Halo 2 マイクロソフト ヘイロー 2
Impress Watch Presents PC Game Review
映画並のストーリー 革新的に進化したグラフィックス
地球を守れ!マスターチーフ
Microsoft Halo 2 for Windows Vista

Haloってなに?〜ハードコアなSFワールド、それがHalo
 いきなり「2」といわれても困る人もいるだろう。実際、この「Halo 2」は、良い意味でストレートな続編であり、初代「Halo」を楽しんでいないと、Haloワールドが十分に楽しめない。ということで、まずは初代「Halo」について簡単に触れておこう。すでに初代「Halo」をプレイした読者は、その復習をかねて。そしてHaloシリーズを知らない読者は、その世界観の基礎やHaloワールドの魅力の断片だけでも感じてもらい、プレイするためのきっかけにしてもらえればと思う。
 初代「Halo」の物語の舞台は人類が恒星間航法を獲得して、その活動圏が太陽系を超えた外宇宙に広がった26世紀の未来。
 人類が住む太陽系から最も離れた位置にある植民惑星「ハーベスト」にて、人類はついに地球外知的生命体とのファーストコンタクトを果たす。しかし、「コヴナント」と命名された彼らは、なぜか人類を敵視しており、一方的に戦いを挑んできたのであった。植民惑星ハーベストでのコヴナント軍との衝突は、最終的には人類対コヴナントの全面星間戦争へと発展してしまう。
 和平への道がないと判断した人類はその存亡をかけて「SPARTAN2」作戦を立案する。これは人工知能を搭載した無数の機械化兵士(アンドロイド)を、コヴナント母星に直接送り込んで攻略してしまおうという大胆な作戦であった。
 このSPARTAN2作戦を遂行するために航行中だった地球艦隊は、運悪く大コヴナント艦隊と接触し交戦状態となってしまう。その圧倒的な戦力差から大半の艦を失ってしまった地球艦隊は、地球の位置発覚を恐れ、コヴナント艦隊を引きつけながらランダムワープを敢行。傷ついた地球艦隊とこれを追跡するコヴナント艦隊は、両軍の星間地図にもない環状惑星の衛星軌道上にワープアウトしてしまう。人類はこの妖しくも美しい環状惑星を、「光輪」の意味を持つ「Halo」と命名する。
 かくして地球艦隊とコヴナント艦隊の残存部隊の戦いは、この惑星Haloの上で行われることとなる。
 このゲームの主人公は、なんと、人間ではなく、このSPARTAN2作戦の産物である名もない機械化兵の生き残りだ。たまたま、その生き残りのこの機械化兵が海兵隊所属の特務曹長(Master Chief)階級であったことから、そのまま「マスターチーフ」と名付けられる。

記念すべき初代「Halo」におけるマスターチーフの起動シーン。
敵コヴナント兵が旗艦オータムへと潜入してきたために敵味方入り乱れての白兵戦が勃発。これが初代「Halo」における最初のバトルシーンだ。
地球艦隊の指揮支援担当の女性型AI「コルタナ」。ゲーム中、マスターチーフをサポートすることに。


  主人公に、高貴な血を引く熱血美青年を持ってこないあたりが、ハードコアSFな風情を醸し出していて心憎い。役名のある重要な女性キャラは、艦隊の指揮をサポートする女性型AI「コルタナ」のみで、しかも実態を持たないバーチャル映像という設定も、実に硬派な雰囲気作りに貢献している。
 初代「Halo」をプレイしていない人は、読むのはここまでにしてすぐにでもPC版の「Halo Combat Evolved」を購入してプレイしてもらいたいと思う。「2」から始めたい…という読者はこの先をネタバレ了承のうえで読み進めて欲しい。
 初代「Halo」のゲームは、SPARTAN2地球艦隊とコヴナント艦隊が衝突し、コヴナント兵が旗艦オータムに乗り込んできたところから始まる。序盤、プレイヤー扮するマスターチーフは、コヴナント兵を撃退することに徹することになるので、よくある「エイリアンをぶっ殺せ」ゲームのスタイルになってしまっているが、ゲームが面白くなってくるのは、ランダムワープ後、惑星Haloに上陸してからだ。

