◆BTOメニューは多彩ながら、意外にあっさり?
両モデルとも多彩なBTOに対応しているわけだが、「Inspiron(TM) 530s」はローコストなインテル(R) Pentium(R) デュアル コア プロセッサー E2140から、動作クロック3GHzのハイエンドなインテル(R) Core(TM) 2 Duo プロセッサー E6850まで、「Inspiron(TM) 531s」では、シングルコアのAMD Sempron(TM) 3600+から、デュアルコアのAMD Athlon(TM) 64 x2 デュアルコア・プロセッサ 5600+まで、従来以上に幅広いCPUが選べるようになった印象だ。これらもマザーボードと同様に、ミドルタワーモデルの「Inspiron(TM) 530/531」と共通のものとなっており、CPUパワーでの差別化は図られていない。以前のデルであれば、上位モデル、下位モデルでBTOで選べるCPUにも差別化がなされていたが、それが撤廃されたことはユーザにとって非常にうれしいポイントと言えるだろう。
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今回試用したモデルは最もスタンダードな仕様で、それぞれCPUはインテル(R) Celeron(R) D プロセッサーとAMD Sempron(TM) プロセッサという、ローコストCPUが搭載されていた。ただし、インテル(R) Celeron(R) D プロセッサーはすでにローコストなデュアルコアCPUであるインテル(R) Pentium(R) デュアル コア プロセッサーに変更されており、すでに選べなくなっている。インテル(R) Core(TM) 2 Duo プロセッサーやAthlon(TM) 64 X2 デュアルコア・プロセッサもよいが、コストパフォーマンスを考えるとインテル(R) Pentium(R) デュアル コア プロセッサーはかなりお勧めの選択だ |
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性能面で「Inspiron(TM) 530/531」と違うのは、グラフィックス機能とHDDで、これはスリムタワータイプということもあり、かなりあっさり目となっている。グラフィックス機能はそれぞれ基本はオンボード機能で、ビデオカードも選択も可能だが、選択できるのは「RADEON(R) X1300」(ビデオメモリ128MB)と「RADEON(R) X1300 Pro」(同256MB)の2種類のみとなっている。RADEON(R) X1300 ProはRADEON(R) X1300の高クロック版といった位置付けで3Dゲームなどを遊びたいなら断然こちらがお勧めであるものの、インテル(R) Core(TM) 2 Duo プロセッサー E6850などのハイエンドCPUと組み合わせるには少々寂しい気もする。そういう人にはミドルタワーの「Inspiron(TM) 530/531」を、というのがデルのラインナップなわけだ。
しかし、ここでビデオカードを選択することの価値は、搭載されるビデオメモリと、DVI出力が利用できるようになることだろう。オンボードのグラフィックス機能の場合、性能は必要十分だったとしても、ビデオメモリをメインメモリからシェアして使用するため、実際に使用できるメモリが減ってしまう。2GBや3GBも搭載していれば気にならないかもしれないが、1GB程度の場合は少々心もとない。高解像度ディスプレイで使うならなおさらのことだ。ここはDVI出力でディスプレイとデジタル接続したければ「RADEON(R) X1300」、さらにゲームも遊びたいなら「RADEON(R) X1300 Pro」、という選び方で考えてみてはいかがだろうか。
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HDD用の3.5インチシャドーベイは二つ。BTOでは1ドライブしか選択できないが、自分で増設することは可能だ。サイドにあるレバーで、手軽に取り付け、取り外しが可能になっている |
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なお、Low-Profileタイプである必要はあるが、市販のビデオカードを自分で取り付けるという手もある。上級者はその辺りも考慮して、あえてビデオカードなしを選ぶというのもよいだろう。
HDDに関してはさらにあっさりとしており、ケースには最大2基のHDDが搭載可能だ。BTOで選択できるのは80GBから500GBまでの1ドライブのみとなっている。BTOメニューにはテレビキャプチャーカードなども用意されているので、テレビ録画をバリバリ楽しみたいという人は、より大容量のHDDがオススメだ。
そのほか、BTOメニューではFDDやメモリカードリーダ、ワンセグチューナなども設定可能。これも両モデル共通だ。即反映される価格を見ながら、自分なりのアレンジをしていこう。
なお、ここまで共通部分が多いとInspiron(TM) 530sとInspiron(TM) 531sのどちらを選んでよいか分からないという人もいそうだが、単純に見ると同クラスの構成でもAMD版のInspiron(TM) 531sのほうが約5千円(*)ほど安くなるようだ。CPU性能的にはどちらのパフォーマンスが上、とは一概に言い難いのが現状だが、この値段の差はマザーボードのコストの差と思われる。Inspiron(TM) 530sのG33チップセットは最新のものであり、内蔵グラフィックス機能としてもこちらのほうがグレードは上である(所詮オンボードであるので、過信は禁物だが)。Windows Vista(R)のAero機能をローコストでも快適に、という人はInspiron(TM) 530sのほうが向いているだろう。ただ、ビデオカードを選ぶ人にとっては、最終的にCPUの好みでしかないかもしれない。
ちなみに、BTOメニューの画面構成も一新されて、ソフトウェアや周辺機器は別ページにまとめられているなど、以前に比べてパーツの選択や、現在選んでいる構成での価格がより分かりやすくなっている点も見逃してはならないだろう。
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左がInspiron(TM) 530sのIntel(R) G33チップセット、右がInspiron(TM) 531sのNVIDIA(R) GeForce(R) 6100チップセット。両モデルの違いはCPUとこのチップセット程度と言ってもよいくらいだが、G33チップセットのオンボードグラフィックス機能のほうがWindows Vista(R)のWindows(R) Aero(TM) 環境には強い環境には強い。しかし、RADEON(R) X1300ビデオカードでプラス8,400円(*)ということを考えると、NVIDIA(R) GeForce(R) 6100チップセット+ビデオカードという構成も悪くない。こうして悩むのもBTOの楽しい部分ではある
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(*)価格差に関しては執筆時のもの
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