地上デジタル放送が始まっており、夏にはアテネオリンピックがある今年。俺としてはこの機会に新しいビデオレコーダーに手を出してぇよなァ〜、と思っていたりする。ので、HDD系・DVD系の、いわゆる“ディスク式ビデオレコーダー”を逐一チェック中である。 そこへ、新・DIGA。 なるほど市場の需要に応えてパナソニックからも新型が出たんスね……などと冷静に新・DIGAの機能・性能を調べ始めた途端、俺は最強にコーフンしたッ!! ていうか欲しい!! 新型DIGAすげぇ欲しぇーッ!! 今すぐ新型買わしちくり〜っ!! とマジ欲しくなった新型DIGAなのであった。 いやマジメな話、実はこの俺、既に2台のDIGAシリーズを購入済であり、すなわちDIGAユーザーなのだが、そんな実ユーザー的視点から見ても、今度のDIGAは魅力満載。前のDIGAも非常に良かったが、新・DIGAはさらにさらにイケてる。DVD式ビデオレコーダーユーザーも、HDD式ビデオレコーダーユーザーも、両方が合体したハイブリッドレコーダーユーザーも、「それが欲しかった」と言うであろー機能・性能がてんこ盛りなのである。 例えば怒濤の録画時間。いろんな意味でディスク式ビデオレコーダーの常識を覆す“長時間・高画質録画”が可能になった。あるいはEPG(電子番組表)。HDD搭載の新・DIGA全機種で、新聞や雑誌のテレビ欄要らずのチョーお手軽簡単予約録画ができまくりとなった。さらにユーザーインターフェースも一新され、ものすご〜くわかりやすい使い勝手のレコーダーへと進化している。 |
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今回発表になった新・DIGAの肝は、何と言っても画質の良さであろう。実際に新・DIGAの画質を検証したが、その結論をズバリと言えば「明らかな画質向上が感じられる」であり「ソース映像により近いピュアな画質」だ。 例えば従来機種と新・DIGAを並べ、同じ録画モード・映像ソースで画質を比べると、その違いは一目瞭然。XPなどの高画質録画モードで比較すると、新・DIGAのほーがクリアで滑らか。LPなどの長時間録画モードで比べて見るともっとハッキリわかる。明らかに新・DIGAのほーが細部の描写が鮮明で、ノイズが非常に少ない。 ていうかですね、不思議。どーしてこんなに変わったの? どーやってんの? 裏技っスか奥義っスか? みたいな。何しろ見比べると明らかに違うんだもん、画質。てなわけで、このあたりを開発者に根掘り葉掘り訊いてみたら、画質向上のシクミが見えてきた。 新・DIGAの画質向上には3つの技術がポイントになっているという。それぞれ、スーパーハイブリッドVBR、インテグレイティッドDNR、インテリジェントダビングNRだ。ちなみに、これら3つを総称して“NEW ディーガエンジン”と呼んでいる。 入力から出力までググッと高画質に! 「NEW ディーガエンジン」の概念図 スーパーハイブリッドVBRは、つまりはMPEG2エンコーダの部分で、録画時に映像をデジタル化して圧縮するシクミ。他のディスク式ビデオレコーダーにもMPEG2エンコーダが入ってるわけだが、新・DIGAのMPEG2エンコーダことスーパーハイブリッドVBRは、多くの点で徹底した最適化がなされている。具体的には、特徴抽出や動き補償、ビットレート制御など、MPEG2エンコードの良し悪し=画質の良し悪しを左右するアルゴリズムが一新された。 例えばビットレート制御技術。ビットレートは、動画を構成するデータの量で、この数値が高いほうが高画質での録画を行える。高いビットレート=高画質、なわけだが、ついでに、高いビットレート=高画質=ディスク容量を多く消費する、のである。 で、従来は、動きが速い映像や複雑な映像部分にはビットレートを多く与え、そうでない映像部分は少ないビットレートを……てな具合で自動調整していた。当然の話だが、例えばビデオレコーダーで番組を予約録画したら、絶対に予約録画できてないとマズい(記録時間保証)。複雑なシーンが多い番組だったから、ビットレートがずっと高いままで、DVDに番組入りきりませんでした、じゃ許されない。ので、一定のディスク容量に、一定時間の録画が確実に行われるように、シーンによって画質=ビットレートを上げ下げしているというわけだ。 ビットレートを適切に調整する、オドロキの技術なのダ だが、このやり方だけだと、映像によっては画質が大きく劣化してしまうケースがある。前述のように、ビデオレコーダーで番組を予約録画したら、絶対に予約録画できてないとマズい。でもMPEG2エンコーダは、次にどんな映像が来るか予知できない。しかし動きの激しいシーンに対しては、ビットレートを多く消費してしまう。で、ビットレートが残り少なくなり、かつ、またもや動きの激しいシーンが出てきた!! となると、そのシーンに十分なビットレートを与えられず、結果、画質が大きく劣化してしまうのだ。 