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新たなる展開を見せるデルのフラッグシップ、XPSシリーズに新筐体を採用したスーパーマシン、「XPS 700」が登場。見るのものを圧倒するそのデザインと性能をチェックする。
XPS 700の詳細はこちら

新たなる展開を見せるデルのフラッグシップ、XPSシリーズに新筐体を採用したスーパーマシン、「XPS 700」が登場。見るのものを圧倒するそのデザインと性能をチェックする。


■ 新生XPSシリーズ

完全な新筐体を採用した新生フラグシップ「XPS 700」
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  デルのデスクトップマシンには、一般モデルのDimensionシリーズから、さらなる上位ラインナップとして独立した「XPS」というハイエンドブランドがある。ハイエンド向けとされるブランドだが、つい先日までは、デスクトップの「XPS 600」1モデルのみという状態であったため、さほど目立たなかったのは事実だろう。しかし、ここへ来てノートパソコンのXPC M1710、XPS M1210が相次いで発売され、にわかにこのブランドが騒がしくなってきた。そこへ続いて登場となったのが、今回紹介する新デスクトップ、「XPS 700」なのである。もちろんXPS 600の後継モデルとなるわけだが、ノートパソコンのXPC M1710ですら、かなりのハイスペックを誇るこのシリーズにおいて、デスクトップのXPS 700に求められるのは、言うまでもなく他の追随を許さない最強のスペックであるのは間違いないはず。果たして、その最強とはどんなものなのだろうか。


■ 驚愕の新筐体

 さて、このたびレビューのためにお借りしたXPS 700だが、まずは送られてきた箱を見て驚くことになった。「デカイ!!」。梱包とはいえ、薄型液晶テレビで言えば30型くらいは入っていそうな大きな箱である。本体重量も20kgオーバーとかなりのものなので、一人暮らしの学生さんなどは、あらかじめいろいろな面でお迎えの準備をしておいたほうがよいかもしれない。そして、気を付けながら中身を取り出すと、これまたトンでもない筐体が姿を現した。「こりゃスゴイ!!」。

 そのデザインにXPS 600の面影は全くなく、パッと見は実にシンプルだ。しかし、このXPS 700の筐体は単に大きいというだけでなく、その存在感に圧倒される。カラーリングもシルバーボディにブラックメッシュという、言葉にすると見慣れたはずのものなのだが、質感や重量感といったものがこれまで見たことのあるものとはケタ違いなのである。そして、その形状がまた独特。側面から見ると、前傾した平行四辺形の形になっており、フロント部は上部のほうが前に出張ったユニークな形状をしている。一見突拍子もない気がするが、よくよく考えてみれば、このほうがホコリなどは入りにくいはずだ。また、サイドパネルや上部パネルは3mm近い肉厚アルミで構成されており、サイドパネル1枚をとってもかなりドッシリとした重量がある。本当に少々の振動ではビクともしない。

 電源投入時には、フロントの上部と中段、およびリア部に備えられたブルーLEDが発光するようになっており、さらに独特の雰囲気を醸し出す。

フロント部はメッシュ構造になっており、内部のCPUクーラーなども覗くことができる
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リア部にも、フロントから直線的に吸排気を行なうためのメッシュダクトが目に付く。インターフェースも、リアだけでUSB×6、ギガビットLANなど、過不足のない構成
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見事に前傾の平行四辺形をしているのがよく分かる。中央の大型CPUクーラーが目立つが、意外にすっきりした構成なのも分かるだろう
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青く光るフロント部。正面から見るとそれほどでもないが、下から見上げるとインパクト抜群
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■ インテル(R) Pentium(R) プロセッサー エクストリーム・エディション 965搭載可能で、SLIもOK!

