SFアクションシューティング超大作「Halo」最新作が、ついに登場!『Halo 3』
HALO 3
Haloシリーズとは?〜マイクロソフト・ゲームプラットフォームの看板タイトル
 Haloシリーズの第一作「Halo」(本稿ではHalo 1と記する)はマイクロソフトのゲーム機初代「Xbox」の大ヒット作で、欧米でのXboxの認知度を決定的に引き上げた立役者的ソフト。2001年11月15日(日本国内は2002年4月25日)、初代Xbox本体と同時に発売された「Halo 1」は発売後4ヶ月で100万本のミリオンセラーを記録。本体同時発売タイトルがいきなりのミリオンセラーというケースは珍しい。

初代「Xbox」
「Halo」(プラチナコレクション)



 続編の「Halo 2」は初代Xbox用として2004年秋に発売され、発売初日で240万本を突破。翌2005年には次世代機「Xbox 360」の発売を控え、なおかつ「続編」というダブルハンデという状況にありながらのこの人気ぶりは、すさまじいとしか言いようがない。
 なお、Haloシリーズは、オリジナルリリースからしばらくしてからPC 用ソフトとしてもリリースされている。Halo 1のWindows版は2003年に発売されており、2004年にはMac(OS X)版もリリースされ、今年2007年6月にはWindows Vista専用タイトルとして「Halo 2」がリリースされた(http://ad.impress.co.jp/special/microsoft0705/)。現状で、シリーズ全体での総売上本数は1500万本以上と発表されており、もはや「Halo」シリーズはマイクロソフトのゲームプラットフォームでは名実共に「看板タイトル」となっているといい。

Xbox版「Halo 2」
Windows Vista版「Halo2 」



 記録続きの「Halo」シリーズだが、この9月に発売される「Halo 3」が、再び新記録を樹立した。それは米国において、発売1カ月以上前にして一般消費者の予約段階で100万本を超えたという記録。これはゲーム市場において「100万本最速記録」として報じられている。
 映画の予告編で「全米ナンバーワン・ヒット!!」がもてはやされる日本市場だからこそ、この記録だらけの「Halo」シリーズは気になる存在のはず。
そこで、今一度、ここで「Halo」シリーズの魅力がどこにあるのか探ってみることにしよう。

 

Halo 1(1)〜壮大なるSFの世界へようこそ

 「Halo」シリーズの魅力はなんといっても、その重厚な世界観と濃密なストーリー性にある。
日本で絶大な人気を誇るアニメ「ガンダム」は人類の活動圏が太陽系圏内の内宇宙に広がった話。一方、スペースオペラの金字塔として名高いSF映画「スターウォーズ」は地球とは全く別宇宙の話であった。
 これに対し、「Halo」シリーズは人類が恒星間航行法を獲得して、その活動圏を太陽系圏外の外宇宙に広げた時代のお話になっている。
これからHalo 1,2を通して一気にプレイしようとしている人は、ここからはちょっと読み飛ばして欲しい。
 Halo1,2を一度プレイしていたり、あるいは予備知識を獲得して「Halo 3」からいきなりプレイしてみたいという人は、ここからは「ネタバレあり」と承知の上で読み進めて欲しい。
 Halo 1の舞台は、人類が他の恒星系に移民を開始した宇宙大航海時代の26世紀。
 太陽系から最も遠く離れた植民惑星ハーベストにて人類は地球外知的生命体とのファーストコンタクトを果たす。未知のエイリアン軍は非常に好戦的で、植民惑星ハーベストは瞬く間に滅ぼされてしまう。奇しくも人類とエイリアンとのファースコンタクトは「星間戦争」という最悪のシナリオをたどることになる。
この正体不明のエイリアン軍は複数の種族から成り立っており、何らかの宗教的教義に基づいて行動し、自らを「誓約者」(Covenant)と呼称していることが判明する。こうして、この敵性エイリアン軍は「コヴナント」と命名される。
 コヴナント軍は「人類は我らが神を冒涜するもの」と宣言しており、和解の道が全くないと判断した人類は、その存亡を賭けて決死の抗戦に出る。これは人工知能を搭載したスーパーソルジャー「スパルタン」を、拿捕したコヴナント艦船に乗せてコヴナント母星へ送り込んで攻略するという大胆な作戦であった。
 この作戦を遂行するために、植民惑星リーチ上にて大艦隊が編成されるが、運悪く遭遇したコヴナント艦隊と交戦状態に陥ってしまう。コヴナント大艦隊の前に地球艦隊はあえなく敗退、戦艦オータムを残して全滅させられる。
 結局、人類の科学の粋を結集して育成されたスーパーソルジャーはオータムに乗船していた一人のみとなる。Halo 1のゲームは丁度このあたりからスタートする。

