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デル初のAMD製CPU採用パソコン Dimension E521&Dimension C521
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 9月13日にデルが発表したミニタワーPC「Dimension(TM) E521(以下、Dimension E521)」と、スリムタワーPC「Dimension(TM) C521(以下、Dimension C521)」は、単なるデルの新製品というだけでなく、業界に多大なインパクトを与えた製品だ。これまでインテル(R)製CPUのみを採用し続けてきたデルが、PC製品に初めてAMD製CPUを採用したからだ。デル製PCとAMD製CPUがどのように融合しているのかチェックしてみよう。

●Socket AM2版Athlon(TM) 64/Sempron(TM)シリーズを採用

 過去、デルはサーバからPCに至るすべてのラインナップにおいてインテル(R)製CPUを採用してきた。しかし、今年5月にサーバ製品にAMDのCPUである「Opteron」を採用すると表明したのに続き、9月に発表された「Dimension E521」と「Dimension C521」は、PC製品にAMD製CPUを搭載してきたのだ(写真1)

 もちろん、両製品ともCPUはBTOにより、

  • AMD Athlon(TM) 64 X2 デュアルコア・プロセッサ 5000+
  • AMD Athlon(TM) 64 X2 デュアルコア・プロセッサ 4600+
  • AMD Athlon(TM) 64 X2 デュアルコア・プロセッサ 3800+
  • AMD Athlon(TM) 64 プロセッサ 3500+
  • AMD Sempron(TM) プロセッサ 3400+

の5製品から選択することができる。Athlon(TM) 64 X2はデュアルコアのハイパフォーマンス製品、Athlon(TM) 64はシングルコアのメインストリーム製品、Sempron(TM)はシングルコアのバリュー製品という位置付けになり、高性能重視から価格重視まで幅広いユーザを満たせるラインナップを揃えてきた。

 インテル(R)がPentiumシリーズを主力に据えていたころ、Athlon(TM) 64シリーズは消費電力とパフォーマンスのバランスに非常に優れていた点で圧倒していた。これにより、より少ない発熱で理想的なパフォーマンスを出していたのである。

 インテル(R)がインテル(R) Core(TM) 2 Duoプロセッサーシリーズを投入したことで、そのアドバンテージが失われてしまったが、一方でCPUの大幅値下げを断行。デルはAMDの供給体制への信頼を深めたことも理由として挙げているが、AMD製CPUが採用されたのは、この消費電力・パフォーマンスに加え、コストのバランスが良くなったことで、消費者のニーズをより満たせる選択肢として機能し得る存在になったと判断したことも理由なのではないだろうか。

 ところで、このいずれのCPUも、Socket AM2に対応したものとなる。Athlon(TM) 64シリーズはそれまでDDR SDRAMへの対応に留まってきたが、AMDが今年投入したSocket AM2版の登場によって、ついにDDR2 SDRAMに対応したのだ(写真2)。実は、これもデルがAMD製CPUを採用した大きな理由になっているのではないかと想像している。

 というのも、同じDDR2 SDRAMを利用するプラットフォームとなったことで、インテル(R)製CPUとAMD製CPUを利用する製品のメモリを統一することができる。一般に部材は同一のものを多く仕入れたほうがコストを抑えられるわけで、異なるプラットフォーム間で同じパーツを利用できるのはメリットが大きい。もちろん、これは消費者にとってもコストダウンというメリットとして享受できるものなのだ。

【写真1】 デルがその歴史で初めてAMD製CPUを採用する
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【写真2】 Socket AM2版のAthlon(TM) 64/Sempron(TM)シリーズを採用しており、DDR2 SDRAMをサポートする
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●AMD製CPUを採用しつつもBTXフォームファクターを継承

 さて、今回AMD製CPUを搭載して登場した2製品が、ミニタワーPCの「Dimension E521」(写真3)と、スリムタワーPCの「Dimension C521」だ(写真4)。それぞれ、「Dimension(TM) 9200」「Dimension(TM) 3100C」と酷似したシャーシを採用しており、CPUが異なる姉妹機といったラインナップといえるだろう。このDimension E521&C521は、Dimension 9200&3100C同様に、デル製品らしくBTXフォームファクターを採用しているが、この点が非常に興味深い(写真5、6)。なぜなら、AMD製CPUを利用したBTXフォームファクターの製品が極めてレアな製品だからだ。

