W41SH by SHARP

ついに登場! au参入第一弾端末!  SHシリーズのDNAを受け継いだ  新時代のスタンダードモデル「W41SH」  By 法林岳之
国内のケータイ市場において、先進的な製品をいち早く投入し、ユーザーの高い支持を受け続けているシャープのSHシリーズ。これまで、国内の2つの携帯電話事業者向けに端末が供給されてきたが、いよいよ最激戦区と言われるau向けにも参入することになり、その第一弾端末となる「W41SH」が発売された。これまでのSHシリーズで培われたノウハウを注ぎ込んで開発されたスタンダードモデル「W41SH」の実力をチェックしてみよう。

auユーザーのためのSHシリーズ



シャープ、au初参入となる機種「W41SH」。ルミナスピンク、プレシャスホワイト、ノーブルブラック、ブリリアントレッドの4色をラインアップ

 ここ数年、国内のケータイ市場で着実にシェアを拡大し、ブランド力を付けてきたメーカーと言えば、やはり、シャープだろう。カメラや液晶ディスプレイなどのデバイスに加え、操作性やデザイン、使いやすさなど、ケータイを構成するさまざな要素において、他社をリードしながら、ユーザーの支持を着実に集めてきた。ただ、これまでのSHシリーズは国内の2つの携帯電話事業者向けに端末が供給されているのみで、auユーザーから見れば、欲しくても手に入らない、あるいは今ひとつ実感の持てないラインアップでしかなかった。

 そして、2006年10月。いよいよauユーザーの手に向けて、SHシリーズのDNAを受け継いだシャープ製端末「W41SH」が発売されることになった。昨年末、KDDIからシャープ製端末の採用が明らかにされていたが、10月24日のMNP開始を控え、満を持しての登場ということになる。ちなみに、シャープはW41SHの発売により、国内の携帯電話事業者3社に端末を供給するメーカーということになる。

 他事業者向けに数々の優れた端末をリリースしてきたSHシリーズだが、どちらかと言えば、ハイスペック&高機能のハイエンドモデルを供給してきたブランドというイメージが強い。そのイメージから考えると、今回、発表されたW41SHは、少し大人しいのではないかという声も聞かれる。

 しかし、シャープとしては、まず、SHシリーズのDNAをしっかりと盛り込み、auの幅広いユーザー層に受け入れられるスタンダードな端末を作ることを考えたそうだ。他事業者向けに供給してきたSHシリーズをそのまま持ち込むのではなく、今までに培ってきたノウハウを活かしつつ、EZナビウォークやLISMOといったauのエンターテインメント性の高いサービスを活かせるように、生活シーンに密着した端末を追求したという。

ファブリックな質感のボディデザイン



微細なエッチング加工で上質な質感を演出するボディ

 W41SHを手に取り、まず、最初に驚かされるのはボディの質感だろう。ボディの外装を繊細なテクスチャー感を再現したファブリックな質感の材質で包み込んでいる。これは微細なエッチング加工を金型に活かすことによって実現された合成樹脂で、指紋などの跡が付きにくく、汚れやキズも目立たないように作られているのが特徴だ。常に持ち歩くケータイだからこそ、愛着を持って使い続けられる質感を考えたわけだ。

 ボディサイズは幅48mmという女性の手にもジャストフィットするサイズにまとめられ、デザインも他のau端末には少なかった落ち着きのある仕上りとなっている。ボディカラーによって、エレガントな女性向け、落ち着いた男性向け、シックな大人向けなど、幅広いユーザーに受け入れられることが意識されているようだ。

au初のベールビュー液晶搭載

 W41SHにはau初となる技術や機能がいくつも搭載されている。なかでもSHシリーズのDNAとも言える液晶ディスプレイは、メイン側が2.6インチのワイドQVGA表示が可能なモバイルASV液晶、サブ側が128×160ドット表示が可能な1.2インチのモバイルASV液晶を搭載する。モバイルASV液晶はシャープの液晶テレビ「AQUOS」の技術を応用したもので、上下左右160度の広視野角、300:1のハイコントラストを実現することにより、屋内外でもクッキリときれいな視認性を確保している。