ビットレートをバランスよく配分。これで最後まで高画質だ そこで新たに編み出されたのがスーパーハイブリッドVBRの新リアルタイムVBR制御技術。画質改善率関数(Quality Rate関数)を用い、ビットレートの与え過ぎを防いだ───機械的に不必要なビットレートを与えることを防ぎつつ、従来は劣化してしまいがちだったシーンに十分なビットレートを与えられるようになり、動画全体をバランス良く高画質にできるようになった。 などとカンタンに書いちゃってますけど、訊けば訊くほど高度かつ膨大なノウハウがないと開発できない技術なのだ。また、ビットレート制御に関する技術だけでなく、他にも適応動き検出エリアや検出モード選択アルゴリズムの最適化とか、画素単位での画像特徴分析とか、新視覚感度変調とかいろんな技術が盛り込まれまくって、新・DIGAの高画質が実現されている。 ともあれ、数々の高画質化技術をふんだんに実装した新・DIGAは、“誰が見てもすぐわかる”ほど画質が向上している。……ちなみに、新・旧DIGAで比べても画質向上がわかるが、他社製レコーダーと比べても……うわっホント違うねぇみたくわかっちゃったりして(小声)。 |
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で、具体的にどーゆーふーにキレイ? と問われれれば、まず録画時に高画質。これは前述したスーパーハイブリッドVBRを中心としたMPEG2エンコーディングの秀逸によるものだが、他にも例えばVHSビデオをダビングした時にも非常に画質が良い……というか良くなっちゃった。 新・DIGA全機種には、インテリジェントダビングDNRというダビング元のテープ信号を自動判別する機構が実装されており、テープからDVD等にダビングする時、自動的に“テープで起きがちなノイズや画質劣化”を改善してくれるのだ。具体的にはTBC(タイムベースコレクタ)と3次元NRが働き、映像の揺れや色ノイズを自動除去してくれる。コレ凄いっスよ。印象としてはテープ画質がシャキッとクリアかつ揺れ・ブレなしになって生まれ変わったよーな感じ。 それから、録画した映像を再生しても、もちろん高画質。これはインテグレイティッドDNRの効きの良さだと思うが、試しにNRをオンオフしつつ再生してみるとよくわかる。MPEG2動画特有のブロックノイズやモスキートノイズをスパーッと見事にクリーンナップしてくれる。また、ノイズ除去した状態で見ても、映像が不自然になったりノッペリしたりしない。 てなわけで、テレビ番組を録画しても、テープからダビングしても、それを再生して見ても、高画質を実感できる新・DIGA。ビデオレコーダーの画質が向上したとなれば、それだけで嬉しいわけだが、新・DIGAの画質向上により、ユーザー側にひとつの大きな利便が生まれた。てのは、より長い録画時間である。 新・DIGAでは、これまでにない新しい長時間録画モードを使えるようになった。新しくなったのは、長時間録画モードの“EP”だ。例えばフツー一般のディスク式ビデオレコーダーは、最長時間録画モードで録画しても、1枚のDVD-Rに約6時間までしか録画できない。が、新・DIGAの場合、1枚のDVD-Rにななな何と最長約8時間も!! ついでに言えば、250GBのHDDになら最長約443時間で、160GBなら最長約284時間!!(ともにEP8時間モード時) 怒濤の長時間録画が可能な新・DIGAなわけだが、今アナタ「そんな長時間録画モードは画質的にイマイチなんじゃないの?」とか思ったでしょ!! ところがドッコイ!! 驚いたことに、従来のDIGAと新・DIGAのEP8時間モードでの画質を見比べたらですね、新・DIGAのほーが若干ナイス画質だったりして!! 同じ容量のディスクにより長く録画できる新・DIGAのEP8時間モードは、むしろ画質落ちててトーゼンって気がするわけだが、従来のEPモードと同等あるいはそれ以上の画質を達成しているのだ。 これに加え、DVD-RやDVD-RAMへのダビング速度もグワッと高まっている。例えば新・DIGAのEP8時間モードで録画した1時間ドラマ番組なら、DVD-Rへ最大約32倍速のダビングが可能=わずか約2分でダビングできちゃう。DVD-RAMへは最大約24倍速・2.5分。すげー速いわけですよ短時間で作業完了なんスよ!! つまり、EPモードで多量に録りためても、DVD-R等への保存はスパッと素早く行える。たーくさん録れるだけじゃなくて、たーくさん録ったらたーくさん残せる新・DIGAってわけだ。 |
