第2回では、東芝の独断と言える省エネ・高性能のエアコンの心臓部「デュアルコンプ」の成せる機能をカタログから見てきた。今回は、実際に設置してみてその使い心地などを試してみたい。
なおここ数日は、小春日和が続きエアコンが大活躍するシーンがなかったので、6月以降に長期レビューとして冷房性能などを追ってレビューする予定だ。
大型家電の設置日っていうのはワクワクするもの。今回はそのワクワク感をちょっとだけおすそ分けできる、取り付け工事のドキュメントから紹介しよう。
工事内容は、すでに設置してある古いエアコン(およそ8年前)の取り替えだ。まずは古いエアコンの撤去作業から。
まず室外機の取り外しと、配管の撤去作業
次に室内機の撤去
取り替えでネックになるのは、エアコン用の取り付け穴だ。旧式のエアコンは、室内機と室外機を結ぶ電線と冷媒管(銅管)2本に排水用のドレン管の計4本を壁に通すようになっている。しかし大清快のような最新式エアコンでは、これに換気用のホースが加わり計5本を通す必要がある。稀ではあるが、穴の拡張ができないという場合は、換気用のホースを通さない場合がある。この場合に制限される機能は、以下の通りだ。
■換気機能
スゴイオン機能は有効だが、換気はできない。
■自動清掃機能のホコリ排出機能
室内機の内部にあるダストボックスに集められ、サインが表示されたときに掃除機などで清掃する必要がある。
排気ホース設置時は、自動的に集めたホコリを室外に排出する。
ウチの場合は直径70mmの穴が開いていたが、軽量鉄骨住宅なので壁を補強する「スジカイ」という鉄棒が入っていたため、配管はギリギリ通せたという感じだ。工事士さんのお話によれば「木造住宅(とくにツーバイフォー)であれば穴の拡張は簡単にできるので、排気ホースが問題になることはまずない」という。ただ「マンションなどの鉄筋コンクリート製の壁の場合は、取り付け穴のサイズに注意したほうがいい」とのことだった。
穴の奥、右下に斜めに走っているのがスジカイ。直径15mm程度の丸い鉄棒が入っているため、直径は70mmあっても配管はギリギリ
屋外機側の配管。こちらも70mmの穴となっているので、大清快UDRで推奨される直径65mm以上の穴だが注意が必要。写真は、すでに室内機を付けた後の様子
古いエアコンの撤去作業が終わったら、大清快UDRの取り付けとなる。部屋はほぼ13畳で、南と東、そして北側に窓があり日当たりが良いため、10畳用のRAS-281UDRを取り付けた。
新品の家電ってワクワクするぞ!
取り付け金具を壁に固定。もちろんキッチリ水平出しも行っている。
取り付けの際に気になるのは、壁の強度だ。これも工事士さんに話しを伺ったが「とくに強化壁になっている必要はありません。壁の下地材は重量に耐えますよ」とのことだった。
室内機の配管・ドレン管を取り付け穴を通す
室内機の設置はこれで完了!
ここまで作業が終われば、取り付け工程の半分は終わったも同然。あとは室外機との配管作業と、管に入っている空気を抜く作業となる。
冷媒管の切断と接続作業
冷媒管の中に入っている空気を抜く「エアパージ」と呼ばれる作業。室外機の上に載っているのは真空ポンプだ
最後に試運転をして最終チェックを行う。また今回は、外壁と配管の隙間をパテ埋めするのではなく、化粧カバーを取り付けた。そのためカバー上部をシリコンでコーキングして作業終了。
エアコンの試運転を行いながら、最終チェック作業をすすめていく。
化粧カバー内に雨が入り込まないように、シリコンでコーキングする
今回の取り付け作業は、壁穴を通すのに多少時間がかかったため、およそ1時間半の作業となった。また工事士さんからのこんなアドバイスも。
「とくにマンションなど気密性の高い部屋で、かつ換気扇が近くにある場合は、冷房をつけて寝ていると定期的に「ポコ!ポコ!」という音が聞こえる場合があります。これすごく気になるんです。こんなときは、ドレン管に逆止弁をつけると音が鳴り止みますよ。私の場合「これはヤバそうだな」っていうのが分かるので、お客さんの了解を得てつけるようにしています。もしこの音がするようなら、工事店に連絡すればすぐに対応してくれるはずです」
取り付け工事の際に「千円ほどかかりますが、逆止弁をつけますか?」と尋ねられたら、迷わず取り付けてもらうことをお勧めする。なぜなら、プロの目に間違いはないからだ。
close時の部屋ルーズ
電源を切った状態はシンプルなデザインで、部屋のコーディネイトを壊すことはない
open時UDRアップ
変身後の大清快。これはカッコイイ! 同じ値段を出してエアコンを買うなら、このギミックの付加価値はかなり高い! 違った! 心臓部のコンプレッサがイイのだ! 心臓部が!