 本製品に関しては、その構造を語るだけでも延々とレビューができてしまいそうなので、ここで一旦内部スペックに話を移そう。最強であることが求められるXPS 700には、インテル(R)のコンシューマ向けCPUとしては最高峰となる、「インテル(R) Pentium(R) プロセッサー エクストリーム・エディション 965(3.73GHz)」が搭載可能となっている。これは現行のCPUでは、「デュアルコアにして最高クロック」を誇るもので、Hyper-Threadingと組み合わせて、一つのCPUで論理4CPUを形成する。この性能を引き出すには、ゲームソフトなどのアプリケーション側のデュアルコア対応も必要だが、ムービーや音楽など、エンコード・オーサリングをメインと考えるユーザにとっても憧れのCPUと言えそうだ。

 メモリはPC5300 DDR2 SDRAMで最大2GB(4スロットなので512MB×4)。もちろん、メモリモジュールを2枚ずつ搭載することで、より高速なデュアルチャネル動作にも対応している。マザーボードは、NVIDIA(R) nForce(TM) 4 SLI チップセットとなっており、ビデオカード2枚挿しによる高速動作、SLIが使用可能だ。スロット構成もXPS 600と同じく、PCI Express x16スロット×2となっており、性能をしっかりと引き出せる。こちらも現在最強の「NVIDIA(R) GeForce(TM) 7900 GTX 512MB DDR」ビデオカード2枚と、インテル(R) Pentium(R) プロセッサー エクストリーム・エディション 965との組み合わせは、まさしく至高の1台となるだろう。電源ユニットも750Wという超大容量タイプが搭載されているので、どのような拡張にも余裕で応えてくれる。

フロントベイは5.25インチベイ×4、3.5インチベイ×2という構成。3.5インチベイのフタが、やや剛性に欠けるのが残念
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NVIDIA(R) GeForce(TM) 7900 GTX 512MB DDRビデオカード2枚に、TVチューナカードとサウンドカードを搭載したところ。右下の黒いL字型ストッパーを外せば、カードの着脱も簡単
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SLIでは二つのGPUによる作業分担で、描画能力を向上させる機能。あらかじめNVIDIA(R) GeForce(TM) 7900 GTX カード2枚によるSLI構成で注文すれば、めんどうな設定を行なう必要もない
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これだけのパワーがあれば、1,600×1,200ドットの高解像度のままでも3Dゲームが楽しめる。XPS 700では、ワンランク上の解像度を、大画面ディスプレイと組み合わせて使いたい
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■ ツボを押さえたBTO

 本製品もデルのパソコンなので、BTOによるさまざまな変更も可能だが、これもなかなか「分かっているな」と思わせる構成になっている。

 CPUはもっとも安いものを選んでも、「インテル(R) Pentium(R) D プロセッサー 930(3GHz)」からという、一般的な3Dゲームには十分なCPUが用意されているが、選択の中にはシングルコアの最高クロックCPU、「インテル(R) Pentium(R) 4 プロセッサー 670(3.80GHz)」も用意されており、デュアルコアでなくとも、とにかく最高クロックを求めるという人にはうれしいポイントだ。

 HDDは160GBから500GBまでチョイスでき、最大3基(最大1.5TB!)で、RAID 0/1の設定まで選択可能となっているなど、サーバやワークステーションとして活用してもよいだろう。なお、HDDの接続はすべてSerial ATAとなっており、今回試用したモデルでは、搭載されていた光学ドライブ2基(DVD/CD-RWコンボドライブとDVD+/-RWドライブ)もSerial ATA接続となっていた。まだまだ珍しいSerial ATA接続の光学ドライブだが、従来のUltra ATA接続よりもケーブルがジャマにならず、内部のエアフロー(空調)にも有利である。メンテナンス面でもどんどん普及してもらいたいところである。

装着されていた光学ドライブは2台ともSerial ATA接続。Ultra ATAケーブルも取り回されていたので、すべてがSerial ATAというわけではないようである
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BTOで選択できるHDDは3基までだが、シャドーベイは四つあるので、個人でのさらなる増設は可能(*1)。レール式になっており、着脱も簡単だ。ちなみに、左右のHDDの間には、冷却用の8cmファンが付いている(こちらも着脱可能)
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 ビデオカードには、前述のNVIDIA(R) GeForce(TM) 7900 GTX 512MB DDR(1枚でも選択可能)のほかにも、その廉価版と言えるNVIDIA(R) GeForce(TM) 7900 GS 256MB DDRや、ATIの最強ビデオカード「ATI RADEON(R) X1900 XTX 512MB DDR」も選べるようになっている。価格、好みの両面で好きなものが選べるというわけだ。