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録っても観てもダビングしても高画質、怒濤の世界最長録画時間ができ、DVD-R等への書き込みも爆速の新・DIGA。既に俺と同じく[購入]ボタン押下モードに入っている方がおありだと思うが、ここはひとまず落ち着いて、新・DIGAにはどんな機種があるのか見ていこう。 まずはHDD+DVDのハイブリッドタイプ。機種としてはDMR-E85HとDMR-E95Hの2機種がある。 E85Hは、記録メディアとして160GBのHDDを内蔵したうえ、DVD-RAMおよびDVD-Rを使えるビデオレコーダーだ。HDDが160GBあるので、前述のとおり、EP8時間モードで録画すれば最長約284時間の長時間録画……っていうかウルトラ長時間録画が可能。これはなんと160GBとして世界最長録画時間(2004年3月9日現在・EP8時間モード時 約284時間録画)。EP8時間モード録画時には、HDD→DVD-Rへ最大約32倍速ダビングができちゃう。 E95Hは、E85Hの上位機種にあたるビデオレコーダーで、E85Hの機能・性能に加え、HDD容量が250GBと大きく(EP8時間モードで最長約443時間録画可能!!) これも250GBとして世界最長録画時間(2004年3月9日現在)、さらにSDメモリーカードスロットとPCカードスロットを持つ。ので、デジカメで撮った写真等をサクッとE95Hにコピー可能。また、DV端子を装備するので、DVカメラのデジカムで撮った動画を全自動で(プレイリストも自動で!!)ダビングすることができる。 それから、VHSテープを使える新・DIGAとして、DMR-E75HとDMR-E150Vの2機種がある。 E75Vは、VHSとDVDのハイブリッドビデオレコーダーで、VHS←→DVD-RAMへのワンタッチ2Wayダビングができるほか、ツインチューナー搭載なので同時間帯にDVD-RAMとVHSに別々の番組を録画することもできる。VHSからDVDへのダビングには特に役立つ機種だが、S-VHS画質での(つまりS-VHS簡易再生ではないS-VHS再生での)高画質ダビングができるあたりにも注目したい。 E150Vは、E75Vに80GBのHDDをプラスした、最強感の高いハイブリッドビデオレコーダーで、HDDとDVDとVHSテープの間で自在にダビングができちゃったりする。テープからディスクへ移行したいし、どーせならHDDをメインに使いたい、って人にとっては垂涎の一台。 DVD-RAMに録画するシンプルなDVDレコーダーとして、DMR-E55がある。シンプルながらも新・DIGAの高画質性能ことNEW ディーガエンジン搭載であり、新長時間モードを搭載したコストパフォーマンスの高い機種である。ちなみに、EP8時間モードで録画した場合、1枚のDVD-RAMなら両面で最大約16時間録画可能だ。 発売予定のDIGAに共通する特徴を見ていこう。 全機種に共通する機能・性能としては、まずNEW ディーガエンジンを搭載しているという点。録る時も観る時もダビングする時も高画質なわけですな。また、1枚のDVD-Rに最長約8時間(片面)の録画を行える新しいEP8時間録画モードも全機種で使える。 もうひとつ、ボディ前面に大きな表示管を搭載したことも、全機種に共通する特徴だ。文字の高さが10.5ミリ(従来機種の約2倍)となり、例えば数字などの表示が非常に見やすくなった。さらに、リモコンもブラッシュアップされ、ボタン配置や色分けによって、わかりやすさが増している。 わかりやすさの点では、GUI(Graphical User Interface)が一新されたことも嬉しい。カンタン選択機能やカンタンプログラムナビなど、機能がカテゴリ分けされたうえで表示されるので、新・DIGAが持つ多くの機能を迷わず使いこなしていける。GUIに加え、本体にあるボタン類も、使いやすいサイズや位置となり、かつ、ボタンの機能も一目でわかるようになっている。 HDDを搭載したモデル(E85H、E95H、E150V)全機種には、待望のEPGが搭載された。電子番組表ですな。新聞のテレビ欄やTV雑誌など不要で、画面上だけで予約録画を行えて、しかも録画したタイトルリストには自動的に番組名が入る。一度使うと手放せない激便利機能なのだ。また、HDD搭載の全モデルは、最大約DVD-R 32倍速/DVD-RAM 24倍速のダビングが可能。(EP8時間モード時。4×高速対応DVD-R使用時) 全5機種の新・DIGAをザッと見てきたわけだが、あのですね、まだまだ書き足りないところがあるんですよ正直なところ。前述の機能・性能だけでマジ欲しくなっちゃう新・DIGAなんですけどね、実際使ってみると従来機と比べてヒッジョーに使いやすくなっているし、さらに実用性が高まっているのだ。てなわけで、次回は新・DIGAの実使用感を中心にレポートしていきたい!! |
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