TITLE:パソコンにあるMP3ファイルを手持ちのオーディオで聴け!
TITLE:SUNTAC BiBio wGate
TITLE:SUNTAC BiBio wGate
TITLE:音楽は、やっぱオーディオで聴くもんでしょ
生まれ変わった新型BiBio
 2002年にサン電子から“国内初のブロードバンド専用ラジオ”が発売されたのを覚えているだろうか? そう、BiBioですな。インターネット上のラジオ放送を、ボタン一押しで思う存分徹底的に聴けるという斬新な製品である。

スタパ&BiBio
あのインターネットラジオ
「BiBio」が大変身!
 アレですよ、インターネット上には当時から多数のストリーミング配信形式のラジオ放送局・番組があった。現在も超多数あるが、ソレを聴くにはパソコン(とブロードバンド回線)が必須だった。また、操作としては、目的の放送局(Webサイト)を探して接続し、目的の番組を選び出し、パソコン上で音声を再生させる必要があった。

 のだが、BiBioは、ブロードバンド回線にラジオ的な機器を直結し、フツーのラジオと似た感覚でボタンをペペペッと押すだけで世界に数多と存在するインターネットラジオ放送を聴きまくれた。その手軽さとわかりやすさは、ネットラジオファンを大いに喜ばせたモンである。

 さて、そのBiBioの新型が出るっつーんで、ネット野郎の俺ってば興味津々モード。運良く発売前の実機をお借りできたので、ココでは新型BiBioことSUNTACのBiBio wGateについてじっくりご紹介・レビューしてみたい。

 で、いきなり結論から言えば、今度のBiBio wGateは、旧機種のBiBioとは全然違う新型となっている。もちろんインターネットラジオ放送を超たっぷり楽しめるって機能は健在だが、それ以上に、新たな切り口でネットとサウンドを結びつける製品へと大変身を遂げた。

 つーかですね、BiBioのようでBiBioでない、ありそうだったけど全然なかった、フツーに見えて実は革新的な機能を備えた、BiBio wGate。かな〜り欲し過ぎなハードウェアっスよコレ。例えばMP3とか音楽サーバとかってキーワードに「えっ?」と興味持っちゃう人にとっては、デジタルな音楽生活をガラリと変える力を持つ製品となるだろう。

 とまあ、抽象的な話はこれくらいにして、さっそくBiBio wGateの機能・性能・愉快さ加減を見ていこう。

違和感解消&快適度増幅のBiBio wGate
 BiBioと言えばインターネットラジオだが、実はソレよりもずっとコーフンできる機能を備えちまったBiBio wGateなので、インターネットラジオの話はひとまず置いとこう。

BiBio wGate
オーディオ機器ともベストマッチ。それも当然。これは“オーディオ機器”なのダ。
 じゃあBiBio wGateで何ができるのよ? これを一言にすれば“LAN上に存在するMP3ファイルをBiBio wGateのみで再生できまくり”てな感じになる。つまり、パソコンのHDD上にあるMP3サウンドや、LAN対応型HDD(NAS)上にあるMP3音楽を、BiBio wGateという機器だけを使って。

 例えばですね、最近皆さんMP3ファイル扱うじゃないスか。メモリオーディオに転送するためとか、あるいはオリジナル音楽CDを作る目的でとか。あるいは、もっとありがちな理由として、音楽CDってディスク入れ替え面倒だからとりあえずパソコン等のHDDに入れて聴くぜ、みたいな。そーゆー人、多いっしょ?

 何を隠そう拙者もそうで、音楽CD買ったらとりあえずパソコンのHDDにリッピング&MP3ファイルへとエンコード。何百曲何千曲のMP3音楽があっても、聴きたい曲をマウス操作一発で再生できるっつーのはメチャ便利である。MP3ファイルを扱い出すと、音楽CDのケースを開いてディスクをプレイヤーに入れるのが、いや、音楽CDを手に持つことさえ面倒だと感じられるんだからもーまったく人間ってのは物ぐさな生命体と言える。

 でまあ、MP3ファイルで音楽を聴くのはヒジョーに楽勝感が高いわけだが、それでも若干の面倒・違和感がある。

 ひとつは、パソコンがないと、たっぷりためたMP3音楽が再生できないということ。要は、再生時にはパソコン起動。画面見つつ、マウス操作。パソコンの前に座ったりしていないと、ラクして音楽を楽しめないわけだ。……パソコン使えば音楽聴くのチョー楽勝だけど、パソコンの前にいないと音楽聴けない(聴くのが面倒になる)って、けっこーストレスたまりがちなジレンマじゃないスか?

