◆宇宙最強のラインナップを取りそろえるAlienwareシリーズ
Alienwareシリーズは、冒頭でも紹介したとおり、デルのゲーミングPCのブランドだ。同社のシリーズにはプレミアムブランドのXPSシリーズやAdamo by Dellを抱える。しかし、デルはAlienwareを宇宙最強のゲーミングPCと謳っており、実質的なフラッグシップと呼んでも差し支えないだろう。
AlienwareシリーズのラインナップはデスクトップPCとノートPCに大別される。デスクトップPCは、ハイエンドCPUのCore(TM) i7シリーズの搭載やSLIへの対応、購入時から使えるオーバークロック、大型筐体の採用による拡張性の高さなど、完全なモンスターマシンだ。
対するノートPCのラインナップも負けてはいない。ノートPCのラインナップはパネルのサイズ別に、Alienware M17x、Alienware M15x、Alienware M11xの3機種がラインナップされている。それぞれの液晶パネルのサイズは、17インチ、15.6インチ、11.6インチだ。Alienware M17xはCore(TM) i7に対応し、GPU(グラフィックスプロセッサユニット)を2つ搭載するCrossFireXに対応。HDDも2台内蔵が可能なので、アクセス速度の速いRAID 0などを構築することができる。Alienware M15xもCore(TM) i7が搭載可能で、GPUにはGeForce(R) 200Mシリーズの上位チップである、GeForce(R) GTX 260Mを内蔵している。
今回ご紹介するAlienware M11xは、上記の2機種の様なモンスタークラスのパーツは採用されていない。しかし、筆者としては、やはりこのAlienware M11xもモンスターと言い切ることができる。その理由を、まずはスペック紹介とともに説明していこう。
◆Alienware M11xのスペックは
さて、最初にAlienware M11xのスペックを紹介していこう。その前に知っておきたいのはデルのBTOについてだ。BTOとはBuild to Orderの略で受注生産方式のこと。簡単に言えば注文するときに細かいカスタマイズが行えると言うことだ。メモリなどを増設したり、いらない機能の搭載をやめたりすることができるため、自分好みのPCを手に入れられるのと同時にコストパフォーマンスも高めることができる。表の項目で※マークが付いている項目は選択可能なので、自分の使い道に合ったチョイスをするとよい。
【BTO】
CPU |
- インテル(R) Core(TM) 2 Duo プロセッサー SU7300(1.3GHz)
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OS |
- Windows(R) 7 Home Premium 64bit版
- Windows(R) 7 Professional 64bit版
- Windows(R) 7 Ultimate 64bit版
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メモリ |
- DDR3 SDRAM 4GB(2GB×2)
- DDR3 SDRAM 8GB(4GB×2)
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チップセット |
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グラフィックス機能 |
- NVIDIA(R) GeForce(R) GT 335M & インテル(R) GMA4500MHD (ハイブリッドグラフィックス)
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ディスプレイ |
- 11.6インチ WXGA光沢液晶ディスプレイ(1,366×768)
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ストレージ |
- 250GB SATA HDD(7,200rpm)
- 320GB SATA HDD(7,200rpm)
- 500GB SATA HDD(7,200rpm)
- 256GB SSD
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キーボード |
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通信機能 |
- 100BASE-TX、IEEE802.11a/b/g/n、Bluetooth
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映像出力 |
- Dsub 15ピン、HDMI、DisplayPort
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メモリカードリーダー |
- SDメモリーカード/SDHCメモリーカード/メモリースティック/メモリースティック Pro/MMC
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バッテリー駆動時間 |
- 8時間39分(内蔵グラフィックス使用時)/5時間35分(NVIDIAグラフィックス使用時)
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サイズ(W×H×D) |
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重量 |
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カラー |
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光学ドライブ(オプション) |
- 外付けDVDスーパーマルチドライブ
- 外付けBlu-rayドライブ
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まず、CPUには、インテル(R)のCore(TM) 2 Duo プロセッサー SU7300が搭載されている。このCPUは非常に省電力性能が高いCPUで、同時に発熱量も抑えられたCPU。性能もある程度押さえられているが、このサイズのモバイルノートPCとしては妥当な選択だ。チップセットには同じくインテル(R)のGS45 チップセットを採用している。
メモリはDDR3のモジュールが2枚搭載可能で、貸出機の中身を見る限りではPC3-8500の仕様のものだ。BTOで、2GB×2の4GBか4GB×2の8GBを選択できる。
