ボーダフォンが本格的にサービスの展開し始めた3Gケータイ「Vodafone Global Standard(VGS)」。その対応端末として登場したのがシャープ製「V801SH」だ。ボーダフォンのラインアップを常にリードしてきたシャープ初のVGS対応端末であり、W-CDMA/GSM方式に対応することで、日本と世界38の国や地域で「ボーダフォンライブ!」が、音声通話であれば世界93の国や地域利用できる期待の端末だ。
ついに登場!!Vodafone Global Standard対応メガピクセルケータイ「V801SH」
  いつでもどこでも世界でも
 

 ボーダフォンは昨年末から3Gサービス「Vodafone Global Standard」の本格的な展開を開始した。従来のPDC方式と違い、2GHz帯を利用し、「W-CDMA」と呼ばれる方式で通話や通信を行なう。通信速度も最大384kbpsまで向上し、従来のPDC方式の約13〜40倍もの高速通信が可能になる。パケット通信料は標準でPDC方式の2/3の1パケットあたり0.21円、割引サービスを利用すれば、1パケットあたり0.042円まで安くなるため、毎月の支払いもグッと抑えることができる。

 そんな魅力的な3Gサービスに対応した端末として発売されたのがシャープ製端末「V801SH」だ。シャープと言えば、カメラ付きケータイの先駆者であり、ボーダフォンでは常にラインアップをリードしてきたメーカーとして知られている。今回発売されたV801SHは、シャープ初のVGS対応端末であり、VGSの利用を検討していたユーザーが待ち望んでいた端末とも言えるわけだ。

 V801SHにはいろいろな特長があるが、まず注目したいのが通信方式だ。V801SHはVGSに対応しているため、通信方式はW-CDMA方式を採用しているが、この他に「GSM」と呼ばれる方式にも対応している。GSMは世界で最も普及している携帯電話方式で、ヨーロッパをはじめ、北米の一部やアジアなどでも採用されている。GSMにはいくつかの周波数帯があり、900MHz帯と1800MHz帯はヨーロッパやアジア、オセアニアなど、1900MHz帯は北米やハワイの一部で使うことができる。V801SHのGSM対応は900/1800/1900MHzのトライバンドになっているため、V801SHが一台あれば、日本ではW-CDMA方式によるVGS端末として、世界各地のローミングエリアではGSM対応携帯電話として利用できるわけだ。つまり、V801SHはいつでもどこでも世界でも使えるケータイとして設計されているのだ。

 また、V801SHはVGSという新しいサービスに対応した端末であるにもかかわらず、手堅く設計されているのも見逃せないポイントだ。ボディサイズも従来のPDC方式の端末に近く、ユーザーインターフェイスも従来のシャープ製端末をほぼ継承しており、過去に同社製端末を利用したことがあるユーザーなら、違和感なく、使うことができる。つまり、V801SHは自然に使える『グローバルケータイ』なのだ。


定番のブラックとシルバーの他に、シャンハイレッド、マンハッタンゴールド、アテネブルーの3色が追加された。

  VGSを活かすメガピクセル写メール
   

 V801SHにはVGSサービスを活かした機能が数多く搭載されている。たとえば、ボーダフォンではおなじみの写メールもVGSによって進化している。



VGS端末で唯一のメガピクセルカメラ。VGSの特長でもあるメガピクセル写メールができる。

 PDC方式での写メールは送信できるファイルサイズの制限があり、なかなか大きなサイズの画像を送信できなかった。特に、メガピクセル級のカメラを搭載した端末では、ネットワーク的にその性能を十分に活かしきれなかった面がある。しかし、VGSではメールサイズが最大200KBまで拡張されるため、今までの写メールとはひと味違った楽しみ方ができる。V801SHに搭載されているメガピクセルカメラは、最大858×1144ドットの画像を撮影できるが、VGSのポテンシャルを活かし、メガピクセルサイズのまま、写メールを送ることができるのだ。受信できる端末は今のところ、V800シリーズに限られるが、パソコンにも大きなサイズで送信できるのは大きなメリットだ。もちろん、ムービー写メールも最大200KBまで送信できるため、176×144ドットで最大40秒のムービーを送信できる。

