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歴史ものリアルタイムストラテジー(RTS)ゲームの世界標準ともいえる「Age of Empires©」(AOE)シリーズ。今年でシリーズ10周年を迎えるこの作品だが、未だ人気は衰えず。今年も待望の新作が登場した。
シリーズ最初の作品は1997年(北米地区、以下同)に発売された「Age of Empires」(AOE1)。石器時代から鉄器時代までの古代文明を題材に、世界の覇権を争う歴史スペクタクルRTSという世界観を確立。市民ユニットを活用して資源採取を行って内政を回し、その富を軍事に変換し、軍備が整ったら敵を攻略…というAOEシリーズの基本ゲームシステムは後の同種のゲームにも大きい影響を与えた。
続く1999年に発売された「Age of EmpiresII」(AOE2)では中世暗黒時代からルネッサンス時代までを描き、前作からの正統なる続編として登場。軍事ユニットの相性バランスと進化システムにより深みを増し、特にネット対戦が世界はもちろん日本国内でも一大ブームを呼んだ。「続編でRTS」という、キーワード的にはそれほどヒキがなかったにも関わらず世界的な大ヒットとなったのは、ひとえにゲームが純粋に面白かったから。ちなみに、AOE2は未だにネット対戦でも良くプレイされている。
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ネットワークRTS対戦のスタンダード地位を確立した「AOE2」 |
開発元のENSEMBLE STUDIOSはこの後、2002年に神話の世界を描いた「Age of Mythology」を発売。これは「AGE OF〜」シリーズ初のフル3Dグラフィックス化を果たし、RTSゲームの新しいビジュアルの可能性を切り開いた。
魔法や天変地異を取り扱った「Age of Mythology」のダイナミックな戦略性は好評を博したが、やはり「Age of Empires」シリーズの旧来のファンは最新作「III」に寄せる期待が大きかった。
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AGE OF〜シリーズ初の3D化が達成された「Age of Mythology」 |
そして2005年、そうしたファンの声に応える格好で「Age of EmpiresIII」(AOE3)が発売となる。AOE3ではAOE2の後の時代、ヨーロッパ列強が自国を飛び出して世界へと活動圏を広げ、植民地を拡大していった大航海時代(15世紀)から産業革命時代(19世紀)までを取りあげている。ただし、新しいRTSファンを獲得する意味合いを込めて、舞台を「アメリカ大陸開拓史」にスポットをあてているのが特徴となっている。
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Age of Empiresシリーズ6年ぶりのフルモデルチェンジとなった「AOE3」 |
翌年、2006年にはAOE3の拡張パック「Age of EmpiresIII:THE WARCHIEF」(AOE3WC)が登場(http://ad.impress.co.jp/special/aoe3/)。AOE3WCでは、オリジナルAOE3で脇役だったアメリカ先住民族(ネイティブ・アメリカン)文明を、自らがプレイすることが可能となる拡張が施された。オリジナルAOE3に登場したヨーロッパ列強文明とは違う、まるで別のゲームから攻め込んできたともいえそうな特徴的なアメリカ先住民族文明の追加は、AOE3のゲーム性を文字通り「拡張」したといえた。
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アメリカ先住民族文明が使えるように拡張された「AOE3WC」 |
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今回、新追加された3文明にはそれぞれシングルプレイのキャンペーンモード(ストーリーモード)のシナリオが付属している。キャンペーンモードではスリリングな物語を楽しめつつ、3文明の基本的な使い方が学べるのでぜひプレイしてもらいたい。なお、AOE3とAOE3WCではアメリカ開拓史の歴史の波にもまれた「ブラック家」という一族の視点で描かれた壮大な大河ドラマ的ストーリーだったが、今作ではブラック家は登場しない。今回は3つの文明(国)のそれぞれの土地を舞台に、歴史ロマンと"if"をエッセンスしたオリジナルストーリーになっている。
「日本」のキャンペーンモードでは天下人「徳川家康」の腹心「佐久間吉郎」を主人公にした物語が展開される。家康を父親変わりと慕っていた吉郎だが、ある日、自分の両親は家康軍の侵攻によって討ち死にしたという真実を知らされてしまう。武士としての忠義を果たすべきか、親の敵討ちをすべきかを葛藤しながら、秀吉亡き後の戦乱の世の中を生き抜いていく姿が描かれていく。「関ヶ原の戦い」などを初めとした史実をモチーフにしたミッションもあり、やりごたえは十分。
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日本のキャンペーンモードでは天下人「徳川家康」の腹心「佐久間吉郎」を主人公にした物語が展開される。 |
「中国」は、「鄭和の南海大遠征」といわれる中国の大航海時代を描いたオリジナルストーリーが用意されている。中国は当時の西洋の何倍も大きな船舶を造ることのできる優れた造船技術を持っていたと言われており、AOE3ADの「中国」キャンペーンは、「もし、この大船団がコロンブスよりも先にアメリカにたどり着いていたら」という歴史のifをベースにしたアドベンチャー活劇になっている。