特筆すべきはグラフィックス機能で、チップセット内蔵のインテル(R) GMA 4500MHDのほか、NVIDIA(R)のGeForce(R) GT335Mが搭載されている。GeForce(R) GT335Mは、NVIDIA(R)のノートPC向けGPUとしては最新の製品で、モバイルノート向けとしては、かなり高性能なチップだ。CPUはローパワーの製品だが、それを補って余りある性能を持っている。
ストレージには250GBから500GBのHDDや、256GBのSSDを選択できる。ランダムリードに関するSSDの速さは言うに及ばずだが、HDDも7,200rpmタイプを採用しており、まずまずの性能を出すだろう。
通信機能は有線の100BASE-TXと無線のIEEE802.11a/b/g/nのほか、Bluetoothに対応する。
光学ドライブは内蔵しないがオプションとしてBTOで追加もできる。Blu-rayドライブも選択できるため、利用したい場合には一緒に購入するとよいだろう。
バッテリ駆動時間はチップセット内蔵グラフィックス機能を使った場合とNVIDIA(R)のGPUを使った場合では異なる。しかし、NVIDIA(R)のGPUを使った場合は5時間以上、内蔵グラフィックス機能使用の場合にいたっては8時間以上だ。
液晶サイズは11.6型で幅と奥行きはそれ相応だ。高さに関しては多少厚みを感じるが、このスペックを考えれば仕方ない部分でもあるし、逆に重厚感がある。しかし、その割に重量自体は1.99kgと2kg以下に抑えられている。むしろ、上記に書いたような高スペックパーツを、よくぞこの小型サイズに詰め込んだというのが正直な感想だ。
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<Alienware M11xの内部>
バッテリは内蔵タイプで、底面のパネルを外さなければ取り外すことができない。手前左はHDDで、その右は無線カード、さらにその右がメモリモジュールだ。HDDの手前とメモリの右にはスピーカが見える。 |
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<バッテリ、HDD、メモリモジュール>
バッテリは大型だが薄型の物を採用。HDDは7,200rpmの高速タイプだ。メモリモジュールはPC3-8500のDDR3で、貸出機には2GBのモジュールが2枚搭載されていた。 |
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◆光るエイリアンが個性を主張!
ここまでは、スペック面からAlienware M11xを見てきた。ここからは、デザイン面からAlienware M11xを見ていこう。ここでは言葉よりも写真を見てもらった方が早いので、外観の写真を多面的に紹介していく。
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<Alienware M11x>
天板を閉じたところ。Alienwareシリーズのトレードマーク、Alienヘッドが中心にデザインされており、PC起動時には白く光る。 |
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<大きさの比較>
雑誌との比較。A4サイズの雑誌とほぼ同じくらいの大きさ。高性能がコンパクトにまとまっている。 |
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<本体手前>
本体手前の左右にあるのは、スピーカではなく光るギミック。スピーカは底面にある。 |
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<本体背面>
右側のスリットは排熱用。高性能なGPUを搭載しているため、高い排熱技術が必要となる。排熱用スリットの左にはACアダプタ用のコネクタがある。ACアダプタは非常にコンパクトで、持ち運びにも困らない。 |
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<本体右側>
本体の右側にはUSB 2.0のポートが二つとオーディオ端子が用意されている。以外とシンプルだが、マウスを右側で利用する人が多いことを考えるとうれしいところだ。 |
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<本体左側>
本体右側と違い、多くのインタフェースが集中する左側。有線LANやUSB 2.0ポート、IEEE1394(4ピン)やメモリーカードなどがある。とくに充実しているのが映像出力で、Dsub15ピンのほか、HDMIやDisplayPortが搭載されている。 |
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<キーボード>
キーボードは縁取りがされており、フォントもAlienware独特の雰囲気を醸し出している。キーボードの底部はしっかりとしており打鍵感も良好だ。光るギミックも健在! |
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<本体底面>
底面部にも排熱処理用のスリットがあり、熱処理への並々ならぬ努力が感じられる。Alienヘッドがあしらわれたプレートもポイントだ。本体手前側に位置する細かい穴はスピーカの音の出口となっている。このクラスとしては音質が非常にクリアだ。バッテリは内蔵タイプだが、電源が入っていなくても残量が分かる機能も用意されている。 |
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<光るギミック>
Alienwareのデザイン上、最大の特徴でもある光るギミック、ソフトウェアにより点灯、点滅などのコントロールが可能で、電源ボタンとなるAlienヘッド、キーボード、パームレスト手前、「ALIENWARE」の文字などを別々に色指定できる。 |
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<Webカメラ>
パネル上部のベゼルに用意されたWebカメラ。ソフトウェアと組み合わせて顔認証などに利用することができるので、セキュリティ面でも安心だ。 |
◆実際の性能を見てみよう
では、実際にベンチマークソフトを動かして、Alienware M11xの性能をテストしてみよう。ベンチマークは貸出機で行っており、貸出機のスペックは上で示した表で、色の塗ったセルのスペックであることに注意してもらいたい。ベンチマークソフトにはPCMark Vantage、3DMark Vantage、CINEBENCH、CrystalDiskMark、FINAL FANTASY、Street Fighter IV、BIOHAZARD 5の7つを使ってみた。また、参考までにエクスペリエンスインデックスの値も調べてある。
