レッツノート 山田祥平氏原稿    レッツノートで愉しむ  モバイルノートの“旬”    〜「革」天板モデルも登場〜
Montevinaのコードネームで呼ばれてきたインテルのモバイルプラットフォームが、Centrino2というブランドとしてお披露目されてから約1年。枯れてきた、という表現はよくないかもしれないが、Sonoma、Napaと、インテルが数世代をかけてブラッシュアップを継続し、満を持してデビューしただけに、きわめて完成度の高いモバイルプラットフォームに成長している。次世代プラットフォームのCalpellaまでは、まだまだ時間がかかることを考えると、ハードウェアとしてはまさに旬であり、今がまさにモバイルPCの買い時であるといえる。そのMontevinaのエッセンスを凝縮したモバイルPCが、パナソニック レッツノートシリーズの2009年夏モデルだ。

選べるカラー天板に「革」素材登場

レッツノートW8 ジェットブラックモデル ブラキッシュレザー

プレミアムカラー「ブラキッシュレザー」天板は天然皮革を採用

「革」素材の質感が、「ジェットブラック」(つや消しブラック)のボディとあいまりシックな装い

ボディカラーは「シルバーフェザー」を選ぶこともできる

 レッツノートシリーズ、今回の夏モデルは、ゴージャスなセレクションにますます磨きがかかっている。たとえば、パナソニックの直販サイト「マイレッツ倶楽部」でのみ購入できる「レッツノートプレミアムエディション」のWシリーズ。そこで選べるカラー天板のひとつとして、ブラキッシュレザーが採用されたことは、トピックの一つといえるだろう。

 天板に天然の皮革を使うことで独特の質感を実現、さわった感じも手にやさしく、さらに汗ばんだ手にもすべりにくく、結果として、モバイルPCが持ち運ばれるシチュエーションにおいて、しっかりとしたホールド感を与えることに貢献している。

 最初は革装と聞いて、ずいぶんオヤジくさい印象を持ったのだが、実機を手にしてその印象は払拭された。ゴージャスというよりもエレガントだ。つや消しブラックの本体と、天板に丁寧に貼り込まれた天然皮革素材は、使い込めば使い込むほど、自分だけのものとしての風合いを持つようになり、愛機への愛着が深まる。

 たぶん、レッツノートは、後生大事にインナーケースに入れられて過保護に使われることを望んでいない。それは、堅牢性に対する自信でもあり、今回のブラキッシュレザー採用は、そのコンセプトをさらに発展させたものだといえるだろう。つまり、天板そのものがケースの肌触りを演出しているのだ。

 革天板の製作は、熟練の職人が1枚1枚丁寧に手作業で行っているという。そうした手間がかかっているこの天板に価値を見いだす人は多いだろう。限定200セットのみということもあり、欲しいと思うのなら、ちょっと急いだ方がいいかもしれない。外で使い他人に見られることが多いモバイルPCでは、人とは違う外観にこだわることも大事な要素なのだから。そのための革装による重量増25グラムは、ある装備を選択することによって、15グラム分を相殺できる。

SSDがもたらす絶大なる安心感

インテル製のSSD「X25-M」は他のSSDを凌駕する性能を持っている

 15グラムを相殺する装備とはなにか。それが、マイレッツ倶楽部でのみストレージとして選択可能な「SSD(Solid State Drive)」だ。従来、「Wシリーズ」と「Rシリーズ」のプレミアムエディションにしか搭載できなかったSSDだが、今回のマイレッツ倶楽部夏モデルからは、「Fシリーズ」「Wシリーズ」「Rシリーズ」それぞれの通常モデルでも選択できるようになった。

 このラインアップからも、今回のレッツノートシリーズがSSDに本腰を入れていることがわかるが、特に気合いが入っているのは「Wシリーズ プレミアムエディション」に採用された「インテル X25-M ソリッド・ステート・ドライブ」だ。読み書き性能に定評のある同SSDだが、実に、読み込み速度 最大250MB/秒を実現、さまざまなシチュエーションで俊敏なレスポンスを期待できる。従来、レッツノートに搭載されてきたSSDは容量的に多少の不満があったが、今回プレミアムエディションのW8で、ついに160GBモデルが採用されたのはうれしい限りだ。

