プレミアムオーディオソリューションの2製品 第1回目でも紹介したとおり、クリエイティブメディアはCreative Professionalという新ブランドを始動させるとともにハイグレードのオーディオインターフェイス、Creative Professional E-MUシリーズの6製品の発売を開始した。18入力20出力といった数多くのポートをもち、DTMなどで活用するためのハイエンドDTM/DAWソリューション製品と、どちらかというとリスニング中心のプレミアムオーディオソリューション製品の大きく2つのラインナップが存在する。このうち、今回は多くのユーザーの関心が集まる、プレミアムオーディオ製品2製品にフォーカスを当てる。 具体的には
そこで、それぞれどんな製品なのかチェックしてみることにしよう。 |
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気軽に24bit/96kHzのクオリティーを楽しめるE-MU 0404
ただし、これだけ多くの端子を1枚のカードに装備できないため、写真のようにコネクタにアナログ、デジタルそれぞれのブレイクアウトケーブルを接続した上で外部とつなぐ形となっている。このアナログ端子はRCAピンになっているので、オーディオ機器と接続するのはとても簡単になっている。また、デジタルブレイクアウトケーブル側にはMIDIの入出力端子も装備されているので、必要あればMIDIキーボードやMIDI音源モジュールと接続も可能という仕様になっている。
このE-MU 0404は入出力とも24bit/96kHzに対応している。通常CDやMP3を再生するだけというならば、ちょっとオーバースペックではないかと思うかもしれないが、やはり余裕のある設計のものであると音質的にも向上する。また、実はここに搭載されているD/Aコンバータには24bit/192kHzに対応したものが採用されているので、その意味でも非常に高品質な再生が可能となっているのだ。 もちろん、出力先として接続するスピーカーにはそれなりの性能を持ったものを利用することをお勧めしたい。安価なPC用スピーカーを使っていては、E-MU 0404の高音質さを発揮できないからだ。もし愛用のオーディオアンプがあるのであれば、そこにつなぐというのもひとつの手である。 一方、録音機能も非常に強力なので、使う価値は十分にある。たとえば、古いレコードやカセットテープをアナログ入力を用いて24bit/96kHzで録音するのは、非常に意味のあることだ。そう、アナログのメディアはCDにはないダイナミックレンジ、高域の音成分を持っているため、16bit/44.1kHzもしくは16bit/48kHzといった従来のサウンドカードではその良さを録音することができないのだ。また、単に24bit/96kHzというスペックを実現しているだけでなく、非常にクオリティーの高いアナログ性能を持ったE-MU 0404だから、アナログサウンドの良さをそのままに取り込むことが可能なのだ。 この録音には、付属のソフトCubasis VSTを用いることで,ASIOによるサンプリングコンバーターを通さない録音が24bit/96kHzで行え、同製品のパフォーマンスを最大限活かすことができる。その後、さまざまな加工や編集も付属の波形編集ソフト「WaveLab lite」で可能となっている。もちろん、再生時も24bit/96kHzで行うことにより、レコード、カセットテープの音をそのまま再現させることが可能なのだ。
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マスタリンググレードのE-MU 1212M
E-MU 0404の場合、オプティカルとコアキシャルは完全に同じ信号となっているのに対し、E-MU 1212ではadatとS/PDIFという独立した形となるのだ。とはいえ、一般のユーザーにとって、これらDTM/プロフェッショナル向けの機能はあまり大きな意味は持たないだろうから、入出力端子という点ではE-M 0404との違いは感じられないかもしれない。 しかし、違うのはこちらは24bit/192kHzの入出力に対応したものである、ということと、マスタリンググレードということで、A/D、D/Aともに最高品質のチップが採用されているのだ。具体的にいうと、まずD/Aのほうは高級SACDプレイヤー等でしか使われていないCirusLogicのCS4398が搭載されている。このことからもハイエンドオーディオ機器であることが想像できるのではないだろうか?また、録音用のA/Dはプロのレコーディング現場での業界標準とされるデジタルレコーディング機材、DigidesignのフラグシップモデルPro Tools HD192 I/Oインターフェイスに採用されているのと同じ、AKM社のAK5394Aを搭載しているのだ。スペック的にみても、最高性能を持ったものであることが想像できるだろう。実際に音を出せば、まさにそれを実感できる。
なお、このカードの端子を見ても分かるとおり、MIDIの入出力端子に加え、IEEE1394端子も装備されている。したがって、もしIEEE1394端子のないPCであれば、まさにオマケ機能のような形で、これが利用可能となるのだ。 そのほかアナログ端子はRCAピンジャックではなくフォン端子となっている。バランス型といって、1つのチャンネルに3端子を使う形状になっているため、ノイズが混入しにくい仕様となっているのだが、一般のオーディオ機器とは接続する場合には、アンバランス型に変換する必要がある。変換プラグまたはケーブルは別途購入する必要があるが、変換プラグでは安いもので、100円程度(1本あたり)〜販売されているし、RCA-フォンケーブルでも2,000円前後〜数万円程度まで存在する。予算と好みの選択となるが、品質を求めるなら、ケーブルタイプのもので、なるべく短いものを選ぶことをお勧めする。 これらのケーブルは一般の家電店ではあまり置いていないが、コンピュータショップでDTM系を扱うフロアや楽器店などで販売されているので、これを機に足を運んでみてはいかがだろう。 両製品ともDTM系としては当然のようにASIO規格に対応している。クリエイターのみが使う規格と思っている読者もいるかもしれないが、「Winamp」や「Foobar2000」など音楽再生ソフトでASIO対応のプラグインを使用すれば、サンプリング周波数の変換を行うことなくよりピュアな再生を行うことができるので、リスニング重視のユーザーならば、せっかくのポテンシャルを活かす意味でも試してみてはいかがだろう。
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