法林岳之執筆スマートに使えるVodafone 3G対応おサイフケータイ®「Vodafone 703SHf」
ボーダフォンから発売されたシャープ製端末「Vodafone 703SHf」は、ボーダフォンがサービスを開始したおサイフケータイ®「ボーダフォンライブ! FeliCa」に対応した第一弾の端末だ。前編では703SHfの基本的な機能などについて紹介したが、後編ではおサイフケータイ®を中心とした機能に注目してみよう。
前編「Vodafone 703SHf」の完成度や使い勝手をチェック!
 おサイフケータイ®「ボーダフォンライブ!FeliCa」開始!

おなじみの、おサイフケータイ®ロゴに「Vodafone live! FeliCa」がはいっている

こちらもおなじみの、FeliCaプラットフォームマーク。少し見にくいが、下の実機写真のサブ液晶横に印字されている

背面のサブディスプレイ側にFeliCaのアンテナが内蔵されているので、端末を開いたままでも使える。例えばメールを見ているときでも、リーダー/ライターにそのままかざすだけで良いのだ
 通勤や通学中はもちろん、オフィスや学校内など、常に持ち歩いているケータイ。そんなケータイを財布代わりに使ったり、会員証や電子チケット、社員証、カギなどとして活用しようというのがおサイフケータイ®「ボーダフォンライブ! FeliCa」というサービスだ。

 おサイフケータイ®の機能を実現しているのは、ソニーが開発した「FeliCa」と呼ばれる非接触ICチップで、703SHfでは背面ディスプレイ側に内蔵されている。FeliCaプラットフォームマークが付いている面の中心付近をFeliCaリーダー/ライターにかざすことで、さまざまなサービスが利用できるわけだ。

 具体的なサービスとしては、別表のようなものが提供(予定を含む)されているが、703SHfには出荷時に電子マネーのEdyのICアプリがプリインストールされており、サービス加入登録をして、お金をチャージすれば、すぐにでも電子マネーを利用できるようになる。Edyのサービス登録も難しいものではなく、EdyのICアプリを起動し、氏名や生年月日、メールアドレスなどを登録するだけだ。クレジットカード番号を登録すれば、電子マネーをオンラインでチャージすることも可能だが、登録しなくても利用することはできる。

「ボーダフォンライブ!FeliCa」サービスを提供しているウェブの情報確認画面から、ICアプリをダウンロードする。電子マネー「Edy」はプリインストールされているので、ダウンロードすることなく初期設定で使用可能となる

           

「Edy」を利用する場合は、ICアプリを起動して簡単な初期設定を行えば利用可能となる。
その後、メニューから利用するサービスの加入登録や各種設定を行う

           

 実際の利用もいたって簡単だ。コンビニエンスストアやカフェなどでEdyが利用できるところであれば、「Edyで支払います」と告げ、Edyのリーダー/ライターに703SHfをかざすだけ。特定のICアプリを起動したり、703SHfを何か操作する必要もない。リーダー/ライターと703SHfが通信をして、チャージしてある電子マネーから支払代金が差し引かれる。もし、残高が足りないときは現金で支払うことも可能だ。ちなみに、電子マネーはクレジットカードを登録している場合、オンライン(EdyのICアプリ上)でチャージできるが、クレジットカードを登録していないときは、店頭のレジや現金入金機から直接、703SHfにチャージすることができる。


2005年11月10日現在。詳しくはこちらからご確認ください。

 Edy以外のサービスでも基本的な操作は変わらない。たとえば、JALやANAといった航空会社のサービスでは、チケットレスで購入したとき、703SHfをかざすだけで搭乗券が発行されるし、家電量販店などのポイントカードの場合もポイントの加算やポイントによる支払いができるしくみになっている。

 おサイフケータイ®というと、自分の持っている財布の中身がすべて入ってしまうような誤解をしてしまうが、ボーダフォンライブ!FeliCaではユーザーが必要なものだけを選んで、サービスを利用することができる。自分が生活をしている範囲に、ボーダフォンライブ!FeliCaに対応したサービスを利用できるところがあれば、十分に利用する価値があると言えるだろう。


安心して使うためのセキュリティ機能も充実
 ボーダフォンライブ!FeliCaが手軽に利用できるサービスであるとは言え、金銭に相当するものや会員証などを端末に入れて持ち歩くというのは、万が一、端末を落としたときのことを考えると、少なからず不安が残る。そこで、703SHfにはおサイフケータイ®を守るためのセキュリティ機能が搭載されている。

