もうひとつ、よかったのがリスニングポイントが広いということ。バーチャルであれ、リアルであれサラウンドスピーカーは部屋の空間を広く使うわりに、リスニングポイントが狭いということ。ちょっとズレると音のバランスが崩れてサラウンド感を失ってしまうが、YSP-800はそのリスニングポイントがかなり広い。もちろん、部屋の端まで行ってはダメだが、中央部にいると、多少歩き回ってもサラウンド感が保てるのだ。
またちょっと面白いのがYSP-800で新搭載されたターゲットモード。これはあえてリスニングポイントでないと音が聞こえないようにビームを絞り込んだモード。サラウンド感もステレオ感もあまりないのだが、夜間でのリスニングなど、他に音が漏れないように音の方向を絞り込むことができるのだ。実際、このモードで、中央からはずれた部分へ行ってみると、音は一気に小さくなる。もちろん、聞こえないということはないのだが、明らかに音圧が低いのが実感できる。
ほかにもビームモードを変更することにより、よりリスニングポイントを広げることができる3ビームモード、テレビのステレオ番組再生用のステレオモード、ライブDVDなどで使えるステレオ+3ビームモードなどがある。
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オプションのサブウーファーはスリムで設置しやすい |
試しに普通の音楽CDを再生してみたところ、かなり聞きやすいサウンドだった。まあ、いわゆるハイファイサウンドではないが、サラウンドスピーカーにありがちなドンシャリ音ではない。中域もしっかり出ていて、落ち着いた疲れのこない音なのだ。
なお低音が弱いと感じた場合に利用可能なSRSのTruBassという機能がある。これをオンにすると、低域が強調され、かなり迫力があるサウンドとなる。もちろん、10cmコーンのウーファーから出している音なので、それなりの限界はあるが、だいぶ違った雰囲気になる。もっともTureBassをオンにすると中域の音色が多少変わってしまうので、好き嫌いは分かれるところではあるが……。もちろん、より迫力を味わいたいのであれば、別途サブウーファーをつけたほうがいい。オプション扱いではあるが、YST-FSW100というものを利用すれば色、デザイン的にもマッチする。これによって、かなり安定したサウンドを楽しめる。
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