dynabook Qosmio T851

世界初の2D・3D同時表示を可能にしたこの夏注目の製品だ。
※画面は3D映像の効果をわかりやすくしたイメージです。「Qosmio AV Center」使用時。

★グラスレス3Dがすごい!

 夏モデル一番の注目製品は、専用メガネを使わずに、2D・3Dを一つの画面で同時に視聴できる「dynabook Qosmio T851」だろう。発売前に実機をお借りして、このグラスレス3Dを体験することができた。

 専用メガネ無しでの3Dにも実例はあるが、今までのグラスレス3Dでは、視聴者の見る場所によってはうまく3Dにならない場合も多く、正直なところ見るに堪えないものもあったのが実情だ。しかし、今回東芝のdynabook Qosmio T851に搭載されたグラスレス3Dは、多少視聴者が動いても高画質な3Dが見られるようになっている。それを可能にしたのが、アクティブレンズ採用の液晶パネルとフェイストラッキング方式だ。

★秘密はフェイストラッキングとアクティブレンズ

 dynabook Qosmio T851の液晶パネルには、アクティブレンズという3D表示をON/OFFする専用のレンズが搭載されており、画像を見る位置が変わってもレンズと映像処理を組み合わせることで高画質な3D映像を見ることができる。

 重要なのは、どうやって右眼と左眼に映像を正しく届けるかなのだが、これには見る人の位置情報を正しく認識するためのフェイストラッキング方式が使われている。フェイストラッキング方式はWebカメラを使って、画像から人の顔を認識する技術を応用したものだ。最近のコンパクトデジカメでは、顔にピントを合わせたり、笑い顔を認識したりする機能として利用されているが、進化させたものだと思えばよい。dynabook Qosmio T851のフェイストラッキング方式では、顔の画像を分析し、さらに左右の眼の位置を割り出す。この左右の眼の位置の情報を元に、右眼用と左眼用の正しい3D映像を届けるのがフェイストラッキング方式だ。

 また、dynabook Qosmio T851では世界初*2 3Dウインドウ(3D/2D同時表示)も実現している。3D/2Dを一つの画面に同時表示するというのは、通常のデスクトップ画面やソフトウェアは2D表示し、地デジやブルーレイなどを視聴するソフトウェアのウインドウ内だけを3D表示するということだ。Webブラウザなど3Dに対応していないソフトウェアなどを3D表示にしてしまうと文字が読み取りづらくなってしまう。そのため、3D対応PCでは、テレビの視聴ソフトがフルスクリーン表示のときだけ3D表示になるものも多い。dynabook Qosmio T851ではテレビ画面のウインドウ内は3D表示、それ以外は2D表示というのが可能になった。しかもグラスレスでだ。

 dynabook Qosmio T851に搭載された高画質3D技術はグラスレス3Dをより美しく表示する技術だ。フェイストラッキング方式によりカメラの範囲内に顔があれば、それに合わせて3D映像を最適に表示してくれる。映像のウインドウだけ3D表示をできるのは、画面の中のウインドウ部分のアクティブレンズをオンにしてそれ以外の部分がオフにしているからだ。これで、3D表示でテレビなどを見ながらWebを見たり文書の作成などの仕事をしたりもできる!

*2 PCとして。2011年7月発売、東芝調べ。2D表示はフルHD解像度。3D表示はHD解像度相当となります。

アクティブレンズの仕組

視聴者の眼の位置に合わせて屈折をコントロールし、左右の眼、それぞれに違う映像を見せることが可能。
 

Webカメラを使ったフェイストラッキング方式

フェイストラッキングで視聴者の位置情報を計測し、それに合わせた映像処理が行われる。

パネル上部に搭載されたWebカメラ

ほとんどのdynabookに搭載されているWebカメラ。T851には有効画素数100万画素のカメラが搭載されており、フェイストラッキングに使われる。
 

フェイストラッキングで左右の眼の位置をチェック

カメラで撮影した視聴者の顔を常に追従し、左右の顔の位置をチェックしている。この情報をもとに、左右の眼の位置による視差を計測する。

★3Dコンテンツが少ないから

2D3D変換ボタン

2D映像を1クリックで3Dに変換するボタンがアプリケーションに用意されている。2DのBlu-rayやDVD、地デジコンテンツなども3Dで楽しむことが可能だ。

 しかし、こういった3D映像を見られるハードウェアをもっていても一つ問題がある。それは3D映像コンテンツの少なさだ。将来的には増えていくと予想される映画などのコンテンツは、残念ながら今のところ非常に少ない。そのような状況の中で用意されたのが2D3D変換技術だ。