カタログでは一切触れられていないが、家電Watch読者が泣いて喜ぶギミックがある。それが電源ON/OFFによるデザインの変身機能だ。女性読者にとっては、これっぽっちも興味ないかもしれないが、変身は男のロマン! 最近のスポーツカーはリトラクタブルライト(前照灯がパカッ!と開くヤツ)がなくなって寂しいだけに、実に嬉しい。
電源を切っている状態は、実にすっきりしたデザインなので、カントリー調やアジアンテイストな部屋でも雰囲気を壊さないだろう。電源を入れると本体フロントパネルがゆっくりと持ち上がり、冷房の場合は上向きに、暖房の場合は下向きにルーバーが回転する。その勇姿は、昔テレビで見たアニメの基地や戦艦のようで、中からカッコイイ小型のメカが次々と発進してきそうだ。
そして白く光る7セグLEDの「とくダネ!モニター」。カッコイイったらありゃしない! なおこのモニターは運転開始からおよそ10分、部屋の温度が設定温度に近づくと、刻々と消費電力を表示するようになる。このジラされる時間もまた、かっこよさのひとつだろう。メインコンピュータの立ち上げの時間のようで、ワクワクしながらエアコンの前から離れたくないのだ。
さらに運転終了時は、この逆の変身が見られる。こちらは自動的にエアロックハッチが閉じるような感じで、最後にカッコン!と(音は出ない)閉まる動作に、口で効果音を入れたくなってしまうだろう。
量販店では、たいてい中身のないモックアップが展示されているので、このかっこよさを味わえるのは、この記事と、買ったあとのお楽しみだ。
大清快UDRシリーズは、今やハイエンドエアコンでは当たり前となりつつある、全自動お掃除機能を備えている。エアコンの汚れといえば、熱交換器のホコリやカビ、フィルターに付着したホコリがメイン。このエアコンは、2つのお掃除を毎回自動的にしてくれるので、一般家庭ならほとんどメンテンスフリーと言っていいだろう。
まずはフィルターの掃除だが、これがまたカッコイイ! 次の写真はサービスマンの立会いの下、カバーを外した状態でフィルターをクリーニングする様子を撮影したものだ。
最初に上部のフィルターの掃除。エアコン上部に設置されている長い灰色のBOXは「ダストボックス」と呼ばれるもので、中に回転するブラシが内蔵されている。通常ここに貯まったホコリは、換気ホースを通して外部に排出するが、ダストボックス内に貯めておくことも可能だ。
次に前面のフィルター。左右のフィルターが上に移動し自動的にクリーニングされていく。
と、ここまでお見せしておいて申し訳ないが、実際のフィルター清掃はフロントカバーを閉じた状態でなければ動作しない。おそらく安全面を考えてのことだろう。欲を言えば、東芝さんにスケルトンフロントカバーを別売して欲しいところだ。
ここまでに掛かる時間はおよそ9分。最後にダストボックスに貯まったホコリは、換気用のエアーに吸い込まれ室外に排出される。なお油汚れなどが付いてしまった場合は、フィルターを取り外して手洗いも可能だ。
いっぽう熱交換器のクリーニングは、冷房や除湿運転をしていると常に行われる。写真のように熱交換器の薄いアルミ板は、表面に親水性の高いコーティングがされている。

アルミ板は親水性が高い新樹脂でコーティングされているため、油汚れが付いても、その下に水が入り込み汚れを落とす
熱交換器には油汚れがこびりついたとしても冷房や除湿運転で熱交換器に付着した水分が流れると、油と親水性の高いアルミ板の間に水が入り込み、油汚れを背負った形でドレン管に流される。つまり熱交換器の清掃にかかる電気代は0円というわけ。実に合理的なシステムと言えるだろう。
熱交換器に付くカビの問題は、運転後に熱交換器を乾かすことでカビを繁殖させないようにしている。電源を切るとフィルターの清掃を行った後、ファンが75分ほど回転し熱交換器に付着した水分を乾かす。とはいえ、1回の清掃にかかる電気代はたったの2円だ。エアコン清掃サービスに依頼することを考えたら桁違いに安い。