初代「Halo」の序盤はこのようによくある「エイリアンをぶっ殺せゲーム」の様相を呈しているが…。
物語が予想外の展開を見せるのは両軍がこの謎の環状惑星Haloに下り立ってから。
リング状の惑星Haloに下り立っているため、遠方の地形が空に向かって伸びている。異常な景色だ。


  戦いを進めていく中で、コヴナント軍は惑星Haloの解析データを拿捕。そのデータから惑星Haloが恐るべき「星系破壊兵器」であることが判明。ここから人類とコヴナント軍の戦いは「惑星Haloの覇権争い」の様相を呈してくる。
 コヴナント軍は惑星Haloの地中から知的生命体に寄生して繁殖する「フラッド」を発見し、これを人類撃退用の生物兵器として改造を行うが、異常繁殖したフラッドはコヴナント基地を汚染する。これを好機と見た人類はHalo制圧に拍車をかけるが、フラッドは人類、コヴナントを区別なく襲ってくるため、ゲームは人類対コヴナント対フラッドの三つ巴戦となってくる。
 ゲームプレイ的には、自分がフラッドに襲われないようにしつつフラッドをコヴナントにけしかけるような戦術が要求され、ただの「エイリアンをぶっ殺せ」スタイルから味わいが出てくるようになる。ストーリー的には、人類とコヴナント、その種族の違いはあれど利己的な欲望の錯綜が描かれることになり、かなりスリリングな展開となる。

惑星Haloを自軍のものにするために両軍が激しく衝突する。
惑星Halo制圧を指揮する有能なコヴナント司令官の初登場シーン。よもや「2」で彼を操作してプレイすることになろうとは…。

初代「Halo」でも様々な乗り物が登場した。これらを実際に操作することができたのも初代「Halo」の面白さだった。

コヴナントが培養した生物兵器フラッドはコヴナント基地を汚染。バイオハザードが発生し、人類とコヴナントを区別なく襲い始める。


 さらに登場するのが、この惑星Haloを建造したという太古の超文明種族フォアランナーが、Haloの防衛システムとして残した人工知能の機械軍だ。フォアランナー軍が登場する物語終盤では人類対コヴナント対フラッド対フォアランナーという四つ巴戦状態になり、誘導や戦闘のタイミングに高度な戦略が要求されるようになる。ストーリー的にはここから惑星Haloの謎がどんどん明らかになっていき、これまでにプロットされてきた様々な謎がラストで全て収束する。

Haloは謎の先人が残した負の遺産。フォアランナー軍はHaloを守る防衛システム。Haloは星系全体を破壊できる超兵器だった! フォアランナー軍を指揮するメインAI「ギルティスパーク 」は機械化兵であるマスターチーフに親近感を覚えてか急接近。同じ人工知能でマスターチーフをサポートするコルタナもしゃしゃり出てきて、終盤は大どんでん返しなストーリー展開に!

知性を刺激する3Dシューティング、それがHalo 2!?
 Halo 2は、初代「Halo」の終了後の時系列から始まる正統なる続編だ。
 物語は、地球圏に帰還したマスターチーフが、惑星Haloを破壊したことが称えられて表彰されるシーンから始まる。…かと、思いきや、同時進行というかザッピングの形で、コヴナントの母星で、初代「Halo」での作戦責任者のエリート種族が裁判にかけられるシーンが挿入される。
 前作のヒーロー、マスターチーフは表彰され、片や任務に失敗したアンチヒーローは死刑を宣告され…という人生の両極端の局面が銀河をまたいで行われている語り口は面白い。

初代「Halo」での惑星Haloの制圧に失敗した責任を取らされ、死刑宣告されるコヴナント指揮官。彼は本当に処刑されてしまうのか…?

初代「Halo」での活躍を称えられ表彰されるマスターチーフ。人類の希望として機械化兵ながら英雄扱い。コルタナも健在だ。

窓の外には、次々に爆破されていく地球軍の艦船の姿が。この船にも仕掛けられている。急げ。

 表彰式を終えたマスターチーフがメンテナンスを受けているさなか(ゲームのチュートリアル)、コヴナント艦隊が地球圏にワープアウト。前作であれだけの犠牲を払って秘密にしてきた地球圏の位置が、ゲーム開始直後、いともあっさりばれてしまう。こうしたシニカルな物語の始まりは、実はSF小説では時々見られる語り口である。このあたりもSFファンにはたまらない演出だといえる。
 いきなりピンチの地球軍。表彰されたばかりのマスターチーフが乗船する艦船にも、大挙してコヴナント軍が潜入をしてきており、あろうことか巨大な爆弾が艦船内のどこかに仕掛けられてしまう。場所は違うが、前作とよく似た絶体絶命のピンチのまっただ中でHalo 2の物語は始まることになるのである。

