本物を知るオトナのために

auから発売されたシャープ製端末「URBANO(アルバーノ)」

 通話やメールはもちろんのこと、カメラ、音楽、ワンセグ、おサイフケータイなど、多彩な機能が搭載され、ますます手放せなくなってきたケータイ。誰もがごく普通にケータイを使うようになってきた一方、ユーザーのニーズもさらに多様化し、スペックや機能だけでなく、ボディカラーやデザイン、ユーザーインターフェイスなど、自らのこだわりを持って、ケータイを選ぶユーザーが増えてきている。ケータイを単なるコミュニケーションのためのツールとしてだけでなく、自らのライフスタイルを実現し、演出する大切なアイテムとして捉えているわけだ。

 そんなこだわりを持つユーザーのためのケータイとして、auから新たに発売されたのがシャープ製端末「URBANO(アルバーノ)」だ。ケータイとして、求められるスペックや機能をしっかりと実現しながら、本物を知るオトナのユーザーの目利きにも応えられるように、美しいデザインと使いやすさを高次元でバランスさせた新しい方向性の端末だ。ビジネスシーンは元より、プライベートでも自らを演出し、サポートしてくれる端末として、とても魅力的に仕上げられている。URBANOの実機を見ながら、その実力をチェックしてみよう。

美しいデザインと見やすさを実現

 現在、国内のケータイ市場は契約数が一億を超えているということもあり、20代から40代では普及率が90%を超え、50代も約80%、60代も約60%以上の人がケータイを利用している。中学生や高校生といった若年層の約80%と比べてもまったく遜色がないほど、多くの人が利用しているわけだ。

 しかし、その一方で今までのケータイは、スペックや機能、対応サービスばかりが注目されるあまり、最大公約数的な端末ばかりが増え、個々のユーザー層のニーズに十分に応えることができていないのではないかという声も聞かれた。たとえば、シニア層を対象にした端末は各社から発売されているが、ワンタッチボタンなどにより、使いやすさが考慮されている半面、いかにもエントリーユーザー向けのようで、商品やサービスを見る眼が肥えたオトナのユーザーには、やや抵抗感があるとも言われている。やはり、早い時期からケータイに慣れ親しみ、使い込んできたオトナのユーザーには、その経験と趣味・嗜好に合った上質で使いやすい端末が必要とされるはずだ。URBANOはまさにそんなユーザーを強く意識して開発された端末だ。

 まず、ボディはスタンダードな折りたたみデザインを採用し、トップパネルの周囲にメタルフレームを装着することにより、とても上品なイメージで仕上げられている。トップパネルには1.3インチのサブ液晶ディスプレイが搭載されており、バックライトが消えても常時表示ができる仕様により、日時や不在着信の有無、歩数計などをいつでも確認できる。時計表示もデジタルとアナログを選ぶことが可能だ。

 端末を開くと、3.0インチでワイドQVGA表示が可能なメインディスプレイ、楕円形のキートップを採用したボタン類などが目に入る。メインディスプレイはシャープの液晶テレビ「AQUOS」で培われた技術を活かしたモバイルASV液晶が採用されており、微反射液晶と6色カラーフィルタ、SVエンジン+、LCフォントなどにより、文字や映像、グラフィックなど、さまざまな情報を常に見やすく表示できる。また、メールから写真、ワンセグ、コンテンツ閲覧など、あらゆる利用シーンでの良好な視認性を実現している。電車の中での利用などを考慮し、Taskキーを長押しすることで、画面全体のコントラストを下げ、全方向からののぞき見を防ぐことができる「プライベートフィルタ」も搭載される。

スタンダードな折りたたみデザインを採用したボディ

メタルフレームが装着され、上品なイメージの仕上げ

クリアパネルの下に、細やかなエンボス加工が施されたトップパネル

トップパネル側には1.3インチのサブ液晶ディスプレイを搭載

メインディスプレイには3.0インチのモバイルASV液晶を採用

ブルーのキーバックライトは暗いところでも視認性に優れる

 文字表示については、初期設定で[文字サイズ:大(EZweb表示:中)]に設定されているが、メニューやメール、アドレス帳などの文字表示を、さらに大きなでか文字設定[文字サイズ:極大(アドレス帳、発着信履歴表示:でか文字)]に一括で設定することもできる。最大サイズに設定したときもメニュー数などは変わらないため、通常設定と変わらない使い勝手を維持できるのも便利だ。

