSON DIRECT(DVD+VR編集ソフト)
  • WinDVD4(ソフトウェアDVD再生ソフト)
  • デジカメde!!同時プリント Lite for EPSON DIRECT(ホームDPEソフト)
  • B's Recoder GOLD5 PE(CD/DVDライティングソフト)

 とくに最初の二製品はエプソンダイレクトの製品で以前から搭載され、徐々にバージョンアップしてきたソフトであり、本製品の正確からいっても気になるソフトだ。さっそくチェックしてみよう。
Symphovisionのメイン画面。操作パネルと画面が完全に分離しており、操作パネルのボタンのほとんどは機能が文字で書かれているので、マニュアルなどを参照しなくても操作が行える
 まずはテレビ視聴・録画ソフトのSymphovisonである。Symphovisionはテレビ映像が表示される画面と操作パネルが分離しているが、実際の操作では操作パネル部分のみを操作すればいい。
 テレビ映像については、その画質の高さが印象的だ。とくに色のコントラストがくっきりしており、見た目の印象が良い。ここは3次元Y/C分離が有効に働いているのだろう。
 HDDやDVDへの録画は、操作パネル上の[HDD録画][DVD録画]ボタンをクリックすれば開始されるが、これが非常に軽快。とくにHDD録画についていえることだが、ボタンを押すと画面が一瞬消え、即座に録画が開始されるのだ。そのラグは数分の1秒の世界であり、「あっ」と思った瞬間に録画が開始できる。
Symphovisionの設定画面。ここではHDD録画とDVD録画の各フォーマットや画質を指定できる。ちなみにタイムシフトはデフォルトでオンになっており、オフにすると全体の軽快感がさらに増した
Symphovisionの設定画面の続きである。画面の輝度やコントラストなどの調整、ノイズリダクション、3次元Y/C分離といったテレビ画面の表示に関する設定はこの画面でまとめて調整できる
デジタルノイズリダクションに関しては、さらに細かな調節が可能だ。ここは内容が専門的で分かりづらいが、実際に触ってみると画面の雰囲気が変わるのが分かるので、いろいろ試してみるといい
録画予約は最近では当たり前ともいえるiEPGにもしっかり対応している
(iEPG予約サイト:テレビ王国
iEPGによる録画予約、手動予約録画ともに、この画面が利用される。録画フォーマットの設定などもここで行っておける
ネットワークでの配信機能。この画面はサーバー側の設定画面だが、設定しておく項目はこれだけ。あとはクライアント側の作業だ
こちらがクライアント側となるSymphovision ST。Symphovisionよりもかなりシンプルだが、HDDへの録画指示が行える(クライアントへの保存は不可)。なお設定すべき内容は配信サーバーのコンピュータ名を指定するだけだ
SymphomovieのDVデッキモード。左上にDVの再生画面が表示されることになる
こちらはエディットモード。タイムラインに沿って動画や効果などを配置している一般的な動画編集ソフトだ。書き出し先はCD/DVD-Video形式のほか、AVI形式やWMV9形式、MPEG2形式での保存ができる
DVDへの書き出しではメニューなどもつけられる。チャプターはエディットモードで設定できるようになっており、メニューへ自動的に反映される。ただし書き出し前の確認が行えないのが少々残念である
エー・アイ・ソフトの「デジカメde!!同時プリント Lite for EPSON DIRECT」。画面右側で印刷する写真を、左側で出力したいレイアウトを選択するだけの簡単操作だ
簡単なレタッチも行える。自動修正、トリミング、赤目補正などは多用する機能だけに、これらをおさえてある点は嬉しい限りだ
 ちなみにHDDへの録画はMPEG2へのリアルタイム保存が可能だ。このあたりは設定画面から選択できるようになっている。ここからDVD+Rなどへ直接録画した場合のファイナライズ処理も行えるようになっている。また、HDD録画とは別にDVDへの直接録画も可能となっている。直接DVDへ録画し、すぐに別のDVDプレーヤーで見ることができるのは便利だ。一度HDDに録画した1時間の番組をSymphovisionの標準モードで4倍速対応のDVD+Rメディアにダビングしたところ、約9分だった。
 設定画面では、このほかに3次元Y/C分離やデジタルノイズリダクション処理のオン/オフが行える。画面を見ても分かるように、チューナー入力だけでなく、ビデオ入力に対しても3次元Y/C分離が適用できるのは評価できる。なお、デジタルノイズリダクションに関しては、さらに細かな設定が行えるので、映像の映り具合を見ながら調節するといいだろう。
 予約録画ももちろん可能だ。予約録画は手動設定はもちろんだが、iEPGによる設定も行える。
 このほかに特筆できる点として、ネットワーク上のほかのPCにテレビ映像を配信することもできるのである。つまりホームAVサーバーのような役割を持たせられるのだ。使い方も簡単で、サーバー機能はSymphovision本体でサポートしており、配信する映像サイズやビットレートを指定しておけばOKだ。クライアント側ソフトは付属のSymphovision STをインストールして利用する。クライアント側からでもチャンネルの変更などが行え、多少タイムラグはあるように感じるものの、本製品で直接触っているのとあまり変わらない感覚で視聴できる。なお、この場合はサーバー側PCとクライアント側PCで同時に映像を表示することはできない。また、クライアント側PCでの録画開始後の視聴もできない。
 先のHDD録画のところもそうだったが、とにかく軽快な動きのソフト、というのが全体の印象だ。視聴については「PC上でテレビを見る」と身構える必要はなかったし、録画についてはPCならではの利便性を十分に享受できるものとなっている。