もう既に無数のコヴナント兵が潜入してきてしまっているマスターチーフの乗船する艦。ゲーム開始直後から敵味方入り乱れるハードな銃撃戦。デジャブー。


 ゲームシステムは、オーソドックスな一人称シューティング(FPS:First Person Shooter)ゲームのスタイルを踏襲。「狙って撃つ」「先へ進む」が基本となる。
 ところどころに障害物があり、ここに身を隠して敵からの攻撃を避けつつ、敵の射撃の小休止時に間合いを詰めていったりして進軍していくことになる。最近では、多い、AI制御の味方兵も多数登場し、ゲーム展開を盛り上げてくれる。今作も味方のAI兵は賢く、勝手にプレイヤーを援護射撃してくれたり、障害物の陰に隠れた敵をいぶりだしてくれたりするような行動を取ってくれたりするので、シングルプレイをしていても、人間プレイヤーと協力プレイをしているような錯覚に陥るほどだ。

爆弾を発見したマスターチーフはそれを抱えて船外へ飛び出し、なんと!そのまま爆弾をコヴナント船へぶつけようとする。「持ち主に返さなければな」…機械化兵とは思えない皮肉たっぷりな台詞もマスターチーフの魅力の1つ。


 敵AIもパワーアップしている。初代「Halo」の敵は、あらかじめ用意されたいくつかの行動パターンから状況に応じて最適と思われるものを切り換え選択していくような、反復性を感じる動きだったのだが、Halo 2の敵達はプレイヤーやこちらのAI味方兵の動きに臨機応変に対応してくるので手強い。特に敵・上級兵(エリート兵)はこちらの銃撃の射線を認知するとそこに無防備に踏み出したりすることはないし、こちらの射撃が終わるまで物陰に身を潜めたりする。こちらが投擲武器(手榴弾)を投げると、敵は一斉に手榴弾の着弾位置から飛び跳ねて回避行為をするし、物陰に隠れながら忍び寄ってきてこちらの側面や背面を掻くような賢い戦術を仕掛けてきたりもする。

翼を持ったコヴナントが登場。飛んだり、壁に停まったりと、空間戦闘を仕掛けてくる雑魚ながら侮れない敵。

コヴナント補給艦が飛来し、コヴナント兵を増援してくる様子。この戦闘が軍勢対軍勢の戦いであることが伝わってくる心憎い演出。


 こうした敵、味方、そしてプレイヤーが互いに相互干渉しあって戦況が変わっていくプレイ感は、配置された"仕掛けのお化け"をただねらい撃つだけの、テーマパークのお化け屋敷的なFPSでは味わえない楽しさだ。
 基本は「先に進む」ことがゲーム展開を進めていくことに繋がるので、戦場に敵を残したまま先に進んでもゲームは進む。ただし、要所要所で「中ボス戦」「大ボス戦」的な戦場が用意されており、そのシーンにおける条件を満たした戦闘を行わないと先に進めないことがある。
 例えば、おそらく最初に対峙して悩むことになるのは、強力なビーム砲を撃ってくるコヴナント兵「ハンター」との対決だろう。このシーンではこのハンターを倒さなければ先に進めない。ハンターは正面からの攻撃をほとんど受け付けない鎧を身にまとっているので、背中の弱点に攻撃を命中させなければならないのだ。連射の聞かないライフルで遠距離から弱点を地道に狙撃していくか、あるいは移動やジャンプのアクションを駆使して背後に回って一気に弱点へマシンガンを撃ち込むか…そうした戦術的な部分は各プレイヤーの決断に委ねられる。
 その他、「敵施設の重要部品を特定の武器を活用して破壊しなければならない」というシーンもあったり、いろいろと"出し物"の趣向は凝らされている。