マスターチーフ覚醒シーン。Halo伝説はこの瞬間から始まった
オータムにまで侵入してきたコヴナント軍。Halo1は冒頭から大ピンチ
ゲーム開始直後はただの「エイリアンぶっ殺しゲーム」だが…



 人類はまだコヴナント軍に母星である地球の位置を特定されていないと信じており、「地球の位置を知られることがあってはならない」という地球軍の最高命令もあったことから、コヴナント残存艦隊を引きつけながら、決死覚悟のランダムワープを敢行する。

生き残った戦艦オータムはランダムワープでコヴナント艦隊を引きつけて敗走する。

謎の環状惑星に下り立つ地球軍一行。空に向かって伸びる遠方の風景が、この惑星が"リング"状であることの証



 そして、ワープアウトした先にあったのは、妖しくも美しく輝く謎の環状惑星であった。
 かくして、傷ついた戦艦オータムとコヴナント残存艦隊の戦いの場は、この地球軍、コヴナント軍の両軍の星図にも記載されていない謎の環状惑星上に移る。人類はこの環状惑星を「光輪」の意味を持つ「Halo」と命名するのであった。
 Haloシリーズにおいて、プレイヤーが操る主人公はこの生き残りのスパルタン。彼の階級がUNSC海軍所属の特務上級曹長(Master Chief Petty Officer)であることから、そのまま「マスターチーフ」と呼ばれている。Haloは主人公が高貴な血を引く熱血美青年ではないし、守るべき美少女ヒロインもおらず、このあたりが非常に渋く硬派なハードコアSFな雰囲気作りに貢献している。ヒロインはいない…と言ってしまったが、一応、重要な女性キャラが1人いる。それは戦艦オータムに搭載されていたAI「コルタナ」で、実態のないホログラフの姿でマスターチーフの目前に時々現れアドバイスをくれる。物語が進むにつれて、恋愛感情とまではいかないまでも、微妙な信頼関係がAIとスーパーソルジャーの間で築かれていくドラマ性も見どころではある。

戦艦オータムの艦載AI「コルタナ」。女性型のインターフェースで、後にマスターチーフの補佐AIとしても活躍する。本作では数少ない女性キャラクタ。
「Halo 1」「Halo 2」の両方に登場する名脇役ジョンソン上級軍曹
執拗にマスターチーフ達を苦しめるコヴナント艦隊のエリート族の司令官。黄金の鎧は権力の証!?

 

Halo 1(2)〜戦いは三つ巴戦へ?いいや四つ巴戦に!!

 ゲームは戦艦オータムにコヴナント軍が侵入してきたところから始まるので、当初はシンプルな「エイリアンをぶっ殺せ系シューティング」的なありがちな雰囲気をかもしているが、Haloに上陸してから、ストーリーに深みが出始める。
 コヴナント軍はHaloについて、もともとある程度の知識があったことが伺われ、コヴナント軍はHalo上に瞬く間に拠点を構え始める。マスターチーフ率いる地球軍は、戦いの末、コヴナント軍の基地を制圧。そのデータベースからHaloの恐るべき「機能」を知ることになる。