MODEL PCMark Memories TV and Movies Gaming Music Communicatios Productivity HDD
レッツノートW8 HDDモデル 2704 1466 1067 1602 2751 2778 2463 3317
レッツノートW8
インテル製160GB SSDモデル
3863 2128 1128 3304 5053 3301 7414 26629
PC Markのベンチマークテストの結果。「X25-M」採用モデルは驚異的なスコアを叩き出す

 ちなみに、手元のレッツノートW8に自分自身の必要なソフトウェアなどをセットアップしたところ、使用領域は約50GBとなった。まっさらの状態に、モバイル運用に必要な全環境を構築した素の状態がこの容量だ。ここに、出先で撮影したデジカメ写真のバックアップをしたり、音楽や動画などを入れることを考えると、さらなる余裕が欲しくなるものだ。また、今回は、大容量500GBのHDDモデルも用意されたので、ストレージはいくらあっても邪魔にならない、そう考えるユーザーの要望にも応えられるだろう。

耐100kg級のタフボディを誇るレッツノート。独特な天板形状をはじめ、ボディ各部の設計が堅牢性に貢献している

さらにキーボードは全面防滴仕様。徹底的に追求された耐久性は、SSD採用によりさらに完璧なものとなる

 読み書きのスピードばかりが喧伝されるSSDではあるが、個人的には、SSDがもたらす恩恵の本質はスピードだけではないと思っている。というのも、スピンドルが回転していないという圧倒的な安心感は何者にも代え難いからだ。それがシリコンドライブの魅力でもある。

 ぼくの使うモバイルPCは、けっこう過酷な状況で使われることが多い。たとえばカンファレンスの基調講演などでは、ステージ上の展開を撮影しなければならないし、スピーチの内容はきちんとメモしなければならない。そのために、一眼レフカメラとPCをとっかえひっかえしながら数時間を過ごす。PCは、液晶を保護するために、起動したままカバーを閉じて、足下に置いておく(その際、カバーを閉じてもスリープに移行しない設定にしておく)。PCをタイピング、PCを足下に置いてカメラのシャッターレリーズ、足下から取り上げてタイプ、レリーズ、またタイプ…の繰り返しだ。

 本体内部に回転しているものがあることを知っているものだから、ぞんざいな扱いはできない。できるだけ衝撃を与えないように気をつかう。その点では一般のユーザーよりも扱いは丁寧かもしれない。レッツノートの堅牢性には絶大な信頼を持ってはいるものの、HDDが壊れないことが保証されているわけではない。壊れる可能性が圧倒的に低いだけで、壊れる可能性はゼロではないのだ。壊れて困るのは自分だ。だから、丁寧に扱う。その気配りが、ある種のストレスになっていることは自分でずっと気になっていた。

 でもSSDなら、物理的なショックによって壊れる可能性はゼロに近い。しかも、HDDに比べて低消費電力なので、バッテリー駆動時間が約1時間ほど延びるというオマケもつく。そのアドバンテージは圧倒的だ。ちなみに、もし、レッツノートにSSD専用の筐体を設計することができれば、その厚みはかなり薄くできるのだそうだ。それだけのマージンを確保して、HDDでも絶大な信頼感を得られていることも知っておきたい。

Windows 7 を一足早く体験

全面には各種スイッチを用意。無線LANのON/OFFなどはOS上で切り替えるのが面倒な場合も多いので、物理的なスイッチがあるのはうれしい

Wシリーズおなじみのパームレスト開閉式ドライブ。これも、ユーザーの使い勝手を最優先する姿勢の賜物だ

右側面にはUSBポート×3、LANコネクター、そして今では希少なモデムコネクターを装備

左側面には電源コネクター、外部ディスプレイコネクター、ミニポートリプリケーターコネクター、CardBus対応PCカード(TYPEU)スロット、SDメモリーカードスロットを搭載。D-SUB15ピンをそのまま接続できるのは便利だ

