いよっ!! 出ました!! 最新・最強タフブック2機種!!
約3年ぶりに新型となって登場したTOUGHBOOKシリーズを大喜びで迎える俺は、何を隠そうTOUGHBOOKユーザー(旧型:CF-18)だ。もうね、このね、TOUGHBOOKはですね、一度使うと「ココではコレしかない!!」と思えたりする希有なノートパソコンなわけで……え? TOUGHBOOKをよくご存じない!? あらま!! そりゃ寂しい。じゃあサラリとTOUGHBOOKについてご説明をば。
パナソニックのフィールドモバイルPCことTOUGHBOOKは、その名のとおり、めちゃタフなノートPCなのだ。その堅牢さを知ると、コレはホントにノートパソコンなのか!? と疑いたくなるほど。
例えば耐衝撃性。約90センチの高さからガコーンと落としちゃっても問題ナシ。二度三度と落としても問題なし。プラスチックの約20倍と言われる強度を持つマグネシウム合金製ボディゆえ、衝撃や圧力に対して全然へこたれない。
振動にも強い。例えばHDDユニットがアルミケース内に特殊緩衝材で包んだ状態でセットされているので、振動が多い状況下で使用してもトラブルが出にくい。走るクルマの中、工事現場、揺れる船上にてTOUGHBOOKが多用されている理由のひとつでもある。
●タフさを検証するゼ!!
さらに、水にもホコリにもヒッジョーに強い。キーボード部、液晶部、各コネクタ部やヒンジ部は防滴カバーやシーリング加工がなされている。ので、外でTOUGHBOOK使っててイキナリ豪雨が!! なんて場合でもノープロブレム。動作中に水がバシャッとかかってもOK。ホコリをぶわさぁ〜っと被ろうが、泥水がデロデロッとひっかかろうが、そのまま使い続けられる。そして使用後は水洗いできちゃったりする。
フィールドを選ばずドコでも使えるTOUGHBOOK。従来のノートPCでは考えられないフィールドで使えるし、もちろん室内・車内使用にも向く。ノートPCを“物理的にビシバシ酷使する”ことを可能にした、ジャパンメイドの世界に誇れる超頑強ノートパソコンなのだ。
既にこの驚くべきタフさを実現しまくり中のTOUGHBOOKなわけだが、その新型が登場した。CF-19とCF-30。どちらのモデルも、ノートPCに本当のタフさを求める向きには魅力溢れるマシンに仕上がっているが、俺的結論をぶっちゃけて申し上げると、2007年はTOUGHBOOKの買い時ですよマジで。従来モデルも十分タフで良かったが、最新型はタフさに加え、使い方を制限しない高い実用性がいくつも加わっているからだ。
てなわけで、以降、フィールドテストなんかも交えつつ、新型TOUGHBOOKをじっくり見ていくことにしよう。
従来のTOUGHBOOKシリーズをご存じの方にとって、この新型2機種は……ドコが変わったの? という印象かもしれない。
実はこれら新型2機種、その外見は従来機(CF-18やCF-29)とあまり変わっていなかったりする。また、その堅牢性においても、防滴・防塵・耐衝撃性能がドガーンと上がっているってわけでもない。ま、外見や堅牢性に関して、既に超タフなノートPCとして完成の域に達しているから、とも言えよう。だがしかし、新型では、ノートPCとしての使用感が大きく変わっている。