徐々に明らかになっていくHaloの秘密

だんだんと戦いが、最終兵器Halo争奪戦の様相を呈してくる



 Haloは人工物であり、それ自体が恐るべき「星系破壊兵器」だったのだ。
 こうして、Halo 1の物語は中盤から「Haloの覇権争い」の様相を呈してくる。
 なぜかHaloの構造に詳しいコヴナント軍は(理由は2で判明)、Haloの地中から知的生命体に寄生して増殖する原始生物「フラッド」を発見し、これを対人類用生物兵器として応用しようとするも、異常増殖したフラッドはコヴナント実験施設を汚染。瞬く間にフラッドはHalo中に拡散していく。「フラッド・バイオハザード」で混乱に陥るコヴナント軍。これを好機としてコヴナント軍制圧に拍車を掛ける地球軍だが、フラッドは人類にも寄生を開始。Halo上は地獄画の様相を呈してくる。

寄生生物フラッドの登場。寄生された生物は非常に好戦的になる

コヴナント基地の最下層には寄生生物フラッドに侵されたコヴナント兵達の不気味な死体が散らばっていた
エリート族までもがフラッドの餌食に…



 当初、「地球軍対コヴナント軍」という分かりやすかった戦いが、物語中盤以降に来て、「地球軍対コヴナント軍対フラッド」という三つ巴戦へと姿を変えるのだ。
 ゲームプレイもこのあたりから、ただのシューティングギャラリーから、戦略的な行動を強いられるようになる。ゲーム中、コヴナントとフラッドが戦っているシーンに遭遇するようになり、この戦いに巻き込まれないように進んだり、あるいは邪魔なコヴナントにフラッドをけしかける…と言った第三勢力フラッドを活用したパズル要素が出てくるのだ。
 ストーリー展開としては、このあたりから、Haloの支配権を巡って、人類とコヴナントのそれぞれの利己的な思惑が錯綜するようになり、スリリングかつ味わい深いものになってくる。

人類にも寄生を仕掛けてくるフラッド達
コヴナント軍対フラッドの戦いを傍観しているところ。こうやって戦場に第三勢力のフラッドを引き込んで混乱に乗じて先に進むという戦略もあり

様々なメカに乗って戦えるのもHaloシリーズの魅力



 Haloの中枢にたどり着いた両軍勢は、このHaloを建造した太古の超古代文明種族フォアランナーの"遺物"達と遭遇する。完全に機械化された彼らは、Haloが悪用されないために、フォアランナーが設置した自己防衛システムだったのだ。
 Haloの建造者であり、かつて栄華を極めた古代文明種族フォアランナーは、このHalo建造後に謎の消滅を遂げている事実が発覚する。ますます禁断の兵器であることが浮き彫りになってくるHaloだが、両軍はひるまず、Halo争奪戦は最終局面へと突入していく。

Halo中枢部で空中を徘徊する自己防衛システム「センチネル」
超古代文明種族のフォアランナーが残した自己防衛システムは中枢に侵入したもの全てに対し、容赦ない攻撃を仕掛けてくる
Halo中枢部には人類の侵入を阻むべくコヴナント軍エリートが配備されていたが、全てフラッドに寄生されてしまっていた



 ゲーム最終局面は、このフォアランナーの防衛システムがこの戦争に絡んでくることになり、「人類対コヴナント対フラッド対フォアランナー」という四つ巴戦状態になる。ゲームプレイには、よりダイナミックな誘導や戦術が求められるようになり、3Dシューティングゲームながら、かなり知性が刺激される展開になってくるのだ。

Haloの中枢部には、自己防衛システムのモニターAIのギルティスパークがいた。ギルティスパークはマスターチーフに"ある提案"を持ちかける…。

 

Halo 2(1)〜絶体絶命のプロローグとデジャヴ

 Halo 2は、Halo 1の終了直後の時系列から始まる正統なる続編。
 数々の苦難を乗り越えてでHaloの破壊に成功したマスターチーフは、その功績を称えられ表彰されることになる。
 ちょうど時を同じくして、前作でHaloを破壊されたコヴナント艦隊指揮者のエリート司令官は、その責任を追及され裁判に掛けられ、死刑を宣告されるのであった。

