TITLE:Creative Professionalブランド登場!

LINK

hr
プレミアムオーディオソリューションの2製品

 第1回目でも紹介したとおり、クリエイティブメディアはCreative Professionalという新ブランドを始動させるとともにハイグレードのオーディオインターフェイス、Creative Professional E-MUシリーズの6製品の発売を開始した。18入力20出力といった数多くのポートをもち、DTMなどで活用するためのハイエンドDTM/DAWソリューション製品と、どちらかというとリスニング中心のプレミアムオーディオソリューション製品の大きく2つのラインナップが存在する。このうち、今回は多くのユーザーの関心が集まる、プレミアムオーディオ製品2製品にフォーカスを当てる。

 具体的には
PHOTOCreative Professional E-MU 0404 (クリエイティブオンライン価格:15,540円)
PHOTOCreative Professional E-MU 1212M (クリエイティブオンライン価格:26,040円)
の2製品で、価格的にも気軽に購入できるものだ。しかし、そこから飛び出す音は従来のPCの常識を覆すほどの高音質。PCで音楽を楽しみたいという人にとっては十分検討する価値のあるものだ。

 そこで、それぞれどんな製品なのかチェックしてみることにしよう。

hr
気軽に24bit/96kHzのクオリティーを楽しめるE-MU 0404

PHOTO
E-MU 0404
 E-MU 0404はE-mu Systemsが開発したPCIバス接続の内蔵型のオーディオインターフェイス。0404という名称は入力が2チャンネル、出力が2チャンネルあるという入出力の数を表しており、具体的にはアナログがステレオの2チャンネルずつ、デジタル=S/PDIFも2チャンネルずつという構成。またこのデジタルはオプティカル(光)とコアキシャル(同軸)の2種類が標準で用意されているのだ。

 ただし、これだけ多くの端子を1枚のカードに装備できないため、写真のようにコネクタにアナログ、デジタルそれぞれのブレイクアウトケーブルを接続した上で外部とつなぐ形となっている。このアナログ端子はRCAピンになっているので、オーディオ機器と接続するのはとても簡単になっている。また、デジタルブレイクアウトケーブル側にはMIDIの入出力端子も装備されているので、必要あればMIDIキーボードやMIDI音源モジュールと接続も可能という仕様になっている。

PHOTO PHOTO
アナログブレイクアウトケーブル   デジタルブレイクアウトケーブル

 このE-MU 0404は入出力とも24bit/96kHzに対応している。通常CDやMP3を再生するだけというならば、ちょっとオーバースペックではないかと思うかもしれないが、やはり余裕のある設計のものであると音質的にも向上する。また、実はここに搭載されているD/Aコンバータには24bit/192kHzに対応したものが採用されているので、その意味でも非常に高品質な再生が可能となっているのだ。

 もちろん、出力先として接続するスピーカーにはそれなりの性能を持ったものを利用することをお勧めしたい。安価なPC用スピーカーを使っていては、E-MU 0404の高音質さを発揮できないからだ。もし愛用のオーディオアンプがあるのであれば、そこにつなぐというのもひとつの手である。

 一方、録音機能も非常に強力なので、使う価値は十分にある。たとえば、古いレコードやカセットテープをアナログ入力を用いて24bit/96kHzで録音するのは、非常に意味のあることだ。そう、アナログのメディアはCDにはないダイナミックレンジ、高域の音成分を持っているため、16bit/44.1kHzもしくは16bit/48kHzといった従来のサウンドカードではその良さを録音することができないのだ。また、単に24bit/96kHzというスペックを実現しているだけでなく、非常にクオリティーの高いアナログ性能を持ったE-MU 0404だから、アナログサウンドの良さをそのままに取り込むことが可能なのだ。

 この録音には、付属のソフトCubasis VSTを用いることで,ASIOによるサンプリングコンバーターを通さない録音が24bit/96kHzで行え、同製品のパフォーマンスを最大限活かすことができる。その後、さまざまな加工や編集も付属の波形編集ソフト「WaveLab lite」で可能となっている。もちろん、再生時も24bit/96kHzで行うことにより、レコード、カセットテープの音をそのまま再現させることが可能なのだ。

PHOTO PHOTO
Cubasis VST   WaveLab lite

PHOTO
E-DSP
 なお、前回も紹介したとおり、このカードの中枢を担うのがE-DSPというチップ。これによって、エフェクトをかけたり、複数チャンネルある音をミックスすることなどが可能になっているのだ。

hr
マスタリンググレードのE-MU 1212M

PHOTO
E-MU 1212M
 E-MU 0404の上位機種に相当するのがE-MU 1212。やはり中枢にはE-DSPが搭載され、全体のコントロールを行う形になっており、カード的にはPCIバス接続のもの2枚で構成される。名称からも分かるとおり、こちらは12入力、12出力を持ち、E-MU 0404と比較して8チャンネルずつ多い。これは、adatというプロのレコーディング現場などでよく用いられる8チャンネル分のデジタル入出力が装備されているためだ。このadatのインターフェイスは物理的にはS/PDIFのオプティカル端子と同じものを使うため、E-MU 1212でも切り替えて使うようになっている。したがって、これをS/PDIFとして使った場合は4入力、4出力となる。

 E-MU 0404の場合、オプティカルとコアキシャルは完全に同じ信号となっているのに対し、E-MU 1212ではadatとS/PDIFという独立した形となるのだ。とはいえ、一般のユーザーにとって、これらDTM/プロフェッショナル向けの機能はあまり大きな意味は持たないだろうから、入出力端子という点ではE-M 0404との違いは感じられないかもしれない。