強力なビーム兵器を持ち、重装甲な鎧をまとったハンター。倒すのはかなり厄介だ。


 このような、前作にも用意されていたミニ・パズル的な要素が組み込まれた戦闘シーンも多数あり、プレイヤーのテンションを否応なしに盛り上がてくれる。はっきり言ってしまうと本作の場合、そうした1つ1つのパズルの難易度はそれほど高くはない。が、激しい戦闘を行いながらのパズル解きになるので、実際プレイしてみるとかなりスリリングなのだ。
 こうした中ボス戦的なシーンの他に、Halo 2では、待望のボス戦的なシーンも盛り込まれているのも注目すべき点だろう。
 ゲーム序盤の、人類側の重装戦車の砲撃すらも全く受け付けない、見上げるような大きさのコヴナント軍の昆虫型機動兵器「スカラベ」との対決は、FPS史上希に見る迫力だ。こちらからのあらゆる砲撃を受け付けないので、プレイヤー扮するマスターチーフは建物をなぎ倒しながら闊歩するスカラベに飛び乗ってこれを内部から破壊することを余儀なくされる。単独でコブナント機動兵器に下り立って無数のコヴナント兵と戦うことになるので、一騎当千の活躍をしないとダメなのはもちろん、射撃能力以上に武器のやりくり(銃器の切り換え、手榴弾の活用)の才能も試される。
 「狙って撃つ」「先へ進む」が基本ルールのゲームなのに、プレイヤーはプレイしているうちに、下手な脳トレ系ゲームよりも脳みそがフル稼働していることに気が付くはずだ。

圧倒的な大きさと強さを誇る昆虫型コヴナント機動兵器。いわゆるボス戦に相当。

上空から飛び乗って、中から破壊するしかない!

Halo 2 for Vistaの操作系〜Xbox 360コントローラにフル対応!
二丁拳銃アクションが可能になったHalo 2。二丁拳銃モード時は手榴弾が投げられない。
 Halo 2になって"2"にちなんだ(かどうかはよく分からないが)、ユニークな攻撃手段も新たに追加されている。それが両手に銃器を持つことができる二丁拳銃(2ハンド)モードだ。拳銃のような片手で取り扱える銃器に限り、その取りたい武器の前で武器切り換えボタンの長押し操作をすることで両手に持つことが出来る。両手に同種武器を持つことはもちろん、左手にコブナント軍の拳銃、右手に人類の拳銃…という具合に異なる種類の拳銃を両手に持つことも可能。威力が弱くて使い勝手があまりよくなかった拳銃系銃器が、この操作系採用により一気に「使える武器」へと昇格した感触だ。見た目的にもかなりかっこがいい。
 ただ、デメリットもあり、二丁拳銃モード時は手榴弾が投げられない。逆に言えば、手榴弾のストックが底をついたときには、積極的に二丁拳銃モードに移行すべきということだ。

今作でも圧倒的な強さを誇る重戦車。コヴナント兵器を撃ち飛ばせ、そしてコヴナント兵を轢き殺せ!


 操作系についても触れておこう。
 操作系はPC系FPSゲーム伝統の「照準をマウスで操作、マウスクリックで銃撃、キーボードの[W][S][A][D]の組み合わせで8方向移動」…という操作系もサポートされるが、「手軽なゲームプレイ環境を提供する」ことをキーコンセプトとしている今世代のマイクロソフト製PCゲームではもう一つの操作系がサポートされる。
 それはマイクロソフトから発売されている「Microsoft Xbox 360 Controller for Windows」への正式対応だ。この有線型Xbox 360コントローラはWindows VistaならばPCのUSBコネクタに接続するだけで何の追加ソフトウェアもインストールせずにそのまま使えてしまう代物。ちなみに、Xbox 360の本体とUSB接続すれば、もちろんXbox 360のコントローラとしても使える。Xbox 360ユーザーは、セカンドコントローラとしてPC兼用でこの製品を選択するとよいだろう。なお、5月24日には、Xbox 360 ワイヤレス コントローラーをそのままPCでも使える「Xbox 360 ワイヤレス ゲーム アダプター」も発売予定となっている。

Microsoft Xbox 360 Controller for Windows
Xbox 360 ワイヤレス コントローラーの写真
Xbox 360 ワイヤレス ゲーム アダプターの写真


