
ビジネスの現場でいまや欠かせない存在となったプロジェクター。大規模な講演会での資料投写にはもちろん、お得意様へのプレゼン、あるいは社内会議など身近なビジネス現場でも使われている。しかしこれまでのプロジェクターは、きれいに映し出すための設定が面倒であったり、ノートPCとの接続方法が難解であることが多かった。そのためビジネスの現場においては、前日にプレゼンそのものではなく「プロジェクターを映すための」リハーサルをするという、妙な事態も見かけたりする。
しかしエプソンの「オフィリオ プロジェクター」シリーズは、プレゼンを真の意味で便利にする技術を続々と投入し、IT歴数十年の大ベテランからPCに疎い新人まで“すべてのビジネスパーソン”にとって使いやすいレベルのプロジェクターへと進化している。その実像を探ってみよう。

プロジェクター活用によってもたらされるメリットには、具体的にどんなものがあるだろうか? その筆頭に挙げられるのが、会議参加者が手元の資料に目を落とすこと無く、全員が1つの大画面に視線を集中させられるということだ。これによって、発表者がどんな意図で、かつどういった流れで話を進めているかがわかりやすくなる。プレゼンの真の狙いである「相手に情報を伝え、意識を共有する」を効率的に実践するには、プロジェクターはもはや必携のツールと言っていいだろう。
「たかがプロジェクター。重要なのはあくまでも会議の中身。紙の資料で十分じゃないか」という声も聞こえてきそうだが、プロジェクターは情報共有を助けるだけの単なるツールに過ぎない。例えば、営業資料などを見るために同僚や部下のPC画面をのぞき込むようなシチュエーションは多いが、同時に見られるのはせいぜい数人。これを20人が同時に見られれば、また異なる視点のアイデアが生まれるのではないか。つまり、プロジェクターは「他人から意見を募りたい」というニーズがある人にとって大きな“武器”の1つになりうるのだ。
意見を募りたいのは、社長や幹部、プロジェクターの操作に長けた営業部のトップエースだけではない。先輩社員のフォローにまわる新人、右も左も分からず初めての仕事に臨む若手も同様だ。あらゆる層のビジネスパーソンにとって、プロジェクターは身近であるべきといえるだろう。
そして、あらゆる層が日常的に利用できるプロジェクターには「使いやすさ」が求められる。そんなときにおすすめしたいのがエプソンのオフィリオ プロジェクターシリーズ。なかでも「Easy MP」と呼ばれる機能群に対応したモデルは、プロジェクター初心者にも配慮したバツグンの接続性と、多彩な機能を特徴にしている。
PHOTO IMPRESSION
- 標準価格(税別): 448,000円
- 明るさ: 3000lm
- リアル解像度: WXGA
- 重さ:約1.8s
EB-1735W 主なスペック
オフィリオ プロジェクターシリーズの最新鋭機・「EB-1735W」を写真で紹介しよう。「EB-1735W」はコンパクトなボディに多彩な機能を盛り込んだフラッグシップモデルで、本記事で紹介している機能のほとんどに対応する。

ここからは、全国各地の支店から営業担当者が集まって一同に開かれる会議を想定して、オフィリオ プロジェクターの活用事例を見ていこう。
プロジェクターを利用するにあたってまずは必要なのが、PCとの接続作業だ。一般的なノートPCには外部ディスプレイ出力用のアナログRGB端子が内蔵されているので、これを汎用的なモニターケーブルで接続。続いてノートPC側のキーボードを操作して外部出力に切り換えるというのが通常の流れになるだろう。
しかし全国から集まってくる社員の中には、プロジェクターを使ったプレゼンに不慣れな人もいるかもしれない。また程度の差こそあれ、PC操作自体が不得意であったり、あるいは普段使っているプロジェクターとは異なるプロジェクターを前にすれば、操作面でとまどうこともありうる。そんな場合に使いたいのが「USBディスプレイ」機能だ。
USBケーブル一本、つなげるだけでプロジェクターが映る!
利用にあたっては映像入力端子を意識する必要もなく、PC側でも特別な操作が一切発生しない。プラグ&プレイ感覚で映像を出力できることは、より幅広いユーザーが利用する上で大きなメリットになるだろう。リハーサル時間を節約する効果などもありそうだ。
実際にUSBディスプレイ機能を試してみると、インストール時間も短く、感覚としてはUSBメモリーをはじめてPCに接続するような印象。2回目以降であればインストール作業も必要なく、接続から数秒でプロジェクターが利用可能だ。またアナログRGBケーブルと比較してUSBケーブルは細身でコシが柔らかい。取り回しがよいので、プレゼン用PCを置く演台が手狭な場合などには配線の面でも便利だし、なにより入手性がよいのもポイント。しかも、EB-1735W/1725など一部の機種では、USBケーブル1本で映像と音声を同時に出力する機能も備えており、便利だ。ただし、USBケーブルによる接続は、転送速度などの関係で操作や画面描画に遅延が発生することもあるので、そのあたりはアナログRGBケーブルとの使い分けで対応するのがよいだろう。