★2D3D変換がすごい!

 dynabook Qosmio T851は、ボタン一つで2D映像を3D映像に変換する機能を持っている。このボタンを使えば2DコンテンツのDVDやテレビ放送などを、3D映像で楽しむことが可能だ。しかも、dynabook Qosmio T851の2D3D変換には様々な工夫がされており、立体感が高く見やすい。

 たとえばフェイス3D*3による人型の奥行き感の向上だ。映像から顔を検出して、それを基準に人型に立体感を割り当てる。テロップの文字を読みやすくしたテロップスタビライザー。前後の映像から動きを読み取り遠近感を向上させたモーション3Dなどなど。3Dの奥行きをさらに広げる様々な技術が盛り込まれている。

*3 Qosmio AV Centerのみ対応。

映像専用チップ「SpursEngine(TM)」

映像専用チップSpursEngine(TM)はCELL REGZAにも搭載されている高性能、高機能の映像処理エンジン

★映像専用チップ「SpursEngine(TM)」を搭載

 さらに、dynabook Qosmio T851には、映像専用のチップSpursEngine(TM)(スパーズエンジン)を搭載している。これは、東芝の液晶テレビCELL REGZAにも搭載されていた映像エンジンで、長時間録画のために映像を圧縮したり、Blu-rayなどのメディアにダビングする際にフォーマットを変更したりするだけでなく、超解像技術と言う映像そのものをきれいにする機能も持っている。

高性能スピーカーを内蔵

世界有数オーディオメーカー、ハーマン・インターナショナル社と東芝の共同開発、harman/kardonスピーカー。音量を上げてもビビリがなく、高音から低音まで再現でき、ノートPC用スピーカーとしては非常に高音質。

★1台4役!なんでもこなせるハイスペックPC

 dynabook Qosmio T851はハイスペックな最新の第2世代インテル(R) Core(TM) i5 プロセッサー搭載をはじめ、グラスレス3Dの採用、映像専用チップ搭載のほか、高品質なスピーカーも搭載している。PCとしてだけでなくテレビやBlu-rayレコーダー、オーディオと、1台で4役を高度なレベルでこなすdynabook Qosmio T851は、フラッグシップと呼ぶにふさわしい。家庭でリビングなどに置き、何にでも使えるPCとして使いたい、そんなPCだ。

 今回の夏モデルではほとんどのシリーズに第2世代インテル(R) Core(TM) プロセッサー・ファミリー搭載製品がラインナップされる。大きな特徴としては2つ、グラフィックス機能が強化された点とインテル(R) ターボ・ブースト・テクノロジーが2.0に進化してさらに処理速度が上がったことだ。まず、グラフィックス機能はCPUに内蔵することにより転送速度が向上しグラフィックス処理が一段と快適になった。今まで内蔵グラフィックスではできなかったゲームなどを楽しむことが可能になった。また、インテル(R) クイック・シンク・ビデオ機能が追加されているため、動画の作成や編集に力を発揮し高速な処理を行うことができる。さらに、第2世代インテル(R) Core(TM) i7 プロセッサーや第2世代インテル(R) Core(TM) i5 プロセッサーは、インテル(R) ターボ・ブースト・テクノロジー 2.0の採用で、動作クロックのブーストを最適化し、特定のコアの負荷が大きなときに、コアの動作周波数を定格よりも上げてパフォーマンスを向上させる機能を持つ。

 このように、今回の夏モデルには、第2世代インテル(R) Core(TM) プロセッサー・ファミリーを採用した強力な頭脳が搭載されており、パフォーマンスを向上させている。

