うわっ!! 出たよ!! パソコン史上初の64ビットプロセッサ搭載マシン!! というのが一発目。何コレすげー綺麗だよ美しいよ!! てのが二発目。三発目はその内部構造であり、四発目は予想外の価格であり、五発目は多機種と比較してのベンチマーク結果であり、六発目は具体的なスペックであり……こう何発も何発も喰らっては、もうタマランのだ。 え? ナンだその“何発”というのはってか!? いやアレですよ衝撃。 ここ数年でパソコンユーザーが急増加して、つまりパソコン市場が一気に拡大した=パソコンっつーモンがフツー的存在になったわけだが、それと同時に、かつてほど新型パソコンから受ける衝撃というのが大きくなくなった気がする。
てなわけで、なりふり構わずとにかくPower Mac G5を試してみた。モノとして、最新のPower Macとして、そして最強のパソコンとして、存分にいじくりまわした結果を、ここにレポートしたい。 まず、何はさておきどーしても見入っちゃうのがそのシャーシ。アルミのケースである。これが実に美しく、よくできている。 その外観は、言わずもがな、美しいデザインだ。非常にシンプルで、余計な虚飾は一切ナシ。アルミ素材ならではの泥臭くない見栄え。プロダクトデザインの外観的要素だけ捉えれば、PowerBook G4を即座に連想させる=洗練されたイメージだ。 このアルミ製ケースは4つのパーツからなる───上下取っ手を含むボディ側面、メンテナンス用のカバー部、前面パネルおよび背面パネルだ。前面と背面はパンチングメタルとなる。と書くと、わりとフツーっぽいアルミケースだが、そんじょそこらのアルミケースとはずいぶん違う。驚くほど頑丈なのである。 アルミケースと言うと、外観の良さや放熱性の高さばかりが話題になるが、実際は多くのアルミケースに難点がある───剛性がいまひとつ足りないのだ。わりと一般的なアルミケースは、スチールケースと比べて軟弱で、グラついたりしがち。けっこーヤワだ。 だがG5のケースには非常に肉厚のアルミが使われており、これがヤケに強靱なんですわ!! メーカーは推奨しないと思うが、座ってもヘーキそうな強さ。G5のケースの上部には、マシンをドッコイショと移動するための取っ手がついている(もちろんソコもアルミだ)が、肉厚アルミによる剛性感は取っ手を使ってのマシン運搬に不安を感じさせない。見てくれだけのアルミケースじゃないってわけだ。
というのはですね、このケース、オッソロシイほど使い勝手が良い。例えばケースを開ける場合、本体背面のノブを起こして側面のパネルをパカッと開くだけ。すると空流効率化のための透明ポリカーボネイトカバーの向こうに、G5の内臓が全て見える。ケース側面やポリカのカバーを開く際、フチがどこかに引っ掛かるとか、多少の力が要るとか、そーゆー細かい抵抗感も一切ないのだ。至って簡単に、至ってスムーズに、ケースが開くのである。
そのスムーズさと、ケース内部の構造は、メンテナンス性をチョー高めている。例えばメモリを増設するなら、前述のポリカのカバーをスッと外し、次いでファンをスコッと外せば、メモリスロットにアクセスできる。HDDを増設する際も同様。また、メモリはもちろん、HDD等ドライブ類の交換にはネジもドライバーも不要。素手で交換作業・メンテ作業を行えるのだ。 さらに、ケース内部=G5の臓物を覗いた時の様子が、なんつーか、ちょいと信じがたい。展示用モデル? モックアップ? 撮影専用マシン? などと疑ってしまうほどキレイでスッキリ。フツーのパソコンには必ずと言っていいほど見られるフラットケーブル、電源ケーブル、その他各種ケーブル、そしてそれらケーブルがグニョグニョと絡まっている状態が、G5内部には全くちっともナイ!! のである。正直言って、ここまで内部がエレガントなパソコンを見たのは初めて。 外見だけでなく、中身までゾッとするほど美しいPower Mac G5なのであった。んーむ、やっぱりアップルはケース産業で大儲けできると思う(以下略)。