まずは処理性能。従来機のCPUはPentium Mだったが、これがデュアルコアのCore Duoへと一新された。CF-19には超低電圧版Core Duo U2400(動作周波数1.06GHz)が、CF-30には低電圧版Core Duo L2400(動作周波数1.66GHz)が採用されている。HDDも大容量化・高速化され、SATAの80GB HDDが採用された(従来機はIDEの60GB)。
●左がCF-19、右がCF-30
●どちらとも魅力十分で、目的に応じて使い分けたい拙者であった
他チップセットを始めとする“パソコンとしてのベース部分”が一新されたので、よりパワフルなノートPCになっている。実際、各種ソフトがよりサクサク動くようになったし、より多くのデータやソフトウェアをHDD内に置いておけるので、場合によっちゃぁ新型TOUGHBOOKをメインマシンとして使いまくるのもイイなぁ、と感じる。
が、こういったPCとしてのスペックアップは、これら2機種の新型TOUGHBOOKの“魅力のごく一部”でしかない。確かに処理性能や容量の向上はパソコンユーザーにとって非常に有り難い部分になるのだが、ことTOUGHBOOKユーザーにとっては、後述する各種新性能こそ「今度のTOUGHBOOK欲しぇーッ!!」と感じさせる要点だと思う。
●端子類には水侵入防止カバーが
●隙のないタフなつくりだ
その“要点”をザッと並べてみると、まず液晶画面の見やすさがUPしたこと。それからインターフェース類がより豊富になったこと。そして用途に合わせたカスタマイズが幅広く可能になったことである。
とか書くと、なんかこう地味な機能性UPだと思われるかもしれないんですけど……コレ実際使うとマジ超スゲく実用性が高いんですよええ!! 新しくなったTOUGHBOOKを、従来型TOUGHBOOKユーザー(俺とか)が触ると、ていうか触った瞬間、男は黙って脳内購入算段開始って感じなんスよ!!
ってまたもや興奮してしまったが、さて、では、どのあたりがどのよーにイイのか、さらに見ていこう。
●正直いって直射日光下でこれだけ見えるとは思わなかった
新型TOUGHBOOKを外に持ち出してフィールドテストを行っていて、何度も痛感した良さは、やはり、もう、どう考えても、画面の見やすさである。クルマの中でも車外でも、あるいは直射日光下でも、バッチリ見えるこの液晶である。
例えばCF-30の場合、従来機のCF-29と比べると約2倍の液晶輝度を持つ。CF-29の輝度は500cd/uだったが、CF-30は1000cd/u !! 液晶表面に映り込みを少なくする表面加工(AR処理)がなされていることも一役買って、思わず顰めっ面になりがちな直射日光ギンギン状況下でも、CF-30の液晶表示はクッキリ見やすい。
一方CF-19の場合、液晶の輝度自体は460cd/uで、従来機CF-18の500cd/uと比べるとプチ暗くなっているハズなのだが……。屋外において俺の持ってるCF-18より明るく見えるのは、ナゼなのかァ〜ッ!? つーか、結論として、従来機CF-18の液晶より、新型CF-19の液晶の方が見やすいのであった。何でも液晶表面の特殊な偏光フィルムにより反射率を(従来機CF-18の)1/3以下に抑えているんだそうで。これにより直射日光下での視認性を高めているらしい。
●反射を抑えて視認性が高まった
●タブレットPCモードでも見やすい!
