「OSにAndroidを搭載したちょっと大きなタッチ端末……」。もしも、タブレットにそんなイメージしか持っていないとしたら、ぜひ東芝の「レグザタブレット」シリーズを手にとってみてほしい。その質感、その画質、その操作感と、手に取った瞬間に、おそらくこれまでにタブレットに抱いていたイメージが一新されるはずだ。
東芝が今回新たに発売したレグザタブレットシリーズは、13.3型で地デジチューナーを搭載した「AT830」、10.1型の世界最薄・最軽量モデル※「AT700」、同じく10.1型の長時間駆動モデル「AT500」、そして7.7型の有機ELディスプレイ搭載小型モデル「AT570」の4機種がラインアップする最新のタブレット製品だ。※ 10.1型タブレットとして。2012年5月、東芝調べ。
同シリーズは、従来から高い画質と音質を実現し、同社製の液晶テレビやレコーダーとの連携機能を搭載することなどで知られている製品だが、今回の新シリーズでは採用されるOSをAndroid 4.0に刷新。さらに、高性能なCPU(AT830/AT570/AT500がNVIDIA Tegra 3、AT700がOMAP 4430)を搭載したり、東芝の映像処理技術「レゾリューションプラス」などによる高画質化や、音響処理技術により聴き取りやすい音を出力する機能などが新たに搭載されているのが特長となっている。
Androidを搭載したタブレット製品は、多数のメーカーから発売されているが、レグザタブレットシリーズの特徴は、具体的な用途がしっかりと提案されており、そのために必要な作り込みが徹底的に行なわれている点にある。
たとえば、詳しくは別途紹介するが、AT830では地上デジタル放送を楽しむために最適な13.3型1600×900ドットのIPS液晶が搭載されていたり、AT570では写真や映像、ゲーム、電子書籍などを楽しむのに最適な従来比約2.2倍※1の色再現性と約4.25倍※1のコントラスト比、約12.5倍※1の応答速度を実現した有機ELディスプレイが搭載されている(タブレットとしては国内初※2)。
※1. 従来機(AT350)との比較
※2. 2012年5月、東芝調べ。
13.3型1600×900ドットのIPS液晶搭載「AT830」 | 7.7型1280×800ドット有機ELディスプレイ搭載「AT570」 |
また、レグザ、レグザブルーレイと連携してそれらのコンテンツを視聴するためのアプリや、電子書籍やビデオを楽しむためのサービスも提供されており、ハードウェア、ソフトウェア、サービスが一体となって作り込まれている。
「映像が見やすそう」、「電子書籍が読みやすそう」、タブレットであれば楽しめそうに思えることは多いが、実際にはハードウェアの完成度が低かったり、アプリが見つからなかったり、使えるサービスが貧弱だと、「楽しむ」というところまで至らないことが多いが、そういった点にトータルで、真剣に取り組み、本当に「楽しめる」ところまで達したのが「レグザタブレット」シリーズということになる。
では、実際の製品について見ていこう。前述したようにレグザタブレットには用途によって4つのモデルがラインナップするが、今回、注目したいのは、やはり7.7型の有機ELを搭載した「AT570」だ。自宅でも外出先でも、どちらでも使える絶妙なサイズと、有機ELの目を見張るような美しさが特長の製品となっている。
この製品の完成度は、手に取った瞬間に感じることができる。約7.9mmの厚さは、薄型を売りにするAT700(約7.7mm)にはわずかに及ばないものの、現在、市場に存在するタブレットとしては十分に薄く、手に持ったときの軽快さをダイレクトに感じることができる。
文庫本と比べると、面積がわかりやすい | A4変形の雑誌と比べると、約半分 | 直径20mmの1円玉と比較 |
上面側には電源ボタンやボリューム調整ボタンを備える | 手前側(下面側)に、拡張端子とステレオスピーカーを備える | 右側面にmicroSDスロットやUSB、イヤホンジャックを備える |
REGZA Table AT570 | |
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OS | Android 4.0 |