 しかし、違うのはこちらは24bit/192kHzの入出力に対応したものである、ということと、マスタリンググレードということで、A/D、D/Aともに最高品質のチップが採用されているのだ。具体的にいうと、まずD/Aのほうは高級SACDプレイヤー等でしか使われていないCirusLogicのCS4398が搭載されている。このことからもハイエンドオーディオ機器であることが想像できるのではないだろうか?また、録音用のA/Dはプロのレコーディング現場での業界標準とされるデジタルレコーディング機材、DigidesignのフラグシップモデルPro Tools HD192 I/Oインターフェイスに採用されているのと同じ、AKM社のAK5394Aを搭載しているのだ。スペック的にみても、最高性能を持ったものであることが想像できるだろう。実際に音を出せば、まさにそれを実感できる。

PHOTO PHOTO
CirusLogic CS4398   AKM AK5394A

 なお、このカードの端子を見ても分かるとおり、MIDIの入出力端子に加え、IEEE1394端子も装備されている。したがって、もしIEEE1394端子のないPCであれば、まさにオマケ機能のような形で、これが利用可能となるのだ。

 そのほかアナログ端子はRCAピンジャックではなくフォン端子となっている。バランス型といって、1つのチャンネルに3端子を使う形状になっているため、ノイズが混入しにくい仕様となっているのだが、一般のオーディオ機器とは接続する場合には、アンバランス型に変換する必要がある。変換プラグまたはケーブルは別途購入する必要があるが、変換プラグでは安いもので、100円程度(1本あたり)〜販売されているし、RCA-フォンケーブルでも2,000円前後〜数万円程度まで存在する。予算と好みの選択となるが、品質を求めるなら、ケーブルタイプのもので、なるべく短いものを選ぶことをお勧めする。

 これらのケーブルは一般の家電店ではあまり置いていないが、コンピュータショップでDTM系を扱うフロアや楽器店などで販売されているので、これを機に足を運んでみてはいかがだろう。

PHOTO PHOTO
     

 両製品ともDTM系としては当然のようにASIO規格に対応している。クリエイターのみが使う規格と思っている読者もいるかもしれないが、「Winamp」や「Foobar2000」など音楽再生ソフトでASIO対応のプラグインを使用すれば、サンプリング周波数の変換を行うことなくよりピュアな再生を行うことができるので、リスニング重視のユーザーならば、せっかくのポテンシャルを活かす意味でも試してみてはいかがだろう。

PHOTO
クリエイティブメディア オンラインショップ
 以上、E-MU 0404とE-MU 1212について見てきたがいかがだっただろうか?これらはPCショップやPC売り場のある家電量販店、さらには楽器店などで購入可能だ。また、クリエイティブメディアのオンラインショップからも直接購入することができる。とくに、オンラインショップの場合、一般の店頭にはないオプション類も順次用意されていく予定なので、ちょっとのぞいてみてはいかがだろうか?



■クリエイティブオンラインショップ
http://shop.japan.creative.com/cm/goods/goods.asp?category=00001528&shop=2f



■藤本健のDigital Audio Laboratory
 【4月5日】【DAL】第140回:E-MUの高機能/低価格オーディオインターフェイス
 〜 59,800円でマスタリンググレード。「EMU-1820m」を検証 〜(AV Watch)

http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20040405/dal140.htm

■藤本健のDigital Audio Laboratory
 【5月24日】【DAL】驚異のソフトウェアサンプラー「EmulatorX Studio」
 〜 低価格ながら充実のエディット機能などを実装 〜(AV Watch)

http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20040524/dal146.htm

■クリエイティブ、プロ用ブランド「Creative Professional」
 −E-MU製品の取り扱いを開始。低価格新モデルも発売(AV Watch)

http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20040611/creat.htm

■藤本健のDigital Audio Laboratory
 【7月12日】【DAL】E-MUの低価格オーディオカード「0404」
 〜クリエイティブ取り扱いの新モデルをチェック〜(AV Watch)

http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20040712/dal153.htm



■新ブランド「CreativeR Professional」スタートのお知らせ
 最高の音質と柔軟な拡張性を備えた24bit/192kHz対応デジタルオーディオシステムや
 高性能サンプラー Emulator X (イミュレーター エックス) をバンドルしたデスク
 トップサンプリングシステムなど

http://japan.creative.com/company/press/2004/040611-0404_Professional.asp?pdt=1

■極上のステレオ再生品質とスタジオクオリティーの録音品質を追求
 全ての音楽を愛する人に捧げるピュアデジタルオーディオシステム
 Creative Professional E-MUR(クリエイティブ プロフェッショナル イーミュ) 0404
 発売のお知らせ

http://japan.creative.com/company/press/2004/040611-0404_Professional.asp


hr
PHOTO 藤本健
ライター兼エディター。某大手出版社に勤務しつつ、MIDI、オーディオ、レコーディング関連の記事を中心に執筆している。以前にはシーケンスソフトの開発やMIDIインターフェイス、パソコン用音源の開発に携わったこともあるため、現在でも、システム周りの知識は深い。最近の著書に「ザ・ベスト・リファレンスブック Cubase SX/SL」(リットーミュージック)、「MASTER OF REASON」(BNN新社)などがある。また、All About JapanのDTM・デジタルレコーディング担当ガイドも勤めている。

hr
 

LINK