NUCは小さいからモニターに隠しちゃえ
フォトレタッチも可能! ゴージャスなフォトフレームをつくってみた
(2013/9/3)
出揃ったNUC、俺ならこう使う!!
最近、自作パソコン方面でスゲく注目されている「NUC(Next Unit of Computing)」。NUCとは、インテルが提唱する小型パソコンフォームファクターで、つまりは自作PCの新規格ですな。読み方は「ナック」。
NUCの特徴はサイズ。物凄〜く小さいのダ♪ NUC規格のマザーボードのサイズは101.6×101.6mm(4×4インチ)。約10×10cmっすよ。マザーボードからして、ミニミニサイズ!!
このマザーボードにメモリやSSDなどのモジュールを追加し、ケースに収めて使う。で、ケースつまりPC本体のサイズだが、たとえばインテル製のNUCベアボーンキット「DC53427HYE キット」の場合だと、たった116.6×112.0×39.0mm!! フットプリントはCDケースより小さかったりするッ!! 見るとその小ささにビックリしますよええ。
俺の場合、初めてNUCを間近で見たとき、ひっさびさにPCに新たな可能性を感じたりした。「この小ささなら新しい使い方ができそう!!」みたいな。「アレもデキるし、ああいうコトもできる♪」てな妄想を繰り返していたら、そろそろNUCも各機種出揃ってきた雰囲気。
現在出ているのは、4種類8モデル。プロセッサーは、インテル Core i5 vProプロセッサー、インテル Core i3プロセッサー、インテル Celeron プロセッサーから選ぶことができる。
ちなみに、各モデルに「キット」と「ボード」がある。「キット」はマザーボードとケース、ACアダプタ、VESAブラケットのセット品ですな。「ボード」はマザーボードのみとなる。
さておき、俺もNUCでアレコレ実践してみたい気分になってきた。ので、デジカメWatch代表として俺なりのNUCの使い方を考え、実行してみた♪ 以降、俺的NUC利用のアレコレをザザッと書いてみたい。
「DC53427HYE キット」でゴージャスなフォトフレームを♪
使ってみたNUCは「DC53427HYE キット」という製品。この夏発売された最新モデルで、インテル Core i5 vProプロセッサーを搭載している。前述のように超小さいケースのPCなのだが、Windows 8も快適に動いちゃう処理性能がある。
大まかな仕様は、メモリスロットとしてDDR3 SO-DIMM対応スロット×2基(最大32GB)、拡張スロットとしてMini PCI Express×2基(フルおよびハーフ)を搭載。ほか、MiniDisplayPort×2、HDMI端子×1、ギガビットLANポート×1、USB2.0ポート×2、USB3.0ポート×1(フロント)といったインターフェースを備えている。
このキット、ベアボーンキットなので、好みに応じてメモリやSSDなどのモジュールを追加して使うことになる。もちろんOSも、ですな。
ちなみに、今回この「DC53427HYE キット」に追加したパーツ類は、240GB SSDの「インテル 525 Series SSDMCEAC240A3」、Wi-FiおよびBluetoothアダプタの「インテル Centrino Advanced-N 6235 Wi-Fi + Bluetooth」それから合計8GBのメモリモジュールだ。OSはWindows 8 Pro(64ビット)としてみた。
このPCに、さらにBluetoothキーボードとBluetoothマウスを接続する予定。また、ディスプレイには24.1型の液晶モニターを。こんな構成で「フォトレタッチもこなせるゴージャスなフォトフレーム」を作ろうと企んだのである。
サクッとセットアップ完了
PCの自作とかベアボーンとか言うと、な〜んか小難しいイメージがあるかもしれない。だがNUCのセットアップは拍子抜けするほど簡単だ。
今回の「DC53427HYE キット」および前述の各パーツの場合、NUCのフタを開いて各モジュールを接続する程度で準備完了。モジュールをスロットに挿すとき、その部分が非常に精密なので、作業的にちょっとドキドキするかもしれないが、ノートPCなどにメモリを挿した経験のある人ならサクッと済むと思う。もちろん逆挿しなどもできない構造なので、安心して行える。
次いで、USBポートにUSBキーボードやUSBマウスを接続する。これはWindowsの初期セットアップをするため。OSインストール前は、まだBluetoothマウス/キーボードが使えないのだ。もうひとつ、USB接続の光学ドライブも接続する必要がある。ディスクからOSをインストールするためですな。
てな感じでハードウェアをつないだら、NUCの電源をオン。光学ドライブのOSディスクから起動し、Windows 8のインストールが進む。それを少々待ち、必要な情報を入力すればNUCのセットアップは完了だ。あとはBluetoothマウス/キーボードをNUCとペアリングさせ、必要なソフトウェア類をインストールすれば使えるようになる。
NUCだからデキる、スマート&大画面のフォトフレーム♪
前述のとおり、俺の目論見は「フォトレタッチもこなせるゴージャスなフォトフレーム」の構築である。
ホレ、市販のフォトフレームって画面小さいじゃないスか。あれじゃあせっかくの写真のキレイさや迫力を堪能できない。ので、24.1型のPC用モニターとNUCを組み合わせて、サイズも発色もイケてるフォトフレームを作ろうと考えたんですな。