 Halo 2 for Vistaでは、ゲーム内メニューの操作ガイドアイコンなども、このXbox 360コントローラのボタンを前提としたデザインとなっているので、Xbox 360のGUIに慣れ親しんだ人ならばかなり直観的に操作できることだろう。
 Xbox 360コントローラでは左スティックで移動、右スティックで照準操作という操作系。Xbox 360コントローラでは移動もアナログ操作で行えるのがいい。
 右トリガが右手武器の使用、左トリガが手榴弾という割り当てになっていて、本当に銃撃をしているみたいに引き金を引くことで攻撃できる。本作ではXbox 360コントローラの振動機能もフル活用しており、ダメージを受けたり、あるいは敵を吹っ飛したりすると、画面の動きにシンクロして手元にブルブルとした衝撃がくる。振動演出はおそらくXboxのオリジナルHalo 2と同じで、そのままPCへ移植されただけだとは思うが、市販PCゲームタイトルでここまでコントローラの振動機能を積極的活用したタイトルは今までなかったため、PCゲームのプレイ感としては実に新鮮に感じられる。筆者もそうだったが「PC-FPSゲームはキーボード+マウスでプレイするもの」と思いこんでいるユーザーにこそ、一度はこのXbox 360コントローラでのプレイを試してもらいたい。PCゲームの新しいプレイ感を発見できるはずだ。

Halo 2で明かされるコヴナント軍事情〜コヴナント・エリート兵となるステージも多数!
 ドラマチックなストーリー展開、臨場感溢れるキャラクター達の演技やアクションが魅力であるHaloシリーズ。こうした要素においてHalo 2はどうなのか。
 結論からいうとHalo 2は初代「Halo」よりもスケールアップしていてファンの期待を裏切らない内容になっている。
 いろんな意味でショッキングなのは、今作ではコヴナント軍の世界や彼らの生態が事細かく描かれているということだ。オープニングはマスターチーフの表彰とエリート・コヴナント指揮官の裁判で始まると前述したが、Halo 2では本編においても、死刑判決を喰らったこのコヴナント指揮官の物語が詳しく語られるのである。

処刑宣告を受けたコヴナント指揮官。連行されたその先で、コヴナント上層部は彼に特命を与える。それはコヴナント軍の反乱軍首謀者の暗殺!

コブナント・エリート・クラス専用の特殊装備がこの光学迷彩! ステルス状態で敵の懐に飛び込んで、敵を瞬殺せよ! コブナント指揮官プレイ時も二丁拳銃モードが利用可能!

コブナントの裏切り者を抹殺せよ!


 そう、プレイヤーはシングルプレイのストーリーモードにおいて、このコヴナント指揮官に扮してプレイすることになるのである。
 初代「Halo」では人類にとって彼らの戦闘意図が全く意味不明だったが、Halo 2では彼らがなんのために戦っているのかがゲームを進めていくうちに明らかとなっていく。
 人類側でプレイしているときは、前作同様の片言の地球語+コヴナント語をしゃべるコヴナント軍だが、コブナント指揮官でプレイするシナリオでは、都合上、全てのコヴナント兵が地球語をしゃべるようになる。最初はこの展開に違和感を覚えるかもしれない。
 ただ、初代「Halo」で広げられたHalo世界のSF観がさらに深い方向に語られるようになるので、物語としてみると俄然面白い。世界観を1作で語り、深い物語を2作目で展開するという作風は、ジャンルは大部違うが映画「マトリックス」を彷彿とさせる。こうした語り口は3部作の真ん中である"2"にありがちな"中だるみ"感を醸し出さないうまい方法だといえる。

コブナント飛行艇に乗っての迫力の空中戦。先の読めないゲーム展開にハラハラドキドキ!?

コヴナントの反乱軍はフラッドを培養していた! あの前作の悪夢が"2"でも!

コヴナント反乱軍のリーダーとの対峙。彼らは恐るべき計画を実行に移していた…。反乱軍を扇動していたのは、そう…アイツだ!