処理性能がグッと高まり、液晶の見やすさもググッとUPした新型TOUGHBOOK……となると、バッテリーの消費も激しい? と考えてしまうが、新型TOUGHBOOKはそのあたりも安心できる。両機ともにバッテリー駆動時間は約8時間となっており、常に液晶を最大輝度にするような使い方をしなければ、十分一日使える電源的タフさも持ち合わせている。
さて、アウトドアだろうが室内だろうが、ヒッジョーによく見える液晶を搭載した新型TOUGHBOOK、という結果になったわけだが……あるいは、ノートPCを屋外、特に直射日光下で使ったことがないユーザーは「そんなに大騒ぎするコトか?」と思うかも。しかし、実際手持ちのノートPCなりPDAなりを屋外に持って出て見て欲しい。直射日光下じゃまずマトモに見えないハズ。液晶面に何らかの影を作らないと単純な操作さえ難しい状態になる。
が、新型TOUGHBOOKは直射日光下も画面表示がよーく見える。アウトドアノートPCとして快適に使える。さらに雨が降ろうとホコリが舞おうとダイジョーブ。文章で書くと単純で当たり前のコトに見えるが、例えば砂埃が舞うわ潮風は吹くわ日差しが強いわの状況で、ちゃ〜んと使えるパソコンなんて、実際TOUGHBOOK意外にナイと思われる。そういう意味も含め、CF-19やCF-30のこの液晶の見やすさは、新型TOUGHBOOKとして物凄く大きな魅力でありメリットだと言えよう。
つーかコレなら日焼け止め必須のアウトドアでも始終コンピューティングできますな。アレもデキますよ、ホレ、映画『2010年』でフロイド博士(ロイ・シャイダー)が砂浜でコンピュータ使ってたでしょ、アレを。あのコンピュータはきっと砂埃で壊れつつ、しかも実際は画面見えにくかったと思われるが、新型TOUGHBOOKなら問題ないでしょうな。ぜひフロイド博士に新型TOUGHBOOKを使ってもらいたい気がする。
タフさに磨きをかけ、パソコンとしてのスペックアップを果たし、液晶の見やすさを始めとする実用性も追求しまくっている新型TOUGHBOOKだが、俺的にまったくもって激しく興奮させられたのが、BluetoothやGPSへの対応!! よっしゃぁ!! とか声が出ましたよええ。法人などでまとまった台数での対応となるが、TOUGHBOOKがますますパワーアップするオプションが用意されているのだ。
新型TOUGHBOOKにはBluetoothアダプタを発注時に内蔵可能!! さらにGPSユニットも内蔵可能!! て、コト、は!? TOUGHBOOK単体でGPSナビゲーションがデキちゃったりする!! TOUGHBOOKのコネクタカバーを開かずに、外部機器と接続できちゃったりする!! これにより!! 今!! TOUGHBOOKの防滴・防塵・耐衝撃性は!! より強い現実味を帯びたのだァッ!!
つーかですね、TOUGHBOOKの従来機はですね、いくら防滴で防塵で耐衝撃性アリと言ってもですね、外部機器と接続しつつ使うとなると、それらのタフ性能を十分発揮できなかったんですな。例えば通信したい、となればUSBポートあたりに何らかの通信機器を接続する必要があり、その場合はUSBポート部のコネクタカバーを開く必要があるので、防滴性や防塵性が損なわれる。
しかし新型TOUGHBOOKならBluetoothが使える。Bluetooth対応の通信機器(ケータイとか)と無線接続できるので、TOUGHBOOK側のコネクタカバーを一切開かず、通信できる。他、Bluetooth対応なら、カメラでもヘッドセットでもGPSユニットでも、無線接続可能。他のTOUGHBOOKとBluetooth経由でデータ交換することもできる。Bluetoothアダプタを内蔵可能になったことで、実用上、さらに幅広いケースでTOUGHBOOKのタフ性能を活かし切れるようになったのだ。
GPSユニット内蔵可能ってのも超ソソりますな。これまでにも海上を始め、山岳等々にて、TOUGHBOOKをGPSマップとしても活用するというユーザーは少なくなかった。その場合、やはりUSBポートやシリアルポートに外付けのGPSユニットをつなぐ必要が出て……上記と同様にコネクタカバーを開かざるを得なかった。
が、今度はイキナリGPS仕様TOUGHBOOKを活用可能。地図ソフトあたりをインストールしておけば、TOUGHBOOKが即、GPSマップやGPSナビとして使える。GPSを必要としているユーザーにとってはスゲく大きな朗報であろう。
余談だが、俺なんざぁ“BluetoothもGPSも内蔵可能”と知った途端に猛然と新型TOUGHBOOK欲しいわけですよ。場所も天候も状況も問わず使えるパソコンであり、それがそのままGPSマップ&ナビになり、実は処理性能的にメインマシンとしても活用できるとなると、ん〜むむむ、押さえきれないこの欲望ッ!! てな気分である。法人などでのまとまった注文になるが、たとえばヨットクラブなどで、みんなでまとめて発注するという手もあるゾ。
●タフで、しかも見やすい使いやすい!
