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 6月27日、デスクトップパソコンとノートパソコンのラインナップを一新する8台の新製品が、DELLから発表された。そのうちの3製品は、Inspiron(TM)シリーズのノートパソコンで、3つすべてに8つのカラーバリエーションが用意されている。比較的堅めの製品を販売していたDELLだが、これらの製品を見た場合、今までとずいぶんイメージが違う製品のようだ。そこで今回はその3つのなかからInspiron(TM) 1520を取り上げて紹介してみたい。

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◆新Inspiron(TM)シリーズ登場!

DELLのノートパソコンとしては約半年振りの新型ノートパソコンになるInspiron(TM) 1520。最新チップセットや強力なCPUを搭載した大画面液晶搭載のノートパソコンだ。

 DELLの一般向けノートパソコンには、今まで三つのラインナップがあった。それがデスクトップパソコンのDimension(TM)シリーズ、ノートパソコンのInspiron(TM)シリーズ、そして、プレミアムパソコンのXPS(TM)シリーズだ。XPS(TM)シリーズはデスクトップパソコンとノートパソコン両方を抱えるシリーズで、最高の性能を求めるユーザを対象とした製品だ。今回のDELLの発表では、Dimension(TM)シリーズという名前を廃止して、一般向けのデスクトップパソコン、ノートパソコンを両方ともInspiron(TM)シリーズとして統一するものだ。XPS(TM)シリーズはそのまま残るが、Inspiron(TM)シリーズはライフエンターテイメントPCとしての位置付けが与えられ、機能性やデザイン性を強化したモデルを投入していく予定だ。Inspiron(TM) 1520は、シリーズ名統一後、最初に発表されたラインナップに含まれるモデルとなる。


◆8つのカラーバリエーションモデル

今回お借りしたモデルはクール・ブラックというマット処理のされた基本カラーだ。カラーバリエーションには、全部で8種類の色が用意されており、個性を出したい人にはぴったりのオプションだ。

 デザイン性の向上をうたっている新Inspiron(TM)シリーズだが、その最初の取り組みと思われるのが、8つのカラーバリエーションモデルの採用だ。スタンダードなクール・ブラックのほかにピュア・ホワイト、インテリジェント・ブルー、クラシック・レッド、オリーブ・グリーン、シトラス・イエロー、カフェ・ブラウン、チェリー・ピンクが用意されている。落ち着いた感じがいいならクール・ブラックやピュア・ホワイトを選べばいいし、逆に派手な色を選んで個性を演出することもでき、選択肢が広いのがうれしい。


◆大型液晶ディスプレイを採用したスタンダードノートパソコン

キーボードは打鍵感のよいしっかりしたつくり。余裕のある配列で一番右の列にはPage UpやPage Downなどのキーが独立して用意されている。Fnキー(機能キー)と組み合わせて使う製品が多い中、独立したキーがあるのは非常に便利だ。

 Inspiron(TM) 1520は15.4型のワイド液晶ディスプレイを採用しており、比較的大き目のノートパソコンだ。重量は構成にもよるが3kg前後(※重量は購入時のパーツ構成によって異なります)。大画面のワイド液晶を搭載しているため、キーボード部の幅には余裕があり、しっかりとした打鍵感も確保している。キーボードの一番右の列には通常のノートパソコンではFnキー(機能キー)との組み合わせで使うようなキーも単独で配置されており、使い勝手もよい。電源やHDDのアクセスランプなどもキーボードの右にすっきりまとめられていて、いくつかのランプはノートパソコンを閉じていても横から確認できるようになっている。本体手前にはマルチメディアコントロール用のショートカットボタンが用意されており、本体を閉じていても操作可能だ。また操作時にはLEDが点灯するボタンを採用しているので、暗い中でもどのボタンか分からなくなることがない。

 Inspiron(TM) 1520は見た目こそスタンダードだがよく練りこまれて作られた機能性の高いノートパソコンなのだ。

電源やHDDのランプは本体右側にあり、本体を閉じていてもランプの確認をすることが可能だ。
電源アダプタはケーブルをトランス部分にゴムでまとめられるようになっている。細かい部分だが、移動する際には重宝することだろう。

