dynabook SS RX2/W9J 製品情報
http://www3.toshiba.co.jp/jdirect/catalog/dynabook_ss_rx2_jw/index.htm
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dynabook SS RX2/W9J(以下、RX2/W9J)の最大の特徴となるのは、超高速なアクセス速度が特徴の128GB SSDを搭載していることだ。従来モデルでも128GB SSDを搭載するモデルが存在していたため、これが最大の特徴と言うのはちょっと違うのでは、と思う人もいるかもしれない。しかし、RX2/W9Jに搭載される128GB SSDは、従来モデルのSSDとは大きな違いがある。 従来モデルに搭載されていた128GB SSDは、東芝製SSDの中でも第2世代に位置付けられるもので、読み出し速度が約100MB/秒、書き込み速度が約40MB/秒という性能だった。それに対しRX2/W9Jに搭載されている128GB SSDは、読み出し速度が230MB/秒、書き込み速度が180MB/秒と、従来モデルのSSDに比べて大幅な高速化が実現されている。この、超高速SSDが採用されることによって、基本スペックにほぼ違いがないにも関わらず、体感速度が大幅に向上しているのだ。 まず、アプリケーションの起動時間が明らかに高速化しているとともに、起動後の作業もサクサクこなせる。特に、フォトビューアを起動して大量のデジカメ画像のサムネイルを作成させたり、セキュリティソフトでスキャンを行う場合など、ディスクアクセスが多くなる作業を行った場合などに、はっきりと高速さが実感できる。 また、アプリケーションの起動やディスクアクセスの多い作業を行う時以上に高速さを実感するのが、SSDへのファイル書き込みを行った場合だ。中でも、SSD内で大容量ファイルをコピーさせた場合には、その違いが如実に表れる。動画を見てもらうとよくわかると思うが、倍以上と言ってもいいほどの速度差がある。また、休止状態への移行もかなり高速だ。 |
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SSD上で1000MBのファイルを複製する速度を比較。左が従来機種、右がRX2/W9J
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おそらく、カタログスペックを見ただけでは、この快適さを実感できないだろう。しかし、実際に使ってみると、従来モデルと比べて基本スペックが1段以上向上したのでは、と思ってしまうほど、違いがはっきりと感じられる。 SSD搭載のメリットは、快適さだけではない。RX2/W9Jに搭載されているSSDは、一般的なノートPC用HDDと比較して消費電力が約1/2に抑えられており、モバイルノートで重視されるバッテリ駆動時間の面でも有利となる。また、HDDのようなモーターやヘッドといった駆動部が一切なく、ほぼ無音で動作するため、利用時の騒音も非常に低く抑えられるというメリットもある。そして、駆動部が一切ないということは、外部からの振動や衝撃に対しても非常に強いということでもある。常に持ち歩くモバイルノートでは、落下などによって強い衝撃が加わる可能性が非常に高いが、SSDなら万が一強い衝撃が加わったとしても、SSD自体が物理的に損傷する可能性が低く、保存されているデータが失われる危険性も大幅に低減できる。 モバイルノートにSSDを搭載することは、パフォーマンスの面だけでなく、静音性や省電力性、耐障害性を高めるという意味からも最適であり、その上でパフォーマンスが大幅に向上していることで、RX2/W9Jは従来モデルから魅力が大幅に向上したと言えるのだ。 |
RX2/W9Jは添付の標準バッテリパック「63A」でカタログスペック12時間駆動が可能。なお、オプションとして軽量バッテリパック「32A」も用意されるが、こちらはカタログスペックで6時間駆動となる。ちなみに、両バッテリパックの寸法はまったく変わらない。大容量でも出っ張らないのはメリットだ
RX2/W9Jのもうひとつの魅力となるのが、長時間のバッテリ駆動を実現している点だ。モバイルノートでは、マシンスペックよりもバッテリ駆動時間が重視されることも少なくないが、W9Jでは、カタログ値で約12時間と、同クラスのモバイルノートの中でも圧倒的なバッテリ駆動時間を実現している。 ただ、実際に利用した場合のバッテリ駆動時間は、カタログ値よりも短くなる場合がほとんど。そこで、バッテリベンチマークソフト「BBench」を利用して、付属の標準バッテリ(バッテリパック63A)を利用した場合のバッテリ駆動時間を計測してみた。BBenchでは、定期的なキー入力とWeb巡回を行う機能が用意されており、それら機能を活用することで、比較的実利用に近い状況でバッテリ駆動時間を計測できる。もちろん、今回のテストでも、定期的なキー入力とWeb巡回機能を有効にして測定している。RX2/W9Jの省電力機能は、電源プランに用意されている「東芝省電力」のデフォルト設定を利用。また、内蔵の無線LANも有効にし、Web巡回は無線LAN経由で行わせた。 結果は、約5時間7分と、カタログ値よりも短かった。とはいえ、この結果には理由がある。それは、この測定時には無線LANが有効になっているとともに、東芝省電力の標準設定で、液晶のバックライト輝度が40%に設定されており、カタログ値で採用されている「JEITAバッテリ動作時間測定法(Ver1.0)」よりも明らかに電力消費の多い状況で測定しているからだ。ただ、そのように過酷な状況でもバッテリ駆動時間は5時間を超しており、モバイルノートとして間違いなくトップクラスのバッテリ駆動時間が実現されていると言っていいだろう。 |