ケースの話ばっかりですみませんけど、G5の外面的・内部的な美しさは、結果として生みだされた美だと言えよう。てのは、単にキレイってだけではなく、それら個々のキレイさにはそれぞれ理由があるのだ。そしてその多くは、G5を“囁くように静かな動作”をするMacに仕上げるという目的から生まれたものだ。 例えば、ケースがアルミであることは、もちろん放熱性を高めるため。また本体前面・背面のパンチングメタルは、スムーズな風流を確保するためだという。前述の“内部のエレガントさ=グニョグニョケーブルが全然ナイ”という点も空流を妨げないためだ。 しかし、それだけでは終わりにしないのがコダワリ職人的なアップル。よりアグレッシブに静穏化に取り組んでいるのだ。 具体的には、G5内部にある各ファンの回転数を、OSによって逐一制御し、ファンの回転数を最低限のレベルに抑えている。例えばPower Mac G5のデュアル2GHzモデルには合計9つのファンが搭載されているが、結論から言えば「ホントに9つもファンがあるのぉ〜?」と疑いたくなるほど静かに動作する。俺のマシンなんてファン4つしかないのにビミョーな騒音パソコンだっつーのに、なんでこんなに静かなのかーッ!? と若干妬んでしまうほど静穏性に優れたマシンに仕上がっている。 一体どーやってこんなに静かに動かしてんのか!? と思ったら、なんとまあヒジョーに凝ったことを。前述、G5内部の各ファンをOSにより制御していると書いたが、実は単に回転数を上げ下げしている程度のギミックではなかった。具体的には、G5内部は4つの部屋に別れていて、部屋毎のファン回転数を個別に制御しているそうだ。部屋としてはそれぞれ、光学ドライブとHDD、PCIバス(ビデオカード等)やチップセット、メモリやMPU、電源、というふうに別れており、各部屋の温度状況はOSが常時監視する。そして温度が高くなった部屋のファンのみ、一時的に回転数を上げているのだ。
なるほど、そういう理由でケース内を区切ったことで、G5の内部って必然的に非常にシンプル&エレガントな見栄えになったってわけですな。外見のデザインも良くしたから中のデザインにもこだわったのかな〜とか思っていた拙者だが、これは大いなる見当違い。最高の効率を求めていった結果生まれたカタチなのであり、そのカタチをブラッシュアップすべくデザインを煮詰めたということで、インダストリアルデザインの王道を行くハードウェアなのであった。 Power Mac G5には、パソコン用としては世界初の64ビットプロセッサが搭載されている。 このプロセッサを、現在フツーに普及中のパソコンのCPU、32ビットプロセッサと比べると、演算処理性能や一度に扱えるデータの量が飛躍的に伸びたと言える。が、その一方で、64ビットプロセッサに最適化されたソフトウェアを使わないと、プロセッサの最大能力を引き出せないとも言える。 結局、64ビットプロセッサ搭載のG5って速いの? そんなに速くないの? これが多くの人が知りたい点だと言えよう。 で、いきなり結論から言えば、速いっス。超っ速。まず俺が各種ソフトウェアをいじくり倒した結果「はぇぇ〜ッ!!」と感じ、Power Mac G4ユーザーのカメラマン氏がG5上でPhotoshopを使ってドデカい画像をレタッチした結果、仕事を忘れてG5およびシネマディスプレイを購入するといくらになるか計算を始め、編集者がG5でネット使ったり実務系ソフト使った結果「あーこれならいわゆる“Switch”ってのをしたくなりますねえ」と言ったほど、誰もがその速さを認めた。 ってまあ、G5のパフォーマンスに関しては、アップルのウェブサイト上にあるベンチマーク結果等々、各種資料が実証してるところなんですけどネ。体感的にはどーかと。で、試してみたらマジ速かったゼ、と。 さておき、まずホントに本格的に速かったのは、64ビットプロセッサに最適化されたソフトウェア───例えばPhotoshopのPower Mac G5用プラグインだ。例えば大きな画像に対して重いフィルタ(ガウスぼかし等々)をかけると、プロセッサのパフォーマンスがよくわかる。従来、32ビットCPUではかな〜り待たされた処理が、ズギャギャギャッと軽快に進む。その速さを体感しちゃうと、G5の64ビットプロセッサに最適化されるであろー次期Mac OSや各種定番アプリケーションを切望しまくりつつG5を大人買いしたくなる気持ちに。 しかし、64ビットプロセッサに最適化されていないソフトウェア、つまり現在ある32ビットプロセッサ用のソフトウェアを使っても、ん〜むG5っつーコンピュータは超ッ速やのぉ〜と満足できたりして。 G5に搭載された64ビットプロセッサは、32ビットプロセッサ向けのアプリケーションもちゃ〜んと動く。