超気になるスバルXVハイブリッドに乗るゼ♪

 スバル車に搭載されるアイサイト(ver.2)はホントにイイ。安心だし、ラクだし、何しろ便利。次のクルマは絶対アイサイト搭載車ッ!! と決心しているほど惚れている。アイサイトは安全面や快適さでクルマをさらにステキな存在にしたと思う。たとえば衝突防止の注意喚起をしたり自動ブレーキを使って衝突回避、または被害軽減してくれたりする。フラつきや白線オーバーなどのミスに対しても注意喚起してくれる。明らかに運転時のリスクが減るし、ドライバーの不安も大きく減りますな。

 それとアイサイトによるオートクルーズ。前のクルマのスピードに合わせてアクセルを自動制御してくれるんですよ。一定の車間距離を保ちつつ前のクルマに「追尾して走る」のだ。これがヒッジョーに快適。ドライバーはハンドル操作だけでOK。

 そんな具合のアイサイトなので、体験するたびに、そしてアイサイト搭載車を見る度に、「あ〜アイサイト搭載車マジ欲しぇーッ!!」とか興奮しちゃう俺なのである。でまあ真剣にアイサイト搭載車の購入を考えていて、新型フォレスターあたりを買おうと思っていた……の、だ、が。ここへ来て非常に気になる存在が出現。すなわち、スバル初のハイブリッドカー「スバルXVハイブリッド」である。

アイサイトな上にハイブリッドの「スバルXVハイブリッド」。すげー気になるぜ!

 スバルXVハイブリッドは、スバルXV(ガソリン車)に電動ドライブモーターを追加した新型車。もちろんアイサイト搭載グレードも用意されている。このクルマ、も〜気になってしょうがねえ存在と言えよう。だってだってだって、スバルXVって、まずアイサイト搭載車が選べるでしょ。それに加えてスバル車の魅力───滑らかで力強く、しかも振動の少ない水平対向エンジン「SUBARU BOXER」を搭載。もちろん「シンメトリカルAWD」で4輪駆動。単なる4輪駆動ではなく、エンジンやトランスミッションを含む足回りが左右対称となっていて、しかも低重心。物凄く安定性のある走りをするのだ。それとXV、ナニゲに「立体駐車場に収まる車高/車幅」だったりするからニクい。

 そんなスバルXVに、さらに「ハイブリッド」というヤバい要素が加わったのが、スバルXVハイブリッド。コレってもう「全部入りスバル車」って感じでしょ? その魅力に我慢できない人が続出。登場直後からスバルXVハイブリッドを気にしまくる人続出。さらに買っちゃう人も続出!! うわ〜俺もスバルXVハイブリッド超気になるぅ〜!! とか言ってたら「じゃあ乗ってみませんか」と。

 ウヒョ♪ 乗る乗る!! スバルXVハイブリッドで走りまくる〜!! てなわけで以降、今最も注目されている新型車スバルXVハイブリッドのアレコレをレポートしてみたい。

アイサイト搭載車が欲し過ぎるッ!!

 どうせ乗るなら、やっぱり遠出。では、どこへ……あっそうだ!! 今年の4月に圏央道の東金JCT〜木更津東ICが開通したんだ。すなわち高滝湖(高滝ダム)まで高速道路で行ける!! あ。高滝湖って釣り場としてよく知られるダム湖なんですけどネ。

 ともかく、スバルXVハイブリッドで高滝湖まで釣りをしに行きたい!! スバルXVハイブリッド&フィッシングでダブルの愉しみ♪ って、どこまで欲深なんでしょうな、俺ってヤツぁ。

新規開通した圏央道を使ってバス釣りのメッカ、高滝湖を目指すのだ!

 そんな感じで調子コイて朝からスバルXVハイブリッドを走らせた俺なんですけど、乗った車種はもちろんアイサイト搭載車である「HYBRID 2.0i-L EyeSight」。そしてまず感じるのはアイサイトの快適さ。高速道路とかマジでラクなんですよ〜。

 ちょいと前述したが、アイサイト搭載車は「前のクルマに追従して自動で速度調節してくれる」のだ。「全車速追従機能付クルーズコントロール」という機能だが、前方のクルマと一定の車間距離を取りつつスピードを自動制御。ドライバーは基本的にハンドル操作のみ行えばよい状態になるので、両足をフロアにペタリと置けちゃうってヒジョーにラク♪