人類最大の危機を救った英雄として表彰されるマスターチーフ。コルタナも祝福に駆け付けた。マスターチーフの横にはジョンソン軍曹の姿も

アルファHalo(前作で登場した最初のHalo)を人類に破壊されたことの責任を問われ、死刑宣告されるエリート司令官



 前作のヒーロー、マスターチーフは表彰され、前作の敵役エリートは死刑を宣告されるという…人生の両極端が銀河をまたいで行われているというドラマの対比描写はかなり面白いといえる。
 また、Halo 2では、人間側のキャラクタとしてジョンソンという黒人の軍曹と、前作でフラッドに寄生されて死亡したキース艦長の娘のミランダ中佐が、重要な役回りを演じ、Halo 1よりも人間ドラマにもスポットが当たるようになる。

「2」にして初めて、人間の女性のヒロイン的キャラクタが登場。名前はミランダ。Halo 1で壮絶な最期を遂げた戦艦オータムのキース艦長の娘という設定



 表彰式を終え、マスターチーフが丁度、武器庫にて新たなバトルスーツのアップグレードを受けている時、コヴナント艦隊が突如、地球軌道上にワープアウトしてくる。
 Halo 1であれだけの犠牲を払ってまで守ってきた地球の位置が、Halo 2の冒頭では、いともあっさりばれてしまうのだ。こうした唐突かつ皮肉な物語の始まり方は、SF小説やSF映画では時々見られる語り口であり、このあたりもSFファンはニヤリとしてしまうかもしれない。
 Halo 2のゲームはこのコヴナント軍の地球圏ワープアウトを皮切りに開始される。前作に引き続き、プレイヤーが操作するのはマスターチーフ。"2"のマスターチーフは冒頭シーンで、バトルスーツのシールド・チャージの高速化と、小型の武器であれば両手持ちができるアップグレードが施されている。

両手に武器が持てるようになったHalo 2のマスターチーフ
ゲリラ戦法によって次々に沈められていく地球艦隊

マスターチーフが乗船する戦艦にもコヴナントが侵入を開始。「Halo 2」でもゲーム開始直後は絶体絶命のピンチから



 コヴナント軍は得意のゲリラ戦法で地球軌道上の地球軍艦船に侵入し、巨大爆弾を内部に設置してきており、マスターチーフが乗船する戦艦にも仕掛けられたという報告が届く。ゲーム開始直後ながら、前作同様、絶体絶命のピンチがマスターチーフを襲う。実はこうした前作に似た始まり方をするというのもSFでは定番であり、ここもSFファンがニヤリとする場面であるといえる。
 ここで謎が2つ。
 1つは、ばれていないはずの地球圏にコヴナント軍がどうしてやってこられたかという謎。そしてもう一つ、人類の母星である地球に、通常規模の艦隊でやってきたという謎。地球攻略であれば総攻撃でもよいはずなのだが…。

艦内に仕掛けられた爆弾を発見したマスターチーフ。「持ち主に返さねば…」皮肉たっぷりに爆弾を抱えて宇宙にダイブ。向かう先は…持ち主のコヴナント艦!!



 謎を残しつつ、地球軌道上での艦船内での宇宙ゲリラ戦を制したマスターチーフ一行は、敗走して地球に上陸するコヴナント艦隊を追跡する。そしてこの影響で残念なことに戦場が地球上へと飛び火してしまう。
 ゲームプレイ的には、激しい銃撃戦有り、そして多様な乗り物を駆使してのメカ戦ありの大盤振る舞い。アクション映画のクライマックス的な華々しいシーンが連続する。

戦闘はついに地球上に飛び火することに。

「1」でも強力だった重火器スペシャリストのコヴナント兵「ハンター」とは地球上で再会。相変わらず強い

Halo 2でも様々なメカに乗っての戦闘は健在



 最大のクライマックスは、見上げるようなコヴナント陸軍の拠点攻略ロボット兵器「スカラベ」と対峙するシーンだろう。地球軍の攻撃を全く受け付けないスカラベを停止させるには…乗り込んで内部からやるしかない…という具合になる。

巨大ロボット兵器「スカラベ」。重戦車の砲撃すら効かないほど強力。もう、乗り込んで中から破壊するしかない!