Halo 2 for Vistaのグラフィックスとパフォーマンス〜メインメモリは2GBは欲しい
 今作はWindows Vista専用として発売されるとあってグラフィックスや動作環境にも大きな関心が寄せられていると思う。このあたりについても触れておこう。
 ポリゴン数的にはXboxのオリジナル版とほぼ同じで、3Dキャラクタの曲面描写などは「もともとはXbox向け作品であった」ということが見た目にも伝わってくる。この部分はやや時代を感じさせる。
 しかし、プログラマブルシェーダを積極的に活用したエフェクトや材質表現はふんだんに盛り込まれているため、トータルなビジュアルクオリティはXbox 360やPS3などの現行ゲーム機の最近作と比較しても遜色ない。
 影生成も一部のシーンを除けばデプスシャドウ技法により生成されており、セルフシャドウもちゃんと出ているし、光と影の描写はかなり美しい。

敵の浮遊バイクを奪って敵補給艦と対峙。グラフィックスはかなり美しい。

水面の表現はちゃんとフレネル反射と屈折の表現をサポート。


 また、PC版ということで、画面解像度は、そのPCに搭載されているビデオカードと接続されるディスプレイの組み合わせが許す範囲内で自在に変更が可能となっている。画面アスペクトも16:9や4:3が選べるのはいうもでもなし。筆者が評価したバージョンでは1280×720ドット、1360×768ドット、1920×1080ドットというようなハイビジョンテレビに適合した解像度も用意されていた。
 要求されるPCスペックは下記の表のようになっているが、実際にプレイして感じたのはメインメモリの重要性。Windows Vista自体が1GB以上ないとその動作がスムーズにならないといわれているが、その上でHalo 2 for Vistaのようなヘビーロードなゲームソフトを動かすとなると、やはり、メモリがより必要になるのだろう。筆者の環境でもメインメモリが1GBではスワッピングが頻発してコマ落ちが多かったが、2GBにしたあとは驚くほど快適になった。Halo 2 for Vistaをプレイするために…というよりも、Windows Vista環境でPCゲームプレイ環境を整備するためにも、このタイミングでメインメモリを2GB以上にしておきたい。

OS Microsoft Windows Vista 日本語版
CPU Pentium 4 3.2GHz以上(最低Pentium 4 2.0GHz以上)
メインメモリ 2GB以上(最低1GB以上)
ハードディスク 空き容量 7.0GB以上
ディスク装置 DVD-ROM
ディスプレイ 解像度800 x 600、65,536 色以上(16ビット) 以上
グラフィック ビデオメモリ256MB以上(最低128MB以上)
DirectX(R) 9.0c以上対応のビデオカード
Geforce 6800以上(最低Geforce 6100以上)
サウンド DirectX 9以上に対応したサウンドカード
入力装置 マウス、キーボード、ゲームコントローラ

微細凹凸は法線マップによるバンプマッピングで再現。

被写界深度のシミュレーション。手前ピントで奥側ボケ。
同じく被写界深度のシミュレーション。奥側ピントで手前ボケ。こうしたプログラマブルシェーダを活用したグラフィックステクニックが効果的に活用されている本作。


 グラフィックスは前述したようにXboxのものをベースにしているため、Windows Vista専用タイトルではあるが、DirectX10/プログラマブルシェーダ4.0仕様(SM4.0)に対応していなくとも構わない。つまりDirectX9/プログラマブルシェーダ3.0仕様(SM3.0)のものでも問題はないということだ。ただし、その場合はGeForce7600以上/RADEON X1600以上などのミドルクラス以上のものがあった方がよい。
 筆者は今回、CPUをAthlon64 4000+、メインメモリ2GBのマシン環境で、ビデオカードをGeForce7900GTX(DirectX9/SM3.0)とGeForce8800GTX(DirectX10/SM4.0)を比較しながらプレイしてみたが、グラフィックスオプションを全部最高位設定にした場合、GeForce7900GTXで1360×768ドットで毎秒60コマ前後、GeForce8800GTXで1920×1080ドットで毎秒60コマ以上という結果であった。参考にして欲しい。
 なお、試しにWindows XP環境へのインストールも試してみたが、インストーラが起動しなかった。

スピード感と迫力満点のトンネル内の高速バトル。浮遊バイクでコヴナントどもを撃て!そして轢き殺せ!