エアコンを10分以上運転すると必ず行われる自動クリーニングだが、エアコンを付けたままで寝る場合は「快眠切りタイマー」を使うと、静かに清掃を行うようになる。細かいところへの気配りも嬉しい限りだ。
さらにフィルタークリーニングの仕上げ1分間ほどは、排気を最大パワーで行うようで、排気ホースを流れる気流の音が「コーーー」と聞こえる。この音が気になる場合は、リモコンメニューのホコリ排出を「なし」モードに切り替えることで、排出せずにダストボックス内に貯めておくこともできる。
除湿運転は、部屋の温度を保ちながら湿度を40〜60%まで10%刻みで設定できる
6〜7月の梅雨どきに悩むのが、洗濯後の乾燥だ。独身や夫婦だけの世帯であれば、さほど洗濯物も出ないので何日間かストックすることは可能だが、子供が多いファミリー世帯は1日洗濯ができないのは死活問題。かく言うウチも中学〜小学生の子供が3人いるので、少ないときでも8kgの洗濯層は満員御礼、多いときには3回に分けて洗濯するときすらある。とくに土日が雨のときは、必ず月曜日には持たせなくてはならない給食当番服や体操着などもあり、梅雨どきは修羅場だ。
部屋干し独特のあの臭いは洗剤の改良などで改善されたが、部屋のじめじめは避けられない。乾燥機付き洗濯機を使っても、結局室内に湿気が放出されるので、窓は真っ白に露つき。
※一般的な電熱線ヒーター式の乾燥機は、室内に湿気を出さないように工夫してあるものの湿度が高くなる。最新のヒートポンプ式乾燥機の場合は、ほとんど湿気を出さず省エネ設計になっている。
そんなときに活躍するのがエアコンの除湿機能だが、東芝の大清快UDRシリーズは、部屋干しでもパワフルに乾燥させるランドリーモードを搭載している。子供の多い家庭では、梅雨の修羅場に平和をもたらす礎となること間違いない。
ランドリモードは「選んで再熱除湿」機能の一部で、他に湿度を40、50、60%に設定できる通常の除湿運転がある。室内機の熱交換器の半分を暖房、もう半分を冷房として運転し、冷房側で除湿した空気を暖房側に送り込むため、部屋の温度の低下が抑制できる。
ランドリーモード運転の場合は通常の除湿運転に加え、洗濯物をより早く乾かすためにルーバーを動作させて風を送るのが特徴だ。これによりメーカーの試算では、4kgの洗濯物、ワイシャツに換算すると27枚分の乾燥を3時間でやってのけてしまうというから凄い。
「除湿」ボタンを何回か押すとランドリーモードに設定できる
梅雨の強力な助っ人になってくれるランドリーモード
しかもランドリーモードは、3時間後に自動的に運転を停止するモードと、連続して運転するモードを備えているので、洗濯物の量に合わせて簡単に運転できる。カタログによれば、その除湿能力は除湿乾燥機5台分に相当するというから、どれだけパワフルかが分かるだろう。
最新式エアコンのほとんどが搭載している、就寝時の室温コンロールをする切タイマー。もちろん大清快UDRシリーズにも搭載されており、人間工学に基づいた室温コントロールを行ってくれる。
次のグラフは、布団に入ってから目覚めるまでの室温コントロールだ。

冷暖房、除湿運転時にそれぞれ設定された室温制御。微妙な温度をコントロールできるのはデュアルコンプならでは
冷房、除湿、暖房でそれぞれ独自のコントロールを行い、寝冷えや寝汗をかかずにぐっすり睡眠できるよう、エアコンは寝ずに働いてくれる。