 ちなみに「全車速追従機能付クルーズコントロール」が働く車速は0km/h〜100km/hまで。ノロノロ運転から高速道路でクルマが流れている状況まで、前のクルマに追尾しつつ車間距離/速度自動調節のオートクルーズで走れる。ので、渋滞なんかはとくにラク。低速域での加減速が繰り返される状況下でも、ドライバーは加減速しなくていいので、肉体的にも精神的にもストレスが僅少となる感じ。

 しかもアイサイトくん、自動での加減速が「とても巧い」。不安感の少ない加速をするし、減速も滑らでシッカリしている。とりわけ低速〜停止までのブレーキングは「達人級」で、「カクン」というブレーキング時の加速度による衝撃なんざぁ一切ナイ!! のである。そのブレーキングの巧さ、真似ようと思ってもなかなかデキなかったりするレベル。体験するとビックリしますよ〜。

 ほかにも誤操作による急発進を防いでくれたり、フラつきや白線オーバー時に警告を出してくれたりと、先回りして安全を提供してくれるような有り難い機能を多々持つアイサイト。やっぱり今回のアイサイト体験でも「欲しい……欲し過ぎるッ!!」みたいな気分になっちゃいました♪

いざXVハイブリッドで出発   ステレオカメラで前方の障害物と距離を認識、いざというときに警告したり自動で減速してくれるアイサイト。カメラなので自転車や歩行者も認識できるのだ♪
アイサイトのおかげでクルーズコントロールも先行車の速度に合わせて自動で車速を調整してくれる。コレ、すごい便利!!   おっと、渋滞が始まったけど、0km/hまでコントロールできるから、止まりそうで止まらないようなノロノロ渋滞もラクラク♪

危なげない走りをするスバルXVハイブリッド

 スバルXVハイブリッドで高速道路をどんどん進むなか、何度も改めて感じたのは安定感だ。印象だけ言ってしまうと、ワインディング的な道路を走っても、高速道路でスピードを上げても、フラつきが少なく、振動も少ない。ので、ドライバーとしては不安感が少ない。スバルXVハイブリッドは「危なげない走り」をしてくれるという印象になる。

 その安定感を生む要因のひとつは、「シンメトリカルAWD」の4輪駆動であり、水平対向エンジン「SUBARU BOXER」を搭載していることによる「重心の低さ」や「振動の少なさ」があると思う。同クラスの一般的なクルマと比べると、たとえば高速度での車線変更やカーブで不安を感じにくかったり、車内の静粛性が高いように思う。

 それからモーターによる加速アシスト。スバルXVハイブリッドのハイブリッドエンジンの挙動について詳しくは後述するが、ガソリンエンジンでの加速をモーターが後押しする。で、この「モーターによるアシスト」がイイ感じ。たとえば、求めるスピードまで力強くグイッと加速することができる。

 ので、高速道路での追い越し時の加速などを、余裕をもって行える。まあ、わりと多くのハイブリッド車は「モーターのリニアなトルクを使った加速」ができたりするが、スバルXVハイブリッドの場合はひと味かふた味くらい違うと思う。

フォレスターでも感じたことだが、XVハイブリッドも安定感が高いように感じる。水平対向エンジンで重心を低くできるからなのだろう   よく見るとバッテリーが2つ付いてるではないか! これ、一つはエンジンの再始動専用なのだとか

 というのは前述の「危なげない走り」。加速時もフラつきなどが非常に少ないし、高速走行時にやや急な車線変更などをしても十分安定していて不安を感じにくい。加速感も小気味よく、ターボラグがないターボ車のようだとも感じられる。その安定感とパワーの出方は、スポーツ走行をするクルマのそれに似ているようにも思う。

 そんな感じのスバルXVハイブリッドなので、なん〜か、ハイブリッド車らしからぬクルマ、みたいな。ハイブリッドとか言うと、もっとこう、エコでソフトでマイルドみたいな印象がアリガチだが、スバルXVハイブリッドに関して言えば「グイグイ走るし走って愉しめるハイブリッド」という印象だ。そしてその印象は、走るほどに強くなっていく。のだが、状況が変わると「うわこのハイブリッドったらスゲく利口〜そしてエコ♪」と思ったりもする。よ〜く走る一方で、燃料の節約もしっかりビシッと行っているのだ。

比較的急なカーブや合流が多く、運転が大変な首都高でもXVハイブリッドだと安心して走ることができる
ちょっとした山道でも軽快に走るし、田舎の荒れた路面でも乗り心地は快適♪
信号や踏切ではしっかりアイドリングストップで燃費も向上!