 ダイヤルボタンについては、楕円形のキートップの押しやすい分離型キー配置を採用している。それぞれのキーが独立していて、中央列のみがわずかに下方向にずらしてレイアウトされており、キーを押し間違えないようにしている。キーフォントのデザインを工夫し、ダイヤルボタンと他のキーのカラーを変えているため、見た目もわかりやすい。キー周囲の「TV」や「マナー」といったガイドは、プリントではなく、凹み型のエンボス加工を施されるなど、見た目の美しさにも配慮している。ちなみに、3色のボディカラーの内、CLASSIC BLACKのみがボタン面(各ボタンの周囲)がソフトフィール加工で仕上げられており、独特の柔らかい触感を演出している。

楕円形のキートップの押しやすい分離型キー配置を採用。キーフォントのデザインを工夫し、ダイヤルボタンと他のキーのカラーを変えているため、見た目もわかりやすい

 

(左)初期設定(文字サイズ:大)、(右)でか文字設定(文字サイズ:極大)
最大サイズに設定してもメニューの表示数などは変わらない)

 また、こうした基本機能に加え、今どきのケータイに必要とされるトレンド機能もしっかりサポートされている。たとえば、シャープ製端末の十八番とも言えるワンセグは、同社の液晶テレビ「AQUOS」で培われたノウハウが活かされた高品質な表示を可能にしている。ワンセグ用アンテナも本体に内蔵し、ボディデザインをスッキリとまとめているが、注目すべきはau向けの端末として初めて、端末の向きに合わせた縦横表示の切り替えも実現したことだ。内蔵の3軸加速度センサーが本体の傾きを感知することで、自動的に縦横表示が切り替わるしくみだ。

 URBANOに搭載されているワンセグは、メニュー画面から起動できるだけでなく、[*]キーの長押しでも起動することもできる。もちろん、従来のシャープ製端末と同じように、番組表からの録画予約やくり返し予約などにも対応し、再生も1.33倍の早見再生や4倍速/20倍速の早送り・巻戻し、ジャンプ再生などにも利用できる。

 生活シーンでのケータイの使い道として、今や欠かすことができないおサイフケータイにも対応する。QUICPayなどのおサイフケータイのサービスが利用できるほか、端末同士のデータ交換に適した「TouchMessage」にも対応する。おサイフケータイを安心して利用するための「FeliCaロック」も設定できるが、実用性を考えた「クイック解除」も利用できる。クイック解除は普段、FeliCaロックの状態で持ち歩き、使いたいときだけ、一時的に解除し、一定時間経過後に自動的にロック状態に復帰するというものだ。設定後は待受画面で方向キーの右を長押し、ロックNo.(端末暗証番号)を入力すれば、一時的にロックを解除できる。

生活シーンに役立つ機能も搭載

AF対応203万画素CMOSカメラを、ボディ背面に搭載

「ゴルフスコープ」機能は、ピンを撮影し、ピンの下と上をマークするとピンまでの距離が算出されるという機能

 数あるケータイの機能において、どの年代のユーザーも楽しく利用している機能と言えば、やはり、カメラだろう。  URBANOにはオートフォーカス対応の203万画素CMOSカメラが搭載されており、最大1600×1200ドットの静止画を撮影でき、本体メモリー及び別売のmicroSDメモリーカードに保存することができる。カメラ機能は設定項目が多いため、なかには標準設定のまま、あるいは利用そのものを敬遠してしまうようなユーザーがいるかもしれないが、URBANOは各種設定を一覧表示で確認しながら操作できるうえ、カメラ起動時には[0]キーを押すと、画面にガイダンスが表示されるため、非常に操作しやすい。

 カメラを活かしたユニークな機能も数多く用意されている。まず、新聞や書籍などで、特に小さい活字を読むとき、URBANOのカメラ機能で3倍/5倍に拡大できる「カメラルーペ」が利用できる。倍率を変更したり、フォーカスを調整できるだけでなく、画面表示を静止画に切り替えて、じっくりと読むこともできる。

