ボーダフォンで仕事がはかどる!第3回
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[05.09.20 掲載予定]

 ボーダフォンが送り出す、法人向け定額通話サービス「ボーダフォン・モバイル・オフィス(VMO)」。連載第1回では、VMOの主な特徴について概要を説明したが、今回はコスト面、スケーラビリティなど導入する際に気になるポイントに絞って、事例を交えながらより深い解説を付け加えたい。

 東京、大阪の2カ所に営業拠点を持つ小規模の商社A(仮名)の導入例を元に話を進めていきたい。A社のコアビジネスは大手量販店などに中国からの輸入商品を卸すこと。東京・大阪に30名ずつ配置された営業マンと、各事業所に常駐する10名のスタッフが主な人員だ。

 まず、導入にあたってもっとも大きなインパクトとなるコスト面について、導入以前、導入以降で分析してみよう。

コスト削減 Before
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 A社の東京、大阪各事業所に所属する営業マンは、各自携帯電話を持っていたが、それらは業務利用、私的利用を問わず各個人持ちとなっていた。しかし、会社自体が携帯料金の個人負担によって潤っていたかといえば、そうではない。なぜなら、常駐スタッフが会社の固定電話から外回りに出た社員の携帯電話にかけた場合の通話料がバカにならないからだ。固定発携帯着が1分あたり50円前後、という現在の相場は、固定同士の通話が3分8円台にまで値下がりした今、暴力的なまでに高いといわざるを得ない。それでは、会社の事業所に外回りの社員にかけるためだけに、携帯電話を用意すればいいのか? 確かにそれもひとつの方法ではあるが、本末転倒な話だ。会社もまた、多くの負担を強いられていたのだ。

 一方、東京、大阪合計60人の営業マンもまた、平均月額1万5,000円近い負担を強いられていた。取引先や会社とマメに連絡を取り、営業成績がトップクラスの営業マンいわく、「3万円以上も負担したこともあった」という。しかし、前述のとおり、会社から一切補助は出ないので、すべての料金は自腹。中には金券ショップでテレホンカードをまとめ買いして、公衆電話から取引先や会社に電話していた人もいたという。通信コストの問題は会社全体にとっても、営業マン個人にとっても重大な問題となっていた。

コスト削減 After
 A社は営業マン60人、スタッフ部門20人、合計80台規模でVMOを導入した。導入後、もっとも顕著にコスト削減の効果が現れたのは、これまで1分約50円かかっていた固定発携帯着の通話料だ。これをまるまる削減することに成功した。

 このA社のケースを詳しく試算してみよう。まず、はじめに伝えておきたいことは、VMOにも年間割引と法人複数回線割引が適用可能で、しかもこの二つを併用できることだ。その割引率は、契約年数、回線数によって最大48%にまで達する。A社の試算に戻ろう。80回線契約、さらに年間割引を利用した場合、契約1年目の割引率は26%、つまり1回線あたり月額5,200円(税込5,460円)が3,848円(税込4,040円)と、税抜きベースなら4,000円を割り込む価格にまで値引きされる。80回線の月額基本コストは323,232円(税込)。VMO導入以前は、スタッフ部門から営業マンに対して、1日約10分の通話をしていた。ここの通話料コストは1分約50円だから、営業マン一人あたり、50円×10分で一日に約500円。会社全体だと500円×60人=3万円となる。月単位のコストに直すと、営業日が20日で計算すると、月約60万円になる。

 ちなみにVMOを契約し、内線電話として使うグループのことを「オンネットグループ」という。このグループに登録された携帯電話間の通話料はすべて無料だ。このオンネットグループには、携帯電話契約回線数の10%を上限とし、固定電話も登録することが可能。オンネットグループ内の固定電話から携帯電話へは通常料金がかかってしまうが、携帯電話から固定電話の通話料は安価で設定されている。

 このケースでは、会社に常駐するスタッフもVMOを契約した携帯電話を利用している。つまり、営業マンへの通話料負担はゼロ。これまで会社の固定電話から営業マンの携帯電話にかけていた電話代が約60万円でさらに、回線の基本使用料は含まれていない。それが、80回線分の携帯電話月額基本使用料と契約回線同士の通話分合計が323,232円と考えると、いかに大幅なコスト削減を達成しているかがわかる。

 VMO導入後、月額基本使用料のほかに支払うVMO契約携帯電話から他への通話料は一人当たり平均3,000円だというから、これを考慮に入れても、トータルコストは3,848円(税抜き月額基本使用料)×80(回線数)×105%(消費税分)+3,000円(外部への通話料)×80(回線数)=563,232円※。これは机上の理論ではなく、実例として、社内の固定電話に支払っていた金額で、携帯電話が導入できるという計算が成立したわけだ。言うまでもなく、A社では経営者も、これまで自腹負担していた営業マンも、双方がいたく喜んだという。