 小規模ながらもコヴナント軍の地球侵略攻撃を退けた地球軍。敗走するコヴナント軍は「悔恨の予言者」というキーワードを残し、ワープしての敗走を試みる。地球圏への侵攻が攻撃目的の割には小さかったことから、今回の地球来訪はなんらかの偶然という可能性もあり、この敗走するコヴナント軍をマスターチーフ一行は追跡するのであった。
 そしてワープアウトした先で一行の前には目を疑いたくなるような光景が広がっていた。
 そう、破壊したはずの環状惑星Haloが、浮かんでいたからだ!

敗走するコヴナント軍を追跡するマスターチーフ一行。しかし、ワープアウトして飛び込んできた光景には目を疑わざるをえなかった。破壊したはずのHaloがなぜ…ここに…

 

Halo 2(2)〜死刑宣告されたエリートを操作してコヴナント軍をプレイすることに!

 ここで驚いたことに、舞台はコヴナント側の物語へと切り替わる。
 冒頭シーンで死刑宣告されたエリート司令官は刑の執行を待つのみであったが、突然、コヴナントの最高権力者である大祭司達の前に呼び出される。
大祭司達が出した条件は、忠誠を誓うのであれば、コヴナントの教義上高位である「アービター (調停者)」という特権階級を与え、そのうえで、ある任務を遂行せよ、というものであった。
 その特務とは、コヴナントの教えに反旗を翻した反逆エリート族の抹殺であった。

エリート司令官は死刑を免除される代わりにアービターとなって、コヴナントの教えに背く同族の異端者を抹殺する任を受けることに



 なんと、プレイヤーはここで、この「アービター」となったエリート司令官としてゲームを進めることになるのだ。まさか敵キャラクタでプレイすることになろうとは…これは驚きであった。
 コヴナント軍は、古代文明のフォアランナーが建造した環状惑星「Halo」を崇拝するプロフェッツという種族の支配のもと、複数のエイリアン種族によって構成された同盟で、彼らは環状惑星Haloを「大いなる旅立ち」の成就に不可欠な転移装置であると信じているのだ。

今度はHalo 1でプレイヤーを苦しめたエリート族の司令官をプレイすることに



 このコヴナントを取りまとめるのが、プロフェッツ族の三人の大祭司達でそれぞれ「真実の預言者」「慈悲の預言者」「悔恨の預言者」と呼ばれている。地球に侵攻したのは「悔恨の預言者」で、たまたま地球圏が彼らの信じる宗教の重要な聖地であった可能性が高いと推測できるのだ。
 そして、エリート族はこの三人の大祭司を護衛したり、コヴナント軍の指揮系統を司る重要な任務に就いている特権階級種族なのだが、今回の反コヴナント同盟の首謀者がエリート族であったことが、コヴナント軍の中で立場を悪くし始めている。さらに、野心や戦闘力では引けを取らないブルート族(Halo 2で初登場)がコヴナント軍の中で台頭してきており、エリート族の特権階級を狙っているという状況。コヴナントはコヴナントでいろいろと内輪の問題を抱えていることが分かってくる。ある意味、Halo 2の魅力は、"1"で謎だったコヴナント内部の社会構造が語られるところにあるといってもいいかもしれない。

コヴナント軍を指揮する最高権力者、祭司を務めるのはプロフェッツ族。Halo起動による究極の救済を説く。
評議会議員を務めるエリート族高官
エリート族の失脚を狙うブルート族。その長であるタルタロス



 プレイヤーが操るアービターは反乱エリート軍が本拠地を構えているガス惑星へと到達。そこでの数々の作戦行動の末、反乱軍エリートリーダーと対峙するが、ここで反乱軍エリートリーダーのそばにいたのは、なんと、Halo 1で登場したHaloのモニターAI「ギルティスパーク」だった。ギルティスパークはガス惑星を調査していたエリート族に環状惑星Haloが星系破壊兵器であることを告げ、コヴナントの指導者たちが唱える「大いなる旅立ち」など存在しないことを知らせてしまっていたのだ。
 迷いつつも、プレイヤー扮するアービターは、異端者のリーダーを撃退する。
 任務を終えて帰還するアービターに対して出された次なる指令は、最近発見された、もう一つの環状惑星デルタHaloへの起動キー「インデックス」を奪取せよ、というものであった。
 このデルタHaloこそ、マスターチーフ一行が「悔恨の予言者」を追跡して到達した第二のHaloそのものであった。

激闘の末、反乱軍の首謀者を捕捉。首謀者はHaloの真実をアービターに告げるがアービターは聞く耳を持たない。決着は付けなければならないのだ。

 

Halo 2(3)〜人類とコヴナント軍のエリート族が和解!?