ハイブリッドとアイサイトが協調動作♪

 ところで、スバルXVハイブリッドはどんな感じで「ハイブリッドエンジンの駆動」をするのか? ハイブリッドエンジンのシステム制御イメージ、ここで簡単にまとめておきたい。

発進〜低速走行時はモーター走行

ゆっくりした発進時など、ガソリンエンジンでは効率的でない低回転域では、モーターのみの走行をする。もちろん音も非常に静か。

クリーピングからほんの少しアクセルを開けたくらいまではモーターのみで動く

加速〜中速走行時

エンジンの駆動により走行するが、必要に応じてモーターがアシスト駆動を行う。状況に応じてエンジンとモーターを最適に使い、燃費と力強い走行を両立させている。

街中などで走っていて最も多いのがこのパターン。エンジンだけで走るか、加速時などにモーターがアシストする

高速走行時

高速走行時は、ガソリンエンジンの効率が良い高回転域なので、基本的にエンジンだけで走行する。また、必要に応じてモーターを回して発電〜バッテリーに充電する。

通常、高速走行時はエンジン走行がメインとなり、巡航時は充電、加速時にモーターがアシストする感じ。ただしアイサイトとの協調制御にすると高速時もEVモードが発動する

減速時

ブレーキをかけたりアクセルを踏んでいないときは、減速のための力を電気に変換しつつ減速する「回生ブレーキ」を利用し、効率良く充電する。

減速し始めると回生ブレーキにより充電が開始される。ただし、エアコンのためなのかエンジンが止まらない(写真左)ときもある

停車時

ブレーキを踏んでクルマを止めると、エンジンが自動的に停止。アイドリングストップとなり、燃料消費をゼロにする。

信号などで停車すると完全なアイドリングストップ状態に。ただしエアコンを使っていると、途中でエンジンが始動することがあった

 てなイメージだ。いろいろな場面でモーターが動き、また回生ブレーキによる充電も行われますな。ちなみにスバルXVハイブリッドの回生ブレーキ、とても自然で、フツーのクルマとあまり変わらない感じ。違和感がなくてイイですな。

【動画】アイサイトを使わない状態での渋滞走行。ストップ&ゴーを繰り返すような渋滞だと結構な頻度でモーターのみでの走行が行われる

 で、スバルXVハイブリッドに乗っていて「うわ、このハイブリッドったらスゲく利口〜そしてエコ♪」と思うのは、アイサイトの「全車速追従機能付クルーズコントロール」機能使用時。このとき「ECOクルーズコントロール」をオンにしていると、アイサイトとハイブリッドエンジンが協調動作し、実用燃費をグッと高めてくれるという。その様子は、とりわけ渋滞状態、ノロノロ運転でよ〜くわかる。アイサイトで前のクルマに追従していて、加速も減速もアイサイト任せ。ドライバーはハンドル操作のみになりますな。

【動画】アイサイトによるクルーズコントロール時には80km/h程度の高速域でもEVモードになる
【動画】止まるか止まらないかの渋滞でのアイサイトは非常に快適!! さらにEVモードも積極的に使われるし、今回の走行開始からの燃費はこの時点で18.4km/L!!

 そんな状態でスバルXVハイブリッドのマルチファンクションディスプレイを見ていると興味深い。前のクルマに追従してゆる〜りと加速するときはモーターが駆動し、減速するときは回生ブレーキが働く。速度やバッテリー残量にもよると思うが、徒歩くらいの速度から30km/hくらいの速度域だと、ほとんどガソリンエンジンが回らないのだ。そして瞬間燃費がどんどん上がる。そして、あ〜んがい、バッテリーの減りが遅い。

【動画】首都高での渋滞中のアイサイト×ハイブリッド作動状態。10分のうち約5分30秒、エンジンが完全停止したEV状態だった(4倍速再生)

 恐らく物凄く効率よくモーター駆動と回生充電を行っているのだと思う。何しろ車速コントロールは「達人のアイサイトくん」が行っているのだ。そのスムーズな車速制御がエネルギー消費を最小限に抑えているに違いない。

アイサイトとの協調制御で積極的に回生ブレーキを使っているため、渋滞などの緩やかな減速だと、XVハイブリッドのブレーキランプが点くことが少ない

 ちなみに、そういう状況下のスバルXVハイブリッドは「外から見ていても興味深い」ですな。ノロノロ運転の渋滞中なので、当然、ほかのクルマのブレーキランプは点いたり消えたりしている。のだが、スバルXVハイブリッドのブレーキランプはほとんど消えたまま。これはおそらく回生ブレーキを多用しているからですな。普通はドライバーがブレーキペダルを踏むと、ディスクブレーキが作動して減速するのだが、人間がペダル操作をしないアイサイトなら、より積極的に回生ブレーキだけで減速することができる。つまり、減速時のエネルギーのロスが非常に少ないんですな。アイサイトとハイブリッドエンジンが協調動作して燃費向上に大きく貢献しているというわけだ。