 レッツノートは贅沢なPCであると同時に、保守的なPCでもある。どんなに魅力的なテクノロジーであっても、その開発、企画に関わる開発陣が、絶対の自信を持って提供できると判断できない限り、その装備を載せてこない。SSDにしろBluetoothにしろ、安心して使える背景には、そんなこだわりがある。

 その一方で、今もなおPCカードスロットを残し、物理的なスイッチでワイヤレスLANのオン/オフや光学ドライブのイジェクトを切り替えられるなど、数グラムの重量にこだわらなければならないモバイルPCにもかかわらず、使い勝手に妥協がない。それが開発陣のこだわりであり、レッツノートならではの付加価値といえるだろう。

 今回、新しいW8を約10日間使わせてもらったわけだが、それで痛感したのは、やはりなんといってもレッツノートの堅牢性とSSDによる安心感だ。今回はちょうど海外出張にも持ち出したが、空港ではお約束のX線による荷物チェックがある。PCはカバンから出して裸で装置を通さなければならないのだが、ベルトコンベアから装置に吸い込まれ、棒状のコロの経路にガタゴトと出てくるノートPCを見ると、いつも心配でならない。でも、SSD搭載のレッツノートなら安心して見ていられる。

さらに、Centrino2とSSDはモバイルPCに驚くような恩恵をもたらした。何しろ、スリープからの復帰に1秒間かからないのだ。いや、むしろ、計測不可能という印象。まさに瞬く間。

 ぼくは、今回のW8を使ってPCの運用方法についての考えを改めた。間欠的に使う場合は、ディスプレイを閉じてもスリープに移行しないよう設定するのではなく、通常通りスリープするようにしたのだ。スリープ移行時にはディスクアクセスするが、SSDなら多少乱暴に扱っても心配ない。液晶をとじてすぐに傍らに待機させ、必要になったら液晶を開いてすぐに使える。まるで、ずっと稼働し続けていたかのように、即座にスリープから復帰する。当然、スリープ状態ではバッテリーの消費量は段違いに低いので、ただでさえ長持ちするレッツノートのバッテリーは、まるで無尽蔵?とばかりに減らない。

 モバイルPCにとって大事なことは、サッと出して、サッと使い、サッとしまう、そのテンポだ。これまでは、そのテンポが、さまざまな理由によってスポイルされてきて、どこかで人間がガマンしてきた。

 Centrino2 + SSDというプラットフォームは、こうしたガマンを過去のものにし、モバイルPCかくあるべしという理想の体験を提供してくれる。そして、さらにそれに付加価値を与え、製品として具体的な形にしたのがレッツノートだといえる。開けば瞬時に使える状態になるというのは、モバイルPCの基本中の基本だが、これまでは、それがちっともかなわなかったのだ。スリープからの瞬時の復帰により、電源を入れっぱなしでカバンに入れて持ち運んでいるのと同じ結果が得られるのだから、その機動性の高さが想像できるというものだ。

最新最速のプラットフォームだからこそ得られる体験

性能、スタイルともに着実な進化を続けるレッツノート

 ネットブックの普及は、レッツノートがずっと提唱し、具現化してきた1キログラム前後のモバイルPC、あるいは、メインのPCに加えてのセカンドPCの市場が、確かにあったということを証明した。でも、現状のネットブックは、相当の知識とスキルがなければ使いこなせない。なんといっても処理性能が低すぎる。その低さを知識とスキルでカバーしなければ使いものにならないのだ。

 確かに、メインで使っているPCが5年前のXPパソコンなのだとしたら、追加で入手したネットブックのスペックでも、それほど不満は感じないかもしれない。でも、高速なプロセッサとストレージを搭載した最新のレッツノートを操作してみれば、その打てば響くような反応に驚きを感じるはずだ。

 インテルの自信作Centrino2を理想的な形で具現化したレッツノート2009年夏モデル で、半歩先の未来を自分のものにしてほしい。

----- Reported by 山田祥平

 
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