薄型ながら、堅牢性の高いマグネシウム合金ボディや、衝撃を緩和するラウンドフォルム、プロテクトラバー、応力分散ドーム式構造など、随所に工夫が凝らされている
DVD記録ドライブを搭載。この薄さにこの重量なので忘れてしまいそうになるが、dynabook SS RX2はれっきとした2スピンドルノートだ
12インチノートだけあり、キーピッチは余裕の19mm。タッチパッド下部には指紋センサも装備
dynabook SS RX2シリーズが高い人気を得ているのは、スペック面の充実とともに、優れたモバイル性と堅牢性も両立しているため。そしてRX2/W9Jでも、それらの特徴はそのまま受け継がれている。 まず、ボディサイズは幅283.0mm×奥行き215.8mm×高さ19.5〜25.5mmと、12.1型ワイド液晶を搭載し、光学式ドライブを内蔵するノートPCとして驚異的な薄型かつコンパクトさを実現。重量も標準バッテリ搭載で約983gと、1kgを切る軽量さだ。ちなみに、オプションで用意されている軽量バッテリ(バッテリパック32A)搭載時には863gと、光学式ドライブ内蔵のノートPCとは思えないほどの軽量化が実現できる。 また、モバイルノートは直射日光下の野外で利用することも少なくないが、一般的なノートPCの液晶ディスプレイは、直射日光下での視認性が大きく低下してしまう。しかし、RX2/W9Jの液晶ディスプレイには、従来モデル同様、半透過型液晶が採用されており、直射日光下ではバックライトを切り、太陽光を利用することで優れた視認性が確保できるとともに、バッテリも節約できる。この点も、他のモバイルノートに対する大きな優位点だ。 そして、薄型・軽量化と相反する命題である堅牢性も申し分ない。薄型でも優れた強度を実現するバスタブ構造をボディに採用するとともに、外部からの衝撃を分散吸収する本体周囲のラウンド構造、内部への水の浸入を遅らせるキーボードやタッチパッドへのウォーターブロック構造によって、LCDカバー面に対する100kgfの面加圧テスト、75cmの高さからの落下テスト、キーボード面に100ccの水などを注いで一定時間電源ショートを起こさない浸水テストなど、様々な堅牢性テストをクリア。満員電車で押しつぶされる心配がなく、外出先のカフェなどでも安心して利用できる。 加えて、指紋センサを利用したWindowsログオン認証や、TPMセキュリティチップによるデータの暗号化、BIOSやHDDに対するパスワード保護、SDカードをトークンとして利用する認証機能など、必要とされるセキュリティ機能はもちろん網羅されている。 このように、dynabook SS RX2では、まさに究極のモバイルノートと呼ぶに相応しい仕様が実現されていると言っていいだろう。 |
dynabook SS/RX2シリーズの2009年夏・Webオリジナルモデルは、今回取り上げている高速128GB SSD搭載のRX2/W9Jに加え、250GB HDD搭載のRX2/W7Jも用意されている。価格的には、RX2/W9Jの277,800円からに対し、HDD搭載のRX2/W7Jのほうが247,800円からと、3万円ほど安価だ。とはいえ、高速SSDによる圧倒的な快適さに加えて、衝撃や振動に対する保存データの安全性、静音性の高さなど、RX2/W9Jにはその価格の差を埋めてあまりある魅力があるのも事実。 昨年来、低価格なネットブックがピュアモバイルノートのシェアを脅かしている。ただ、何かにつけて妥協しながら利用しなければならないネットブックに対し、RX2/W9Jには妥協点がほとんどなく、幅広い用途に快適に利用できる。確かに、ネットブックに対して絶対的な価格には大きな差があるものの、RX2/W9Jを手にすると、性能面だけでなく、ノートPCとしての完成度の高さも、比べものにならない違いがあると再認識でき、価格面も十分に納得できる。 外に持ち出すことが多いモバイルノートにおいては、携帯性や堅牢性、保存データのセキュリティ性など、様々な性能が要求される。つまり、価格だけでなく、総合性能で選ぶべきだ。そういった意味でも、RX2/W9Jはモバイルノートとして非常に魅力的なのは間違いなく、イチオシの製品である。 【Reported by 平澤寿康】 |
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