CPU | NVIDIA Tegra 3 1.3GHz |
ディスプレイ | 7.7型ワイドWXGA(1280×800) 有機EL |
メモリ | 1GB |
内蔵フラッシュメモリ | 64GB(AT570/46F)、32GB(AT570/36F) |
Webカメラ | 前面(200万画素)/背面(500万画素) |
バッテリー駆動時間 | 約10時間(連続動画再生時) |
サイズ | 幅約204.5×奥行き約135.2×厚さ約7.9mm |
質量 | 約332g |
通信機能 | IEEE802.11b/g/n、Bluetooth |
メディアスロット | microSDカードスロット×1 |
インターフェイス | USB2.0(micro-AB)×1、ヘッドホン/ヘッドセット端子×1 |
実際の重量も約332gと軽く、手にかかる負担をほとんど感じない。タブレット製品によっては、重量バランスの問題で、数値以上に手にかかる負担が重く感じられる製品も存在するが、AT570はこの逆で、数値以上に軽さが感じられるようになっている。
この軽さは大きな武器だ。レコーダーで録画した映像を観る、電子書籍を読む、といった長時間利用するスタイルでは、本体の重量やバランスは快適さを左右するとても大きな要因となる。単に持ち運びが楽、鞄に入れやすいというだけでなく、実際に「使う」ことが考えられたサイズや重量は高く評価できるポイントだ。
手に取った後、電源を入れれば、今度は有機EL(1280×800ドット)の画面の鮮やかさに驚かされる。他のIPS液晶搭載モデルも発色は鮮やかだが、このAT570の画質はまさに目を見張ると表現するのがピッタリ来るほど美しい。
標準で壁紙に設定されている花の写真でわかるので、ぜひ店頭でも確かめてみてほしいが、暗い影の部分と光が当たった明るい部分の差がくっきりと浮かび上がる様は、さすが有機ELといった印象だ。
目を見張る鮮やかさの有機ELディスプレイ |
色再現性も高く、視野角も広いので、デジタルカメラの画像を見るといった用途に最適だ。斜めからでも画面が見やすいので、撮影した写真を複数の人で見て楽しむといった用途にも適しているが、デジタルカメラで撮影した写真をその場で確認するといった用途に適している。
たとえば、アプリなどを利用して撮影した写真を無線LANなどで転送するようにすれば、取った写真をその場で、しかも高い色再現性と鮮やかな画質で確認可能だ。最近では、リーズナブルなデジタル一眼レフカメラの登場で、写真が趣味といった人も増えてきたが、そういった人にとって、気軽に持ち運べて、大きく、きれいな画面で確認できるAT570は、写真のチェック用として、まさに待ち望んでいたタブレットと言えそうだ。
映像を楽しむのにも最適だ。AT570では、液晶テレビ「レグザ」やブルーレイディスクレコーダー「レグザブルーレイ」(VARDIAシリーズの一部も対応)と連携可能な「RZプレーヤー(録画番組の再生)」、「RZライブ(放送中の番組のリアルタイム再生)」、「RZポーター(転送した番組の持ち出し)」を利用してテレビ番組を楽しむことができたり※、「ビデオプレイス」などの映像配信サービスを利用することなどが可能だが、こういった機能を使って映像を再生した際もきれいに、スムーズに再生できる。※ これらの機能について詳しくはこちら
液晶テレビのレグザやレグザブルーレイと連携して録画番組などを再生可能 | 高画質設定を有効にすることで映像に合わせた最適な画質に調整できる |
あまり性能が高くないタブレットの場合、高画質の映像で映像が乱れたり、動きの速いシーンで液晶の反応が追いつかない状況がまれに見られるが、AT570では、こういったことがなく、まさに流れるように映像が再生される。映像のイメージも深みがあるというか、暗いシーンなどでの微妙な表現がなされているうえ、映像補正技術の効果もあり、全体のイメージもシャープな印象を受ける。画面の明るさも自動的に調整されるようになっており、外出先や屋内など、環境が変化すると最適な画質へと自動調整されるため見やすい。
7.7型というサイズから、画像や映像を見るということに対して、あまり期待していない人もいるかもしれないが、実際に使ってみると、想像以上に画像や映像向きのタブレットとなっている。「画像や映像を楽しむ」という使い方に対して、徹底的に技術を磨き上げた印象だ。