この時点でナイスと言えるが、さらにその32ビットアプリケーションを“より速く動かせる”のもジョリーグッド。これはプロセッサのクロックがより高いってこともあるのだが、むしろプロセッサ周辺のアーキテクチャがもたらすメリットでありパフォーマンスだと言えよう。 というのは、G5の64ビットプロセッサは、そのプロセッサ自体も高速であるが、これに加えてFSB(プロセッサをメモリやPCIスロットと接続するためのデータ伝送路)の速度、PCIバス自体の動作速度、それからHDDの読み書き速度など“プロセッサ周辺も十分に速い”からだ。具体的には、FSB動作周波数が1GHz(プロセッサ毎)、PCIバスにはPCI-Xプロトコルを採用しておりスループットが最大2GB、メモリには400MHz/128ビットDDR SDRAM、HDDにはシリアルATA接続のものが使われている。プロセッサを取り巻く主要パーツは、全て最先端的なスピードパフォーマンスを持ってるわけですな。 要するに、プロセッサだけではなく、ソレとデータをやりとりしまくりの周辺パーツおよび伝送路が全て速い。ので、ぶっちゃけた話、アプリの起動、デカいデータの読み出しや表示や書き込み、その他たいてーの処理が従来よりもずっと快適に感じられるってわけだ。 ……いや、けっこーあるんですよ、プロセッサ(CPU)以外の部分がボトルネックになって、超ッ速プロセッサのハズなのになーんか遅いかも〜ボクのパソコンって〜みたいなコト。エンジンだけ良くて足回りが悪いクルマみたいな。流しそうめんにおいて麺が多量にあるのに、そうめんを流す竹(なんて言う名前なんでしょーねアレ)が超細くて一番下流の人ハラペコみたいな。マッチョ大勢のバケツリレーの途中に幼稚園児がひとりいる、みたいな。って例えを挙げるほどに説明失敗率が高まる俺だが、ボトルネックってのはプロセッサの性能を台無しにしてしまうもの。 Power Mac G5の場合、始めっからそういったボトルネックを極力回避できるシステムアーキテクチャになっている。ので、64ビットプロセッサ向けに最適化されていないアプリケーションを使ってもより高速に動かせるし、これまで遅いと感じていた処理や操作の多くがクイック&スムーズになったと実感できるというわけだ。 ちなみに、これまで最速だったPower Mac G4デュアルと比較した場合、あー、えーと体感的になんですけど、Power Mac G5の1.6GHzモデルと同等な感じの処理性能と言えよう。てことは……G5の1.8GHzとか2GHzデュアルとかは……もちろん!! Mac野郎もWindows野郎もトロケちゃうほど速いのである。 うへ〜G5カッコイイ!! 使いやすい!! 速ッ!! シネマディスプレイとPower Mac G5を組み合わせて使っていると、色々な点で刺激的。俺というユーザーの活性がどんどん高まっていく。 例えばアドビ系のソフトは、んーむ、結局やっぱりMacで使うと違和感ナシですな。シネマディスプレイ上でPhotoshop使って、しかもG5に最適化されたプラグインとか使っちゃった日にゃぁ、俺のWindowsなシステムが霞むぜコンチクショー!! ビデオ編集ソフトなんかも気持ちヨシ!! ボトルネックの少ないG5でDV動画をサクサクッと編集!! Final Cut Pro 4なんか使った日にゃぁレンダリングはバックグラウンドでいつの間にか終わってるゼ!! ハッキリ言ってこちら系のソフトウェアはもともとMac OSの土壌で発祥しただけあって、使い勝手はワンランク上なのかも〜、と。 動画系、静止画系、さらには3D系のソフトウェアなんかも、ストレスなしに楽しみながら扱っていけるあたり、さすがクリエイティブ系な業界で鍛えられた環境だと言えよう。またこういった方面のソフトウェアをG5とゆー強まったマシンで使えるのも至福。 さておき、他にもなんかMacらしいソフトなり周辺機器なりないんスか〜!? ……お!! あったコレだよコレがよさそう。つまりすなわち、iSightである。