無線を使えば、配線は事実上プロジェクターの電源のみ! という環境を実現できる
コードの配線というのは、案外頭の痛い問題だ。接続・配線自体の手間もさることながら、コードに手や足をひっかけてしまったり、最悪、ひっぱられた衝撃でプロジェクターとPCもろとも破損…という事態もありうる。多数の人が会議室を行き交う大規模プレゼンの場ともなれば、なおさらだ。配線の無線化、というのはこの場合、最も効果的なソリューションであり、オフィリオ プロジェクターの無線LAN対応モデルなら、電源コード以外はワイヤレスというスマートな環境を生み出せる。
![]() ![]() ワイヤレスでのプレゼンテーションをサポートする「EMP NS Connection」のメイン画面 ![]() ![]() ![]() EMP NS Connection起動時に、かんたんモードかマニュアルモードを選択する |
オフィリオ プロジェクターの無線LAN機能を利用する際に、まずインストールしておきたいのが「EMP NS Connection」という専用ソフト。各プロジェクターのネットワーク接続状況をモニタリングできるとともに、プロジェクター操作そのものを行うためのツールで、WindowsおよびMac OSに対応している。
EMP NS Connectionを起動すると、「かんたんモード」もしくは「マニュアルモード」のどちらを利用するか選べる。シンプルに無線LANを利用する場合は、「かんたんモード」を選択しよう。無線LANユニットを内蔵(外付け)したPCとプロジェクターを1対1でアドホック接続するモードなので、ネットワーク接続に関する知識はほとんど必要ない。
作業手順としても、EMP NS Connectionに表示されるプロジェクター一覧から目的のモデルを選んで「接続する」ボタンを押すだけと簡単だ。接続中はPCの画面上に専用ツールバーが表示され、投写を一時停止したり設定を変更することもできる。
かんたんモードのメリットは、ワイヤレスならではのスマートさをごく簡単な手順で味わえることだ。あくまでもローカルな接続手段として無線を利用するので、インターネットやイントラネットの有無とは一切関係ない。インターネット回線のないホテル宴会場などでも問題なく利用できる。接続の都合上、プロジェクターとPCを接近させられないケースなどでは積極的に利用したい機能だ。
![]() ![]() ワイヤレス接続中に表示されるツールバー。リモコンを使わずに各種設定が行える |
一方、社内などでオフィリオ プロジェクターを直接ネットワーク接続している場合は、「マニュアルモード」を利用する。こちらの使用感もすごくシンプルで、自動的にネットワークを探索して接続されているオフィリオ プロジェクターを一覧表示してくれる仕組みだ。オフィリオ プロジェクターの事前設定でIPアドレスを固定している場合は、もちろんその数列を直に入力してもOK。ネットワークプリンターを利用する際の感覚とほぼ同じといえる。
無線LANで社内ネットワークに直接接続する場合はセキュリティが気になるところだが、最新モデルを中心に対策も進んでいる。具体的に確認すると、EB-1735WではWPA/WPA2(TKIPおよびAESに対応)、LEAPなどの認証方式をサポート済み。現状では解読手段がないとされるAESに対応している点については特に注目しておいてもいいだろう。
「クイックワイヤレス」用のUSBキー(オプション)
※対応機種: EB-1735W, EB-1725
なお無線LAN接続をシンプルに利用したい場合は、「クイックワイヤレス」機能を使っても良いだろう。専用オプション品のクイックワイヤレス用USBキーをオフィリオ プロジェクター本体に挿入、設定値が自動的に転送されるので、今度はそのキーを無線LANユニットを内蔵(外付け)したPCに差し直すことによって無線接続ソフトウェアのインストールや設定を自動的に行うという機能だ。ボタン類の操作がほぼ必要なく「キーを抜く」「キーを挿す」という手順だけに絞り込めるのは、PC全般の操作が苦手という人にとっても優しい機能だ。

事前にUSBメモリーにデータを入れておけば、プロジェクターに差し込むだけでプレゼン! PCのトラブルを想定して予備として用意しておくのもお勧め
プロジェクター付属のWindows用ソフト「EMP Slide Maker2」を使ってプレゼン用PowerPointファイルを専用シナリオ形式に変換してUSBメモリーに保存、あとはそのUSBメモリーをプロジェクターに挿入するだけでスライドショー表示ができる。またJPEG画像やWMV形式などの一部画像については、変換作業無く直接再生できる。
USBメモリーに保存したスライドの操作は、プロジェクター付属リモコンで行う。次のスライドへ進む・前のスライドに戻るといった操作ももちろん可能だ。またEMP Slide Maker2での変換時に前もって指定しておけば、スライド変更時にアニメーション効果を付与することもできる。
PCフリーで使うシナリオ形式は、EasyMP対応モデルであればほぼ共通化されている。全社的にエプソン製プロジェクターを導入している場合などには非常に効率的に利用できるはずだ。またノートPCの万一の故障などに備えて、バックアップ目的で用意しておくのもおすすめ。会議招集時、使用予定のプロジェクターのモデル名をあわせて通知しておけば、PCレスでよりスムーズにプレゼンを進行させ、節約できた時間を討議に費やすのもアリだ。