 「デルタHalo」上で繰り広げられる地球軍対コヴナント軍による「Halo」争奪戦。そして…やはり…Haloには、寄生生物フラッドが棲息しており、もちろんHalo中枢にはフォアランナーのセキュリティシステムが稼働している。そう、やはり物語終盤では"1"と同様の四つ巴の死闘が再び繰り広げられることになるのだ。

デルタHaloにもやはりフラッドはいた。そして、もちろん、フォアランナーの残した自己防衛システムも…



 第二のHalo起動を目論む「悔恨の予言者」を抹殺し、危機を回避したマスターチーフだが、その後消息不明となる。
 続いて起動キー破壊へ乗り出す地球軍一行に立ちはだかってきたのは、アービター率いるコヴナント軍だ。起動キーをめぐっての死闘虚しく、地球軍の面々は捕らえられ、起動キーはアービターに奪われてしまう。

物語の鍵を握る「インデックス」と呼ばれるHalo起動キー
ブルート族に囚われてしまうジョンソンとミランダ。
Halo起動キーもコヴナントの大祭司達のものになってしまう。



 ところが、ここでブルート族のリーダーのタルタロスがアービターから起動キーを奪い取り、アービターはタルタロスの凶弾に倒れてしまう。ブルート族はアービター及びエリート族の失脚を狙っていたのだ。
 ブルート族の証言もあり、コヴナント中枢部では、「悔恨の予言者」を"悪魔"(コヴナント軍ではマスターチーフをこう呼ぶようになっている)から守れなかったのはエリート族に落ち度があると結論づけられ、エリート族はコヴナント軍の中で失脚し、コヴナント軍から脱退する。

エリート族はコヴナント軍から離脱し、反旗を翻す



 その頃、マスターチーフ、アービター、悔恨の予言者の3名とデルタHaloのモニターAI「ペネテンタンジェント」は、突如初登場する巨大なフラッドの母体「グレイヴマインド」に捕まっていた。互いに戦っていた軍勢のキーパーソンが一堂に会するという一大イベントにも驚かされるが、それ以上に衝撃的なのは、このグレイヴマインドが超知能を備えた知性体であることが明らかにされる場面だ。
 グレイヴマインドはHaloと直結しており、フォアランナーの知識と何十万年もの長い間、Haloを通じて知識を蓄積してきたフラッドの最終進化形態で、Haloを起動してはならないことを告げられる。「大いなる旅立ち」を説く「悔恨の予言者」と、フラッドの拡散が確認されたことでデルタHaloの起動に躍起になるペネテンタンジェントはグレイヴマインドに喰われてしまうが、マスターチーフとアービターは、コヴナント軍に奪われたデルタHaloの起動阻止を条件に解放される。グレイヴマインドはデルタHaloの空間転移機能を駆使し、マスターチーフをコヴナント軍の艦船型首都ハイチャリティへ、アービターをデルタHaloのコントロールルームへと送り込む。

フラッドの最終進化形態グレイヴマインド。フラッドの目的は知的生命体に寄生して、全宇宙の知性を吸収することにあった。Halo起動により知的生命体が壊滅状態となるのはグレイヴマインドにとっても望ましいことではない

意図せず、グレイヴマインドによって敵の首都に単身ワープさせられたマスターチーフ。コヴナント中枢は「悪魔が来た」とてんやわんやの大パニックに



 アービターは、グレイヴマインドの言葉を完璧に信用したわけではないが、預言者たちの説く教義が欺瞞だったことに気付き、人類やコルタナと協力の末、ブルート族のリーダー、タルタロスを撃退。さらにはデルタHaloの起動阻止にも成功する。その後、アービターはエリート族がコヴナント軍と敵対している現状を聞き、コヴナント反乱軍の一員となり、ブルート族殲滅を胸に秘めつつ、新たな戦いへと乗り出していく。
 デルタHaloの起動は阻止されたが、大祭司の最後の一人である「真実の予言者」はHalo起動キーを持ったまま逃走。マスターチーフは得意の「捨て身ダイブ」でこれに取り付いて追跡するのであった。