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中国の大航海時代を描いた中国キャンペーンモード。当時の中国の造船技術は西洋すらも圧倒していたと言われる。 |
「インド」のキャンペーンモードでは、ムガル帝国の衰退に乗じて勢力を増してきた東インド会社のインド人傭兵部隊の視点の物語になっている。インド人でありながらインドの独立運動を行う同胞を取り締まる立場にある主人公が、任務を取るべきか、祖国独立軍に参加すべきか、揺れ動きながら、戦いに巻き込まれていくシリアスなテーマが描かれている。
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イギリス植民地時代、イギリス軍と、東インド会社の圧政に苦しむインドの人々からなる反乱軍との激しい戦闘を描いたインドのキャンペーンモード。 |
プレイする順番は日本→中国→インドの順番となる。どのシナリオも難易度はそれほど高くないので練習気分で楽しめるはず。ネット対戦の準備体操としてはもちろん、しばらくAOE3をプレイしていなかった出戻りプレイヤーのリハビリにももってこいのモードとなっていると思う。
ネット対戦においても今回のAOE3ADでは新モードが2つ追加されている。
1つは「キング・オブ・ザ・ヒル」で、こちらは目的となる拠点を占領し一定時間そこを死守できれば勝ちとなるモード。もう一つの「レジサイド」は自軍の王(摂政)を守りつつ、敵国の王を討ち取ることが目的の籏取り合戦的なモード。アジアの新3文明に興味がなくても、最新のネット対戦シーンではこれらのゲームモードが活用される可能性も出てくるため、実はコアなプレイヤーほどAOE3ADは要チェックだ。
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対戦モードも拡張されたAOE3AD。ネット対戦派も要チェックだ! |
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実は、本作の開発はAOEオリジナル開発元のENSEMBLE STUDIOSではなく、BIG HUGE GAMESが担当している。BIG HUGE GAMESといえば「Rise of Nations:Rise of Legends」(http://ad.impress.co.jp/special/microsoft0605/)の開発元と知られ、3Dグラフィックス化したRTS開発には長けている実力派スタジオ。彼らが完全新規で描き起こしたアジア文明圏のグラフィックスは美しいし、軍事ユニットのアニメーションも非常にリアルで、AOE3,AOE3WCとのマッチングにも違和感がない。
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魔法と化学が激突するスペクタクルRTS「Rise of Nations:Rise of Legends」もマイクロソフトから好評発売中! |
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Age of Empires III:GOLD EDITION |
ところで、本作は「拡張パック」という位置づけのため、プレイにはAOE3本体、そして拡張パック第1弾のAOE3WCの両方が必要になる点に注意して欲しい。
なお、今回のAOE3ADの発売に際し、お得版新パッケージ「Age of Empires III:GOLD EDITION」(AOE3GE)が発売となる。AOE3GEはAOE3とAOE3WCを1パッケージにしたもので、価格も個別に買うよりも安価な9,400円(税別)となる。
AOE3はWindows XP時代に発売されたタイトルだが、公式にWindows Vistaにも対応していることがアナウンスされているのでVistaパソコンユーザーも安心して楽しめる。
PCの要求スペックはオリジナルAOE3と同じなのでハードディスクの空き容量さえ空いていれば、AOE3の時と同じでOK。ハードウェアのアップグレードは不要だ。
AOE3が発売された2005年当時は、AOE3の要求スペックが結構高かった気もしたが、今では、それほどでもないはず。Windows Vistaが快適に動作していれば、ノートPCでも動作できてしまうはずだ。
プレイするための敷居が低くなった今回を機会に、AOE3ファンのみならず、初代AOEに燃えたベテランAOEゲーマーだった人、あるいは今でもAOE2対戦に燃えるハードコアな対戦マニアにも挑戦してもらいたい。
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AOE1,2ライクな西洋、東洋が入り乱れて戦う戦闘が可能になったAOE3AD。 |
(トライゼット西川善司)
■関連情報
Age of Empires III:The Asian Dynasties 日本語版
http://www.microsoft.com/japan/games/age3y/
Age of Empires III:GOLD EDITION 日本語版
http://www.microsoft.com/japan/games/age3gold/
Age of Empires III 日本語版
http://www.microsoft.com/japan/games/age3/
Microsoft Games
http://www.microsoft.com/japan/games/
■関連記事
マイクロソフト、WIN「エイジ オブ エンパイア III:アジアの覇王」
「AoE III」の拡張パック第2弾を11月16日に発売
http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20071015/aoe.htm
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