家電機器は、高性能・多機能になっていくにしたがって、操作がむずかしくなっていく傾向がある。ハイエンドのデジタル機器を使いこなせる層には、多少操作が煩雑でも最終的に高機能を享受できればOKという気分がないこともない。また、わかっている人だけが使ってくれればいいという驕りが感じられるメーカーもなかにはある。 しかし、DVDレコーダーという製品は、一部のマニアのみがほしがるものではなく、日常生活のなかにどんどん浸透してきている。ほとんどの家庭にいきわたっているVHSビデオデッキにとって代わっていくものだ。価格も年々手ごろになってきており、そろそろ自分のレベルの製品が出てくるころだと待っている人も多いのではないだろうか。 DVDレコーダー購入を“待って”いる理由は、価格もあるとは思うが、操作がまだまだむずかしそうだというイメージにあると思う。そもそもデジタルという単語にアレルギー反応を起こす人もいる。パソコン操作で悩んだような心配をDVDレコーダーについてももってしまっているのだ。高画質なのはわかっているけど、自分に使いこなせるのだろうか。そもそもビデオデッキの録画予約設定すらきちんとできなかったのに……。 今年のディーガは、上記のような人に「お待たせしました。やっとできました」と胸を張っておすすめできる製品に仕上がっている。さらに、現在使用中のDVDレコーダーに不満がある人にも、買い換えを推奨できるレベルに到達している。ディーガがすごいのは周知のとおり。それをカンタンな操作でみんなで楽しめる“さりげなさ”。それがディーガの貫禄なのだ。 今年新登場のモデルは、300GBのHDDとBSアナログチューナーを搭載した「EH60」、200GBのHDD搭載の「EH50」、200GB HDDに加えてVHS録画・再生可能な「EH70V」、HDD非搭載でVHS録画・再生可能の「ES30V」、シンプルだがコストパフォーマンスが高い「ES10」の5機種。さらに昨年から継続販売されるブルーレイディスク対応機種などの4機種を含めて、全9機種のラインアップとなった。 |
DVDレコーダーをすでに使っている人から寄せられる不満の多くは、DVDレコーダーは電源を入れてからの立ち上がりが遅いこと。たしかにどのDVDレコーダーもユーザーを“待たせた”。なかには電源ONから20秒くらい待たされる機種もある。デジタル技術の粋を集めたような機器なのに、なぜか妙に頭が悪い機器に思えてしまう。そして待つことは当然ストレスになる。たまにしか使わない機器ならまだしも、日常生活のなかで毎日使う機器がこれでは、いくら画質がよくても不満がたまっていく。 パナソニックは、まずユーザーを待たせないことを第一に、ディーガを進化させた。なんと電源OFFから1秒でテレビ番組ガイド(EPG)が立ち上がる。また電源を入れてから1秒で録画スタート可能となっている(DVD-RAM クイックスタート「入」時)。これらはいずれも世界最速だ(2005年2月24日現在)。しかもテレビ番組ガイドは、リモコンや本体の電源ボタンを押さなくても、リモコンに新設された「番組表」ボタンを押すだけでディーガの電源がONになり、接続しているテレビ画面にテレビ番組ガイドが表示されるまでたったの1秒間なのだ。これならDVDレコーダーに待たされるどころか、新聞のテレビ番組欄を見ようとするよりも早い。また電源投入後1秒で録画を開始できるということは、録りたい時に即録画開始できるわけだ。新登場のモデルのうち、HDD搭載モデルは、テレビ番組ガイド表示と録画開始を1秒間で、HDD非搭載モデルは電源を入れてから録画開始を1秒間で実現している。 1秒で起動するテレビ番組ガイドも、使いにくくては意味がない。従来からディーガのテレビ番組ガイドは、長年使い慣れている新聞のテレビ欄風表示となっており、使い勝手のよさでは群を抜いていた。これをさらに改良し、表示チャンネル数を3/5/7とお好みで切り替え可能となった。録画予約はテレビ番組ガイドから選ぶだけなので、ビデオデッキで録画予約設定が苦手だった人も迷わずに操作できる。 今はAV機器のさまざまな操作をリモコンでするようになっているので、リモコンの使い勝手がきわめて重要だ。なかには本体の性能は高いのに、リモコンが使いにくくて不満が高い製品も見受けられる。