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コードレス電話や通信機、液晶テレビを出しているユニデンが500万画素クラスで光学3倍ズーム、その上と〜っても手ごろな価格のコンパクトデジタルカメラ「UDC-5M」で、飽和状態の市場に参入した!
なんと言っても値段でビックリである。2.5インチ液晶画面付きで税込み13,980円だ。必要な機能だけに絞り込むことで低価格を実現するとともに、ユーザーの使い勝手もよくなるようにシェイプアップされている。また内蔵メモリーも26MBあり、最高解像度の2592×1944ピクセルで15枚撮れるので、いざというときにはありがたい。さてさて前置きはこれぐらいにして、まずは基本性能から。
「UDC-5M」は、1/2.5型CCDを搭載し、有効画素数約508万画素のコンパクトデジカメだ。レンズは5群6枚で、うち非球面レンズは2枚。焦点距離は5.8mm〜17.4mm(35mmフィルム換算で35mm〜105mm)、解放F値はワイド端F2.8、テレ端F4.9。光学ファインダーはないが、照度自動調整機能付き2.5型大型液晶モニターはすごく見やすい。実絞りではなく、NDフィルターで露出調整する方式だ。撮影サイズは静止画で2592×1944、2048×1536、1024×768、640×480、動画で640×480、320×240ピクセルから選択できる。撮影モードは後述するが、オートか状況にあうシーンモードから選択する。
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色は黒にシルバー、白にゴールドの2種類あり、私は黒のシルバーがお気に入りだ。どちらも前面は光沢があり、背面はつや消しになっている。 |
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レンズは沈胴式で使用しない時に格納される。 |
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コントロールスイッチ類は背面液晶の右に集まってあり、込み入った操作は必要なく、迷うことはないだろう。 |
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角張った外観は予想以上にしっかりした作りだ。サイズは88.7×23.1×59.7mm(幅×奥行き×高さ)、重量は本体のみで約123g、電池も入れると約168g。単3電池と見比べてみれば分かるようにコンパクトなサイズで、ちょうどタバコの箱と同じ大きさだ。胸ポケットに入れても大きすぎないサイズである。 |
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電池格納部には電池とSDメモリーカードが収まる。電池は単3電池なので世界中どこでも旅先で手に入れやすい。機種に依存した専用電池はいざというときに入手しにくいし、専用充電器が必要になる。しかもだんだん性能が落ちていくので、単3電池仕様というのはとてもありがたいのだ。 |
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液晶画面はTFTカラー液晶の2.5型だ。しかも明るさを「AUTO」にすれば、液晶右上にある照度センサーが働き、明るいところでも暗いところでも自動的に明るさを変えて見やすくなるよう設計されている。 |
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撮影時に十字キーの下「scene」スイッチを押せば画面にシーンモード一覧が表示される。個々の特徴が下に表示されるので、それを参考に選べばよい。「AUTO」か、他に14個あるシーンから目的にあったものを選ぶだけでよいのだ。 |
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撮影時にはOKボタンを押せばストロボやシーンモードなどの現在の設定状況が表示されるので撮影時に一目で設定確認ができる。 |
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撮影時のメニューボタンを押せば解像度やISO感度、露出補正などの設定ができる。また日付写し込みもあるので、フィルム時代からコンパクト機を使っていてプリントに撮影日付を入れたい人に便利な機能も備わっている。 |
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旅前にUDC-5Mのテストと思ったが、いきなり旅に持って行くことになった。前にも書いたように設定で難しいことはないので、機内でざっとマニュアルと本機をチェック。だが、マニュアルに頼らずとも直感でたいていのことはわかってしまう親切設計だ。
UDC-5Mを手に取って構えてみると、右手の親指と中指でほどよくホールディングできる突起と、前面にある滑り止めで右手だけでもしっかりグリップできる。
電源スイッチを入れてからシャッターが押せるまで2.3秒、体感的にも3秒以内である。ピントが合わないとシャッターが切れないということはないのでチャンスを逃すことは少ないだろう。
よく使うマクロやストロボなどの設定は十字キーからすぐ呼び出せる。シーンモード撮影もいろいろ試してみたが設定は電源を切っても選択したモードはそのまま保持される。最初のうちはついつい前回選んだシーンモードで撮影してしまったので電源を切る時は「AUTO」に戻すようにした。それではいろいろ試してみた写真を見ていただこう。また今回は露出補正は一切していない。
【作例1】はホテルの窓からワイド側で撮影。【作例2】は3倍ズームしてみた。3倍ズームは多くのコンパクト機の標準的ズームレンジで、これだけあれば撮影時に好きな画角で撮ることができる。デジタルズーム(12倍ズーム)も可能だが、電子的に拡大するだけなのでパソコンでトリミングできる人には必要ない(パソコンを使わない人はそれも便利だが)。
−スポーツ−
公園の施設で遊ぶ子供たちをスポーツモードで試してみる。【作例3】は少し暗かったためシャッタースピードは1/166だがぶれずに撮れ、【作例4】は明るいので、急いで撮ったにもかかわらず1/291のシャッタースピードで撮れている。
−手ぶれ軽減−