でもそれならNUCをテレビにつなげばいいのでは? とか思うじゃないスか。もちろんNUCをテレビにHDMI接続して使うこともできる。37型や42型などの大画面テレビをそのままフォトフレームとして使うと大迫力で良さそう……と思える。
実際、過去に小型PCを大画面テレビにHDMI接続して使ったんですよ。ところが、フォトフレームにするには若干の問題があった。
テレビの機種にもよるが、たとえばテレビ側で映像をスケーリングしてしまうことがあるので、「な〜んかクッキリ感のナイ映像」になることがある。これはWindowsのダイアログや文字の表示も見にくく読みにくくする。ドットバイドット表示対応のテレビならこういう問題は起きなかったりするんですけどネ。
それから発色。これもまたテレビ機種によるが、色が微妙にヘンだったりするんですな。とりわけ、デジカメ画像に「発色の正確さ」を求めるスタンスで見ると、「発色に違和感を感じまくり」だったりする。PC専用の表示モードを持つテレビならこういう問題も少ないのだが……テレビとPC用モニターはやっぱり別モンなんですな。
でも、NUC+PC用モニターなら、こういう問題は起きない。多くのPC用モニターにはsRGBなどデジカメ画像に適した表示モードがあり、それを使えばビシッと正しい色で写真などを表示できる。また、NUCとPC用モニターはHDMI(DVI)やDisplayPortでの「デジタル接続」になるので、基本的にはドットバイドットの理想的かつ鮮明な表示となる。
そしてさらにイイのは、NUCが超小型であること。PC本体をPC用モニターの裏側に装着できるのだ。配線も隠れるので、PC用モニター周辺がスッキリ。キーボードやマウスはBluetooth接続としているので、見栄えも実用性もヒッジョーにスマート♪ 気分良く使えるのだ。
ホント気分良く使えるんですよ〜
実際にこの「フォトレタッチもこなせるゴージャスなフォトフレーム」を使った印象としては、何かと気分がイイというコト。思わず顔がニヤけてくる感じ♪
まずはフォトフレームとして。NUCにインストールした画像閲覧ソフトを使い、写真をスライドショー表示するだけなんですけど、実際見ると、あらまあキレイ☆ 発色正しく、ドットバイドットで鮮明に表示される写真を見るのは、気分がイイっ!!
そしてコレは歴としたPC。プロセッサーとしてインテル Core i5 vProプロセッサー(動作周波数1.8GHz/ターボ・ブースト利用時最大周波数1.8GHz)を搭載していて、ストレージは高速なSSD。メモリも十分積んであるので、フツーにフォトレタッチもデキちゃうのだ。「あらら、この写真ちょっと色が……」と思ったら即座に色補正したりすることもできる。
あとこのNUC、プロセッサーなどを冷却するためのファンが内蔵されているものの、騒音はかな〜り少ない。モニター背面に取り付けたNUCに耳を近づければファン回転音は聞こえてくるが、フツーに使っている限りではそういう音が気にならない〜聞こえないレベル。静音PCって感じ使える。
キーボードやマウスとしてBluetooth接続のものを選んだのは正解だったと思う。無線モジュールとしてWi-Fi/Bluetooth対応の「インテル Centrino Advanced-N 6235 Wi-Fi + Bluetooth」を使ったから、Bluetoothマウス/キーボードをNUCに無線接続できているのだが、ワイヤレスでありかつ安定して使えるBluetoothマウス/キーボードはスッキリ感も実用性も高いと感じる。
残念なのは、困ったことにこのシステムったら「仕事もばっちりこなせる」という点。前述のとおりこの「フォトレタッチもこなせるゴージャスなフォトフレーム」は「Core i5&SSD搭載PC」なので、メールもウェブもオフィス系ソフトもサクサクと使えてしまうのであり、写真閲覧してイイ気分でいる途中でもメールが舞い込んで仕事の催促をされてその場で仕事を始められちゃうは、複雑な気分ではある。てか、単にサボりたいだけじゃん>俺。
冗談はさておき、しかしまあ、凄い時代になりましたね〜。手のひらサイズでありながら十分なパフォーマンスを発揮するPCすなわちNUCで、趣味も仕事もデキちゃう。大雑把に言えば「PCを設置するスペースがほぼ必要ナイ」という感じなので、狭い場所やちょっとしたスペースでもPCの力を活用できる。
今回は「フォトレタッチもこなせるゴージャスなフォトフレーム」を構築してみたわけだが、その結果に大満足した俺。そして同時に、「NUCを常時稼働のDLNAサーバ的に使ったら便利かも!!」とか、「タッチ対応ディスプレイの裏にNUCをセットして壁掛けしてWindows 8を使ったらどうか?」などと、新たな妄想をし始めたりもして。
ともあれ、俺のNUCの使い方、どうだったろうか? ほかにもアイデア次第でもっとイケてる活用法があると思う。「ただ小さいだけのPC」と思われがちなNUCだが、実際に使ってみると「その小ささゆえ活用幅がヤケに広いPC」というイメージになる。みなさんもゼヒ、独自のアイデアでNUCを活用してみて欲しい!!
URL
- インテル® ネクスト・ユニット・オブ・コンピューティング
- http://www.intel.co.jp/content/www/jp/ja/motherboards/desktop-motherboards/nuc.html
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