このように、これまでのタブレットやスマートフォンでは、限界があった写真や映像を存分に楽しめるレグザタブレット AT570だが、もう一つ注目したいのが、最近注目が高まってきている電子書籍端末としての使いやすさだ。
7.7型というサイズは、読むときに手に持つことを考えても、画面の中に詰め込まれた文字を読むことを考えても、実にちょうど良いサイズとなっている。10インチクラスのタブレットは家で雑誌などを読むのには最適だが、電車などで長時間手で持ったまま本を読むのがつらい。かといってスマートフォンでは、画面が小さくて文字が読みにくい。
もちろん、小説なら文字を拡大することも可能だが、コミックは文字だけ拡大することができないので、せっかくのコマ割が犠牲になってしまう。AT570では、このような、サイズに起因するこれまでの電子書籍端末の使いにくかった点が、見事に解消されているわけだ。
しかも、AT570は、手に持ったときの感触も非常に心地良い。前述したように重量が軽いため、片手でホールドしても疲れないうえ、背面の表面が滑らないように細かなドットパターンで工夫されているため、揺れる車内などでもしっかりと本体をホールドすることができる。
さらに繰り返しになるが、有機ELのおかげで、細かな文字までクッキリと見やすい画面で読むことができる。文中のルビまできちんと判読できるのは、7.7型と有機ELの組み合わせならではの特長と言えるだろう。
メモリ容量は32GBもしくは64GBと大容量となっているうえ、バッテリー駆動時間も約10時間と長い。また、ブックプレイスと呼ばれる東芝ならではの電子書籍サービスも利用することが可能となっている。今ならレグザタブレット購入者にはブックプレイスストアで使える1000円分のポイントが付いてくるので、購入後早速使ってみるのもよいだろう(キャンペーンの詳細→こちらのページ下部に記載)。迷うことなく、大量の電子書籍を、思う存分、楽しめるのもREGZA Tabletならではの特長となっている。
最近では、電子書籍サービスが増えてきたうえ、タイトルも小説、雑誌、コミックといろいろなジャンルの作品を楽しむことができるようになってきた。賞を取った小説やドラマや映画化などで話題のコミックも、手軽に読めるようになってきている。AT570のような使いやすい電子書籍端末があれば、家ではもちろんのこと、通勤や通学中、外出先、就寝前など、ありとあらゆる場所で、好きなタイトルの電子書籍を楽しむことができるだろう。
REGZA Tabletでは電子書籍や映像アプリなどを楽しむためのサービスも一体となって提供されている | ブックプレイスを利用すれば電子書籍をすぐに購入して楽しむことができる | ビデオプレイスでは映像を楽しめる |
以上、東芝のレグザタブレット AT570を実際に使ってみたが、タブレットとしてもっとも使いやすく、万能のサイズとも言える7.7型のサイズと美しい有機ELという組み合わせは、最強の組み合わせと言っても良い構成だ。
最新のAndroid 4.0とTegra 3という基本部分の組み合わせも、これからのタブレットのスタンダードらしく、非常に軽快で、サクサクとストレスなく動作する。この操作感に慣れてしまうと、一昔前のタブレットやスマートフォンを使うのがイヤになるほどだ。Tegra向けに最適化されたゲームなども、有機ELの効果もあり、「動画か?」と思えるほどスムーズかつ快適にプレイできる。今後、Android向けのゲームが増えてくることを考えると、ゲームマシンとして所有しておくのにも適した1台だ。
このように、レグザタブレット AT570は、メールやWeb、SNSといった基本的な使い方だけでなく、写真や映像を楽しんだり、電子書籍を楽しんだり、ゲームを楽しんだりと、どのような用途でも、とことん気持ちが良いタブレットとなっている。
「REGZA」という名前から、液晶テレビやレコーダーとの連携に強い高画質タブレットというイメージが強い人もいるかもしれないが、汎用的なタブレットとしても、現状のタブレット製品の中で頭1つ抜けている存在と言える。その良さは手にとって見れば明らかなので、ぜひ店頭などで一度試してみてほしい製品だ。
(清水 理史)