 メイン側の液晶ディスプレイは、視野をワンタッチで切り替えられる「ベールビュー液晶」を採用する。テンキー下に装備されている[Task]キーを長押しすることで、視野を切り替えられるため、メールやコンテンツ閲覧時など、周りの人に表示内容を見られないようにできる。視野切り替え画面のパターンは静止画が3種類、連続パターン切り替えによる動画が1種類の合計4種類から選ぶことができ、マナーモードに連動させて、視野切り替えをONにすることも可能だ。メールの利用頻度が高いユーザーには、うれしい機能だろう。

 サブ側にモバイルASV液晶が採用されたのもau初だが、サイズが1.2インチと大きいため、時刻や電波状態、着信時の名前表示だけでなく、端末を閉じた状態でのカメラのファインダー、LISMOでの音楽再生時に曲名とジャケット表示などができる。サイドキーを利用すれば、端末を閉じたままの状態で、メールを確認できるほか、着信したメールに対して、「後で連絡します」のように簡単な内容の返信ができる「クイック返信」を利用することも可能だ。



液晶ディスプレイは、AQUOSの液晶技術を応用したモバイルASV液晶。2.6インチのワイドQVGA表示が可能



au初の「ペールビュー液晶」。左右への光をカットしてのぞき込みを防止できる



サブ液晶にもモバイルASV液晶が採用。1.2インチ・128×160ドットの大きさを確保

au初のタスク切り替え機能



au初のタスク切り替え機能「Task bar」。メニューに戻らなくても、他の機能を呼び出せる



テンキーの下にある〔Task〕キーを押すと、画面下にメニュー一覧が表示される

 シャープは液晶ディスプレイやカメラといったデバイスで他社をリードしてきた感があるが、実は使い勝手の良さでも着実に評価を積み重ねてきたことでも知られている。au向け第一弾となるW41SHにも使い勝手の良さが受け継がれ、今までのau端末にはない機能が実現されている。

 たとえば、タスクのスムーズな切り替え操作を実現した「Task bar」がそのひとつだ。ケータイを使っていると、返信メールの作成中にスケジュールを確認したくなったり、サイトの閲覧中にデータフォルダを確認したりと、複数の機能を切り替えながら、利用したいシチュエーションが出てくる。W41SHに搭載されているTask barはこうしたニーズに応えるための機能だ。

 たとえば、メールの作成中にスケジュールの確認をしたいときは、テンキーの下にある〔Task〕キーを押し、Task barを起動する。画面下に表示された一覧からカレンダーを選んで、[決定]ボタンを押せば、カレンダーを起動できる。スケジュールを確認したり、入力が終わったら、〔Task〕キーを押すと、再びメール作成の画面に戻ることができる。

 Task barにはあらかじめ16の機能が設定されているが、ユーザーが自分で使いたい機能を登録したり、並べ替えることも可能だ。機能の組み合わせは一部に制限があるものの、メールやコンテンツ閲覧、アドレス帳、カレンダーだけでなく、PCサイトビューアーやEZアプリ実行中、通話中などにも利用できるため、かなり実用性は高い。W41SHの使いこなしのコツは、Task barの使いこなしにあると言えそうだ。

 au初のEZケータイアレンジ

 ケータイは常に使うものだけに、待受画面やメニュー画面などの設定をときどき変更し、気分を換えたくなるものだ。W41SHはauがこの秋冬から新たに提供を開始する新サービス「EZケータイアレンジ」に対応し、端末をカスタマイズできるようにしている。EZケータイアレンジへの対応もau初ということになる。シャープとしては他事業者向けで一括カスタマイズサービスを提供してきたが、そのノウハウもここに活かされるという。

 EZケータイアレンジはデータフォルダ内にある[ケータイアレンジ]フォルダに保存されたデータを選んで、一括変更する。出荷時にはボディカラーに合わせた3種類のケータイアレンジのテーマがプリインストールされているが、各コンテンツプロバイダからもEZケータイアレンジ用コンテンツが配信されるうえ、シャープのメーカー公式サイト「SH@ez」でも無料コンテンツが提供される。

 EZケータイアレンジでカスタマイズされる内容は、【ピクト関連】電池、電波【画像関連】待受、メインメニュー、EZメニュー、音声着信、アラーム鳴動、Eメール送受信、Cメール受信、パワーオン、パワーオフ、ソフトキー背景、ダイアログアニメ(エラー、注意喚起、電池切れ、実行中、お知らせ/完了、質問)【音声】音声着信、Eメール受信、Cメール受信、アラーム鳴動、パワーオン、パワーオフと、非常に範囲が広い。これらを一括変更することもできるし、ベースとなるEZケータイアレンジのデータの設定によっては、待受画面だけ自分が作ったオリジナルのものを使うといったカスタマイズも可能だ。ユーザーの利用を考えた自由度の高いカスタマイズ機能と言えるだろう。