【写真3】 ミニタワーPCの「Dimension E521」
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【写真4】 スリムタワーPCの「Dimension C521」
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【写真5】 Dimension E521のケース内部。CPUクーラーの前面に備えられる120mm角ファン一つでケース内全体を冷却する仕組みだ
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【写真6】 Dimension C521のケース内部。こちらはCPUクーラー前面に92mm角ファンを備えている
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 こうした製品がレアである理由ははっきりしている。BTXフォームファクターはインテル(R)が提唱しており、インテル(R)製チップセットを利用したマザーボードの設計ガイドラインは示されている。しかし、AMD対応のチップセットをリリースしている各メーカーは、必ずしもBTX対応マザーボードの設計ガイドラインを出しているわけではない。つまり、AMD製CPUに対応したBTX向けマザーボードは、参考にするものが何もない状態でマザーボードを作らなければならないわけで、大きな負担となるのだ。

 だからこそ、Dimension E521&C521がAMD製CPUを採用しつつも、BTXフォームファクターを採用してきたことに大きな意義がある。もちろん、先のメモリ同様に部材の共通化という側面はあるのだろうが、BTXには静音性という大きな付加価値がありメリットは大きい。

 また、Dimension 9200&3100Cに比べて、着実に進化を遂げているのもポイントだ。まず、Dimension 9200は120mm角と92mm角ファンの二つが前面に備わっているが、Dimension E521は写真5からも分かるとおり120mm角ファン一つとなっている。もちろん、背面にファンは設置されておらず、これ一つで全体の冷却を行っているのだ(写真7)。もちろん、Dimension 9200以上の静粛性を実現している一方で、ドライバーなどのツール利用を最低限に抑えたメンテナンス性の高さは健在だ。

 一方のDimension C521は、前面の92mm角ファンに加え、電源部にも92mm角ファンを備えている(写真8)。ファンを2基利用するぶん、騒音が大きくなるかと思いきや、回転数をそれほど上げない設定になっているようで、静粛性はDimension E521と比べて多少大きい程度に留まっている。ケース内の容量が狭いため、熱がこもってしまうことを防ぐ保険の意味合いを持たせたファンの2基構成なのだろう。

【写真7】 Dimension E521の本体背面。ファンは一切装備していない
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【写真8】 Dimension C521の本体背面。電源に92mm角ファンを備えており、前面と合わせて二つのファンでケース内を冷却することになる
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 Dimension 3100Cとの違いは、HDDの設置位置だ。写真6からはどこにHDDが収納されているか分からないと思うが、実は光学ドライブの下に収納されているのだ。Dimension 3100Cでは、CPUクーラーのすぐ後方に設置されていた。つまり、前面の92mm角ファンが作り出した空気の流れをさえぎることがなくなったわけだ。こうした空気に対する抵抗は風切り音を作り出す基になってしまうから静粛性の面でも意味があるし、何よりビデオカードやチップセットなどを冷却する能力が高まることで、より安定動作にもつながるだろう。もちろん、電源にファンが設けられているので、光学ドライブやHDDの部分は別の空気の流れによって冷却されるので心配はなさそうだ。

 Dimension E521と9200、Dimension C521と3100Cは、外観からはまったくの同一シャーシを使った姉妹機のようにも感じられるが、やはり後から発売された製品だけあって、内部は着実に進化している。発熱とパフォーマンスのバランスに優れるAthlon(TM) 64シリーズの良さが活かされるケースになっている印象だ。

●拡張性のE521、省スペースのC521

 さて、Dimension E521とC521はミニタワーとスリムタワーという大きな違いはあるが、BTOのメニューを見ると非常に似通った性格の製品であることが分かる。先に述べたCPU以外の主な共通点を挙げてみると、まずメモリはDDR2 SDRAMを512MB〜4GBまで選択可能で、最大4スロットを利用可能だ。現状では、来年に控えたWindows Vista(TM)もにらんで最低でも1GB、ゆとりを持つなら2GB程度は欲しいところだ。ちなみに、2GBの場合は、512MB×4と1GB×2の構成から選択が可能だが、後々の拡張の余地を残すために後者を選択したほうがベターだ(*1)。

 光学ドライブも両製品の選択肢は同じだ。「CD-ROMドライブ」「DVD-ROMドライブ」「CD-RW/DVD-ROMコンボドライブ」「DVD±RWドライブ(DVD+R DL対応)」から選択できる。とくにコンシューマユーザにおいては、現時点で書き込みが一切できない光学ドライブという選択肢はないだろう。バックアップ用途としても、データの受け渡しのためにも、必須のデバイスだからだ。となると、必然的に「CD-RW/DVD-ROMコンボドライブ」「DVD±RWドライブ(DVD+R DL対応)」のどちらかを、ということになるが、両者の価格差は約3000円。この差なら、筆者は「DVD±RWドライブ(DVD+R DL対応)」をお勧めしたい。