コルタナは身を呈してデルタHaloの爆破を決意。マスターチーフは「真実の予言者」を追跡するためにコルタナと別れることに。今生の別れとなるのか!?
拿捕したスカラベを使ってデルタHaloの中枢への突破口を開くジョンソン軍曹とアービターの一時同盟軍

タルタロスにデルタHaloの起動を無理強いされるミランダ
颯爽と現れるジョンソン軍曹とアービター。アービターは卑怯者のタルタロスに決着を挑む

 

どうなる「Halo 3」?〜全ての謎は「3」で解決するのか

 ここまでがHalo 1,2のあらすじになる。
 なお、「3」の情報は、発売1ヶ月前という時期にありながら、ほとんど出てきていない。定期的な画面ショットリリースはあるものの、開発元BUNGIEの意向でゲーム性やストーリーに関しての情報は、シャットアウト状態なのだ。
 だから「3」については想像するしかない。
 筆者は2007年7月にサンタモニカで開催されたゲームコンベンションの「E3」に参加してきたのだが、ここでHalo 3のプレイアブルデモを見た感じでは、「Halo」シリーズ伝統の一人称視点の3Dシューティングゲームシステムが、さらに洗練されている印象を受けた。

「Halo 3」より。



 筆者がBUNGIEスタッフから見せていただいたシーンは、ジャングルを味方と共に突き進むシーンだったが、これが物語のどの部分なのか中盤なのかは不明。ただ、出現していた敵勢力はコヴナント軍であることは間違いなく、また、アービターとおぼしきエリート兵がプレイヤーの操るマスターチーフに同行するシーンも確認できた。どうやら、「3」では、「2」でコヴナント軍を離れたエリート族が、人類と共同戦線を張る局面も描かれるようだ。

エリート族と共に戦うマスターチーフの姿が公開された
Halo 3でもコヴナント軍最下層のグラントは敵対してくるのか?



 「2」は、Halo世界の様々な謎を解明してくれた重要なストーリーだったが、残った謎も多かった。
 「3」の見どころは、まさに「この謎はどうなるのか?」という部分にあると思う。いくつか気になる点を挙げてみよう。
 1つは逃亡する「真実の予言者」の乗る宇宙船に取り付いたマスターチーフの行く末だ。マスターチーフは「ケリを付けに来ました」とステーションカイロと交信してゲームはエンディングを迎えるが、Halo 3では地球に着陸するところからどう話が始まるのだろう。

Halo 3でもブルート族は登場するようだ



 「2」のラストで、デルタHaloの起動が中断させられたことでフェイルセーフ機能が働いたとアルファHaloのモニターであるギルティスパークは説明し、この宇宙に存在する全てのHaloが"アーク"での遠隔操作が可能になった…とまで説明している。"アーク"とは謎のキーワードだが、「1」でコヴナント軍が「人類は我らが神を冒涜するもの」と言っていたり、「2」で悔恨の予言者や真実の予言者が共に地球を目指したと考えると"アーク"とは地球を指すものではないかと推察される。となれば、超古代文明種族のフォアランナーとは、人類の祖先だったのではないか…という仮説まで浮上してくるが、いずれにせよ、このあたりの謎もきっと解明されることだろう。

Halo 3でもメカに乗り込んでの戦闘は健在



 そして「2」で盛り上げに盛り上げたエリート族のエピソードについても、何らかの収束を見せてくれるのだと思う。アービターはコヴナント軍に対してどういうけじめを付けさせるのか、そして宿敵であったマスターチーフとの決着を付けるシーンが果たしてあるのかどうか…といったところも気になる。
 もちろん、脇役達の行く末も心配だ。「2」のエンディングでグレイヴマインドとの質問合戦がスタートしたように思えたコルタナの消息はもっとも知りたいところだろう。そして、もちろん、「2」のラストでアービターと共に戦ったジョンソン軍曹、ミランダのその後の活躍が「3」で見られるのかどうかも興味がある。

