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 ブランド名変更のみならず、ボディから一新されたデルの新スリムデスクトップは、従来機のコンセプトをそのままに汎用性アップ。BTOを含めたその実力を検証してみよう。

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◆シンプルながらもデザインは継承

筐体は縦横両置きに対応し、設置スペースに合わせて変更が可能。デザイン的には縦が基本だが、光学ドライブは横置きのほうが扱いやすい

 今回で紹介するInspiron(TM) 530s/531sは、従来のDimension(TM) 9200C/Dimension(TM) C521の後継となるスリムタワータイプの省スペースマシンである。デルのコンシューマ向けデスクトップPCのブランドは、ノートPCと同様のInspiron(TM)に統一されることとなったわけだが、基本的なラインナップコンセプトとしては大きな変化はないと言ってよさそうだ。

  この2台の筐体は基本的に同じもので、Inspiron(TM) 530sはIntel(R) CPU版、Inspiron(TM) 531sはAMD CPU版という、従兄弟的な関係にある。シルバーとホワイトを基調としたデザインも従来モデルと同様で、デザインとしては縦置きのほうがしっくり来るようだが、横置きも考慮されており、底面と側面両方にゴム足が取り付けられている。

従来のDimension(TM) 9200sなどと比較すると、グッとシンプルになったフロントダクト。BTXフォームファクターでなくなった分、簡略化されている

 外見上もっとも代わったのは前面下部のエアダクトで、従来モデルよりも密閉度が上がり、両サイドに小さなダクトが用意されるだけとなった。ちなみにケースファンはCPUのすぐ脇、縦置き時は上面になる位置に一つ取り付けられており、熱は上に登るということを考えれば、もっとも効率的な位置に取り付けられていると言ってよいだろう。前面のダクトにファンは付いていないが、下から上へのエアフローが明確に構築されることで、しっかりとケース全体の排熱をまかなえるようになっている。

 各インタフェースはかなり限定されたレガシーフリーな構成になっているが、USBポートはフロント×2、リア×4と十分。7.1チャンネルサウンド出力に標準で対応している。ただし、キーボード/マウス用のPS/2ポートやシリアル、パラレルポートなどは備えていないので、外部拡張面ではUSBに頼ることになる点に注意が必要だろう。

  また、オンボードグラフィックス機能を使用する際は、アナログのDsub 15ピン出力のみとなっており、DVI出力でディスプレイとデジタル接続したい場合は、ビデオカードを別途選択する必要がある。この辺りはすべて、Inspiron(TM) 530s/531sの共通仕様だ。

外部インタフェースはUSBポートが前後合わせて6ポート。PS/2などを持たないので、キーボードとマウスは必ずUSBポートを使用することになる。ディスプレイ出力はDsub 15ピンのみで、デジタル接続がしたい場合はビデオカードを選択する必要がある。ちなみに、Inspiron(TM) 530s、Inspiron(TM) 531sともにインタフェースを含めて基本的に外観は同じである

◆メンテナンス性・汎用性のアップした内部構造

 もっとも変わったと言えるのは、外見よりも内部構造だ。これまでの同社製PCでウリとされていたBTXフォームファクターではなく、スタンダードなmicroATXフォームファクターに変更されている。CPUクーラもやや背の低いタイプを採用してはいるが、取り付け用のリテンションパーツは標準的なLGA775とSocket AM2用のものを使用している。なお、これらはミドルタワーモデルの「Inspiron(TM) 530/531」とも共通のものとなっている。

筐体のサイドパネルを開けたところ。中央部には補強用のバーが横たわっており、全体の剛性を上げている。内外ともにシンプルながら、ていねいに作られた清潔感がある
電源ユニットも共通でコンパクトな250Wタイプを搭載。元々スリムタワー=Low-Profileでハイエンドビデオカードの搭載は難しいということを考えると、十分な容量と言える

左がInspiron(TM) 530s、右がInspiron(TM) 531s。CPU、マザーボードは違うものの、内部のスロット数などは同じである。構造としては電源ユニットが下部に配置されているのが特徴と言えば特徴だが、スタンダードなmicroATXフォームファクターで、マザーボードも汎用的なものを使用している