 EZケータイアレンジ以外のカスタマイズでは、メニュー画面のカスタマイズが注目される。メニュー画面は12分割のアイコン形式を採用しているが、これらのアイコンは自由に位置を並べ替えることができる。たとえば、中央の決定ボタンを押したとき、通常は「データフォルダ」にフォーカスが当てられているが、ここをカメラにしたり、カレンダーにするといった設定ができる。自分の利用頻度に合わせて設定するのがおすすめだ。







メニューやアイコンなどの画面デザインを簡単に変換できるEZケータイアレンジ。一括で変更したり個別に変更することも可能

使いやすさを考えたユーザーインターフェイス



様々なクイックメニューが用意されたW41SH。キーボードの下部にはTask barボタンが配置される




文字変換にはSHシリーズおなじみの「ケータイShoin4」を採用。各行頭文字(あ・か・さ・た・な……)だけを入力して、カンタンに変換できる「ワンタッチ変換」にも対応

 W41SHには、クイックメニューやショートカットメニューをはじめ、使いやすさを考えたユーザーインターフェイスが搭載されている。

 クイックメニューは待受画面でダイヤルボタンを押し、電卓やお小遣い帳、タイマー設定、アラーム設定、カレンダー、スケジュール登録などができるというものだ。たとえば、ダイヤルボタンで[1][0][2][0]と押し、中央の決定ボタンを押すと、クイックメニューが表示される。電卓を選べば、1020という値が代入された状態で電卓が起動し、アラーム設定を選べば、10時20分にアラームが設定され、スケジュール登録を選べば、10月20日のスケジュールの登録画面が表示されるといった具合いだ。つまり、機能を呼び出してから情報を入力するのではなく、カギとなる数値を入れて、それに呼応する機能を呼び出すという使い方ができるわけだ。慣れも必要だが、電卓などは覚えておくと、非常にカンタンに使うことができる。

 ショートカットメニューは方向キーの下を押すと表示され、10項目までの機能を登録しておくことができる。ショートカットメニューに登録した機能はメニュー内から起動できるだけでなく、待受画面で対応する[1]〜[0]までのダイヤルボタンを長押ししたときも同じように機能を起動できる。たとえば、出荷時設定では[2]に「スケジュール新規作成」が割り当てられているが、待受画面でダイヤルボタンの[2]を長押しすれば、現在の時刻を基準にスケジュールの入力画面が表示される。クイックメニューとショートカットメニューはどちらもW41SHを使いこなしていくうえで、ぜひ覚えておきたい機能だ。

 日本語入力はSHシリーズで育てられてきた「ケータイShoin4」を搭載する。連携予測変換や近似予測変換、英数カナ変換、絵文字変換、顔文字変換などに加え、入力したい単語の各行頭文字(あ・か・さ・た・な……)だけを入力して、カンタンに変換できる「ワンタッチ変換」にも対応する。たとえば、「美しい」と入力するとき、[1(あ)][4(た)][2(か)][3(さ)][1(あ)]の順に押し、方向キーの上を押すと、「美しい」という候補が漢字に変換された状態で表示される。この他にもダウンロード辞書対応、絵文字/記号学習、UNDO機能などが搭載されており、賢さと使いやすさを考えた日本語入力環境が整えられている。

2メガピクセルカメラ&わかりやすい画像編集



カメラは最大1600×1200ドットの画像撮影も可能な約200万画素のCMOSカメラを搭載



編集前と編集後の2画面を見比べながら編集できる「フォトイメージ編集」

 液晶と並んで、SHシリーズの十八番(おはこ)であるカメラについては、W41SHがスタンダードモデルを狙ったということもあり、標準的な約200万画素のCMOSカメラをボタン部背面側に搭載する。撮影サイズは静止画が最大1600×1200ドット、動画は240×320ドットのQVGAムービーに対応する。端末を開いた通常スタイルでの撮影も可能だが、サブディスプレイが1.2インチと大きいため、端末を閉じた状態でもサブディスプレイをファインダーとして撮影できる。