BiBio wGate操作系
オーディオ機器としてのカンタンな操作系。パソコンに近づかずにMP3ファイルを再生しまくり!!
 もちろん、パソコン上のMP3音楽をメモリオーディオ製品に転送すれば、パソコン要らずで快適に音楽を楽しめる。のだが、普通一般のメモリオーディオ製品って、携帯用として特化した製品。なので基本的にはヘッドホンで聴くことになる。また、そういった製品は容量の制限もあるわけで、手持ちの音楽CDを全部!! みたいな詰め込み方はできない。さらに、外部機器に接続可能な機種ならミニコンポなりステレオセットなりに接続して聴けるものの、携帯向けオーディオ機器から線が延びてコンポにつながってるって……なんかこー、無理してる感じがするわけだ。

 MP3音楽には、そーゆービミョーな違和感・難点がつきまとったわけだが、これを全面的に解消したのがBiBio wGateなのである。

 MP3音楽を楽しむってコトは、結局、一度はパソコンのHDD上にMP3ファイルを生成なりコピーすることになる。聴く音楽は、HDD上に、全部集まるわけだ。BiBio wGateを、そのパソコンとLAN接続すると、全員集合したMP3音楽をBiBio wGateを操作するだけで、あまねく再生できるようになる。そしてBiBio wGateとパソコンはLAN接続!! パソコンから離れててもラクして音楽聴けまくりなわけですよ!!

 しかも!! BiBio wGateはパソコン上の音楽を再生できるだけではナイ!! LAN上のパソコンやNAS等、共有フォルダとしてアクセス可能なストレージ上にあるMP3なら、何でも再生可能!! L・A・N・上・な・ら・ど・こ・で・も!! ですよ!! L・A・N・上!! ですよ!! ちょっとアナタこれはですね……え? 読みにくい!? いちいち“・”で区切るな!? 冷静になれタコ? 失礼しやした。

 要は、BiBio wGateで再生するMP3ファイルは、LAN上のいろいろなストレージ上にあってOKってコトだ。いつも使ってるパソコン上にあっても、自宅のファイルサーバパソコン上にあっても、あるいはLAN対応型HDD上にあっても、問題ない。

 例えば最近人気の小型・静音・省電力なのに大容量のNAS(Network Attached Storage)上にあっても再生できるゆえ、すなわち、パソコンを一切起動せずに、超多量のMP3ファイルを連日連夜ラクして再生できまくりっちゅーコトなのである。

すべての音楽をBiBio wGateで聴いちゃう
 LAN上にあるMP3ファイルを“BiBio wGateのみ”で再生できるというコトだが、その具体的なメリットを考えたり試したりする前に、BiBio wGateのMP3関連機能を少々。

BiBio wGate背面
パソコンにありがちな
接続の複雑さも一切ナシ
 まず、BiBio wGateはネットワーク機器だ。LANに接続して初めて機能するってわけですな。LANへの接続形態は10BASE-Tの有線接続か、IEEE802.11bの無線接続。てなわけで本体背面には、RJ45のコネクタと、CFタイプの無線LANカード用スロットがある。

 それから、BiBio wGateはMP3データを再生するオーディオ機器である。再生可能なMP3ファイル(データ)は、ビットレート8kbps〜320kbps・44.1khzのもので、ストリーミング再生(HDDやインターネットからファイル転送を受けつつ再生する方式)となる。非常に多くのインターネットラジオ放送や、ほとんどの用途のMP3ファイルに対応するMP3サウンド専用再生装置と考えていいだろう。

 LANにつなげてMP3サウンドを再生するBiBio wGateってわけだが、音楽は本体にヘッドホンを接続しても聴けるし、本体背面のRCAピンジャック(右/左)をアンプ等のオーディオ機器に接続しても楽しめる。BiBio wGateにアクティブスピーカー(アンプ内蔵型のスピーカー)をつなげて使うってのもお手軽でイイですな。

PHOTO
CFタイプの無線LANカードを使えば、家中のどこにでも設置できる
 BiBio wGateが鳴らすMP3ファイルは、LAN上のパソコン(のHDD)なりNASなりのネットワーク共有可能なストレージ(以下、ネットワークストレージ)上に存在する必要がある。って文章で書くとややこしいが、LAN上でアクセス可能なトコロにMP3ファイルがあればBiBio wGateだけで鳴らせるヨ、ってコトだ。

