最近はデジタルカメラでも、あるいは携帯電話でもHDビデオが撮れる時代になってきた。HD画質の撮影機材が身近になってくれば、当然そこに編集したいというニーズが高まってくる。ただ、国内で主流のノートブックタイプのPC、しかもSD画質時代のノートブックでHD映像を編集できるかと言えば、できなくはないだろうが快適とは言えないだろう。やはり最新のノートブックへの買い換えをオススメしたい。それもできるだけ低コストで、できるだけコンパクトな製品を求める方にとって、今回紹介する「Studio XPS 16」はピッタリな一台だ。
Studio XPS 16は、16インチクラスの液晶ディスプレイを搭載する標準サイズのノートブックだ。Studio XPS 16自体は2009年初頭より発売されているモデルだが、9月のインテル(R) Core(TM) i7 モバイルプロセッサーの発表と、10月のマイクロソフトWindows(R) 7の発表に合わせ、現在はこれらをBTOできるリフレッシュモデルとして販売されている。
16インチクラスの液晶パネルサイズは省スペースと実用のバランスが良い。一般的にノートブックの売れ筋サイズは15.4インチワイド。この上のクラスとしては17インチワイドがあるが、17インチというのは実際のところかなり大型で、省スペースという感覚を外れるところもある。また、Studio XPS 16の液晶パネルは16:9アスペクトであり、これは実際のところ16:10アスペクトの15.4インチ液晶とほぼ同じ程度のサイズに収まっている。16:9アスペクトのパネルは、HD映像の再生時に画面上下の「帯」が出ることもなく快適だ。
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Studio XPSシリーズの流れを汲む高級感溢れるデザインに16インチクラスの16:9アスペクト液晶パネルを搭載するStudio XPS 16 |
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最新CPU、高性能GPUを搭載したStudio XPS 16はHDビデオ編集のような高負荷な処理に最適 |
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BTOで選べるパネルは、15.6インチのWXGA+(1600x900)あるいは15.6インチと16インチの2つのフルHD(1920×1080ドット)。HDビデオ編集でオススメなのはフルHDパネル、それも16インチのオプションだ。同じサイズのボディにわずかでも大きなパネルを搭載できることに加え、この16インチパネルはバックライトにカラーガンマ値100%という色再現性に優れたRGB LEDを採用しており、かなり本格的なカラーマッチングが可能だ。
CPUは前述のインテル(R) Core(TM) i7 モバイルプロセッサーを搭載可能。このインテル(R) Core(TM) i7は1つのCPU内に4つのコアを搭載しており、インテル(R) ハイパースレッディング・テクノロジーによってさらに倍、1つのCPUで合計8つの処理を同時実行できる。こうした処理をマルチスレッディングと呼ぶが、これに最適化された動画編集ソフトでは、1つのCPUが1つの処理しか行えない場合と比べ、大幅な処理速度の向上が見込めるわけである。
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GPUにはATI Mobility Radeon(TM) HD 4670を搭載。高い3D性能に加え、ビデオなどのストリーム処理にGPUを活用することができる。直近ではFlash Player 10.1で、動画投稿サイトの1080i フルHDビデオをGPUでデコード処理可能になるなどGPUによるストリーム処理はホットな話題だ |
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ただ一方で、全てのアプリケーションがマルチスレッディングに対応しているわけではない。マルチスレッディングに対応していないシングルスレッドアプリケーションでは、CPUの動作クロックがそのパフォーマンスを左右する。インテル(R) Core(TM) i7のもうひとつの新機能「インテル(R) ターボ・ブースト・テクノロジー」はCPUを自動的にオーバークロックするものであり、こうしたシングルスレッドアプリケーションの処理能力を高めることができるのだ。Studio XPS 16のCPUは、インテル(R) Core(TM) i7 820QMが1.73GHz、同720QMが1.6GHzと比較的低いクロックだが、例えば4つのコアのうち1つしか利用しておらず、CPUの熱設計に余裕がある場合ではインテル(R) Core(TM) i7 820QMが最大3.06GHz、同720QMでは最大2.8GHzにまで引き上げられる。
そのほかStudio XPS 16にはもうひとつHD動画編集に強いポイントがある。それはGPUだ。Studio XPS 16では、ATI Mobility Radeon(TM) HD 4670が採用されている。この製品自体、ノートブック向けビデオカードとしては高性能な部類なのだが、フルHD動画再生をハードウェアで支援する「UVD2」、H.264形式等へのビデオエンコードをGPUで処理する「ATI Stream」という2つの機能が搭載されている。CPUも高性能化しているが、ビデオエンコードなどのストリーム処理はGPUを利用することでパフォーマンスの引き上げが可能だ。
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