15.6型大型液晶搭載、フルHDハイパフォーマンスノート パナソニック レッツノート B10登場
デスクトップPCは、もう不要!オフィスもモバイルも、これ1台
デスクトップPCは、もう不要!オフィスもモバイルも、これ1台
パナソニックのレッツノートシリーズといえば、モバイルに特化したノートPCシリーズというイメージが定着している。この1月、そのレッツノートシリーズに15.6型という大型液晶モデル「レッツノート B10」が追加された。
15.6型と聞くと、デスクトップPCの置き換えとなる据え置き利用前提のノートPCが一般的だ。画面が大きい=本体サイズが大きい=重いという常識があるために、これまでこのクラスの製品にはモバイルに適した製品が存在しなかった。
しかし、画面の大きさ、解像度の高さのメリットも当然ある。モバイルに適した大型液晶ノートPCがあるならば、ぜひ使ってみたいというユーザーもいるだろう。そうした要望に応えるのが、このレッツノート B10だ。
レッツノート B10の最大の特徴は、15.6型といういわゆるA4クラスのノートPCでありながら、本体重量を約1.88kg(店頭モデルの場合)に抑えたことにある。15型クラスのノートPCといえば、2.5kg前後でも軽い印象を持つ人が多いのではないだろうか。そのなかにあって、約1.88kgというのは、いかにも軽い。パナソニックの調べでは、15型液晶・光学ドライブ搭載ノートPCとして世界最軽量であるとしているが、それもうなずける重量だ。
また、本体サイズは370.8(W)×229(D)×31.4〜43.2(H)mmとなっており、さすがに15.6型液晶を搭載するだけあって、これまでは14.1型の製品が最大であったレッツノートのイメージからするとサイズが大きい印象を受ける。だが、370.8×229mmというフットプリントは、このクラスとしては小型。A4書類を入れるカバンを持ち歩くことが多いビジネスマンにとっては、サイズ面での支障は最小限に抑えられるはずだ。
またモバイルノートとして重要視されるバッテリ駆動時間は6セルバッテリ使用時に公称6時間と、2〜3時間程度が一般的な15型/A4サイズのノートPCのなかでは飛び抜けている。さらに、1時間で約80%の充電が可能な急速充電にも対応。外出の多い営業マンなら昼食時の1時間、社内利用であれば会議の合間など、社内外問わず急速充電が役立つシーンは多い。
こうしたモバイルPCとしての性能は、基板の小型化、新たに開発した軽量のファン、薄いマグネシウム素材など、これまでのレッツノートで培われた技術が役に立っている。モバイルPCを作り続けてきたパナソニックだからこそ、15.6型/A4サイズという製品に、モバイルに求められる機能・性能をしっかり盛り込めたともいえるだろう。
このようなモバイルPCとしての使い勝手の良さを前提に、レッツノート B10にはPCとしての性能にも追求が見られる。まず、PCのプラットフォームには、今年1月にインテルからリリースされた第2世代Coreシリーズを採用。
CPUはインテル® CoreTM i5-2520M vProTM プロセッサーで、デュアルコアCPUながら1コア当たり二つの処理を同時実行するHyper-Threading機能により、4つの処理を同時進行させることができる。さらに通常時は2.5GHzのクロックで動作するが、発熱や消費電力に余裕がある場合には最大3.2GHzまで自動的にクロックを高めるTurbo Boost機能も搭載。
ちなみに、パナソニックPCの直販サイト「マイレッツ倶楽部」では、より上位のCPU、インテル® CoreTM i7-2620M vProTMプロセッサーを採用している。さらに高い性能を求めるならば、検討したい選択肢だ。
この処理速度の向上に加え、グラフィックスの性能を大幅に高めているのも第2世代Coreシリーズの特徴で、PC全体の体感速度が大きく向上する。パナソニックの調べによると、2009年春モデルであるCore 2 Duo L7800搭載機と比較して、PCの総合性能を測定するベンチマークソフトにおいて2倍のスコアが出たという。
こうしたPCのパフォーマンスの向上は、15.6型液晶を支えるものにもなる。本製品に搭載される15.6型液晶は、1920×1080ドットのいわゆるフルHD解像度を表示できるもの。この高解像度液晶を使って、より大容量のデータを当たり前に扱うようになったり、より多くのアプリケーションを起動したりもするだろう。そうしたときCPUやグラフィックスが非力であれば、せっかくの高解像度も活かされない。第2世代Coreシリーズの採用と、15.6型フルHD液晶を組み合わせたハードウェアである点にも、大きな意味があるといえる。
また、冒頭で15.6型/A4サイズはデスクトップPCの置き換えとしての存在が一般的であったことに触れた。モバイル性能を高めた本製品とはいえ、15.6型液晶を持つということでデスクトップPCに近い使用感が求められる。逆にいえば、それでなければ15.6型/A4サイズという本体サイズをユーザーが受け入れる理由はないだろう。しかし、本製品は高い性能を持つ第2世代Coreシリーズを採用することで、デスクトップPCの置き換えニーズに応える仕様とした。ちょっと大げさにいえば、約1.88kgの重量で持ち運びも可能なデスクトップPCを作り出した、というわけである。