E3で公開されたジャングルステージの様子

 

Halo 3の発売を記念してのXbox 360本体のスペシャル版も発売〜

 発売される「Halo 3」のソフトは2タイプ。
 通常版の他に、豪華版といっても過言ではない「Halo 3 リミテッド エディション」が初回限定生産で発売される。価格は通常版と同じ税込み7140円。確実に入手したいファンは予約が必須だ。同梱物はゲーム本編の他、特典冊子、メイキング映像やミニゲームを収録したボーナスディスクが付属する。なお、通常版はこの限定版の生産完了後に順次出荷される予定。発売日は繰り返しになるが9月27日だ。

初回限定生産の「Halo 3 リミテッド エディション」



 また、こうした大人気ソフトの発売時には、ゲーム機本体のスペシャルパッケージ版が発売されることが慣わしになっているが、今回の「Halo 3」においてもご多分に漏れず、「Xbox 360 Halo 3 スペシャルエディション」も発売される(価格はオープンプライス、9月27日発売)。
 「Xbox 360 Halo 3 スペシャルエディション」は、Haloカラーになっているだけでなく、通常版のXbox 360にはない次世代AVインターフェース「HDMI端子」が搭載されている点が最大の特徴だ(ただしHDMIケーブルは別売り)。HDMI端子は後付けできない機能なので魅力的だ。ハードディスクは20GBなので通常版と同じ。この他、音声チャットのためのヘッドセットや、付属するゲームコントローラもHaloカラーの特別塗装が施された特別バージョンになっている。

Xbox 360 Halo 3 スペシャルエディション



 また、Haloカラーで特別塗装されたワイヤレスヘッドセット「Xbox 360 ワイヤレス ヘッドセット (Halo 3 リミテッド エディション)」、アメコミ界の巨匠 トッド・マクファーレン氏デザインの「Xbox 360 ワイヤレス コントローラー (Halo 3 リミテッド エディション)」も9月27日より限定生産で単品発売も行われる。価格はヘッドセットが税込み6300円、コントローラーが5775円だ。なお、この特別版コントローラーには、おまけでマスターチーフのオリジナルフィギュアが付属する。フィギュアはこのコントローラーにしか付属してこないのでコアなファンは要チェックだ。

Xbox 360 ワイヤレス ヘッドセット (Halo 3 リミテッド エディション)
Xbox 360 ワイヤレス コントローラー (Halo 3 リミテッド エディション)



 また、Halo 1と2をもう一度振り返ってプレイするための、1&2をワンパッケージにした「Haloヒストリーパック」もHalo 3の発売前の9月13日より出荷される。こちらは初代Xboxでも、Xbox360でもプレイできるようになっているので、新規のXbox 360ユーザーにも安心だ。価格はバーゲンプライスの税込み2980円。なお、1と2はマイクロソフトから、Windows版も発売されているのでそちらを購入するのもよいかもしれない。

1&2がワンパッケージになった「Haloヒストリーパック」



 Haloシリーズの全ての謎が明らかになるまであとわずか。期待して待っていよう。

Halo3 E3公開ムービー(2006年)
Halo3 E3公開ムービー(2007年)
Halo3 紹介ムービー


(トライゼット西川善司)



■ 関連情報 / INFORMATION
・ Microsoft Halo 3 公式サイト
http://www.Halo3.jp/

・ Xbox 360のサイト
http://www.xbox.com/ja-JP/


■ 関連記事 / REPORT

マイクロソフト、Xbox 360「Halo 3 リミテッド エディション」の内容を公開。特典はリファレンスブックとボーナスディスク
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マイクロソフト、Xbox 360「Halo 3」発売日が9月27日に決定。日米同時発売!!
http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20070629/halo.htm

「Halo 3 マルチプレイヤー パブリック ベータ プログラム」ファーストインプレッション
http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20070518/halo3.htm