様々な箇所が徹底的にブラッシュアップされ、より実用性が高まった新型TOUGHBOOKだが、全体的に既存TOUGHBOOKユーザーの要望をビシバシ聞き入れて開発した感じですな。処理性能然り、画面の見やすさ然り、拡張性の高さ然り。加えて、細かいと言えば細かい部分ではあるが、他にも多々、TOUGHBOOKらしい機能・性能向上が盛り込まれている。
例えばセキュリティ面。セキュリティチップ(TPM)を搭載しているので、HDDの不正使用防止機構と併せ、データ類の盗難やTOUGHBOOK自体の不正使用を十分に防ぐことができる。外に持ち出して使いまくりのTOUGHBOOKだけに、こういった安全性の向上は、ツールとしての実用性の高さに直結する。
標準装備のインターフェース類も増え、TOUGHBOOKの利用範囲が広まった。例えばIEEE1394ポートやExpressカードスロットが使えるようになったので、外部機器とのデータ交換をより高速に行える。CF-30ではマルチメディアポケットが利用できるので、DVD-MULTI ドライブ等を追加すれば、2スピンドルノートとしても活用できる。フィールドテストに同行したカメラマン氏は「デジカメ母艦としてCF-30欲しいなぁ」としきりにおっしゃった。
他、細かな部分ではあるが、細部の耐久性が高まったりもしている。小さなパーツ類、コネクタやカバー類等々。例えば従来機のUSBポートの耐久性は挿抜3000回となっていたが、新型では挿抜30000回!! そこまで頑丈だとUSB機器側がイカれちゃう!? ともあれ、細部にわたって耐久性を高めることが、一朝一夕ではマネできないTOUGHBOOKの強靱さにつながっている。
てなわけで新型TOUGHBOOKをザザザッと見てきた。最新型だからこその処理性能や実用性、あるいは拡張性は大きな魅力だが、一歩下がってみると、やっぱりTOUGHBOOKの魅力は“他のノートPCにはあり得ないタフさ”ですな。また、タフでないノートPCと比べると、TOUGHBOOKはより身近な存在だとも感じられる。
例えば、フィールドテスト中もTOUGHBOOK独自の使用感があったんスけど、TOUGHBOOKを使わない時や、クルマに持って戻ったその一瞬にも、TOUGHBOOKならではの良さがあった。
外でTOUGHBOOKを使い終えたら、その辺にボテッと置いちゃえる。クルマのトランクにドンッと放り込める。落とさないようにとか、衝撃を与えないようにとか、汚れないようにとか、荷物が乗らないようにとか、ノートPCに対しての気遣いがほとんど不要なんですな。工具箱なんかと同列のハードウェアとして“ラフに扱っちゃってイイ”という感覚。なんつーか、これまでのモバイルがノートPC中心に行動していたものだとすると、TOUGHBOOKのモバイルはユーザー中心って気がしてくるわけだ。そこには一種の開放感に通じるものがある。
TOUGHBOOKは、正直言って、フツーのユーザーやモバイラーにとっては、過剰にゴツくて無闇にタフなノートPCである。別の言い方をすれば無用の長物かもしれない。しかし、かと言って、海上や工事現場等々、ラフなアウトドア専用のノートPCでもないように思う。
確実に言えるのは、TOUGHBOOKがマジでヤケにホントに堅牢なツールだということ。これを前提にTOUGHBOOKという道具を考えると、ちょいとオモシロいのであり、場合によっては俺のように「むむむ!! やはりココはTOUGHBOOKしかないであろう!!」と欲しくなり、さらに実機に触れると「うわっコレ、マジでイイわ!!」とテンション上がったりするので、ぜひ!! 一度!! 新型TOUGHBOOKに!! 触れてみて欲しいッ!!
スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。フォトエッセイのスタパデイズをAlt-R(http://www.alt-r.com/)にて連載中。
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