 さて、続いてはSymphomovieを使用してみよう。SymphomovieはDVからのキャプチャーも行える動画編集ソフトである。画面はDVを操作しキャプチャーを行う「デッキモード」と、動画編集を行う「エディットモード」に分かれている。
 エディットモードではトランジションやテロップなどをつける一般的な編集が可能で、最終的な結果をDVD-Videoとして出力することができる。なお、DVD-Videoの出力に際してはメニューなども付けられ、動画編集中に設定したチャプターがメニューに配置されるようになっている。なお、DVD-Video形式での出力はDVD+RW/+Rドライブへ直接出力され、HDDなどへ書き出すことはできない。また、SymphomovieではDVD+VRが利用できず、Ulead DVD Movie Writerを利用することになるのは注意が必要だ。この二点は今後の改良に期待したいところだ。
 さて、最後にそのほかのアプリケーションについても触れておこう。まずUlead DVD Movie Writerは先に紹介したとおり、DVD+VRを利用するためにバンドルされているものだ。
 ソフトウェアDVDプレイヤーはWinDVD4が採用されている。光端子出力を利用したDolbyDigital出力は行えるが、DTSに対応していない点がちょっと残念ではある。
 デジカメde!!同時プリント Lite for EPSON DIRECTは、エー・アイ・ソフト製のホームDPEソフトである。プリンターを繋いでおけば、写真を選んでボタンを押すだけで印刷が開始される簡単ソフトだ。また、インデックスプリントやポストカードなどへの印刷も選択でき、デジカメ写真を多彩なレイアウトで印刷可能だ。このほか、簡単なレタッチも可能であり、フロントパネルに搭載された4 in 1スロット(SDカード、マルチメディアカード、メモリスティック、スマートメディア)とセットで使うと便利そうなソフトといえる。
  性能十分、機能満載なスリムPCが低価格で入手できる
レビュー Edi Cube MV1300H
インタビュー 杉田氏X深澤氏

 以上、新しくなったEDiCube MV1300Hを試用してきた。ちなみに価格は標準構成で本体のみで129,800円、17型ワイド液晶ディスプレイ込みで184,600円となる。この価格を見て何より驚かされるのが、3次元Y/C分離やゴーストリデューサーを搭載したテレビチューナーカードを搭載して、よくぞこの価格に収めた、という点だ。こうした機能が付いたテレビチューナーカードは、安いものでも3万円前後する。低価格を一つのウリにする本製品のようなPCに載ったことは衝撃的ですらあるのだ。
 加えて、533MHz FSBのインテル(R)Pentium(R)4 プロセッサ 2.66GHz、プレクスターのDVD+RW/+Rドライブが搭載されているのだから、どうやってこの価格に収めたか不思議になってくる。そのぐらいコストパフォーマンスは高いといえる。
 MVシリーズは6モデルのラインアップとなっている。(MV1100H/P、MV1300H/P、MV1500H/P)。例えば今回試用したMV1300Hは120GBのHDDが搭載されていたが、HDD録画を重視するなら180GB、HT テクノロジ インテル(R)Pentium(R)4プロセッサ3.06GHz搭載のMV1500H/Pにすればいいし、逆にDVDへの直接録画を中心に行う予定でHDD録画はあまりしないというなら80GB、インテル(R)Celeron(R)プロセッサ2GHz搭載のMV1100H/Pを選べばいい。(現在オンラインで注文すると特別割引が適用される)
 増設・拡張は、自己責任の範疇になるので、できればメーカーが保証してくれるほうがいいという人もいるだろう。このEDiCubeMVシリーズは、メーカーが検証を繰り返した信頼性の高いシステムなので、ユーザーとしても安心できるのだ。また、スリムPCだとケース内が狭く、増設・拡張の作業自体が面倒、というのも見逃せないポイントである。
 価格、メーカー製品の信頼性を兼ね備え、パフォーマンス、機能ともに十分なスペックを持つEDiCube MV1300Hは、そのデザインからもリビングなどで気軽にPCを楽しめる製品といえるだろう。
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EDiCube MVシリーズ
■エプソンダイレクトホームページ
  http://www.epsondirect.co.jp
■関連記事(2003/6/5)
 ・エプソンダイレクト、DVD録画対応のスリムデスクトップ。共通デザインの17型ワイド液晶も発売
  http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0605/epsond1.htm
 ・エプソンダイレクト、DVD+R/RWドライブ搭載のノートPC「EDiCube R」(2003/6/5)
  http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0605/epsond2.htm
※インテル、Intel Insideロゴ、Pentiumはアメリカ合衆国およびその他の国におけるインテルコーポレーシ
  ョンまたはその子会社の商標または登録商標です。
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  http://www.microsoft.com/piracy/howtotell
※こちらに記載の内容は6月5日時点のものです。スペック、価格等は変更する可能性がありますので最
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