 V801SHには有効画素数100万画素の高解像度CCDカメラが搭載されているが、従来のシャープ製端末同様、使い勝手もよく考えられている。たとえば、[ボーダフォンライブ!]ボタンを長押しすると、カメラが起動し、[1]を押せば、最大240×320ドットの画像や連写などが使える「モバイルカメラモード」、[2]を押せば、最大858×1144ドットで撮影できる「デジタルカメラモード」、[3]を押せば、MPEG-4形式の動画が撮影できる「ムービーモード」、[4]を押せば、一度の撮影で約30分間の長時間ムービーを撮影できる「ビデオカメラモード」に、それぞれ切り替えることができる。デジタルカメラモードで最大サイズの画像を撮影したときもプレビュー画面で[ボーダフォンライブ!]ボタンを押せば、必要に応じて自動的に送信可能な画像サイズに圧縮されるため、面倒な編集などをすることなく、簡単にメガピクセル写メールを送信できる。

※画面ははめ込み合成です。



最大240×320(縦×横)ドットの写メールサイズモード。1シャッターで4枚、9枚の連写でベストショットを選択できる。



最大858×1144(縦×横)ドットのメガピクセルサイズ撮影モード。そのまま写メールできる。



最大144×176(縦×横)ドットのムービーモード。MPEG-4形式の音声付き動画(10フレーム/秒)が5〜40秒撮影できる。もちろんムービー写メールも可能。


ビデオカメラモード。最大約30分(ノーマル、ファイン)の長時間動画が撮影可能。データはSDメモリカードに保存できる。

 撮影時の機能も最大7倍のデジタルズーム、7色のモバイルライト、約10cmでの撮影ができる接写モード、バーコード(QRコード)の読み取り機能などが用意されており、さまざまな利用シーンに合わせた撮影をできるようにしている。

  SDメモリカードで楽しめる
 



本体側面に装備されたSDメモリカードスロット。16MBのSDメモリカードが標準で付属される。

 



付属のステレオヘッドホンに、別売りのマイク付き液晶オーディオリモコンを購入すると利便性がアップする。

 
 
  マイク付き液晶オーディオリモコンは、ワンタッチ発着信ボタン、音調調節など、各種機能が盛り込まれている。

 V801SHにはSDメモリカードスロットが装備されているが、SDメモリカードはメガピクセルカメラのためだけにあるわけではない。SDメモリカードを活用することにより、V801SHのさまざまなマルチメディア機能を利用することが可能だ。

 たとえば、オーディオプレイヤーもそのひとつだ。V801SHには音楽CDプレイヤーと接続し、SDメモリカードにお気に入りの音楽を録音できるオーディオプレイヤー機能が搭載されている。録音した音楽はセキュアMP3としてSDメモリカードに保存され、付属のステレオヘッドホンで再生することができるが、オプションで販売されているマイク付き液晶オーディオリモコンを利用すれば、ワンタッチで発着信をしたり、音量の調節などもリモコンで操作することが可能だ。普段の外出時だけでなく、旅行などに出かけるときにも音楽CDやMDをポータブルプレイヤーといっしょに携行することが多いが、V801SHがあれば、SDメモリカードに保存された音楽をいつでも楽しめるわけだ。

  また、V801SHにはXMDF形式の電子ブック閲覧機能が搭載されており、外出中や旅行中にダウンロードしておいた電子ブックを読むことができる。たとえば、英語辞書や英会話のガイドブックを収録しておき、海外旅行先で活用するといったことも簡単にできる。現在、シャープではV801SHを購入された方に、期間限定で海外旅行にも便利な、英会話集「トラベル英会話アシスタント」 を無料で提供しており、通信費はかかるが、パソコンなどでダウンロードして活用したいところだ。

 この他にもボイスでレコーダー機能やビデオプレイヤー機能など、V801SHにはSDメモリカードを活かすための機能が数多く搭載されている。しかし、これだけSDメモリカードの機能が数多くあると、SDメモリカードの容量が心配になるが、V801SHは最大512MBのSDメモリカードに対応しているため、大容量のSDメモリカードを購入し、1枚で何役にも活用することが可能だ。

※画面ははめ込み合成です。



XMDF形式の小説や辞書をパソコンなどでダウンロードしてできる電子ブック閲覧機能。



ボイスレコーダー機能画面。録音するシーンに応じてマイクの感度が設定できるので、会議や講演にも便利な機能だ。



ビデオプレイヤー機能画面。SDメモリカードに保存した動画を、MPEG-4形式で再生できる。また、動画の切り出しやテロップの挿入も可能だ。
  着うたや着ビデオに対応
   