広いし乗り心地がイイ!! 遠出が楽しいスバルXVハイブリッド

 前述のようにシッカリと燃費を向上させるハイブリッドエンジンを搭載し、さらに状況に応じて「イイ走り」を感じさせてくれるスバルXVハイブリッド。走り自体はエコであると同時にスポーティーだが、クルマとしての実用性も十分あったりする。

 たとえば広さ。外から見たのと乗って感じるのではまるで印象が違う。スバルXVハイブリッドの車内は意外なほど広々ゆったりとしているのだ。俺とか身長180cmで体重約0.1t(←俺くらいになると桁が違うのだ桁が)あるが、そんな巨漢がスバルXVハイブリッドの「後部座席に座ってもゆったり」な感じなのである。それと、ドライバーの目線の高さと視野の広さ。これもまた「外から見たのと乗って感じるのではまるで印象が違う点」なのだが、死角が少なくて運転しやすいと感じた。

 あとですね、乗り心地もイイんですよ、スバルXVハイブリッド。スポーティーな走行も楽しめるが、スポーツ走行向きのクルマの足回りの硬さゴツゴツ感があるってわけではなく、そのあたりはコンフォータブル。乗り心地としては上品な感じがするし、それゆえ長距離を走行しても疲れにくい。

乗り心地もよくて視界も広いから運転していて疲れない気がする   運転席を俺のポジションに合わせた上で後席に乗ってみる。と、こんなに足もとに余裕があるじゃないですか〜!

 車内が広いし運転もしやすいし乗り心地もイイ、のに、走ろうと思えばキビキビしつつ安定感のある高速走行ができたりするんだから、不思議と言えば不思議。新型フォレスターに乗ったときも同様の感じがした。スバル車ならではの「走りと快適さの共存」ですな。あ、あとこのスバルXVハイブリッド、荷室も広かったりする。カーゴルーム容量は344リットル(VDA法)。大きいカメラバッグが3〜4個入る余裕がある。遠出や旅行にもしっかり役立ってくれる容量だ。

ハイブリッドでもラゲッジの広さは十分! 底板を開けると床下にバッテリー類が埋まっているのが見える。スペアタイヤのスペースを利用してるんですな

 てな感じでスバルXVハイブリッドのアレコレを感じつつ、目的地の高滝湖へ到着。そしてササッと釣りしたけど全然釣れなくて帰途につき、結果この日は約300km走行した。俺の場合、このくらい走ると、そーとー疲れてクルマに乗ること自体イヤ〜ンな感じになってしまうのだが、スバルXVハイブリッドは違いますな。走って楽しめる側面と、クルマ任せにしてストレスと疲れを減らせる側面を持つので、結果的に体がラクだし気分的にも楽しさが残っている。まだまだ走る気満々の俺なのであった。スバルXVハイブリッドは遠出が楽しいクルマですな♪

アクアラインを使って千葉を目指す。海ほたるでちょっと休憩してアサリ焼きを食した
アクアラインから開通したばかりの圏央道で高滝湖の近くの市原鶴舞インターチェンジで降りる
仕事を忘れてひとときのバスフィッシングを満喫♪ 今度は仕事抜きで来たいですな

 ちなみに、渋滞にはまった直後の燃費は18.4km/Lという好燃費だったが、撮影日がちょうど月末だったので、そこから都心まで約30kmを2時間というめちゃくちゃな渋滞にはまってしまった。アイサイトくんのおかげで運転している俺はラクだったけど、燃費はやっぱり激しく悪化。目的地に着く頃の燃費は14.7km/Lまで落ちてしまった。運転した身から言うと、猛暑の日でありエアコン効かせまくりだったし、なによりあのひどい渋滞にはまってのこの燃費というのは上々だと思う。それと高速道路を順調に走っている時は、瞬間燃費が20km/L超を連発してたから、条件がよければもっとすげー燃費いっちゃいそうな予感♪ 「スバル車の走り」+「アイサイトの安全性と利便」+「燃費とパワー」てな感じで、やはり非常に魅力的なスバルXVハイブリッドである。

後編はこちら

プロフィール
 

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。

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