 グラフィック機能に関しては、Dimension C521がロープロファイルサイズのビデオカードしか利用できないこともあって、選べる製品に違いはある。しかし、Dimension E521の選択肢が「NVIDIA(R) GeForce(TM) 6150 LE(オンボード)」「ATI RADEON(R) X1300 Pro 256MB DDR」「NVIDIA(R) GeForce(TM) 7300 LE 256MB TurboCache(TM)」。Dimension C521の選択肢が「NVIDIA(R) GeForce(TM) 6150 LE(オンボード)」「ATI RADEON(R) X1300 128MB DDR」「ATI RADEON(R) X1300 Pro 256MB DDR」といった具合。いずれも低価格を売りとする製品のみの選択肢となっており、選べる製品の性格に大きな違いはない。

 ただ、オンボードグラフィック機能やTurboCacheは、ビデオカードがメインメモリへもアクセスを行いシステム全体のパフォーマンスを低下させてしまうため、そうでないビデオカードを選ぶのがベターだ。ただ、このBTOメニューを見ると、この両製品はゲームユースをあまり考えていないようである。

 Athlon(TM) 64 X2のようなハイパフォーマンスCPUをBTOメニューから選ぶ意味はあるのか、というと、やはりテレビパソコンとしての用途では強力なCPUであるほうが心強い。この両製品ともに、TVチューナカードがBTOメニューに用意されるほか、しかもOSはWindows(R) XP Media Center Edition 2005 正規版 (日本語版)を選択することができる。テレパソにはうってつけの、デルらしいBTOメニューになっているのだ。

 この用途に着目してみると、ミニタワーとスリムタワーという両製品の違いが大きくなる。その最たるポイントがHDDだ。Dimension E521は、「80GB」「160GB」「250GB」「320GB」からHDDを、最大2台選択することができる。いうまでもなくテレビの録画などの動画データの保存に、HDD容量はあればあるほど良い。2台搭載できるという拡張性は、Dimension E521の大きなメリットだ。

【写真9】 光学ドライブに「DVD±RWドライブ(DVD+R DL対応)」、3.5インチベイに13in1カードリーダを装着して購入すれば、実用には十分なはずだ
*クリックをすると画像が拡大します

 一方、Dimension C521は先に挙げた「80GB」「160GB」「250GB」「320GB」の4種類のHDDを単体で搭載することが可能だ。容量的に不安ならば、USB接続の外付けHDDもBTOメニューに用意されており、こちらを選択すればいい。それよりも、パソコンの存在を感じさせたくない人にとっては、本体の小ささという捨てがたい魅力も持っている。もちろん小さい本体でも、光学ドライブやカードリーダなどの拡張ベイをうまく使えば、十分にメインPC兼テレパソPCとして活用できる実力がある(写真9)

●パソコン初心者や買い替えニーズにもお勧めの
両製品

 さて、ハイエンドCPUが選べる製品であることから、コンシューマ用途におけるリッチユースの一つであるテレビ視聴・録画にスポットを当てたが、先のビデオカードの選択肢からも分かるとおり、本製品は価格面の魅力も非常に大きい。その魅力を高めるのが、ディスプレイを同時購入したときの割引サービスだ。オンラインストアでの購入に限定はされるが、ディスプレイと一緒に購入したときに割引サービスを受けられるのである。

 またデルのBTOでは、他社製ソフトウェアやUSBメモリなどのアクセサリ類なども、一緒に注文できる。これらのBTOサービスを活用すれば、初めてのパソコンという人だけでなく、自分専用のPCを安く入手したいと考えている場合や、やや古くなってきたPCの買い替えを検討している人が、PCを魅力的な価格で一新することができる。

 最後に、このタイミングでPCの購入を検討している人は当然ながら気になるポイントが一つあるだろう。それが、来年発売されるWindows Vista(TM)への対応だ。新OSが出て利用できない機能が続出しては、息の短い製品となってしまう。しかし、この両製品は来年発売されるWindows Vista(TM)の必要要件を満たす「Windows Vista(TM) Capable PC」となっている。長く使おうと考えている人も安心して購入できる製品なのだ。

(*1) ご購入後にお客様が増設・改造・交換された場合には、デル標準保守サービスの対象外となります。


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Profile
多和田新也

岐阜県出身者ながら永遠の千葉県民を誓ったライター。「PC業界から離れたい!」と転職を繰り返した末路が今の職業……。電磁波に埋もれる日々から抜け出すべく、山やら海辺やらに出掛けて花鳥風月に親しむのを趣味としている。ちなみに最近のライフワークは、庭木がよく育つ土の研究。
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