 さらに、ゲーマーには気になるオプションとして、「AGEIA(TM) PhysX(TM) PCIカード」が選択可能となっていることも挙げておかねばならないだろう。このカードはビデオカードとは別に、オブジェクトの動きのみを物理法則に従って計算を行なう「物理演算プロセッサー」を搭載した、今話題のアクセラレーションカードである。これを使用することで、3Dグラフィックそのものがきれいになるわけではないが、多くの物体が高速で動く、物体の爆発や跳ね返り、波の動きといった動きが、より滑らかに表現できるようになるとされている。これを使用するには対応アプリケーションが必要だが、有名FPSゲームなども対応を表明していることから、ゲームマニアには見逃せないアイテムと言えるだろう。このXPS 700ならば、こんなものも最初から搭載できるのだ。

 ちなみに、BTOでの人気オプションの一つ、テレビチューナカードももちろん搭載可能だ。XPS 700では、1チューナの「ATI TV Wonder Elite テレビチューナカード」に加え、1枚のカードでダブルチューナを搭載した「Emuzed Angel Dualテレビチューナカード」も選べるようになっており、OSに・Windows(R) XP Media Center Edition 2005 正規版 (日本語版)を選択すれば、2番組同時録画も可能な豪華テレビパソコンが完成する。専用のリモコンも付いてくるので、大画面液晶ディスプレイや大容量HDDと組み合わせれば、大型テレビ+HDDレコーダーと同等の環境もこれ1台に手に入るわけだ。フロント部にはメモリカードリーダーなども搭載可能なので、快適現像環境を求めるハイエンドデジカメユーザなどにもお勧めである。


■ BTXを採用した余裕の内部構造

 それでは気になる内部を覗いてみよう。

 XPS 700では、Dimensionシリーズにも採用されている「BTXフォームファクタ」を踏襲している。これはフロントから吸気し、大型のCPUクーラー一つで、マザーボード上のチップセットまで冷却するという、静音性と冷却性を兼ね備えたシステムだ。要するに少ないファン(=騒音源)で、効率よく冷却するというわけだが、XPS 700の内部を見ると、意外にファンが多いことが分かる。CPUクーラーのすぐ下には、並列するようにPCI Express x16などの拡張スロット冷却用のファンが備わっているほか、上部後方のHDDベイの真ん中にも8cmファンが内蔵されている。さらに、電源ユニット内部にもファンがあり、今回試用したものでは、2枚のビデオカード(NVIDIA(R) GeForce(TM) 7900 GTX 512MB DDR)にもそれぞれファンが装着されている。確かに発熱量の多いハイエンドCPUとハイエンドビデオカードを搭載するからには、しっかりとした冷却機能が必要。その点は安心できるのだが、これで静かなわけがない、と思ってしまう。だが、実際に動作させてみると、これが予想以上に「静か」なのだ。この中でやや音が大きいと感じるのは、起動時に一瞬だけ、最大速で動作する電源ユニットのファンと、ビデオカードの2枚だろうか。しかし、どちらも内部後方に位置しているため、この大型の筐体中ではあまり気にならない。この筐体サイズからすると、HDD用の3.5インチシャドーベイは四つのみというのは少ない気もするが、それだけ余裕を持たせた構造と言うこともできる。

 ただ、フロントパネルには防塵フィルターのようなものもないので、やっぱりホコリなどの侵入は気になるところ。こればかりは長期に使ってみないと分からないところだが、ゆったりした内部空間に、レバー1本で外れるサイドパネルと、メンテナンス性の高さも本製品の特筆すべき点である。HDDもレールに挿し込むだけで、簡単に側面から着脱できるようになっているので、こまめに内部を掃除してやればよいだろう。

BTXの基本となる大型CPUクーラーに加え、下部手前には拡張スロット用の冷却ファンを装備。フロントメッシュだが、騒音はほとんど気にならない。空間にもかなり余裕を持たせた設計である
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サイドパネルはリア部にあるレバー1本で取り外しが可能。ただし、サイドパネル1枚だけでもかなりの重量があるので、取り扱いには注意したい
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■ 拡張性には注意が必要?