この点においてもディーガは一歩リードしている。「かんたんくるくるリモコン」と呼ばれる新型リモコンは、使用頻度が考慮されたボタン配置と新採用の「マルチジョグ」により操作性が格段に向上している。マルチジョグは、回す速度に追随して表示がスクロールするため、一度味わうと他のリモコンは触れなくなってしまう快適さだ。 また、初期設定や詳細設定でも、従来の目的別分類に加え、さらに使用頻度でも分類されている。たまにしか設定しない項目は2層目になっており、よく使う設定項目がたくさんの項目のなかに埋もれてわかりにくいといったことがない。用語もわかりやすくなっており、地味だがユーザーの使用シーンをよく考慮しているディーガの姿勢が表れているといえよう。 さらに、HDD搭載モデルの「EH60」、「EH50」、「EH70V」には、前面にSDメモリーカードスロットを搭載し、LUMIXで撮影した写真を楽しんだり、DCF準拠のJPEGとTIFFをHDDに取り込むこともできる。 DVDの規格がいくつかあるということを知らないユーザーもたくさんいる。こういう人は、買い換え時に注意を要する。なぜなら今まで録りためたDVDが、買い替えた機種で再生できない場合があるからだ。知らないのが悪いというのはあまりに不親切だろう。これについてもディーガはマルチフォーマット対応で、すべてのDVDフォーマットを再生できるようになっている。録画についてもDVD-RAM、DVD-R、DVD-RW(ビデオモードのみ)、DVD+Rに対応した。今まで他社商品を使っていた人でも、新型ディーガなら安心して使えるわけだ。まさに、カンタンなうえに安心も備わったといえる。 |
DVDレコーダーの画質性能は、毎年当然のごとく進化してきている。ところがディーガの場合は、画質においても一歩進んでいる。いや、二歩進んでいるといえるかもしれない。その理由を説明しよう。 今年のディーガには高画質エンジン「ディーガエンジンU」が採用された。従来は10bitのA/Dコンバーターで1,024階調で入力信号を変換処理していたが、「ディーガエンジンU」はA/Dコンバーターが12bitになり、4,096階調の高精細変換処理が可能となった。従来より階調表現が4倍になったことで、階調不足で滑らかさや精細感が欠けていた映像も、本来の映像に迫る高精細で滑らかな映像で録画できるようになった。 さらに、LPモードの画質を大幅改良し、500本の水平解像度を保ったままビットレートを変えることで、SPモードに匹敵する高解像度でありながらSPモードの2倍の録画時間を実現した。単純計算では、4.7GB DVD-RAM1枚ではSPモードで約2時間録画できたが、これからはほぼ同じ程度の画質で録画時間は2倍の約4時間(SP高解像度LPモード)となる。300GB HDD搭載の「EH60」なら、EP8時間モード時最長約532時間の録画時間を確保できるのだ。これでなにができるかというと、映画なら266タイトル(1タイトル2時間として)、大河ドラマ10年分(1時間枠全50回)、プロ野球なら1チームの全試合144試合(1試合3.5時間)の録画がほぼSPモードの高画質で可能だということになる。 エンコード方式も進化し、「バーチャルマルチエンコーダー」の採用で、バーチャルな複数のエンコード結果に応じてエンコード条件を決定する方式に変更された。これにより圧縮効率の大幅向上を実現し、高画質録画が可能となった。 技術が進化していくのだから画質が向上していくのは当然のこと。しかしその技術をどこに活かすかが問題なのだ。ディーガは、基本的な画質の向上はもちろんのことで、その技術によって、SPモードとほぼ同等の高画質で2倍の録画時間を実現した。これがディーガが“二歩進んでいる”理由なのだ。 |
このように今年のディーガは、十分満足できるDVDレコーダーを待っていた人にとって、ついに機会到来といえるモデルがそろっている。ディーガはもう待たせない。
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■関連情報 ・ディーガサイト http://diga.jp/ ・パナソニックサイト http://panasonic.jp/ ■関連記事 |