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海洋冒険物の巨匠 小澤氏の作品を「08小隊」の飯田氏がアレンジ!骨太の人間ドラマと胸の空くようなメカシーンを堪能できる作品
まずはタイドライン・ブルーの世界をおさらい!
 60億の人類を一瞬にして水没させた、悲劇の天変地異「ハンマーオブエデン」から14年後の世界を舞台に繰り広げられる海洋冒険ドラマの「タイドライン・ブルー」。 破天荒な設定を舞台に、国家、民族、人種、そして親と子まで、様々な人の関係が絡み合い、骨太な人間ドラマを織りなしている。重いテーマを真っ正面から心に打ち込んでくる内容に、深夜枠の放送でありながら、回を重ねるごとにファンは増加中。2005年夏アニメで一番との呼び声も高い注目の作品だ。

 それもそのはずで、小澤さとる氏、飯田馬之介氏による原作に加え、日本のアニメ界を代表する制作スタッフが参加。制作陣の素晴らしさは前回お伝えしたとおりだ。

水の惑星と地球のニアミスにより、悲劇の「ハンマーオブエデン」は起こった。地殻の陥没や隆起、水位の上昇や地軸の変化といった現象が生起し、これにより地球は大陸の90%が水没。そして60億の人類が死滅した
メインの舞台は海中になり、戦略潜水艦「ユリシーズ」の中での人間模様、潜水艦同士での息詰まる戦いなどが描かれる
作品に魂を吹き込むアフレコ現場に潜入!
 この作品の素晴らしさを支えるのは映像だけではない。豪華な声優陣による声の演技なくして、この作品は完成しない。そこで今回は都内の某所で行われたアフレコが行われているスタジオに潜入。最終回へと物語が突き進む11話のアフレコ現場をレポートする。

この小さなスタジオの中で、タイドライン・ブルーに魂を込めるべく声優陣が熱い演技を繰り広げる
監督、録音監督が声優陣に指示を出す調整室。調整室には常に防音室の音声が入っている。必要な時に調整室のマイクを使い防音室へ指示が入る

 収録は午前10時スタートだが、その30分ほど前にはすべての声優陣が揃い、コンディションを整えている。

 アフレコが行われるスタジオは、声優陣が演技をする「防音室」と監督を始めとするスタッフが詰める「調整室」に分けられている。

 アフレコは壁に掛けられたプラズマテレビに映る映像に合わせて声優陣が声をあてるのだが…ご覧の通りマイクは4本しかない。画面には同時に何人ものキャラクターが登場するので、それに合わせて声優がマイクを取り合うように次々と作品に声を吹き込んでゆく。戦闘シーンが激しくなるほどに声優の動きも激しくなり、見ている方まで否が応でも緊迫してしまう。
現場を仕切る二人の監督登場!?その役割とは?
 アフレコ現場には2人の監督がいる。作品全体を監督する飯田監督と、声優陣の声の演出をする録音監督の佐藤敏夫氏だ。作品にもよるが、声優の演技指導は録音監督が一手に引き受けており、監督は全体のバランスを調整役に徹している。監督といえどもアフレコでは、一歩引いた役割になっているのが面白い。

 録音監督は声優の発音や息継ぎのタイミングから、作品の流れに沿った感情の入れ方まで、微に入り細に渡り指示をする。声を扱うだけに、監督というよりはオーケストラの指揮者に近い役割だ。

手前が総監督の飯田馬之介氏。画面と声優の演技をじっくりと見極めている
録音監督の佐藤敏夫氏。台本には様々な指示が書き込まれている
佐藤監督のキビシイ演技指導で収録は4時間を超えた
 本作で録音監督を担当する佐藤敏夫氏は、かの「フランダースの犬」や海外ドラマ「ER 緊急救命室」シリーズを手がけている大御所。作品に対して熱い情熱を注ぐことで知られている。佐藤監督にはこんなエピソードがある。ERの第4シーズン第1話「待ち伏せ」で、米国ではドラマを生放送した。それを聞いた佐藤監督は日本語のアフレコも、取り直し無しのリアルタイム録音に挑戦し、成功させた伝説の人なのだ。その情熱は本作でも遺憾なく注がれており、収録中は何度も綿密な演技指導が入った。結局30分番組のアフレコが終了したのは、なんと14時過ぎ。その間、声優陣は昼食抜きで収録を続け、途中、お腹が鳴ってNGが出てしまうほどだった。
タイドライン・ブルーに命を吹き込む主役声優陣がズラリと勢揃い
左から土師 孝也さん、榊原 良子さん、浪川 大輔さん、阪口 大助さん、氷上 恭子さん、わくさわ りかさん
 4時間の収録を終えた、声優陣に作品へのコメントをいただくことができた。

 当日はテレビ放送のラスト前の話とあって、かなりヘビーな収録で、お疲れだったようだが、和やかな雰囲気の中でお話を伺えた。それぞれ担当するキャラクターに対する思い入れと、これから発売されるDVDの楽しみ方を宣伝!?も交えてコメントしていただいた!