※この計算式は概算であり、実際の計算式とは異なります。

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 コスト以上に大きいのは、コミュニケーションの量的拡大だ。会社発営業マン着でも、その逆でも1日10分どころか、何分話しても料金は変わらない。会社側の回線は今まで固定電話に縛られていたが、その場所の制限もなくなる。事実A社でも、「伝えなければいけないことだけでなく、伝えた方がいいことまで、きっちりコミュニケーションをとることができるようになった」という。VMOは、使う側の意識次第でいくらでも可能性は広がってくる。これでもまだ、従来のように、固定電話から営業マンの携帯電話へかけなければいけない理由が残っているだろうか。

 次は、スケーラビリティの観点に立って、A社の導入以前、導入以降を見てみよう。

スケーラビリティ Before
 A社は前述の通り東京と大阪に事業所を構えているが、いずれも雑居ビルのフロアを間借りしている。社員の数だけデスクと内線電話を用意しているが、入居以来、大幅な手を加えていない。商社という都合上、オフィスでは大阪からの社員がプロジェクトの一員として東京オフィスで働くことは日常的だが、その都度に外部スタッフ用の内線電話番号があてがわれていた。しかし、実際に非常駐スタッフへの連絡手段として内線電話が使われることはなく、社内にいてもメールや携帯電話を用い、内線はもっぱら外線着信をつなぐ連絡のためだけに使われていた状態だったという。固定発携帯着の通話料の水準が高いことは前述のとおり。口頭で済むこともメールでやりとりしていた時間的ロスをも考慮に入れると、非常に非効率だった。

 しかし、こうした無駄も根本解決は難しかった。なぜなら、オフィスが雑居ビルだからだ。雑居ビルで問題になるのは、光ファイバーなどインターネット回線はもちろん、内線工事に関しても大幅なシステム改築には工事が必要となる。オーナーがいる以上、許可も必要になる。つまりは、配管・配線工事を会社の都合によって自由にデザインすることは不可能なのだ。

 ただ、仮にこうした工事可能でもA社の場合は、規模の問題がある。東京本社の社員総数が役員含め50人弱。この規模ではIP化やモバイルセントレックスを導入するのは、工事の問題がクリアできたとしてもコスト的に考えて非現実的。こうした問題に、特に対策を講じることもできず、ただ無駄を抱えたままそうした通信環境がワークフローとして定着してしまっていた。

スケーラビリティ After
 VMO導入後のA社がどうなったか。複数のスタッフが口を揃えて言うことは「支社の枠を超えたプロジェクト単位の業務が増え、組織が活性化した」ということだ。前にも述べた定額通話というコスト面が大きな導入要因だったのは間違いない。しかし、直接的に変化をもたらしたのは、財務面だけでなく、VMOという連絡手段を軸に自由な組織編成が可能となったことだというのだ。

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 VMOでは契約回線数が最低10回線以上でありさえすれば、回線数を1回線単位で増減できる柔軟さがある。VMO導入後、31人目のスタッフが来たらどうすればいいか。ただ、ボーダフォンに連絡すれば、最短10日で携帯電話とVMOへの登録準備が完了する。それだけだ。新入社員が来れば、その分だけ携帯電話を増やせばいい。東京、大阪間の人事異動があっても、はじめにオンネットグループの設定さえしていれば、番号が変わることなく、そのまま定額通話が利用できる。契約回線数が変わるだけで、工事もなにも必要ない。担当者いわく、「これまでは、手間や技術的な壁で、やりたくてもできないチーム編成というものが存在した。しかし、VMOの導入で、ビジネスの成果を最優先した組織作りができるようになった」という。これがVMOのスケーラビリティがもたらす、ビジネスの活性化だ。こうしたスケーラビリティが定額通話と結びついて、大小のプロジェクトチームが生まれているという。

 メリットは、回線数の増減だけではない。会社において、交換機、配線といったインフラ面でのハードウェアとの付き合いを、一切なくすことができる。交換機、内線配管などのインフラは導入すれば、それを保守しなければならなくなるが、携帯電話であればすべて通信業者に任せておけばよい。月額基本使用料には、そうしたコストも含まれているイメージだ。固定網の内線と比べると多くのコストを削減し、かつ一元化でき、さらに柔軟な構築が可能というわけだ。


【関連URL】

 ■ボーダフォン・モバイル・オフィス(VMO)
 http://www.vodafone.jp/biz/impW907

 ■ボーダフォン・モバイル・オフィス 導入事例
 http://www.vodafone.jp/biz/impW907a
PHOTO伊藤大地

1978年生まれ。学生時代はアメリカ現代詩を専攻し、バリバリ文学青年だったのに、気が付いてみるとなぜかITマスコミ業界に入っていた。現在は、携帯電話をはじめとするモバイル機器のレビュー記事や、イベント取材に明け暮れている。特技は高額デジタルグッズ発売日ゲットとノーベル文学賞受賞の夢を見ること。

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