業界トップクラスのスペックを持つカメラ機能が魅力の903SHだが、エンターテインメントの機能も充実している。
まず、ケータイで楽しむ映像コンテンツについては、Vodafone 3Gのサービス「Vodafone live! BB」対応、「SD-Video」対応などが挙げられる。Vodafone live! BBはインターネットを使い、パソコンでダウンロードした高画質のミュージックビデオやドラマ、アニメなどをminiSDメモリーカードに保存し、Vodafone live!でコンテンツ・キーを取得することにより、映像コンテンツなどを再生できるサービスだ。従来のケータイではパケット通信料やネットワーク的な制限で難しかった高品質なコンテンツを楽しめるサービスとして、注目を集めている。SD-Videoは液晶テレビのAQUOSやHDD/DVDレコーダーなどで録画した番組をminiSDメモリーカードに保存して再生できる機能だ。 次にオーディオコンテンツについては、前述のVodafone live! BBで提供されるものに加え、Vodafone live!で新たに配信が開始された「着うたフル」、SD-AudioとAAC再生に対応した「ミュージックプレイヤー」を利用することが可能だ。SD-Audioはパソコンで音楽CDから取り込んだ音楽データをセキュアMP3/セキュアAAC形式でminiSDメモリーカードに保存して、903SHで再生できるものだが、別売の光デジタル変換ケーブルを利用すれば、ポータブルCDプレーヤーなどの光デジタル端子と903SHを接続し、パソコンなしで音楽を録音することも可能だ。(本体で録音できるのはセキュアAAC形式となる)オプションではその他に、マイク付き液晶オーディオリモコンも販売されており、903SHをポータブルオーディオプレーヤーのように活用することができる。 また、Vodafone live!で提供されるVアプリ、XMDF形式の電子ブック/電子辞書などにも対応している。Vアプリについては、セガの名作「スペースハリアーDX」をはじめ、人気の釣りゲーム「川のぬし釣り」、シミュレーションアプリ「コーラルアイランド-BLUE-グレートバリアリーフ編」、ピンボールゲーム「トランスピンボール フロアミックス」がプリインストールされており、3Dサラウンド対応ステレオサイドスピーカーによって、リアルで楽しく迫力あるコンテンツを楽しむことが可能だ。
こうしたコンテンツを美しく演出するため、903SHにはSHシリーズでおなじみのモバイルASV液晶が搭載されている。モバイルASV液晶はAQUOSでも採用されたASV液晶技術を応用したもので、コントラストの高さや上下左右160度という広い視野角などで、高い視認性を実現している。 |
昨年、ボーダフォンはW-CDMA方式を採用した「Vodafone 3G」のサービスを本格的に展開し、対応端末を一気にリリースした。Vodafone 3Gには高速通信や割安なパケット通信料、リッチなコンテンツ、国際ローミングなど、従来のPDCサービスにはなかった魅力があるが、その半面、欧州で販売される端末と共通化が図られたため、国内では「ユーザーインターフェイスがなじめない」といった声も上がっていた。
今回の903SHでは同時に発表された703SHとともに、こうしたユーザーの声に応えるべく、日本のユーザーを意識したユーザーインターフェイスを実現している。なかでもメール周りのユーザーインターフェイスはかなり改良された印象だ。 たとえば、メールの作成画面は宛先や件名、本文が一画面で確認できるようになり、誰にどんな内容のメールを送ろうとしているのかがハッキリと意識できるようになった。従来のVodafone 3Gの良さも継承されており、メール作成画面の最下段には「メディアバー」が用意され、アイコンを選ぶだけで添付ファイルの種類を選べるようにしている。圏外やオフライン中に送信エラーになったメールは、エリア内に移動したときに自動的に再送信する「自動再送メール設定」、頻繁にメールを送る相手を登録しておき、待受画面からツータッチでメール作成画面に移行できる「簡単メール宛先設定」なども搭載されている。
電話帳検索は、902SH/802SHで好評を得ていた読みによるインクリメンタルサーチに加え、「あかさたな別」や「グループ」による検索にも対応している。メニュー画面も従来端末ではVodafone 3G標準デザインのみだったが、903SHでは「カスタムスクリーン」機能により、2種類のオリジナルデザインを選択可能だ。待受画面の画像も全画面表示が可能になり、高精細な液晶ディスプレイを活かせるようにしている。待受画面からの操作では、V603SHやV501SHでも好評を得ている「クイックオペレーション機能」が搭載されている。待受画面からダイヤルボタンで数字を入力すると、簡易電卓やマネー積算メモ、アラーム、スケジュール登録などができる機能だ。 また、903SHでは902SH/802SHをはじめとする従来のSHシリーズと違い、メモリーカードがSDメモリーカードからminiSDメモリーカードに変更されている。ユーザーとしてはデータの引き継ぎなどが気になるところだが、付属CD-ROMに収録されている「SD-miniSD転送ソフト」を利用すれば、従来のSHシリーズで利用していたSDメモリーカードのデータをminiSDメモリーカードにパソコン上で移すことができる。著作権のあるデータは引き継げないが、メモリーカードのフォルダ構造などを意識せずに移行できるのは、ユーザーにとってもメリットのある点だ。ちなみに、移行できるデータは移行元の端末によって異なる
パソコンに関連するところでは、ワイヤレスヘッドセットなどとも接続可能な「Bluetooth」、他の端末ともデータをやり取りできる「赤外線通信」、パソコン上で903SHの電話帳やカレンダーのデータを編集できるソフトウェア「ハンドセットマネージャー」など、使いやすい環境が提供されている。 この他にも従来の902SH/802SH、同時発表の703SH同様、W-CDMA方式とGSM方式の自動切り替えによる国際ローミング、海外滞在時に便利な世界時計やレート換算対応簡易電卓など、Vodafone 3Gの環境を活かすための機能も数多く搭載されている。 |
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カメラ付きケータイやオーディオプレーヤーなど、常にユーザーが「欲しい」と思う機能を次々と実現してきたSHシリーズ。今回の903SHは豊富な機能や他を圧倒するスペックだけでなく、質感の高いボディと美しいデザインによって、上質なケータイとして仕上げられたという印象だ。「ケータイをよく知る人」も十分に満足できる端末として、幅広いユーザーにオススメしたい。
■関連情報 ・Vodafone 903SH製品サイト(シャープ) ■関連記事 http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/25024.html ・ボーダフォン、3G新モデル「703SH」「903SH」
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