 シャープ製端末ではおなじみの「名刺リーダー」も搭載される。カメラを起動し、名刺を撮影すれば、名前や住所、電話番号、メールアドレス、URLなどを読み取り、アドレス帳データとして保存できるOCR的な使い方ができる。英文の名刺にも対応する。

 そして、URBANOのカメラ機能で、もっとも特徴的なのは「ゴルフスコープ」だ。簡単に言ってしまえば、カメラでゴルフのピンを撮影すれば、そこまでに距離がわかるというものだ。まず、カメラメニューから「ゴルフスコープ」を起動し、ファインダーを見ながら、ピンを撮影する。続いて、方向キーを操作し、ピンの下と上をマークすると、ピンまでの距離が算出されるという流れだ。これはゴルフのピンの高さが2メートル13センチ以上に規定されており、ほとんどのピンが2メートル20センチ程度であるため、それに基づいて、大まかなピンまでの距離を算出しているわけだ。ちなみに、撮影時には3倍/5倍のズームを利用したり、計測する距離をメートルとヤードで切り替えることもできる。ピンの高さも設定を変えられるので、対象物の高さがわかれば、他のものでもおおよその距離をつかむことができる。ゴルファーにはぜひ一度、体験して欲しい機能だが、ユーザーの工夫次第で、もう少し違った楽しみ方にも応用できるかもしれない。

 また、URBANOでカメラと並び、日常生活において、便利に使うことができるのが「歩数計」だ。あらかじめ、体重や歩幅を設定しておけば、歩数や歩行距離を測定することができ、それに基づき、消費カロリーや脂肪燃焼量も算出することができる。URBANOに搭載されている歩数計は、本体に内蔵された3軸加速度センサーを利用しているため、位置や角度に測定結果が大きく左右されることがなく、ポケットの中でもカバンの中でも首からぶら下げていても歩数をカウントしてくれる。季節や利用シーンによって、ファッションやバッグなどの持ち物が変わることがあるが、そんなときでもURBANOをどこかに入れて持ち歩いていれば、歩数がちゃんとカウントできるわけだ。ちなみに、歩数計は一度起動しておけば、常にカウントされており、待受画面やサブディスプレイにも歩数が表示される。

 一方、もう少し積極的に身体を動かしたいという人には、au Smart Sportsの「Run&Walk」がおすすめだ。こちらは3軸加速度センサーではなく、GPSからの信号を受け、ランニングやウォーキングのデータを記録できるもので、結果をURBANOやパソコン上でいつでも確認することができる。

(左)歩数表示、(中)しっかり歩数表示、(右)消費カロリー表示
3軸加速度センサーを利用した歩数計を搭載。音楽再生などの操作中もカウントを続ける

スマートな使いやすさを追求

 本物を知るオトナを意識したケータイとして開発されたURBANO。美しいデザインと便利な機能も魅力的だが、使いやすさもよく考慮されている。ケータイの使いやすさについては、いろいろな考え方がある。

 たとえば、シンプルなケータイを目指し、機能を最小限に留めるというのもひとつの考え方だ。しかし、シンプルすぎるケータイは、ある程度、経験のあるユーザーには機能不足に感じたり、かえって使いにくく感じてしまうことがあるものだ。

「Task bar」で、複数の機能を切り替えながら利用できる

ショートカットメニューは、登録機能をカスタマイズできる

 これに対し、URBANOはケータイをある程度、利用してきて、ひと通りのリテラシーを持つオトナのユーザーでも満足できるように、必要とされる機能をしっかりとサポートしながら、それらの機能をわかりやすく、見やすく、使いやすく仕上げている。つまり、「スマートな使いやすさ」を追求した構成となっているわけだ。

 たとえば、ケータイを使っていると、複数の機能を切り替えながら利用したいことがある。そんなときのために、従来のau向けSHシリーズでは「Task bar」という機能を搭載したのだが、URBANOにもしっかりと継承されている。ダイヤルボタン下の[Task]キーを押すことで、Task barを呼び出すことができ、利用中の機能以外の機能を起動することができる。たとえば、メールを閲覧中にワンセグを起動したり、EZwebを閲覧中にFeliCaロックを解除したり、EZナビウォークを利用中にアドレス帳の住所を参照するといった使い方ができる。URBANOを使いこなしていくうえで、もっとも大切な機能だ。