Halo 2 for VistaはGames for Windows - Live対応第1弾タイトル
 Halo 2 for Vistaを含むそれ以降のマイクロソフト純正のWindows Vista専用PCゲームタイトルでは、新しいネットワーク・ゲームプレイサービスが提供される。それが「Games for Windows - Live」だ。
 これは既に運営が開始されて久しいXboxユーザー向けネットワークサービスをWindowsユーザーにまで拡張したサービスに相当する。いわば、Xbox LiveのWindows対応版ともいうべきものだ。
 Windows Vista自体からXbox Live(Games for Windows - Live)がサポートされるのではなく、各ゲームタイトル内で…今回の例で行けば「Halo 2 for Vista」を起動してから…Games for Windows - Liveサービスが利用できるという仕組みになっている。
 まだ環境整備の問題でLIVE内ゲームやオンラインコンテンツ購入機能などはサポートされていないが、料金体系やサービス内容についてはほぼXbox Liveと同等となっている。
 Xbox Liveのアカウントと共通のものを利用してログインでき、なおかつGames for Windows - Live中から透過的に友人のXboxユーザーのオンライン状態も参照できるようになっている。Halo 2 for Vistaは対応していないが、PCとXbox 360で6月に同時発売されるFPSゲーム「Shadowrun」ではPC版とXbox 360版の相互異種プラットフォーム対戦も可能となっている。

Games For Windows - Liveの画面。レイアウトや操作感はほとんどXbox Liveと同一。


 より詳細なGames for Windows - Liveに関する情報はオフィシャルサイトを参照してほしいが、一点だけこの場で注意点を挙げるとすれば、Halo 2 for Vistaでは、マルチプレイを楽しむためにはGames for Windows - Liveへの加入が必要だということだ。
 なお、シングルプレイの方はGames for Windows - Liveに加入せずとも、何の問題もなくプレイ可能だ。
 しかし、さすがに「オンライン対戦はGames for Windows - Live有料会員のみ」という提案は、「対戦プレイは無料」という文化で育ってきたPCゲームユーザーには酷だろう…という配慮からか、Games for Windows - Liveとは無関係に対戦マッチメイキングが出来る「Dedicated Server機能」も収録される。
 これは、ユーザーが対戦専用のPCを用意して対戦サーバーをネットワーク上に公開するような仕組みになる。これはPCの対戦ゲームの世界ではごく一般的な仕組みなので、Halo 2 for VistaユーザーにとってはGames for Windows - Liveを利用しての対戦の方が特異なものとして捉えられそうだ。いずれにせよ、無料でHalo 2 for Vistaの対戦が楽しめる道を用意してくれたことは喜ばしい。

対戦の様子。Halo 2 for VistaではXbox/Xbox 360のHalo 2ユーザーとの対戦は不可。PCとXbox 360の相互対戦は6月発売の「Shadowrun」から。

まとめ〜Halo 3が発売される前にHalo 2を復習しよう!
 Haloシリーズは、完結作「Halo 3」も2007年冬にXbox 360にて発売されることが公式アナウンスされている。とすれば、2007年後半に向けて、なにかとHalo 3にまつわる話題が盛り上がっていくと予測される。
 今回発売されたHalo 2 for Vistaは、既にXboxでリリース済みのタイトルであるため、「マイクロソフト初のWindows Vista専用ゲームソフト」、「Games for Windows - Live対応の第1弾ソフト」というような、テクノロジー的なメモリアル・タイトルという視点で注目されがちだ。しかし、盛り上がりつつあるHalo 3ブームに備え、「2」を再プレイする機会として捉えれば、このタイミングで出てきた価値は高いと思う。
 そして、やはり、今作は、Haloシリーズをプレイしたことがない人にこそプレイして欲しいと思う。その際には、初代「Halo」と「Halo 2」を続けてPC版でプレイしてもらいたい。
 筆者は「Halo」を、「3DシューティングゲームのスタイルをとったハードコアSF小説」として捉えているのだが、これは悪い例えではないと思っている。絶対に面白いのでゲームファンはもちろん、一般のSFファンにもプレイして欲しいと思う。

ワープアウトして敗走するコヴナント艦をがむしゃらに追跡する、マスターチーフが搭乗する地球艦。ワープアウト先で見たものは…前作で破壊したはずの星系破壊兵器Halo! 窓越しに何を思うのか、マスターチーフ!

マスターチーフはHaloのヒーローでもあるがXboxのヒーローでもある。今度はWindows Vistaのヒーローになる?

(トライゼット西川善司)

関連情報
Microsoft Halo 2 for Vista 公式サイト
http://www.microsoft.com/japan/games/Halo2/

Microsoft Games 公式サイト
http://www.microsoft.com/japan/games/

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