グラフを見れば分かるとおり、冷房や除湿時の室温管理はエアコンにとってシビアな運転。このエアコンはなんと0.5℃刻みで温度調整ができる。ここまで連載を読んでいただいたみなさんは、ここでピン!と来るはず。スクロールコンプレッサや通常のロータリーコンプレッサを搭載したエアコンでは、ここまでキレイなグラフを描くことは不可能。運転と停止を繰り返し行うため、部屋の温度を示すカーブはノコギリ状にギザギザとなり、省エネ運転もしづらい状況が睡眠中の7〜8時間続くのだ。これは人間工学として「体感温度を安定させると熟睡できる」という論にも反する。
先に「最新式エアコンのほとんどが搭載している」と書いたが、機能の差は歴然としている。今のところ、これだけシビアな温度管理をスムーズにできるエアコンは、デュアルコンプレッサ、通称「デュアルコンプ」を持っている東芝にしかできない芸当なのだ。
春秋はエアコンの近くにあるホルダーに掛っているリモコンだが、冷暖房の時期になると携帯電話やテレビのリモコンのように部屋中を勝手に歩き回ってしまう。
独身世帯なら自らリモコンを取りに行かねばならないが、ファミリー世帯でよくあるのが「テレビ○チャンネルに変えて!」と同様に「エアコンつけて!」という子供への指示。
大清快UDRシリーズのリモコンは、8つの大きなボタンに機能が集約されているので、子供でも簡単に操作できる。しかも通常使うのは「停止」と「自動」ボタンの2つだけだ。これならお爺ちゃんお婆ちゃんでも簡単に使いこなせるだろう。またこれら2つのボタンは、真っ暗な部屋でもぼんやり光るため、電気を消した状態でも操作ができる。
大型の液晶パネルと大きなボタンで操作しやすいリモコン
真っ暗な部屋でも「停止」と「自動」ボタンが見える
下部カバーをあけたところ
「もっと使いこなしたい!」「細かな設定がしたい!」という場合は、リモコン下部のカバーを開くと、各種ボタンで操作可能だ。
カバーを開けると細かい設定ができる小さなボタン類が並ぶ。1回設定してしまえば、頻繁に変更することもないだろう
また一番目を引く大型の液晶は、カレンダー付きの時計やグラフ表示されるタイマー設定、設定温度に風向や風量などが表示されるだけでなく、大型のドットマトリクス液晶を備えている。ここには、冷暖房運転の文字や風向、風量などが大きな文字やアイコンで表示されるため、子供やお年寄りにもはっきり分かるだろう。またリモコン裏には、少しだけくぼみが付いているので、しっかり手にホールドできるという細かな配慮もされている。
アイコンで表示されるので、子供やお年寄りにも分かりやすい
運転モードは1円玉ほどの大きな文字で表示される
他のエアコンにはない独特のボタンは、「見エルネ」と「おしえて」ボタンだ。「見エルネ」ボタンは、エアコン本体に表示される電力計や電気代表示の切り替えスイッチ。「おしえて」ボタンは、押すごと大型マトリクス液晶に、次のような情報を表示できる。
運転時間&電気代
現在の運転時間とおよその電気代
月累積
今月のエアコンにかかった電気代
室温
現在の室温と湿度、そして外気温
1回ボタンを押すとエアコン本体とリモコン間で赤外線通信が行われ、各種データをやり取りする。リモコンはその情報を整理・加工して、液晶に分かりやすく表示してくれるというものだ。
CO2
おおよそのCO2排出量。ちなみに財団法人日本エネルギー経済研究所 計量分析ユニット(2006年調べ)によれば、日本国民は1日27kgのCO2を排出しているとしており、環境省では「1人1日1kgの削減」を呼びかけている
家計簿
今日〜おとといまでの3日間のエアコンにかかった電気代
3日間の電気代をグラフでも確認できる
中でも3日間の電気代を表示できる「家計簿機能」は、省エネの励みにもなるだけでなく、エアコンにかかる電気代をデイリーで確認できるので主婦にとってはうれしい機能となるだろう。
またタイマーの時刻指定は、グラフで時間帯が表示されるので見やすい。細かな機能設定は「メニュー」ボタンと「▲」「▼」で操作できるので、メニューの全体把握や操作も簡単になっている。
タイマー設定モード