このようにオフィリオ プロジェクターは、USBディスプレイ機能をはじめとした使いやすさの向上に力を入れている。その一方、これまではごく一部の専門家向け機能であったネットワーク接続機能の搭載も進めている。プロジェクターとネットワーク、と言われてもピンとこないときは、オフィスのネットワークプリンターを思い浮かべればわかりやすいだろうか。機器それぞれが固有のIPアドレスを持ち、ネットワークの端末となることができる、そんなイメージだ。
![]() ![]() ネットワーク内の一端末となるプロジェクター。可能性は広がる |
プロジェクターのネットワーク化はさまざまな可能性を産み出す。地味ながらもっとも身近な応用例といえそうなのが、オフィリオ プロジェクターでも対応している異常通知機能。ランプの交換時期やなんらかの異常をメールにて通知してくれるもので、本体設定によっては電源がオフの状態でもメッセージが送信される親切機能だ。
もちろんユーザー自身がさまざまなシーンで活用できる可能性を秘めている。特に、EMP Monitorを使ったリモート操作機能を上手に使えば、単なる「映像投写装置」を越えた、新たな使い道も見えてくるのではないだろうか。
一例として考えられそうなのが、会社のロビーやショールームといった、人の往来が激しい比較的手狭なスペースで、プロジェクターを使って街頭広告的な映像を投写する場合。目的とする場所に電源コードだけをつなげたオフィリオ プロジェクターを設置、別室にある管理用PCで出力したい映像を制御することは十分可能だ。またなんらかの催事の際は、ノートPCを付近へ持ち込んでEMP NS Connectionのかんたんモードで接続すれば、ちょっとした即席プレゼン会場にも早変わりするだろう。
さらに究極的な用法としては「遠隔地プレゼン」、つまりオフィスを飛び越え、遠隔地のプロジェクターでプレゼンする手法も考えられる。EMP NS Connectionは異なるサブネットに接続されたオフィリオ プロジェクターもコントロールできる。Webカメラやテレビ電話機能付きのメッセンジャーソフトなども併用すれば、安価なビデオ会議システムとして応用する道も開けそうだ。
たとえば上で述べたような、全国から社員が集合するような会議を行う場合、会場のセッティングや社員の交通費等を工面するだけで相当な手間と出費となるが、ネットワークプロジェクターを用いれば、各自が自身のオフィスにいながらにして、全国規模の会議を行うことも不可能ではない。積極的なビジネスのための“戦略機器”として、プロジェクターを位置づけるべき時が来たのかもしれない。

![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
|
型番 | EB-G5350 | EMP-1825 | EB-1725 | EMP-1715 |
明るさ | 5000lm | 3500lm | 3000lm | 2700lm |
リアル 解像度 |
XGA | XGA | XGA | XGA |
重さ | 6.8kg | 3.1kg | 1.8kg | 1.7kg |
しかし誰でも使えるオフィリオ プロジェクターなら、社内外でのビジネス用途はもちろん、従業員間の交流を目的とした会席などにも使える。数限りない場面で、コミュニケーションの円滑性向上をサポートしてくれるはず。投写された情報の単なる“共有”だけでなく、発表者と聞き手の“共感”をも促してくれるだろう。
オフィリオ プロジェクターは、大規模会議室への常設を想定したハイエンドモデルから持ち運びのしやすさを追求したモバイル対応モデルまで、幅広いラインアップを用意している。目的とするスタイルに合わせて選び、あらゆるビジネス現場でのコミュニケーション促進に役立ててほしい。
(Reported by 森田秀一)

ビジネス力をUPするために、日々の会議や打ち合わせを通したコミュニケーションの活性化や、情報共有の強化が求められています。
これらの課題を解決するためには、最新のプロジェクター活用術が効果的です。便利な機能の数々や、先進的な会議術をご覧ください。
>> ビジネス力UPプロジェクト
>> ビジネス力UPプロジェクト
ビジネスシーンで役立つプロジェクターの機能

- 2009.1.07豊富な機能を活用して準備も片付けも手早く簡単に。その機動性に注目!

- 2009.1.07最新プロジェクターのネットワーク機能や接続性に注目!
会議でのプロジェクター活用術
![]() |
|
![]() |
|
![]() |
|
オフィリオプロジェクター 無料訪問デモ受付中!

>エントリーはこちら
プロジェクター選びは13年連続国内シェアNo.1(注:1)のエプソン見てから。ぜひ、無料訪問デモをお試しください。
(注1):’95〜’07年度プロジェクター国内販売台数 富士キメラ総研調べ