【エクスペリエンスインデックス】
プロセッサ |
メモリ(RAM) |
グラフィックス |
ゲーム用グラフィックス |
プライマリ ハードディスク |
4.1 |
4.8 |
6.5 |
6.5 |
5.9 |
【PCMark Vantage】
PCMark Suite |
Memories Suite |
TV and Movies Suite |
Gaming Suite |
Music Suite |
Communications Suite |
Productivity Suite |
HDD Test Suite |
3151 |
2574 |
1947 |
2512 |
3097 |
2518 |
1994 |
3906 |
【3DMark Vantage】
3DMark Score |
CPU Score |
Graphics Score |
P2575 |
2583 |
2468 |
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【CINEBENCH R11.5】
1CPU |
xCPU |
Multiprocessor Speedup |
0.38 |
0.68 |
1.82倍 |
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【CrystalDiskMark 2.2】
Sequential |
Random 512K |
Random 4K |
Read |
Write |
Read |
Write |
Read |
Write |
90.07 |
93.54 |
28.77 |
34.72 |
0.326 |
0.637 |
※1000MBで5回テスト
【FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3 Version 1.00】
High(1,024×768) |
Low(640×480) |
4015 |
5746 |
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【BIOHAZARD】
1,680×1,050 |
1,280×720 |
fps |
fps |
21.4 |
21.7 |
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【Street Fighter W】
1,680×1,050ドット |
1,280×720ドット |
Score |
fps |
Score |
fps |
11168 |
74.73 |
9758 |
65.58 |
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※ベンチマークテストBで計測、解像度の変更以外はデフォルト設定 |
※フルスクリーン:オン、垂直同期:OFF、ほかはデフォルト |
まず、エクスペリエンスインデックスの値だが、プロセッサの値は4.1、このサイズのモバイルノートPCとしては、かなり高い数値だ。メモリの数値はメモリの帯域(速度)より搭載している量が大きく影響する。貸出機には4GBのメモリが搭載されているが、64bit OSがインストールされているため、割と低めの値が出たようだ。しかし、それでも十分な数値と言える。
特筆すべきはグラフィックスの二つで、飛び抜けて高い。一般的な3Dゲームなら軽々とこなすレベルだ。PCMark Vantageの数値も全体的に平均して出ている。PCMark Suiteは一つの目安となる総合値だが、ほかの数値が飛び抜けて大きかったり、飛び抜けて小さかったりする場合にはバランスが取れてないと言うことになる。3DMark Vantageにいたってはベンチマーク時にDirectX 10への対応を必要とするため、そもそもこのクラスのノートPCで動作すること自体驚異的だ。それでいて、割と普通な数値を出している。
CINEBENCHはCPUの能力を測るのにちょうどよいベンチマークソフト。搭載しているCPUがIntel(R) Core(TM) 2 Duo U7300と言うことを考えると妥当な数値と言えるだろう。CrystalDiskMarkはストレージの性能を測るベンチマークソフトだ。Alienware M11xに搭載するHDDは2.5インチだが、一昔前の3.5インチクラスの結果を出している。
そのほかに、少し古くなるが現行のMMORPG、FINAL FANTASY、最新のゲーム2製品の結果を掲載しておく。BIOHAZARDは大画面でプレイする場合に、映像の効果などを多少落とさなければならないかもしれないが、搭載しているパネルサイズで動かす分には問題ないだろう。それ以外に関しては快適にプレイできることが約束される数値となった。この部分に関してはモバイルノートPCとしては驚異的な結果だ。NVIDIA(R)の内蔵GPUが、これに大きく貢献していると言える。
◆モバイルゲーマーには必須!?
ここまでの記事を読んでもらえれば、最初に筆者が言っていたモンスターの意味が分かってもらえただろうか。実際に、このクラスの軽量ノートPCの中で、これだけの性能を持った製品を探すのは難しい。Alienware M11xは11型パネルを搭載するモバイルノートPCとしては驚異的な性能を持ったモンスターマシンと言ってよいだろう。
このAlienware M11xをお勧めしたいのは、やはりゲーマーに対してだ。しかもPCを持ち歩いて友人の家で、外出先でというような用途に使う、モバイルゲーマーにうってつけの製品と言えるだろう。ゲーマーの間にはLANパーティーと呼ばれる言葉があり、自分のPCを持ち寄って少人数や大人数のネットワークゲームをプレイすることがある。今までは大型のデスクトップPCを持ち寄って行っていたが、Alienware M11xがあれば、煩わしいデスクトップPCの持ち運びからも解放される。また、LANパーティーでは、自分のPCのギミックを自慢する目的もある。それはLEDや蛍光管などを使って個性を主張し、存在感をアピールするということだ。Alienware M11xはデザインから見ても、こういった目的にぴったりの製品と言える。
最後に、このAlienware M11xには「GNO3」動作確認済推奨パッケージも用意されている。GNO3とは、ガンダムネットワークオペレーション3を略したもので、バンダイナムコオンラインが提供する多人数参加型ネットワークゲームだ。その高い完成度からガンダムファンだけでなく、ネットワークゲームのファンも多数参加している息の長いシリーズとなっている。GNO3に興味があるようならこちらもお勧めだ。
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