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画質調整用のテスト画面は本体付属CDROMに収録されている。 |
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IT-26M1の液晶パネルは、シャープ製の映像機器としては看板商品とも言えるAQUOSと同じASV方式の低反射ブラックTFT液晶パネルを採用している。
ASVとは「Advanced Super V」の略で、簡単に言ってしまえばシャープブランドの液晶パネル。以前は、単なるブランディングとして使われてきたキーワードだが、最近ではシャープが開発したCPA(Continuous Pinwheel Alignment)方式の液晶パネルを指すようになっている。
CPA方式とは、一般に広視野角液晶として知られるMVA(Multi-domain Vertical Alignment)方式の液晶のシャープ改良版に相当するもの。具体的には、1ピクセル内に形成した複数個のサブピクセル電極で、液晶素子を放射状に連続的に傾斜配向させて制御する。この仕組みにより、視線角度に依存しない光透過制御が行なえ、結果、CRT並の上下左右170度の視野角を達成する。最新AQUOSやIT-26M1に採用されている最新のCPA液晶では、開口率や応答速度を向上させる工夫も施してあるそうで、高レベルで液晶パネルの弱点を克服しているという。
応答速度は16ms以内、IT-26M1の公称最大輝度は実に500cd/m^2。これは、最新の大型液晶テレビと同等であり、平均的な液晶ディスプレイ製品の2倍近い値になる。さすがに500cd/m^2の状態でPCディスプレイとして使うにはやや明るすぎる…と思われる場合は、もちろん暗くすることも出来るので問題ない。とはいえ、「絶対的な明るさ」は、色表現のダイナミックレンジに大きく影響するので、IT-26M1を映像観賞用に活用するときには、この最大輝度がアドバンテージとして生きてくる。
発色の傾向は、まさにAQUOS譲りといった感じで、純色の発色が鮮烈で、なおかつ色深度が深く、微妙なグラデーションも疑似輪郭を感じさせず、美しく決まってくれる。
階調表現も正確で、暗部から明部までがきめ細かくリニアになだらかに見える。このため、1ピクセル単位のディテール感が実感できるほどだ。これは、DVDによる映画鑑賞に効いてくるのはもちろん、デジカメ写真のレタッチ作業などにもありがたい性能だと言える。
500cd/m^2の絶大なダイナミックレンジは、コントラスト性能にも効いてきており、IT-26M1のスペック上の公称コントラストは800:1。これまた、一般的な液晶ディスプレイとしては2倍程度の値だ。このハイコントラスト性能の恩恵で、IT-26M1の映像は非常に立体的に見える。
ビデオ系ソースを入力して表示する際の高画質化支援機能も充実しているのもIT-26M1の特徴だ。
インタレース映像に対しては、動き適応型プログレッシブ化処理、2-2/3-2プルダウン処理を、映像の種類に応じて適用し、高品位なプログレッシブ映像を出力する。動きの激しい映像に対しては、色ブレを軽減するために、液晶に過電圧を加えて駆動して応答速度を速める「Quick Shoot」機能が利用できる。これはスポーツ中継やアクション映画の視聴の際や、ゲームを楽しんだりするときに有効に活用できるだろう。
ビデオ入力機能を持った液晶ディスプレイはIT-26M1の他にもあるにはあるが、ここまでのビデオ入力に対しての高画質化機能を搭載した製品はIT-26M1しかない。
IT-26M1は、「AQUOS相当の液晶テレビの高画質を持ち込んだ液晶ディスプレイ」…こう喩えるのが一番分かりやすい表現だと思う。
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