 ちなみに、BiBio wGate使用時は、ネットワークストレージ上の共有フォルダの設定が必要なのはもちろん、BiBio wGateをどの共有フォルダにアクセスさせるかも(BiBio wGateに対して)設定することになる。また、BiBio wGateがアクセスできる共有フォルダは同時には最大で三つまでとなる。とか書くとまたもや若干煩雑に聞こえるかもしれないが、わりと容易な設定っス。詳しくは後述ってことで。

 てなわけで、BiBio wGate、LAN上のHDDとかに入ってるMP3ファイルなら基本的にドレでも鳴らせるオーディオ機器って感じだ。また、ネットへの接続形態も有線・無線ともに対応しているので、例えばパソコンがある部屋と離れた場所へ単体で置いての使用が可能───ステレオセットに対してすんげぇ多量の音楽が入ってる音源を追加するような感覚で使える。ネット上の音楽を、リラックスできる場所で高品質のスピーカーにて堪能できたりするわけですな。

 家のどのネットワークストレージ上にMP3ファイルがあってもBiBio wGateで鳴らせるのだ。パソコンの前に居なくてもいい。あるいはリビングに音楽再生のためのパソコンを設置したりする必要もない。LAN上に散らばったMP3ファイルを、BiBio wGateという窓口っつーかエージェントっつーか端末を通し、好きな場所でシンプル&高音質で楽しめる。やっぱりBiBio wGate、これまでありそでなかった、非常に活用範囲の広い“MP3サウンド徹底堪能機器”だと思うのだが、いかがだろう?

とっても簡単、BiBio wGateの使い方
 LANとかネットワークストレージとかMP3とかストリーミングとかなると、いきなり脳内に暗雲立ちこめる俺であり、つまり、BiBio wGateって設定とかにハマりがちなんじゃない? と感じたりした。

 が、実際に使ってみると、わりあい容易に設定を行えた。ヤルことは数ステップで、特に難しかったり特殊だったりすることはないのだ。既にLANが稼働中ってな人なら、アッと言う間に設定を済ませられると思う。

 BiBio wGateの設定時(使用開始時)、具体的に行うのは2〜3程度のステップだ。

 第一ステップ。まだLAN使ってないよ〜って人は、LAN環境構築。とは言っても、この記事を読まれている方は、インターネットに接続しているわけで、比較的に多くの人がルータ機能内蔵のブロードバンドモデム等を使用中と思われる。また、ルータやルータ機能内蔵型のブロードバンドモデム利用者は、多くのケースでルータのDHCPサーバ機能(BiBio wGate等のネットワーク機器に対して自動的にIPアドレスを割り振る便利機能)を使っていることだろう。

 なので、恐らく大半の場合、LAN構築はWindows等上でチョチョイと設定するだけで、あとはLANケーブルとか用意するだけで完了となるであろう。

 第二ステップはネットワークの設定なのだが、ルータで前述のDHCP機能を使用している場合は省略可能(BiBio wGateは初期設定のままでOK)。DHCPサーバ機能を使っていない場合や、BiBio wGateを無線LAN接続する場合に必要になるステップだ。ちなみに、DHCP不使用時は……ってそーゆー人はおわかりだと思いますけど、BiBio wGateのIPアドレスやサブネットマスク等々を設定する。無線LANを使う場合は、ESS-IDやWEPキー等、無線LAN使用時にお決まりの設定を行う。

 最後のステップは、共有フォルダの設定。ネットワークストレージ側(パソコンやNAS)で、どのフォルダを共有させるか───要はMP3ファイルを置くフォルダを決めるわけですな。同時に、その共有フォルダをBiBio wGateにも設定する。ちなみに、BiBio wGate側の設定は、BiBio wGate本体のボタン類を使っても行えるし、BiBio wGate内のWebサーバ(設定フォーム)を使っても行える=Webブラウザからチャチャチャッとデキちゃう。

BiBio wGate
操作も表示もシンプルでわかりやすい
 とまあ、一通りの手順をご紹介してみた……が、実際やることは文章からの印象よりもずっとシンプルになると思う。既にLAN組んでる人の場合(多くのケースでDHCP機能を使っているとして)、BiBio wGateに共有フォルダを設定するだけで完了。前述の設定フォームを使えば、キーボードをチャカチャカッと押下する程度でおしまいである。この間、数分であろう。