時刻のグラフが表示されタイマー設定がイメージとしてつかめ使いやすい
メニューモード
メニューの階層も深くなく操作に迷うことはない
さらにこの賢いリモコンには、温度センサーが内蔵され「自動」運転時は常に本体と通信を行っている。高い位置に付けられている本体内の温度センサーではなく、リモコンのある場所の温度を室温としているので、設定温度と体感温度に差がないというのもうれしい。
難点は広いリビングだとリモコンの温度センサーを中心に快適になるので、チャンネル争奪戦ならぬリモコン争奪戦が勃発する点だ。こればかりはご家庭内の問題なので、筆者がアドバイスすることができない。家族で相談してみんなが快適に過ごせる場所に、リモコンを置くようにしてもらいたい。
エアコンの省エネ性を計る目安として、古くは「COP」(冷暖房平均エネルギー消費効率)というモノサシが使われてきたが、2010年には新しい省エネ基準として「APF」(通年エネルギー消費効率)というものが登場した。この新基準はカタログデータ的であったCOPを、より実用に近い条件で運転したときの省エネ性の目安だ。大清快UDRシリーズのAPFは、6.0(200V、14畳用RAS-402UDRの場合)とトップクラスの省エネ性を誇るが、APFでも計れない省エネ性を秘めている。
部屋の広さ (冷房時おもに) |
型番 | 通年エネルギー 消費効率(APF) |
6畳 | RAS-221UDR(W) | 6.6 |
8畳 | RAS-251UDR(W) | 6.6 |
10畳 | RAS-281UDR(W) | 6.6 |
12畳 | RAS-361UDR(W) | 5.8 |
14畳 | RAS-401UDR(W) | 5.8 |
14畳 | RAS-402UDR(W)(X) | 6.0 |
16畳 | RAS-502UDR(W)(X) | 5.5 |
20畳 | RAS-632UDR(W)(X) | 5.0 |
23畳 | RAS-712UDR(W) | 4.5 |
APFの詳細は経済産業省のWebページ[PDF]から閲覧できるが、早い話関東近辺にある一戸建て木造住宅の南向き1階の部屋で使った場合の目安だ。北海道や沖縄で使えば、APFはカタログどおりにならない。これはどのメーカーにも言えることなのだが、ポイントは地域や住まいによって異なるという点。
これまでも解説してきたとおり、 主流となりつつある高気密・高断熱住宅では、いかに小さな能力で運転できるかが快適・省エネのポイントで、大型のコンプレッサを持つエアコンに比べシングル運転に切り替わる「デュアルコンプ」に軍配が上がるのは言うまでもない。また春秋にも換気扇代わりにエアコンを使う世帯も「デュアルコンプ」がシングル運転に切り替わるため、APFでは計れない省エネ性を秘めている。
しかし東芝のカタログは、これらを一切うたっていない。これはAPFが6.0で省エネ達成率122%というトップクラスの成績なので、あえて言う必要もないという懐の大きさだろう。とはいえCOPというモノサシがAPFに変わった今、今後新しいモノサシが出てきたときに「デュアルコンプ」の底力を見せつけてくるだろう。
第1回の冒頭で言ったとおり「エアコンの本質は心臓部にあり」。重電を手がける東芝だからこそできた「デュアルコンプ」という心臓部は、エアコン界のトップを走っている。
(Text by 藤山哲人)
■関連情報
□東芝エアコン大清快
http://www.daiseikai.com/index_j.htm
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□東芝、電気代を表示してエコを喚起するエアコン「大清快」
http://kaden.watch.impress.co.jp/docs/news/20091028_324878.html