 デル的にはコストを追求した結果なのかもしれないが、ユーザ的にはより汎用性を得られたと考えてもよいだろう。少しPCに詳しい人間であれば、いかようにもアレンジできるはずだ。デルらしく、ケースは取り扱いやすい工夫がなされており、ドライブ類の交換も楽に行える。マニア的には「カッチョいいデルのケースが手に入る」というだけでも、結構引きがありそうだ(笑)

 そのほか、両モデルで内部の拡張性なども共通化されており、それぞれPCI Express x16スロット×1、PCI Express x1スロット×1、PCIスロット×2が使用可能。メモリスロットは四つで最大4GBまでサポートとなっている点も同じである。

拡張スロットはPCI Express x16スロット×1、PCI Express x1スロット×1、PCIスロット×2。背の低いLow-Profileタイプ専用だが、市販のカードも使用可能だ。ちなみに、今回試用したモデルには両方ともPCIスロットにモデムカードが装備されていた
HDDと光学ドライブは両方ともSerial ATAドライブ。マザーボード上のSerial ATAポートにはあと二つ空きがある。デルは早くからSerial ATAへの一本化を図っているメーカであるが、ケーブルの取り回しもよく考えられており、ケーブル長にもムダがないのが高ポイントだ。

◆BTOメニューは多彩ながら、意外にあっさり?

 両モデルとも多彩なBTOに対応しているわけだが、「Inspiron(TM) 530s」はローコストなインテル(R) Pentium(R) デュアル コア プロセッサー E2140から、動作クロック3GHzのハイエンドなインテル(R) Core(TM) 2 Duo プロセッサー E6850まで、「Inspiron(TM) 531s」では、シングルコアのAMD Sempron(TM) 3600+から、デュアルコアのAMD Athlon(TM) 64 x2 デュアルコア・プロセッサ 5600+まで、従来以上に幅広いCPUが選べるようになった印象だ。これらもマザーボードと同様に、ミドルタワーモデルの「Inspiron(TM) 530/531」と共通のものとなっており、CPUパワーでの差別化は図られていない。以前のデルであれば、上位モデル、下位モデルでBTOで選べるCPUにも差別化がなされていたが、それが撤廃されたことはユーザにとって非常にうれしいポイントと言えるだろう。

今回試用したモデルは最もスタンダードな仕様で、それぞれCPUはインテル(R) Celeron(R) D プロセッサーとAMD Sempron(TM) プロセッサという、ローコストCPUが搭載されていた。ただし、インテル(R) Celeron(R) D プロセッサーはすでにローコストなデュアルコアCPUであるインテル(R) Pentium(R) デュアル コア プロセッサーに変更されており、すでに選べなくなっている。インテル(R) Core(TM) 2 Duo プロセッサーやAthlon(TM) 64 X2 デュアルコア・プロセッサもよいが、コストパフォーマンスを考えるとインテル(R) Pentium(R) デュアル コア プロセッサーはかなりお勧めの選択だ

 性能面で「Inspiron(TM) 530/531」と違うのは、グラフィックス機能とHDDで、これはスリムタワータイプということもあり、かなりあっさり目となっている。グラフィックス機能はそれぞれ基本はオンボード機能で、ビデオカードも選択も可能だが、選択できるのは「RADEON(R) X1300」(ビデオメモリ128MB)と「RADEON(R) X1300 Pro」(同256MB)の2種類のみとなっている。RADEON(R) X1300 ProはRADEON(R) X1300の高クロック版といった位置付けで3Dゲームなどを遊びたいなら断然こちらがお勧めであるものの、インテル(R) Core(TM) 2 Duo プロセッサー E6850などのハイエンドCPUと組み合わせるには少々寂しい気もする。そういう人にはミドルタワーの「Inspiron(TM) 530/531」を、というのがデルのラインナップなわけだ。

  しかし、ここでビデオカードを選択することの価値は、搭載されるビデオメモリと、DVI出力が利用できるようになることだろう。オンボードのグラフィックス機能の場合、性能は必要十分だったとしても、ビデオメモリをメインメモリからシェアして使用するため、実際に使用できるメモリが減ってしまう。2GBや3GBも搭載していれば気にならないかもしれないが、1GB程度の場合は少々心もとない。高解像度ディスプレイで使うならなおさらのことだ。ここはDVI出力でディスプレイとデジタル接続したければ「RADEON(R) X1300」、さらにゲームも遊びたいなら「RADEON(R) X1300 Pro」、という選び方で考えてみてはいかがだろうか。