 まだLAN未導入って人でも、基本的にはルータを追加するか、あるいは(ルータ機能内蔵のブロードバンドモデム等を使っている場合は)OS上でチョチョッとLANの設定してからBiBio wGate上へ共有フォルダを指定すれば完了。実際は非常に多くのケースでかなり容易に設定を済ませられると思う。

 で、後はBiBio wGateでMP3音楽を楽しむだけだが、BiBio wGate本体の操作は単純明快。ある意味斬新な機器───ネットワーク上のMP3ファイルをオーディオ機器的に再生する端末なので、最初は従来型オーディオ機器っぽくない操作感に戸惑うかもしれないが、基本的にはたった4つのボタンを操作しつつ液晶表示を目で追うだけだ。ID3タグ(MP3ファイルの曲名やアーティスト名等の情報)入りのMP3ファイルなら、曲名やアーティスト名が再生時に表示される。

 なお、BiBio wGateは市販の学習リモコンやiモード携帯電話端末のJava用リモコンにも対応しているので、再生時はリモコン片手に安楽な音楽鑑賞をすることも可能だ。

激便利なBiBio wGate、これからはネットで音楽だ!!
 最後になったが、BiBio wGateの“wGate”について。

 これまで説明してきた“ネットワークストレージ上のMP3音楽をBiBio wGateのみで楽しむ”というのがひとつ。これに加え、インターネットラジオを自在に楽しめる端末であることがひとつ。ネットワークストレージ上の音楽も、インターネット上の音楽(やトーク)もダブルで楽しめる音の世界の出入り口。“w”な“Gate”なわけですな。

 んで、インターネットラジオ番組を楽しむ機能だが、コチラもパソコンを使わずに聴きまくれる。インターネットへの接続環境(ブロードバンド回線等)があればOK。そこにBiBio wGateを接続すれば、世界各地(というか各サイト?)で配信されまくっているインターネットラジオ番組を自由に楽しむことができる。

 BiBio wGateが受信するインターネットラジオ番組は、SUNTACのサーバ上に登録された局・番組が基本となるが(まあそれだけでも聴き切れないほど多量に受信できるんですけど)、BiBio wGateへURL等をプリセット登録すればサーバに未登録のラジオ番組も聴ける。メジャーでない草の根的なMP3ストリーミング形式のインターネットラジオ放送も、BiBio wGateで聴けるわけだ。

 ちなみに、プリセットの数は、インターネットラジオ番組で10、ネットワークストレージ上の共有フォルダかファイルで10と、計20個が可能。なので、LAN上のMP3ファイルを再生する場合でも、時と場合と気分に応じていろいろなネットワークストレージを使い分けることが可能だ。

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リスニング環境が一変する
ポテンシャルを秘めてるのダ!
 ていうかですね、BiBio wGate、ほんとに便利っス。こーゆーふーに言うのは我ながらどーかと思うが、ぶっちゃけ、前のBiBioと比べると、音楽を楽しむためのネットワーク機器として格段の差がある。LAN上のMP3ファイルを再生できまくりなんですよ!! そして手持ちのMP3ファイルに飽きたらインターネットラジオも聴き放題なんですよ!! しかもハードウェアとして使用感も本体も実にシンプル!! LANにつなぐだけでスグ使える感覚だし、アルミボディの本体は高級感がありつつ非常にコンパクトなのでコンポに追加するオーディオ機器として違和感ナシ!!

 ってついつい興奮してしまうBiBio wGateなのだが、コレ、冷静に考えると、これからのリスニング環境をガラリと変えちゃうスゲぇ製品かもしれない。LANやインターネットという広大で柔軟な環境を、音楽の貯蔵庫に一変させてしまう。のに、複雑だとか面倒だとかってコトが全然ないのだ。特にMP3音楽に親しんでいる人は、何はさておき絶対チェックの新製品だと言えよう。


□サン電子株式会社のホームページ
http://www.sun-denshi.co.jp/

□SUNTAC BiBio
http://bibio.jp/

□サン電子、HDD搭載のネットワーク対応音楽プレーヤー
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20041116/suntac.htm

□サン電子、HDD内のMP3をネットワークで再生できる「BiBio wGate」など
http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/7486.html
スタパ齋藤 スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。フォトエッセイのスタパデイズをAlt-R(http://www.alt-r.com/)にて連載中。
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