 いよいよアナログ停波が近づき、リビングだけではなくマイルームの地デジ化も気になるところ。地デジ機能を搭載した製品が多いのも夏モデルの特徴と言えるだろう。上で紹介したdynabook Qosmio T851のほか、液晶一体型AVPC「dynabook Qosmio D711」、ハイスタンダードAVノートPC「dynabook Qosmio T751」などの上位シリーズには、地上デジ・BSデジタル・110°CSの三波対応のユニットを二つ搭載しており、2番組を同時に録画するW録(R)対応だ。

 dynabook Qosmio D711ではクアッドコアを採用したインテル(R) Core(TM) i7-2630QMプロセッサーを搭載したモデルもラインナップされており、インテル(R) ハイパースレッディング・テクノロジーによって8スレッドの処理を同時に行うことができる、非常にパフォーマンスの高い製品。

 また、dynabook Qosmio T751はインテル(R) ワイヤレス・ディスプレイ*4に対応しており、対応テレビやワイヤレスディスプレイアダプターを用意すれば、離れた場所にあるテレビにワイヤレスでPCの画面を表示することができる。家庭では自室に置いたPCを動かさずに、リビングの大型テレビで動画を楽しんだり、ビジネスではプレゼンの前準備の簡略化など利用したりと役立ちそうだ。

 ミドルレンジクラスになるスタンダードAVノートPC「dynabook Qosmio T551」は、地デジのシングルチューナーを搭載し気軽にお求めやすいモデルだ。しかもdynabook Qosmio T551の最上位であるT551/T6CBでは、インテル(R) Core(TM) i3 プロセッサーを採用しつつも、長時間バッテリーを搭載して約8時間*5バッテリー駆動を実現。連続テレビ視聴で約5時間*6を実現。停電など万一電力供給がストップした環境でも情報収集ができるというのは安心だ。6月に発売したばかりでコストパフォーマンスが高いインテル(R) Pentium(R)プロセッサーを採用したdynabook Qosmio T551/T5CBやdynabook Qosmio T551/T4CW(T4CB:末尾Wはベルベッティホワイトモデル。Bはベルベッティブラックモデル)をラインナップしている。dynabook Qosmio D711の下位製品以外はすべてBlu-rayドライブを搭載しており、とくにdynabook Qosmio T551/T4CW(T4CB)はお買い得感の高いモデルになっている。

*4 インテル(R)ワイヤレス・ディスプレイはデジタル放送などコンテンツ保護処理された映像や音声を出力することはできません。
*5 JEITA測定法Ver1.0による値。
*6 テレビ以外のアプリケーションを起動せず、連続してテレビ視聴した場合。利用環境により異なります。

dynabook Qosmio D711

液晶一体型の据え置きPC。普通の液晶テレビと見まがうようなデザインで、リビングにあっても違和感がない。

dynabook Qosmio T751

グラスレス3Dモデルと同じデザインのスリムなAVノート。シャイニーレッドの他にリュクスホワイトのモデルも。

dynabook Qosmio T551・dynabook T551

大容量バッテリーを搭載するモデルや、お買い得感の高いインテル(R) Pentium(R)プロセッサーを搭載するモデルをラインナップしている。dynabook Qosmio T551/T5CはBluetooth Ver3.0を搭載しており、さらにContinua規格にも対応しているので、今後続々登場する同規格対応の体重計や血圧計とワイヤレス接続が可能。

dynabook Qosmio T551/T6CBのバッテリー

写真の大きなバッテリーが、dynabook Qosmio T551/T6CBに付属する。約8時間*5の駆動時間を実現しており、ある程度の厚みがあるが、本体の奥側の足となるため、奥に向けて傾斜が付くため打鍵しやすい。

dynabook R731

バッテリー駆動時間約13時間*7という長時間駆動の可能なモデルもラインナップされるシリーズ。モバイル性能が非常に高くWiMAXを全機種で内蔵。

★バッテリー容量がでかい!

 グラスレス3Dや地デジ搭載モデルへの注力など話題に欠かない東芝 dynabookの夏モデルだが、ほかにも特徴的な機能をもった製品が多い。その中の一つがバッテリー容量の多い製品が増えたことだろう。dynabook Qosmio T551/T6CBは長時間バッテリーを搭載するというのは前述の通りだが、そのバッテリー駆動時間は約8時間*7と非常に長い。また、スリムコンパクトノートPCの「dynabook R731」はdynabook R731/37C(36C、16C)の3モデルでは約11時間*7、dynabook R731シリーズ中一番ハイエンドなモデルのdynabook R731/38Cでは約13時間*7と半日以上のバッテリー駆動時間を誇る。