 機能を呼び出す方法は、メニュー画面やTask bar以外にも用意されている。たとえば、待受画面から下方向を押せば、ショートカットメニューを呼び出すことができるが、ここに登録されている機能は、待受画面でそれぞれのダイヤルボタンを長押しすることで、呼び出すことができる。初期設定のままなら、[1]の長押しでカレンダー、[3]でアラーム、[6]で赤外線受信といった具合いだ。もちろん、自分の好みに応じて、登録する機能は自由にカスタマイズできる。

 ちょっとユニークな機能としては「フェイク着信」が挙げられる。フェイク着信はあらかじめ設定しておくことで、待受画面で[発信]ボタンを長押しすると、着信音がなり、応答すれば、周囲には通話をしていように見せることができる。会議や打ち合わせなどで、ちょっと席を外したいとき、夜道で不安なときなどに便利な機能だ。

 ケータイとして、もっとも大切な通話や着信についても考慮されている。着信があったときの着信音の音量は10cmの距離で最大約92dBという大音量を実現し、カバンやポケットに入れておいてもちゃんと気づく。通話時の音量も通常の5段階の受話音量よりもさらに大きな「でか音量」を設定できるようにしている。相手の声が聞こえにくいと、どうしてもこちらが話す声も大きくなってしまい、周囲に迷惑を掛けてしまうことがあるが、受話音がしっかりと聞こえれば、こうしたことも起こりにくい。

 この他にもauが提供している統合音楽サービス「LISMO」で音楽を楽しんだり、PCサイトビューアーでパソコンのホームページのチェックなどが利用できる。もちろん、EZナビウォークやEZ助手席ナビ、安心ナビなどのGPS関連サービスにも対応しており、便利に活用できる。さらに、カスタマイズはEZケータイアレンジに対応しており、シャープの専用サイト「SH@ez」で追加データのダウンロードができるほか、「カスタモ for SH@ez」で人気キャラクターなどのオリジナルコンテンツも利用できる。常に持ち歩くケータイだからこそ、自分なりの個性を主張したカスタマイズを楽しみたいところだ。

落ち着いたオトナのためのケータイ

 今やケータイは多くの人にとって、手放すことができないアイテムだ。コミュニケーションはもちろん、普段の生活にも役立つ大切なツールのひとつだ。そんな身近なアイテムだからこそ、こだわりを持ち、自分に合ったケータイを選びたいものだ。本来、年齢を問わず、誰もが考えることだが、やはり、年齢を重ね、経験を積んできたユーザーだからこそ、その選択の基準は一段と厳しくなるものだ。URBANOはそんなオトナのユーザーの期待や価値観に応えられる端末だ。こだわりを持つオトナのセンスに合った上質な「デザイン」、最新トレンドをしっかりと踏まえた「機能」や「サービス」、そして、ケータイを知るユーザーだからこそ、満足ができる「使いやすさ」を上手にバランスさせている。目先の派手さに惑わされることなく、じっくりと選ぶことができる落ち着いたオトナにこそ、ぜひオススメしたいプロダクトだ。

URBANOは、CLASSIC BLACK(クラシックブラック)、ETERNAL WHITE(エターナルホワイト)、GENUINE RED(ジュニュインレッド)の3色をラインナップ

■関連情報
□「URBANO」製品情報(au)
 http://www.au.kddi.com/seihin/ichiran/cdma1x_win/urbano/

□「URBANO」製品情報(シャープ)
 http://www.sharp.co.jp/products/urbano/

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法林岳之
1963年神奈川県出身。携帯電話をはじめ、パソコン関連の解説記事や製品試用レポートなどを執筆。「できるWindows Vista」「できるPRO BlackBerryサーバー構築」(インプレスジャパン)、「お父さんのための携帯電話ABC」(NHK出版)など、著書も多数。ホームページはPC用のほか、各ケータイに対応。「ケータイしようぜ!!」も配信中。