室内での撮影だと暗くて手ぶれしてしまうことが多い。シーンモードを「手ぶれ軽減」にするとISO感度が上がり手ぶれが最小限に抑えられる。【作例6】では感度がISO800に上がっている。
−風景−
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【作例7】 |
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−ビビッド−
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【作例8】 |
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風景モードで撮ると遠景の景色もしっかりしたコントラストで撮れる。【作例7】のように半逆光で遠景が飛びぎみのときも有効だ。 |
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料理を色鮮やかに撮るために「ビビッド」モードにしてみた。【作例8】は日差しの弱いオープンカフェでの撮影はほどよい色になった。 |
−シャープネス−
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【作例9】 |
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−夜景(夜景モードはない)−
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【作例10】 |
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「シャープネス」を使ってみる。連なる家並みをカチッとした感にヨットのマストやロープもシャープに仕上げてくれている。 |
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「夜景モード」というのはないので「オート」で三脚に固定して撮影。もう少し明るくなるように露出補正すればよかったと後悔した。またストロボで人と夜景が撮れる「夜景+ポートレート」モードもあるので機会があれば試してみたい。 |
−花とマクロ−
【作例11】は花モードでの撮影だ。標準ではワイド側で10cm〜、テレ側で40cm〜の撮影が可能だがもっと寄りたいときはワイド側でマクロにすれば5cmから撮ることが可能になる。それが【作例12】だ。【作例13】はマクロモードでシーンモードは「オート」だ。花モードに比べると多少彩度が低いもののいい感じにアップで撮影できている。多少離れてもマクロモードのまま撮れるから心配はいらない。
−ランプ−
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【作例14】 |
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−ポートレート−
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【作例15】 |
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−コスメ−
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【作例16】 |
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友人と入ったレストラン。室内は暗い間接照明とテーブルの蝋燭だけだ。シーンモードを「ランプ」にして撮影。感度はオートのままにしたので自動でISO800の撮影だ。高感度のために若干ノイズが見えるが、雰囲気が出ていい感じである。なお、ランプモードでは最大ISO1600までの高感度撮影を行うことができる。
そのほか、シーンモードの中には人物撮影用に「ポートレート」と、ユニークな「コスメ」があり、これは顔などの輪郭を美しく表現してくれるモードだ。
シーンモードをいろいろ試して撮影してみたが、極端なシーン(絵)になってしまうわけではないから、難しく考えることはないし、間違えても大きな失敗にはなりにくい。普通に「オート」のままで撮るのでもいいと思う。ただ感度が高くなるとノイズが顕著になるがこれはしかたない。なるべく低めの感度で撮ることをおすすめする。今回使った電池は「オキシライド」だ。ストロボを10回ぐらい使い、約220枚の撮影ができた。CIPA規格準拠では同梱アルカリ電池2本使用で300枚になっている。今回は液晶での再生時間が長かったからそれなりに少なくなったのだろう。
また当然ながら「ピクトブリッジ」に対応している。USBケーブルでデジカメとプリンターを直結し、パソコンなしでプリント可能なのだ。
というわけで駆け足で「UDC-5M」を解説してきたが、これだけの内容で価格がたったの税込み13,980円ときたもんだ。しかも送料も込み。最近のコンパクトデジカメときたら、機能を満載にしているぶん値段もそれなりに高い。でもほとんど使わないような機能は思いきって削り、日常生活や外出先での記念撮影などに用途を絞り込めば、こんなに手ごろな価格でこんなに高性能な500万画素のコンパクトデジカメをつくれるわけだ。しかも他カメラメーカーと比べても遜色ない。私はユニデンのこの姿勢に拍手喝采である。
最後に今回のオランダ旅行で撮った写真を見てもらおう。
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(若林 直樹)
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若林 直樹
雑誌、広告等の仕事の傍ら、ライフワークとして自然や 癒される空間を求めて国内外を旅している。撮影対象はICチップからアフリカ象まで幅広い。デジタルカメラは1995年からコンパクトからプロ機までテストレビューに携わる。自宅ではフェレットをこよなく愛し、我が家で生まれた5匹と暮らす。いつかフェレットの写真集を出そうと企み中。HPはhttp://homepage2.nifty.com/nao-w/ |
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