HDD用の3.5インチシャドーベイは二つ。BTOでは1ドライブしか選択できないが、自分で増設することは可能だ。サイドにあるレバーで、手軽に取り付け、取り外しが可能になっている

 なお、Low-Profileタイプである必要はあるが、市販のビデオカードを自分で取り付けるという手もある。上級者はその辺りも考慮して、あえてビデオカードなしを選ぶというのもよいだろう。

  HDDに関してはさらにあっさりとしており、ケースには最大2基のHDDが搭載可能だ。BTOで選択できるのは80GBから500GBまでの1ドライブのみとなっている。BTOメニューにはテレビキャプチャーカードなども用意されているので、テレビ録画をバリバリ楽しみたいという人は、より大容量のHDDがオススメだ。

  そのほか、BTOメニューではFDDやメモリカードリーダ、ワンセグチューナなども設定可能。これも両モデル共通だ。即反映される価格を見ながら、自分なりのアレンジをしていこう。

 なお、ここまで共通部分が多いとInspiron(TM) 530sとInspiron(TM) 531sのどちらを選んでよいか分からないという人もいそうだが、単純に見ると同クラスの構成でもAMD版のInspiron(TM) 531sのほうが約5千円(*)ほど安くなるようだ。CPU性能的にはどちらのパフォーマンスが上、とは一概に言い難いのが現状だが、この値段の差はマザーボードのコストの差と思われる。Inspiron(TM) 530sのG33チップセットは最新のものであり、内蔵グラフィックス機能としてもこちらのほうがグレードは上である(所詮オンボードであるので、過信は禁物だが)。Windows Vista(R)のAero機能をローコストでも快適に、という人はInspiron(TM) 530sのほうが向いているだろう。ただ、ビデオカードを選ぶ人にとっては、最終的にCPUの好みでしかないかもしれない。

  ちなみに、BTOメニューの画面構成も一新されて、ソフトウェアや周辺機器は別ページにまとめられているなど、以前に比べてパーツの選択や、現在選んでいる構成での価格がより分かりやすくなっている点も見逃してはならないだろう。

左がInspiron(TM) 530sのIntel(R) G33チップセット、右がInspiron(TM) 531sのNVIDIA(R) GeForce(R) 6100チップセット。両モデルの違いはCPUとこのチップセット程度と言ってもよいくらいだが、G33チップセットのオンボードグラフィックス機能のほうがWindows Vista(R)のWindows(R) Aero(TM) 環境には強い環境には強い。しかし、RADEON(R) X1300ビデオカードでプラス8,400円(*)ということを考えると、NVIDIA(R) GeForce(R) 6100チップセット+ビデオカードという構成も悪くない。こうして悩むのもBTOの楽しい部分ではある

(*)価格差に関しては執筆時のもの


◆のちのアップグレードも楽な、長く使えるマシン

 こうして見てみると、2台ともにデルのデザインコンセプトを踏襲してはいるが、非常にスタンダードなmicroATXスリムタワーマシンと言ってよいだろう。どうも両モデルのメンテナンス性や汎用性を考えると、ベースマシンとしてユーザにアレンジされることを考慮されているように思えてならない。もちろんサポートの範囲内で扱うなら、BTOで自分好みの仕様をバッチリ決める必要があるだろうが、初心者が1歩PCに踏み込もうとしたとき、何の違和感もなく市販のオプションやアップグレードパーツが使えるというのは大きなメリットだろう。

  省スペースなサブマシンが欲しい上級者から、これからPCを始める初心者まで、あらゆるユーザに応えてくれるInspiron(TM) 530s/531s。新生Inspiron(TM)スリムタワーは、クセの少なさが最大の武器とも言える、まさしくベーシックなマシンたちと言えそうだ。

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Profile
保坂 陽一

主にPC誌などで執筆活動しているライター。飛行機や新幹線でも自転車を持って旅に出るあたり、ある意味筋金入りのモバイラーなのかもしれない。最近はデジタル一眼レフの交換レンズが増えてしまったため、カメラボディ、レンズ、ノートPCなどなどをどうやってリュックに詰め込むかが悩みの種。
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