Athlon 64を使ってみよう！～64bit時代への助走～

［Photo02］ MSI K8T Neo-FISR2のBIOS Ver 1.2の画面。ここで"Cool'n'Quiet Support"を"Enabled"にしておく。

［Photo03］ 「コントロールパネル」→「システム」→「ハードウェア」→「デバイスマネージャ」→「プロセッサ」→「AMD Athlon(tm) 64 Processor」を選択する。

　Cool'n'Quietを利用するためには、以下の３つの作業が必要である。

(1) まずBIOS SetupでCool'n'Quietを有効にしてやる必要がある(Photo02)。最近のAthlon 64対応マザーボードはかなりCool'n'Quiet対応になっているが、ただし最新BIOSでないと項目が無い事も多い。お手持ちのマザーボードにこの項目がなかったら、最新BIOSにアップデートしよう。

(2) Windows XPのCPUドライバを更新する(Photo03)。Windows XPに標準で入っているCPUドライバは、Cool'n'Quietに対応していない。そこで、AMDのサイトから、「AMD Athlon 64 Processor Driver for Windows XP」をダウンロードして、入れ替えよう。この1.1.0.0というドライバを使うと、Cool'n'Quietが利用できる様になる。ちなみに、Windows ME/Windows 2000のユーザーは、同じところにある「AMD Athlon 64 Cool'n'Quiet Software for Windows ME and Windows 2000, Version 1.0.1.7」を使う事でCool'n'Quietの恩恵にあずかれる。

(3) 「コントロールパネル」→「電源オプション」→「電源設定」で、「最小の電源管理」を選んでおく(Photo04)。これを選ぶとWindows XPでCool'n'Quietを利用できるようになる。

　これを使うとどうなるか、という実例をPhoto05に示す。プロセッサドライバをインストールすると、パフォーマンスオブジェクトに"ProcessorPerformance"なる項目が追加され、ここでプロセッサの動作速度や消費電力などが監視出来る様になる。で、実際に取ってみたのがこのグラフである。負荷に応じてプロセッサの周波数が800MHz～2000MHzの間で変動している事が判るだろう。数字が小さすぎてグラフでは読み取れないが、1.3V～1.5Vの間でこちらも連動して変わっている。


［Photo04］ここを「常時オン」とかにすると、Cool'n'Quietは動作しない。これはWindows XPの仕様である。		［Photo05］青い線が指導さ周波数である。800MHz/1800MHz/2000MHzの間を行ったり来たりしているのがお分かりだろうか？

　　リアルタイムでこれを監視したいという場合に役立つのは、マザーボード付属のユーティリティである。Photo06～08は、MSI K8T Neo-FISR2に付属する"CoreCenter"というユーティリティであるが、これを使うと周波数及びコア電圧をリアルタイムで監視できる。


［Photo06］ 800MHz@1.34V動作。定格よりちょっと電圧は高め。		［Photo07］ 1800MHz@1.44V動作。		［Photo08］フルスピードの2000MHz@1.54V動作。

　これを使って積極的に周波数やコア電圧を調整することも出来る。前出のCoreCenterでも手動での調整が可能だが、これは当然ながらMSIのマザーボードでしか使えない。もう少し汎用的なものとしては、Crystal Dew Worldで配布されているCrystalCPUIDがある。hiyohiyo氏の手によるこのユーティリティを使って、積極的に動作周波数(Photo09)や電圧(Photo10)を調整できるほか、Cool'n'Quiet自体の調整(Photo11)も可能だ。当然これらを操作する場合は「あくまで自己責任」だから、よく理解せずにいじるのは危ない(というか、通常はBIOSの設定に任せておけば十分だ)が、わきまえた上で敢えて調整したいと思った時には非常に有用な手段となるだろう。


［Photo09］周波数調整：あくまで倍率を変更できるだけであるが、800MHz～2000MHz(Athlon 64 3200+の場合。3400+なら2200MHzまで調整できる)の範囲で動作周波数を調整できる。		［Photo10］電圧設定：こちらは1.3V～1.55Vまで0.025V刻みで調整が可能である。		［Photo11］ Cool'n'Quietの詳細設定画面。