 一方、V801SHのVGSサービスへの対応はどうだろうか。メールは前述の通り、最大200KBのVGSメールに対応しているが、国内だけでなく、対応地域では国際ローミング中の写メールも利用可能だ。たとえば、海外旅行中に写真を撮り、その場の雰囲気を海外から即座に伝えることができるわけだ。

 次に、ボーダフォンライブ!のウェブだが、公式サイトにはさまざまなコンテンツが提供されている。なかでも注目すべきはVGSが新たに対応した着うたや着ビデオのコンテンツだ。着うたや着ビデオをダウンロードし、着信時の動作に設定すれば、PDC方式の端末では楽しめなかったクオリティの高い演出が可能だ。ちなみに、これらのコンテンツも日本はもとより、対応地域では国際ローミング中に公式サイトを閲覧することができる。つまり、海外に居ながら、日本の最新情報にもアクセスできるということだ。

 Vアプリは100Kアプリに対応しているが、ゲームなどだけでなく、海外での利用にも便利な辞書や英会話文例集といったVアプリも公開されている。こうしたVアプリを国内でダウンロードしておき、海外でいざという活用するといったことも可能だ。まさに、グローバルなV801SHならではの活用法だろう。

 
   

 グローバルなスタンダードに対応することで、世界で活用できる3Gサービスとして本格的な展開を開始したVodafone Global Standard。そのサービスを今までのボーダフォン端末と同じように、スマートかつ自然に使えるようにしたのがシャープ製端末「V801SH」だ。ここで紹介したもの以外にも豊富な機能が搭載されており、世界へ飛び出すユーザーのニーズにも応えられるポテンシャルを秘めている。ぜひ自分の手に取って、その仕上りをチェックしてみて欲しい。

  《V801SHを持って海外に行ってきました》
 

 V801SHが海外でどれくらい使えるのか。実際にシンガポールに行ってV801SHを使ってみた。

 現地に到着して電源オン! 日本にいるときのモードでは使えないの でさっそく海外モードに切り替えて、電源を入れ直す。すると、すぐに電波が3本に。ローミング接続を開始したことを示すウェルカムメッセージがSMSでやってきた。メニューも日本語だし、ここまで海外にいることを意識せずに済むというのは驚きだ。この興奮を編集部に伝えようと、写メールを送るのも、いつも通りのインターフェイスで簡単。日本語でメールをやりとりできるのが何より楽しい。

 さらに「通貨換算対応電卓」や「世界時計」など、海外での便利機能も満載。「乗換案内」など、日本語のウェブコンテンツが海外で利用できるのもありがたい。意外に嬉しいのは、オーディオプレイヤー機能や電子ブック閲覧機能だ。お気に入りの音楽や電子ブックをSDメモリカードに保存して一緒に持って行けば、空港で飛行機を待つ退屈な時間もV801SHがあれば楽しいひとときに変わる。

 V801SHは、国際派のユーザーには見逃せない端末と言えるだろう。 (現地取材 ・ 伊藤大地)



マーライオンもこのとおり。撮った画像をスグに送れる手軽さは、どこにいても変わらない。


通貨レートを、あらかじめ設定しておくだけ。電卓を持参するヤボもなく、暗算が苦手な人にも嬉しい機能だ。


日本時間と、現地時間を並列でき、サマータイムにも対応している。また、サブディスプレイにも表示することができる。

※シンガポールから10KBまでのメールを送信する場合、料金は1通100円となります。10KBを超えると1KBにつき5円の料金が加算されます。

 
  法林岳之の「週刊モバイルCATCH UP」
  ケータイ新製品SHOW CASE
  関連情報

・V801SH製品情報(ボーダフォン)
 http://www.vodafone.jp/japanese/service/vgs/index.html

・V801SH製品情報(シャープ)
 http://www.sharp.co.jp/products/v801sh/

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法林岳之

1963年神奈川県出身。パソコンから携帯電話、PDAに至るまで、幅広い製品の試用レポートや解説記事を執筆。特に、通信関連を得意とする。「できるWindowsXP基本編完全版」など、著書も多数。ホームページはPC用の他、各ケータイに対応。「ケータイならオレに聞け!」(impress TV)も配信中。


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