◆秘められたポテンシャル

Inspiron(TM) 1520に搭載されるHDD。120GBか160GBのどちらかを選ぶことができる。パソコンに慣れているユーザなら、自分で交換することも可能だ。

 ここまで、デザイン面で優れたところを紹介してきたが、次に性能面を見ていこう。まずパソコンの頭脳とも言うべきCPUだが、インテル(R) Core(TM) 2 Duo プロセッサーが採用されている。FSB800MHzに対応しており、高い計算能力を持ちながら低消費電力を実現した最新のノートパソコン用CPUだ。そしてチップセットにはFSB800MHzをサポートした最新のチップセットであるモバイル(R) インテル(R) PM965チップセットかモバイル インテル GM965チップセットが搭載される。GM965はグラフィック機能を内蔵したチップセットでWindows(R) Aero(TM)を動作させることも可能だ。またInspiron(TM) 1520にはグラフィックチップを追加することも可能で、この場合はPM965チップセットが搭載されることになる。オプションで追加可能なグラフィックチップはnVidia(R)のGeForce(R) 8400M GS 128MB DDR3で、これもまたnVidia(R)の最新グラフィックチップだ。このチップは、ノートパソコンでも3Dゲームをプレイできるほどのグラフィック性能を持っており、ゲームなども楽しみたい場合には必須のオプションだ。ここまで見てきて分かるように、Inspiron(TM) 1520は最新のパーツで固められた、非常に高いパフォーマンスを持つノートパソコンだ。

メモリはPC2-5300 DDR2 SDRAMを採用しており、最大4GBまで増設可能だ。チップセットの内蔵機能でグラフィック機能をまかなうのなら、Windows(R) Aero(TM)の動作の関係上、最低2GBくらいはほしいところだ。
CPUの熱処理はヒートパイプで写真のヒートシンクに熱を移動させ、ファンで効率よく冷却される仕組み。インテル(R) Core(TM) 2 Duo プロセッサーは発熱の少ないCPUだが、熱対策も万全だ。

◆豊富なインタフェース

 ノートパソコンはデスクトップパソコンと違い、あとから機能を追加するのは難しい。もちろん周辺機器などを購入して接続すればよいのだが、デスクトップパソコンとの大きな違いは、その追加した機能を内蔵することができるかどうかだろう。ノートパソコンは持ち歩いて使うこともあるため、周辺機器も一緒に持ち歩かなくてはいけないようでは、モバイル要素がスポイルされてしまう。それだけに最初からどのようなインタフェースが用意されているかは重要な要素だ。ここでは、Inspiron(TM) 1520に搭載されたインタフェースを見ていこう。

  まず通信機能だが、有線LANと無線LAN、モデム、そしてBluetoothが用意されている。Bluetooth以外の通信機能は基本構成に含まれており、Bluetoothはオプションとなる。無線LANはIEEE802.11a/b/gのほか、オプションでIEEE802.11nにも対応可能だ。Bluetoothは、たとえば無線マウスを利用する場合、通常の無線マウスだとレシーバーが必要となってしまうのでUSB端子を一つ使う上に、飛び出したレシーバーが邪魔になってしまうデメリットがある。Bluetoothを内蔵していれば、レシーバーを使わずにスマートにマウスを使用することができる。そのほかにもBluetoothに対応したヘッドセットや携帯電話なども利用可能だ。

  周辺機器接続用の端子にはUSB 2.0が4つとIEEE1394の4ピンが用意されている。またメモリカードリーダやExpressCardスロットも搭載しているので拡張性にも問題はないだろう。

  外部モニタ用の出力端子はD-sub15ピンのVGAアナログ接続と、テレビ用のS-Video出力端子を備えている。ノートパソコンの画面と外部出力を利用してデュアルモニタ環境の構築も可能だ。

本体左はわりとシンプルなつくり。マイクやヘッドホン端子、ExpressCardスロットが用意されている。左のスイッチは無線LANのマニュアルスイッチで、無線LAN用のソフトウェアを起動するためのショートカット機能も付属している。
大部分のインタフェースが集中する本体右側。USB 2.0端子やIEEE1394、8種類のメディアに対応するメモリカードスロットなどが備えられている。付属する光学ドライブはDVD±Rの2層書き込みに対応したものだが、Blu-ray Discドライブへの交換も可能だ。