このほか、多数のアプリケーション、ウィンドウを配置する場合、その整理の手間を感じる人もいるだろう。例えば、複数のウィンドウが重なって下にあるウィンドウが見えなくなる、手前と奥のアプリケーションを頻繁に切り替えるのが面倒、といった事態を一度は体験したことがあるだろう。これは高解像度液晶に限った話ではないが、より多数のアプリケーション、ウィンドウを立ち上げてしまいがちな高解像度液晶だけに、せっかく広いデスクトップを手に入れたのにあまり広く感じない、といったことになりかねない。
レッツノート B10では、この点も注意が払われ、画面分割ユーティリティ「ウィンドウ・セパレーター」が用意されているのだ。これは一枚のデスクトップを仮想的に分割するもの。ウィンドウ最大化時には分割された領域内で最大化されるなど、ウィンドウの整理に役立つツールだ。またデスクトップ上のアイコンやウィジェットにウィンドウが重ならないよう、ウィンドウを表示させないエリアを指定することもできる。こうしたデスクトップ分割ツールは、類似機能を持つオンラインソフトを利用する人もいるほど便利なもので、それを用意しているのは非常にありがたく感じられる。
15.6型・1920×1080ドットの大型・高解像度液晶に表示できる情報量は多い。Excelで表示可能なシート数、アプリケーションのウィンドウ枚数が増えても十分な情報量が確保できるなど、生産性向上につながる要素は限りない
独自の画面分割ユーティリティ「ウィンドウ・セパレーター」では、分割パターンを10種類から選んで利用できる。ウィンドウ枚数が増えた際のデスクトップの整理に非常に便利
さて、本体サイズは15.6型/A4サイズとなり大きくなったものの、外観はいかにもレッツノートらしいデザインだ。すなわち、シルバーの筐体、本体強度を高めるストライプボンネット型の天板を持つ。
インターフェース類に目を向けると、まず手前にはストレージ類とヘッドホン入出力が配置される。レッツノート Sシリーズで12.1型に光学ドライブを内蔵するなど、光学ドライブの存在にこだわりを見せるレッツノートシリーズだけに、当然のように光学ドライブを内蔵。他モデルはパームレスト部がカバーを兼ねる独特の形状であるのに対し、本製品は一般的なトレイタイプとなる。右手前部に内蔵するのもレッツノートシリーズらしい配置で、書類等を脇において作業する場合にも、光学ドライブのトレイが出てくることで邪魔になることはない。なお、店頭モデルではDVDスーパーマルチドライブとなるが、直販サイトのマイレッツ倶楽部ではレッツノートシリーズ初のblu-rayドライブ搭載モデルとなる。
SDカードスロットも前面に備える。高速転送規格のUHS-Iにも対応したスロットとなっており、規格上の理論値で最大60MB/secでのリードが可能となっている。
左右側面にはUSB2.0×3、HDMI出力、D-Sub15ピン出力、ギガビットイーサ端子を備える。最近のノートPCではD-Sub出力を持つ製品も減りつつあるが、プロジェクタへの接続などビジネスシーンではまだまだニーズが高いだけに、D-Sub15ピンが搭載されていることに安堵する人も多いのではないだろうか。
キーボードは新開発されたものとなる。ポイントは本体サイズを活かし、キーピッチを19mmと広めにとっている点と、PgUP/Down、Home、Endの独立キーを備えること。さらに、キータッチ時の音を抑制しているので、会議中などでも周りへの迷惑を最小限に抑えて利用することができるのも魅力となっている。
冒頭の繰り返しにはなるが、15.6型/A4サイズのノートPCというと、デスクトップPCの置き換えなので重くてバッテリ駆動時間が短くても当然、という一つの常識があった。しかし、大画面液晶、高性能ノートPCが便利であるのも事実。常識を無視して、15.6型サイズでモビリティを追求した製品があってもいいのではないか、という期待に応えたのがレッツノート B10ということになる。随所に見られるこだわりは、その期待を裏切らないものといえるだろう。
また、本製品は標準でWindows 7 Profesionalをプリインストールしている。古いアプリケーションとの互換性をもたせるWindows XPモードやドメインへの参加、システムバックアップといったProfessional版が持つ機能は、ビジネスユースには不可欠なものである。ビジネスパーソンに愛用者が多いレッツノートシリーズだけに、レッツノート B10におけるこだわりの一つに挙げられるだろう。
これまで、モバイルPC 1台では作業効率が悪いという場合には、オフィスでは大型ノートPCやデスクトップPC、社外ではモバイルPCといった使い分けをしたり、重いのをガマンして2.数kgのA4ノートを持ち運んで利用していることもあったと思う。
しかし、持ち運びに苦労を伴わない15.6型/A4ノートPCであるレッツノート B10は、デスクトップPCに近い感覚の製品を屋内外問わずに利用できるという新しいスタイルを生み出した。すべてのシチュエーションにおいてこれ一台でまかなえるということは、利便性の向上はもちろんのこと、ビジネスの生産性を向上させることにもつながるのではないだろうか。