拡張スロットは、上からPCI Express x1、PCI Express x16、PCI、PCI Express x16、PCI、PCIの順番。2スロット必要な大型ビデオカードを使用する際は、PCI Express x16の上に位置するスロットが使用できなくなる
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 最後になるが、もう一つ気になった点を挙げておこう。今回試用したマシンでは、NVIDIA(R) GeForce(TM) 7900 GTX 512MB DDR ビデオカードが2枚に、Emuzed Angel Dualテレビチューナカード、そして、サウンドカードとして「Sound Blaster(R) X-Fi Xtreme Music(D) PCI サウンドカード」が装着されていた。このXPS 700のマザーボードには、PCI Express x16スロットが二つ、PCI Express x1スロットが一つ、PCIスロットが三つ用意されているが、NVIDIA(R) GeForce(TM) 7900 GTX 512MB DDR ビデオカードを選択した場合は、1枚のカードで2スロット分のスペースを必要とするため、1枚使用時でPCI Express x1スロットが、2枚使用時にはPCIスロットも一つ使えなくなってしまう。つまり、この状態でPhysX(TM) PCIカードも装着したいと思ったら、テレビチューナカードかサウンドカードのどちらかを外す必要があるわけだ。まぁ、現状の3Dゲームを考えれば、NVIDIA(R) GeForce(TM) 7900 GTX 512MB DDR ビデオカード1枚+PhysX(TM) PCIカードに、TVチューナカードというのも十分すぎるほどの贅沢な環境である(価格的にも性能的にも)。

 また、Serial ATAポートはマザーボード上に六つ用意されているため、5インチベイまでとことんHDDを搭載してしまいたいという人は、Ultra ATAポートか、Serial ATA増設カードなどを使用することになる。むしろ、このマシンは大型だからと言って詰め込まず、ゆったり優雅に使うのがよさそうだ。


■ まとめ

 駆け足でチェックしてみたが、XPS 700はハイエンドの名に恥じないスペックと、デザインを兼ね備えたマシンなのは間違いない。ただ、ゲームユーザの中には、快適環境のためにいくらかけても惜しくはないという人がいるのも理解しているが、これだけのスペックをゲームマシンで終わらせるのももったいない。この静かな存在感は、お洒落なデザイン事務所で使われているワークステーション、なんてイメージもピッタリで、リビングから書斎まで、あらゆるシーンで活躍してくれることだろう。

 重ねて言うようだが、正直言って、この筐体の存在感はとても写真や言葉では言い表せない。こういうとき、デルのような直販オンリーのメーカーは損だなあ、と思わなくはないが、デルにもショールームである「リアルサイト」が全国に用意されている。そこまで言うなら見てやろう、と言う人は、ぜひそちらに足を運んでみていただきたい。お得なパッケージ価格21万円台から手に入るの(*2)で、高嶺の花というわけでもないですぞ?



(*1) ご購入後にお客様が増設・改造・交換された場合には、デル標準保守サービスの対象外となります。
(*2) 価格、搭載可能な構成機能は毎週のキャンペーンにより変動いたします。 (文中の構成は2006年6月12日時点のもの)

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Profile
保坂陽一

PC雑誌を中心に、自作PCからデジカメまで幅広く活躍するライター。最近はデジタル一眼レフ片手によく旅行しているが、「カメラマンじゃない、モバイラーだ!」と言い張る根っからのデジモノ好き。
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