  また、Webカメラのオプションも選択することができる。Webカメラは200万画素の高画質撮影が可能で、L判程度の写真印刷にも十分に耐えられる解像度だ。Webカメラのオプションは、カラーバリエーションの選択とセットのオプションになっており、クール・ブラック以外のカラーを選択する場合には、自動的に付属する機能となる。

  光学ドライブはDVD±Rの2層書き込みに対応しており、今話題のBlu-ray Discドライブに交換することも可能だ。

モデムのコネクタやUSB 2.0端子のほか映像をテレビモニタに出力するための端子が用意される。写真のバッテリは9セルのもので、標準構成では6セルのバッテリだ。モバイル用途で利用するなら大容量バッテリを選択するのも一つの手だろう。
液晶モニタ上部に搭載される200万画素のWebカメラ。このくらいの解像度があればL判サイズの写真印刷にも十分耐えられる撮影が可能だ。またプリインストールのWebカメラ用ソフトは、ユニークな機能も備えている。

◆ハードの機能を活用したソフトウェア

 ソフトウェアもいくつかDELLオリジナルのものが付属している。初回のセットアップを簡単にするDell Quicksetや、無線LANの設定を簡単に行うことができるWindows(R)モビリティセンターやWi-Fi Catcherが付属する。Wi-Fi Catcherは本体横にある無線LANのマニュアルスイッチで呼び出すこともできるので、ロケーションが変わっても、気軽に無線LANの設定を変更することが可能だ。

  また、Webカメラを搭載した場合、DELL Webcam CenterというオリジナルのWebカメラ活用ソフトウェアが付属してくる。このソフトウェアではWebカメラを使って静止画や動画の撮影などを行うことができるほか、撮影したファイルを管理する機能が含まれている。そしてユニークなのが動体を感知して動くものがあるときだけ撮影を行う機能だ。動体を感知して撮影を行った場合、メールを利用してその情報を送信することもできるため、監視カメラとしても使うことができる。

無線LANのマニュアルスイッチで呼び出すことが可能なWi-Fi Catcher。ロケーションが変わっても簡単に無線LANの設定を変更することが可能だ。
Webカメラを活用するためのDELL Webcam Center。撮影した画像を管理することができ、モーションディティクションなどのユニークな機能も有している。

◆まとめ

 Inspiron(TM) 1520は見た目こそスタンダードでありながら、高いポテンシャルを秘めたノートパソコンであることが、ここまで読んでいただいて分かってもらえたと思う。サイズ的に考えると頻繁に持ち歩くのは多少苦しいところではあるが、移動にも耐え、搭載する機能もさまざまで、オールマイティな対応のできるノートパソコンだろう。グラフィック機能を追加すれば3Dゲームなどをプレイすることも可能なので、デスクトップパソコンの代わりの省スペースパソコンとして利用し、必要ならば持ち出すという使い方があっているかもしれない。パソコンはほしいけど設置場所に困っている人が一台目に購入するか、今あるデスクトップパソコンを置き換えるために購入するのもよいだろう。

 DELLのパソコンは細かいカスタマイズの可能なBTO方式で、注文が可能だ。基本的にはWebページから注文することになっており、自分に必要な機能を取捨選択して、性能を向上させたり、コストパフォーマンスを高めたりすることができる。パソコンに詳しい人の場合、とことんまで自分の好きな構成を検討することができるのがメリットだ。また、パソコン初心者でも、ある程度目的に合わせて構成済みのパッケージ製品があるので、そちらを選んでから自分の分かる部分だけカスタマイズして注文することもできる。初心者から上級者まで安心して購入することができるだろう。

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Profile
山本 倫弘

プログラマ、SE、雑誌編集を経てライターに転進。しかし転進後もプログラムやSE、雑誌編集を生業としているよく分からない状態が続いている。ダイエットのために制限している、月一回の宅配ピザが好物。
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