━━物語の前半で印象に残っているシーンは。

阪口氏:前半のキールは、ユリシーズでの生活に馴染めず、あたふたするシーンが多かったので、見せ場というシーンはないかもしれませんね。後半に期待してください!あと、自分のキャラではないのですが、やっぱり一話のイスラの出産シーンですかね(笑)あれは驚きました。

━━いままで、ちょっと頼りない少年役を演じることが多かったように思います。そんな阪口さんにとってキールとは?

阪口:キールのような直情型の主人公は初めてなので新鮮です。ただ、キールは毎回、成長しているのでその過程を演じることで、僕自身も成長しているように感じています。そんな部分に愛着がわきますね。DVDが発売されたら、そんなキールの成長をじっくり、追いかけて見てほしいですね。

━━イスラを演じてみて印象に残っているシーンは?

わくさわさん:やはり1話の出産シーンですね(笑) 収録も苦労しましたし、なんかすべてを出し切って演じた、という印象があります。

━━タイドライン・ブルーについては?

わくさわさん:映像、音、そして登場するキャラクターまで、作品のすべてが美しく、ピュアだなぁ、って感じています。ストーリーが過去と現代でフラッシュバックすることが多いので、最終話まで見たら、今度はDVDでストーリーの流れを再確認しながら楽しみたいと思っています。

━━感情を表に出さないティーンを演じるにあたり意識していることは?

浪川さん:ティーンは前半、とてもクールで感情を抑えています。しかし後半へと進むにつれ、感情を抑えていたことがストーリーの重要な部分になるようです。大人の社会で育てられて、背伸びをしている感のあるティーンですが、まだ14才ですから、子供らしい純粋さが微妙に残っているんです。大人のようにいろんなことを計算できるけど、純粋に物事を見る部分も残っている。そんな心の動きを意識しながら演じています。

━━作品全体については?

浪川さん:よく練られたストーリーなので、演じる方も気が抜けない作品です。ただ繰り返して見るほどに、作品の中に流れている、いくつものテーマが見えてくると思うんです。僕はDVDが手元に届いたら、ストーリーを噛みしめるように、繰り返し再生すると思います。読者の皆さんには、とくに登場人物の人間関係に注目してストーリーを楽しんでほしいと思っています。

━━ジョゼを演じるとき、心がけることは?

氷上さん:ジョゼはキールと同じように、軍人として育てられています。ですから、比較的感情を抑えているのが特徴ですね。ジョゼの見どころというと…物語の途中でキールと一緒に町をさまようエピソードがあります。いつもは気丈な彼女が、なれない環境に疲れてしまい、そのときに見せる人間らしさを演じるのは難しかったですね。それだけに、印象に残っています。

━━氷上さんにとって、タイドラインブルーの見どころを教えてください

氷上さん:実は…テレビ放送は放送時間が変更してしまうので、録画に失敗してばかりで、数回しか見ていないんです。もちろんアフレコですべて見ていますが、家のテレビでゆっくり見たいと思っています。ですから、本気でDVDの発売を待っています! 早く発売してくださいっ!

━━60才という榊原さんよりも年上のアオイを演じるのは難しくありませんか?

榊原さん:まだ声優の駆け出しの頃、洋画の吹き替えで少女から80才のおばあさんまで演じてきたので、不安はありません。ただ当時は役作りまでは、気が回らなかったと思っています。アオイはミステリアスな部分も多く、複雑な人生を送っているようです。年齢も私の実年齢よりも上なので、そのギャップを自分の経験や気持ちで、埋めるように演じています。一声優としての経験ではなく、人としての経験や思いを込めて演じたいたいと思わせる、そんな魅力的なキャラクターですね。

━━それにしてもアオイは謎が多いですよね? 監督の考えで物語の先はご存じないということですが…

榊原さん:言葉の裏にある意味を考えながら演じています。いくつかのシミュレーションを立てて演じるのですが、グールドとの関係など自分の中で想像できない謎が、まだ多くありますね。そのあたりの謎はいつ解明されるのでしょうね(笑)。

━━グールドを演じるにあたって意識していることは?

土師さん:グールドを演じるには、厳しさと優しさを使い分けなければいけないのですが、つい優しさが出すぎてしまうんです。その部分を佐藤監督に指摘されて、厳しいグールドへ修正することがありますね。とくに優しい顔をしていても、厳しい口調で話すときがありますが、そういう画面のときの演技は気をつけるようにしています。グールドがティーンやキールを思う、親心のような部分に人としての魅力を感じますね。

━━作品のおもしろさを一言!

土師さん:演じる側としては、一話ごとに自分の中なかにどんなもの(気持ち)があるのかな?って考えながら収録しています。この作品には先の見えないおもしろさがあるので、ぜひキャラクターの心情の変化と物語の流れを私たちと同じように、楽しんでほしいと思います。

 久しぶりにドラマを楽しめるアニメに出会えたと思っています。声優として、またエンディングテーマを歌うことで、この作品から多くのことを学べたと思っています。学んだことですか?単純だけど「やっぱり争いはいけない!」ってことですね(笑) タイドライン・ブルーに込められた、そんなメッセージを見る人に感じ取ってもらいたいですね。
Text by 鈴木桂水
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