 撮影時の機能としては、夜景やスポーツなどの設定が選べる「シーンセレクト」、設定を変えながら連続で撮影できる「ブラケット連写」などが搭載されている。もちろん、画質設定やホワイトバランス、日付スタンプなどの標準的な機能もサポートされる。こうした撮影時の機能は設定に手間が掛かる印象があるが、W41SHではいろいろな機能を一覧表示でわかりやすく設定できる「カンタン設定」が用意されている。これなら、各項目の設定状態も一目でわかり、設定忘れを減らすことができる。このカンタン設定はカメラを起動した状態で、[メール]ボタンを押すと表示される。

 また、「お好み設定」を利用すれば、こうした設定をあらかじめ登録しておき、すぐに呼び出すことが可能だ。お好み設定は最大5種類まで登録できるので、室内用、屋外用、風景用、ポートレート用といった具合いに、好みの設定を登録しておき、使い分けると便利だ。お好み設定はカメラを起動した状態で、[EZ]ボタンを押すと表示される。同様に、カメラを起動した状態で、ダイヤルボタンの[0]を押せば、操作ガイドが表示される。カメラ付きケータイを生み出したシャープ製端末らしく、このあたりの使い勝手もよく考えられている。

 撮影した画像は48MBの本体メモリ、もしくはminiSDメモリカードに保存でき、自由に編集することができる。この画像編集もSHシリーズならではの特徴だが、ワイドQVGAの画面を左右に分割し、加工前と加工後を見比べながら編集できる「フォトイメージ編集」が搭載される。編集機能としては画像切り出しやサイズ変更、回転といった標準的なものに加え、画像エフェクト、フェイススタンプ、プチエステなど、お楽しみ系の編集機能も充実している。

豊富な対応サービス


©KDDI
auの統合音楽サービス「LISMO(au LISTEN MOBILE SERVICE)」にももちろん対応

 au向け第一弾端末として登場したW41SHだが、auが提供する数々の人気サービスにも対応する。

 まず、統合音楽サービス「LISMO(au LISTEN MOBILE SERVICE)」に対応し、ダウンロードした着うたフル及び着うた、パソコンで音楽CDから取り込んだ音楽データの再生などができる。音楽データを保存するminiSDメモリカードも最大2GBまで対応しているため、たっぷりと音楽を保存することが可能だ。

 auの人気サービスのひとつ「EZナビウォーク」は、音声入力で目的地が検索できる「声de入力」にも対応する。2.6インチの大きく視野角の広いディスプレイで地図情報やルート情報を閲覧することが可能だ。同じGPSを利用したサービスとして、子どもを持つファミリー層に注目される「安心ナビ」にも対応する。

 大画面の液晶ディスプレイを活かすことができるサービスとしては、ケータイ電子書籍サービス「EZブック」にも対応する。シャープ自身が電子書籍を積極的に展開してきたこともあり、W41SHには5冊の書籍コンテンツ(お試し版)がプリセットされている。

 この他にも「PCサイトビューアー」や「EZ・FM」、「Hello Messenger」などの機能も搭載されており、auのスタンダード端末らしく、まとめられている。



「EZナビウォーク」は、音声入力で目的地が検索できる「声de入力」にも対応



チャット感覚で文字や写真、声であそべる「Hello Messenger」



2.6インチの大画面でPCサイトを閲覧できる「PCサイトビューアー」機能も搭載

SHシリーズのDNAを受け継いだスタンダードモデル

 国内のケータイ市場において、カラー液晶やカメラ付きケータイ、音楽ケータイなど、常に新しい機能やサービス、トレンドを生み出してきたSHシリーズ。そのシャープがauに参入する第一弾端末として登場した「W41SH」は、これまでのSHシリーズで培われてきたDNAをしっかりと受け継ぎ、液晶ディスプレイやカメラなどのデバイスを充実させながら、SHシリーズならではの操作性や使いやすさ、デザインもしっかりと体現したモデルだ。auユーザーへ向けた新時代のSHシリーズを手に取り、その美しさや質感、使いやすさをぜひ体験してみて欲しい。

■関連情報
・W41SH 製品サイト(au)
http://www.au.kddi.com/seihin/kinobetsu/seihin/w41sh/index.html

・W41SH 製品サイト(SHARP)
http://www.sharp.co.jp/products/w41sh/index.html

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・シャープ初のau端末「W41SH」
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/30731.html