てなわけで早速試してみたら、コレが凄い!! いっきなりハイクオリティ!! しかもすげぇ楽勝!! 結論から言っちゃうと、これほど簡単に、ここまで実用的&高品位なビデオチャットができるってのは、なんか未来の人になったフィーリング!! くわッ!! コレかも!! そうだコレだ!! これで未来の人をずっとやっていく!! そのためにiSightとPowerBookをセットで衝動買いしていきたいかも!! くわわわッ!! などと一瞬熱暴走しちまった拙者なんですけど、気を取り直してiSightによるビデオチャットについて。 まず何に驚いたかと言えば、その画質および音質。iSightは、VGA(640×480ドット)の解像度・毎秒30フレーム・24ビットフルカラーの動画をMacに取り込むのだが、この動画がそのままビデオチャット用に使われる。つまり精細であり滑らかであり色もビシッと再現される。当然、ビデオチャット相手がどんな表情をしているのかがバシッとわかり、さらには微妙な色彩も───文字通り相手の顔色までしっかりわかってしまう。そのへんのウェブカメラとは比べものにならない画質がキッモチいい!! そういう画質でのビデオチャットを、実に簡単に行いまくれちゃうってのもイイ!! iSightの使い方はすんげぇ簡単で、前述のとおりMacにFireWire接続するだけ。ACアダプタなんか必要ナシ。で、接続すると、(Macにインストールされた)iChat AVが自動起動し、ビデオチャットの準備完了。なおビデオチャットを行うためには、アカウントとして例えばAIM(AOL Instant Messenger)のアカウントが必要になる。あ、もちろんお相手も必要ですな。 さておき、チャット準備ができたら実際にiChat AVソフトウェアを操作してチャット(ビデオチャットのほかテキストでのチャットもOK;テキストチャットはAIM互換)を始めるわけだが、iChat AVソフトウェアの使い勝手が非常に良い。基本的には自分のステータス(チャット可能か不可能かなど)を設定した後、クリック操作で相手に呼びかけたり、相手から呼びかけられるのを待てば良い。後は相手が揃った時点で、カメラに向かって話しかけるだけだ。 え? カメラのピントや映像の明るさの調整? そーゆーのは全部iSightがやっちまってくれちまうんですよダンナ!! 50mm〜無限遠までフルオートフォーカス!! オートホワイトバランス!! オートエクスポージュア!! ていうかユーザーはカメラいじくんなくてOKっス。 実際にビデオチャットを行ったときの印象としては、まず前述のとおり画質が非常に良いこと。高画質で高精細で色も十分に良く出ている。また、十分に帯域のあるブロードバンド回線(1Mbps程度あればiSightの画質的品位を十分に楽しめるだろう)なら、ほぼリアルタイムで相手の動きがわかり、会話も滞りなく行える。ちなみに、回線帯域が狭い場合でも、iSightが自動的に回線帯域に最も適した品位へと画質調整を行うので、ユーザーは基本的に回線帯域とか画質調整などの細かいことは考えなくて良い。 ところで、実はiSightおよびiChat AVソフトウェアを使い、拙宅・編集部間で撮影の打ち合わせと実際の撮影を行ったが、ビデオチャットにより編集者やカメラマンと問題なくやり取りできた。このくらい画質と即時性があればマジで仕事に使えちゃうじゃん!! とか思って本気で「iSightとPowerBookをセットで衝動買い」とか思っちゃった拙者でした。 またこのカメラ、iSight、ハードウェアとしてかな〜りカッチョイイ!! し、持っていて悦に浸れる質感があったりもする。 話が前後するが、前述のPower Mac G5は、ハッキリ言ってウェブサイトや雑誌の写真だけ見てちゃぁいけないマシンだと思う。実物に触れ、できればカバーを開けて、さらには実際にアプリを使って、初めてそのインパクトを受けられるマシンだ、と。いや、インパクト受けやがれ!! ってコトではなく、比較的に類い希なるプロダクトなので、実物見ないのはモッタイナイと思うのだ。
やや残念なことに、コンピュータは誰もが使う道具になっている現在。いや、道具に成り下がってしまいつつある現在、と言うのが正しいのかもしれない。まあ時代が時代だけにしょーがないのかも!? でも、そんな刹那的な時代の流れをツマンネーナーと思うなら、Power Mac G5やiSightに触れてみるといいだろう。そこには何かしらのトキメキがあるはずだ。ホントはWindows派なのに、あぁ〜ナゼかMac OSで動くコンピュータやMac用ビデオカメラにゾクゾクッとしちゃった〜、てなことになってしまう人も少なくないだろう。
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