*7 JEITA測定法Ver1.0による値。駆動時間は使用環境および設定などにより異なります。

ピークシフト機能

ピークシフト機能を使ってAC電源での利用時間をコントロール。ピークタイムに電力消費を抑えて節電に貢献しよう。
※インストールおよび設定が必要です。

★ピークシフトでピーク時の節電に貢献!電力消費を抑えるエコボタンも。

 dynabook Qosmio T851、dynabook Qosmio T751、dynabook R731にはピークシフト機能が用意されている。これは、この夏必須となるであろう節電をテーマにした、いわゆる「電力ピーク時の節電」のための機能だ。ピークシフト機能とは、電力需要のピーク時間帯にAC駆動からバッテリー駆動に切り替え、それを過ぎたら再びAC電源駆動に戻るように設定する機能だ。たくさんの人がこの機能を利用すれば、この夏のピーク電力に変化が見られるはずだ。

 また、PCの動作を最適化し、消費電力を抑えるエコユーティリティも用意されている。ecoボタンが搭載された機種では、ワンタッチの簡単操作で、省電力設定のecoモードに変更できます。たとえば、AVノートPC「T751」ならecoユーティリティが「ON時」は「OFF時」*8に比べて約39%*9、液晶一体型AVPC「D711」なら約40%*9の省電力効果が期待できる。このように、電力不足のこの夏を意識した製品も、夏モデルの特徴だろう。

*8 「ディスプレイ輝度100%、不使用時(20分)でディスプレイ電源切・スリープ設定なし」の設定。
*9 ecoモード「OFF(*8の設定)」と「ON」時の消費電力(概算)差の比率。起動後30分使用(HP閲覧)、10分不使用、20分使用、30分不使用の状態で90分測定した結果。90分間利用時点の消費電力(東芝実測値)は、T751(ecoモードOFF時:21.2Wh、ON時:13.0Wh)、D711(ecoモードOFF時:69.2Wh、ON時:41.5Wh)です。

★WiMAX内蔵機種もラインナップ

 また、dynabook R731は4モデルすべてにWiMAXを内蔵しており、契約さえすれば買ってすぐにどこでもインターネットを利用することができるのも特徴。非常に長いバッテリー駆動時間と合わせて、まさにモバイル最強の軽量ノートPCだ。

dynabook T351

新筺体のdynabook T351。第2世代インテル(R) Core(TM) i5 プロセッサーやインテル(R) Pentium(R)プロセッサー搭載モデルをラインナップ。

★新デザインで美しいボディ!

 デザインの面でも、新しく登場したdynabook Qosmio T851は当然として、レザーをイメージした指紋の付きにくいボディのdynabook Qosmio T551、dynabook T551のほか、スタンダードノートPCのdynabook T351に新筺体が採用されている。dynabook T351には、成型時に金型の中に転写フィルムを挟み込んだ「成型同時加飾転写工法」を採用し、艶やかな質感でありながらパターンの施された加工がされており、エレガントな雰囲気のデザインだ。

 こうしてみてくると実に様々な機能や特徴をもった製品が東芝 dynabookの夏モデルにラインナップされているのが分かる。TV機能付きAVノートの充実に加え、スタンダードモデルのコストパフォーマンスの向上、長時間駆動やWiMAX機能の搭載によるモバイル機能の搭載のほか、夏の節電対策も見通したラインナップだ。グラスレス3Dは確かにトピックだが、それ以外の部分もおろそかにしていない東芝の姿勢と意気込みが感じ取れる――そんな夏モデル。きっと読者諸氏にぴったりの製品があるはずだ。

(山本 倫弘)

※ Intel、Intel ロゴ、Intel Inside、Intel Core、Core Inside 、Pentiun、PentiumInsideは、アメリカ合衆国およびその他の国における Intel Corporation の商標です。
※ インテル® ターボ・ブースト・テクノロジーに対応したシステムが必要です。インテル® ターボ・ブースト・テクノロジー 2.0 は、次世代のインテル® ターボ・ブースト・テクノロジーであり、第2世代インテル® Core™ i5 プロセッサーおよびインテル® Core™ i7 プロセッサーでのみ利用できます。実際の性能はハードウェア、ソフトウェア、システム構成によって異なります。詳細については、 http://www.intel.co.jp/jp/technology/turboboost/ を参照してください。