 まず、FeliCa機能を使わないとき、FeliCa機能そのものをOFFにできる「ICカードロック」が搭載されている。ICカードロックをした状態では、リーダー/ライターにかざしても反応しないため、万が一、端末を落としたとしてもFeliCa機能を使われることはない。ロックを解除するには、端末の操作暗証番号を入力する必要がある。通常はICカードロックの状態で持ち歩き、FeliCa機能を利用するときだけ、暗証番号を入力して、解除するようにすれば、安心して使えるだろう。ちなみに、ICカードロックはICアプリメニュー内の[ICカード設定]に用意されているが、頻繁に利用するようであれば、[ショートカット
]ボタンで表示されるショートカットリストに登録しておくと便利だ。

 次に、端末を落としてしまったとき、遠隔操作でFeliCa機能をロックする[リモートロック]も用意されている。703SHfのリモートロックは、電話とメールの2種類からの着信でロックさせることが可能だ。電話を利用する「電話リモートロック」はあらかじめ指定した電話番号から3分以内に指定回数の着信があると、自動的にロックされる。リモートロックを操作する電話番号は最大2件まで登録することができ、公衆電話を設定することも可能だ。リモートロックを行なう際、指定回数目の電話を掛けると、ICカードロックが設定された旨がアナウンスされるようになっている。発信する電話番号は自宅やオフィスの番号を割り当てておくと便利だ。

電話番号は最大2件の登録が可能。着信の回数や公衆電話からのロックON/OFFも設定することができる

 これに対し、メールを利用する「メールリモートロック」はあらかじめ指定した件名のメールを受信すると、同じようにFeliCa機能が自動的にロックされるというもので、ロックが完了すると指定したメールアドレスやボーダフォン携帯電話番号に対しメールで送信されるようになっている。そして、この機能は、仮に盗難や紛失した端末が一時的に圏外になった場合でも、72時間以内に圏内復帰した際にメールが受信されロックされるとうメリットもある。発信するメールアドレスは特に制限がなく、件名のみでロックができるので、いざというときは友だちのケータイを借りて、リモートロックをすることも可能だ。

ロックを行うパスワード(件名)を指定する。ICカードロック確認通知メールは、あらかじめ指定したメールアドレス以外にボーダフォン端末の電話番号を指定しても受信できる

 また、ボーダフォンライブ!FeliCaでは、リーダー/ライターに端末をかざしたとき、ICアプリやブラウザ、メール、バイブレータ、テキストなどの外部起動を実行する機能が用意されている。今のところ、具体的にどのようなサービスが提供されるのかはわからないが、これらの外部起動についても703SHf内で、起動の許可/不許可を設定できるようにしている。


自分サイズでスマートに使える703SHfは買い!

コンビニなどで、小銭を出す手間なくケータイをかざすだけで簡単に買い物ができる

喫茶店など、おサイフケータイ®が使える場所は確実に増えている。便利な機能を使わない手はない
       
 初のカメラ付きケータイ「J-SH04」以来、国内外のケータイ市場に向けて、常に新しいケータイの楽しさを提供してきたボーダフォンのSHシリーズ。ボーダフォン初のFeliCa搭載端末として発売された703SHfは、ケータイの基本とされるメールやコンテンツ閲覧はもちろん、カメラや音楽再生、ビデオプレイヤーといった注目の機能をはじめ、Vodafone live!BBのようにパソコンと連携する機能なども充実している。FeliCaを安心して使いたいユーザー、スマートにケータイを活用したいユーザーなら、ぜひともチェックしておきたい端末と言えるだろう。

■関連情報
・Vodafone 703SHf製品サイト(ボーダフォン)
 http://www.vodafone.jp/japanese/products/model_3G/v703shf/

・Vodafone 703SHf製品サイト(シャープ)
 http://k-tai.sharp.co.jp/products/v/703shf/

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・ボーダフォン、おサイフケータイ対応の「703SHf」を11日発売
 http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/26483.html

・おサイフケータイ対応のシャープ製「703SHf」
 http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/25715.html

■法林岳之
1963年神奈川県出身。パソコンから携帯電話、PDAに至るまで、幅広い製品の試用レポートや解説記事を執筆。特に、通信関連を得意とする。「できるWindowsXP基本編完全版」や、「できるVAIO 基本編 2004年モデル対応」など、著書も多数。ホームページはPC用の他、各ケータイに対応。「ケータイならオレに聞け!」(impress TV)も配信中。asahi.comでも連載執筆中