◆もはやスペックは未知の領域
それでは実際のそのスペックはどうなのか、定番のベンチマークソフトを使って計測を行ってみた。ここでは誌面の都合上もあってゲーマーにお馴染みの分かりやすい2種類を選択している。
今回試用した構成は、インテル(R) Core(TM) 2 Extreme プロセッサー QX6700にNVIDIA(R) GeForce(TM) 7950 GX2 1GB DDR×2のいわゆる4×4構成。メモリは512MB×4枚で2GBという現在のBTOにはない構成であったが、1GB×2枚でもテスト結果に大きな差はないはず。比較対象をどうするかということで、NVIDIA(R) GeForce(TM) 8800 GTX 768MB DDRやNVIDIA(R) GeForce(TM) 7900 GS 256MB DDRのほか、ミドルクラスのNVIDIA(R) GeForce(TM) 7600 GSとNVIDIA(R) GeForce(TM) 7300 GTの値も計測している。いずれもデルのBTOで選択できる製品のものではないので、あくまで選択の指標として見ていただければ幸いだ。あとは、ご自分のマシンで同じベンチマークを走らせて、その数値と比較していただくのが一番分かりやすいだろう。
ただ、本稿執筆時点(3月上旬)で、すでにNVIDIA(R) GeForce(TM) 7950 GX2 1GB DDRはBTOメニューから外されており、NVIDIA(R) GeForce(TM) 8800 GTX 768MB DDR/NVIDIA(R) GeForce(TM) 7900 GS 256MB DDRの2種類のみへと切り換わっている。できれば現在選択できる構成でテストをしたかったところだが、最新構成をお借りするのは間に合わないとのこと。残念なところだが、性能的にNVIDIA(R) GeForce(TM) 8800 GTX 768MB DDRはNVIDIA(R) GeForce(TM) 7950 GX2 1GB DDR 1枚に近いレベルと考えて、その辺りから類推してみてもらいたい。
結果は下のとおりだが、Futuremarkの「3DMark06 build 102」は10,000オーバーのスーパースコア。このスコアは5,000近ければ十分ハイエンドクラスと呼べるものであることを考えれば、いかにモンスターマシンであるかがよく分かることだろう。スコアは半分近くになっているが、NVIDIA(R) GeForce(TM) 7900 GS 256MB DDRでも十分な性能なのだ。NVIDIA(R) GeForce(TM) 8800 GTX 768MB DDRは1枚でさらに上のスコアをマークしているが、これはNVIDIA(R) GeForce(TM) 8800シリーズ用の最新ドライバを用いていることもあるだろう。実際のゲーム画面を使ったスクウェアエニックスの「Vana'diel Bench 3」では比較的素直な値となっているが、メーカーが“計り知れないPC”とする7,000 SCOREをNVIDIA(R) GeForce(TM) 7300 GTでも余裕で上回る結果となっており、インテル(R) Core(TM) 2 Extreme プロセッサー QX6700の性能の高さも分かる結果になっているとも言えるだろう。NVIDIA(R) GeForce(TM) 7950 GX2 1GB DDRに代わるハイエンド構成として、NVIDIA(R) GeForce(TM) 8800 GTX 768MB DDRが満足のゆくものであることも分かるはずだ。XPS(TM) 710 H2CではさらにこのSLI構成も選べるわけだが、ここからはもう本当に自己満足の世界である。
3DMark06 Build 102 |
FFBench(Vana'diel Bench3) |
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3Dグラフィックス性能を計測するベンチマークソフトとしては定番中の定番である「3DMark06」。NVIDIA(R) GeForce(TM) 8800 GTX 768MB DDRは突出した値を示している
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こちらもゲーマーにはお馴染みのベンチマークソフト「Vana'diel Bench 3」。現実的なオンラインRPGの画面を使用しているので、これを使えばリアルな快適度が分かるだろう。それぞれの数値も素直な値と言える *クリックをすると画像が拡大します |
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3DMark06 Build 102 グラフ |
FFBench(Vana'diel Bench3) グラフ |
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3DMark06 Build 102 単位:3DMarks
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Vana'diel Bench3 単位:SCORE
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【XPS(TM) 710 H2C以外のベンチマーク環境】
ビデオカード:ASUSTeK EN8800GTX/HTDP/768M(NVIDIA(R) GeForce(TM) 8800 GTX 768MB DDR)、MSI NX7900GS-T2D256EZ(NVIDIA(R) GeForce(TM) 7900 GS 256MB DDR)、MSI NX7600GS-MTD256E(NVIDIA(R) GeForce(TM) 7600 GS)、GALAXY GF7300GT/128D3/DVI/PCIE(NVIDIA(R) GeForce(TM) 7300 GT)、マザーボード:ASUSTeK P5B Deluxe、CPU:インテル(R) Core(TM) 2 Extreme プロセッサー QX6700、メモリ:Cosair Memory TWIN2X2048-850C5D(PC2-6400 DDR2 SDRAM 1GB×2/CL=5)、HDD:Western Digital WD Raptor WD1500ADFD (Serial ATA2.5、10,000rpm、150GB)、OS:Windows(R) XP Professional SP2(DirectX 9c)、ビデオドライバ:ForceWare 97.92(NVIDIA(R) GeForce(TM) 8800 GTX 768MB DDR)、ForceWare 93.71(NVIDIA(R) GeForce(TM) 8800 GTX 768MB DDR以外) |
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このXPS(TM) 710 H2Cでゲームをプレイするならば、XGA(1,024×768ドット)などではなく、UXGA(1,600×1,200ドット)クラスの高解像度でプレイするべきだろう。それでも快適に動作するだけのスペックであるので、本製品を使うのならば液晶ディスプレイなどもそれに準じた高解像度の大型ディスプレイを組み合わせたいところだ。17型や19型程度の液晶ディスプレイでは、本製品の性能を発揮することはできないと言ってもよさそうだ。
ちなみに、XPS(TM) 710 H2CではWindows Vista(TM)環境へはアップグレードでの対応となっているが、NVIDIA(R) GeForce(TM) 7900 GS 256MB DDR以上のビデオカードであれば、Windows Vista(TM)の快適度の指標となるを表す「エクスペリエンスインデックス」のグラフィックスは、ほぼ間違いなく現時点の最高点である“5.9”となるはず。快適でないほうがどうにかしていると言ったところだ。
最近のNVIDIA(R)などでは、こうしたハイエンド向け製品を「エンスージアスト向け」(enthusiast:熱狂者)と表現している。XPS(TM) 710 H2Cは、ある意味すでに一般ユーザには必要のない過剰なスペックを備えたモデルと考えてもよいだろう。
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