新型フォレスターで伊豆へ、オフロードへ!!

 11月に発売されたスバル(富士重工業)の新型「フォレスター」。4代目となるフォレスターだが、発売後約1カ月間(11月13日~12月16日)で、ナンと8000台以上も受注があったらしい!! スゴ!! 売れまくり状態。

発売されたばかりのスバル「フォレスター」。あのEyeSight付きのSUVってことで、すごく気になってるクルマなのだ

 そうなんだよな~俺もスバルのクルマが超欲しいんだよな~、何しろまずEyeSight(アイサイト)搭載車が欲しいんである。EyeSight、以前に試したんですけど、これ最高なんですよマジで。

 EyeSightは、スバル独自の運転支援システムで、前方のクルマにぶつかりそうになったら自動的にブレーキをかけてくれたりするのはもちろん、先行車に自動追従してくれるクルーズコントロール機能を使えたり、車線逸脱やふらつきがあったら警告してくれたり、誤発進を防いでくれたりする。一度使うと、EyeSightの安全性は非常に大きな「価値」だと痛感する。

 で、新型フォレスターだが、もちろんこのEyeSightを搭載したグレードも用意されている。あと、新型フォレスター、クルマにおける俺のアクティビティを考えると、かなりマッチしてるんだよな~、とも思う。けっこー荷物詰めて室内空間も広いSUVだし、ラフロードにもかなり強いっていうし、個人的にはその外観も好き。精悍ですな新型フォレスター。

 あ~良さそうだな~新型フォレスター。うん、そうだ、試乗しに行こう……と思ったら、「スタパさん新型フォレスター試乗しません?」と声がかかった。まままマジですか!! しますします試乗します超します試乗させてください!! と二つ返事状態。

 そして都内から伊豆へとロングドライブ。新型フォレスターで箱根ターンパイクを走り、さらには伊豆モビリティーパークでオフロード走行まで試してきた。てなわけで以降、新型フォレスターに乗りまくって感じたこと気づいたことなどをズギャッとレポートしてみたい。

力強いっ!! 速いっ!! でも上品で静かで愉しい♪

 試乗したのは新型フォレスターの「2.0XT EyeSight」グレード! 俺が一番気になってたグレードだ。EyeSight搭載車で、エンジンは水平対向4気筒DOHC 2.0リッター直噴ターボエンジン「FA20 DIT」。AWD(All Wheel Drive;全輪駆動)のAT車で、トランスミッションには静かで軽量・コンパクトな「新リニアトロニック」を採用している。

 とかシレッと書いている俺だが、正直、よーくわかりません。スバルの水平対向エンジンは力強く男らしく、あと、このターボエンジンは280馬力も出せるスゴそうなヤツ、みたいな大雑把なイメージしかない。すいません~クルマ系はドシロートなんですぅ~。だが、まあそういうシロートでもクルマに乗って運転するわけだし、何かしらの印象を得るハズ。なので、以降全編、わりとシロート視点でのレポートになることをお含み置きいただきたい。

これが今回借りたフォレスター! グレードは一番上級の「2.0XT EyeSight」。そう、お気に入りのEyeSight付きなモデルだ   スバルならではの水平対向2リッター直噴ターボエンジン!! 280馬力も出るのにJC08モード燃費も13.2km/Lとクラストップレベルの低燃費なのだ
このボンネット裏のダクトでインタークーラーまで冷たい空気を導くんだとか。よく出来てますなぁ   ジャコーン!! 「SUBARU BOXER DIT」の文字が力強そうだぜ~

 何はともあれ、まず試乗。都内を走って~首都高~東名高速~小田原厚木道路~箱根ターンパイク~伊豆モビリティパーク、みたいなルートを走った。

 新型フォレスターに乗ってみてまず感じたのは、ヒッジョーにスムーズかつ力強く加速すること。280馬力もあるターボ車なので、力強い加速はアタリマエかもしれないが、上品で滑らかな加速をするという印象がある。

 ターボ車って、アクセルを踏んだ直後よりも、少し遅れてから鋭く加速するじゃないスか。ターボ車特有の加速感。新型フォレスターっていうかこの「FA20 DIT」エンジンの場合、そういう「ターボ車独特の違和感」みたいなのが非常に少ない。

 なので、低回転から高回転まで、わりとリニアに加速していく感じ。滑らかに速度が上がっていくというイメージ。危なげない加速ってんでしょうか、ターボ車ってことを意識することなく、思ったとおりに気持ちよく車速をコントロールしていける。

 あと、スバルのボクサーエンジン、男らしいとか力強いとかいう「激しいイメージ」を勝手に抱いていたんだが、前述のように上品で滑らかに回るうえに、振動も少ないし静かっすね。実際、車内の静粛性は非常に高く、ほとんどのシチュエーションにて、運転席と後部座席の間でフツーに会話できるというレベル。ぶっちゃけ、静かで振動も少ないので、長距離ドライブがラクっす。

 もうひとつ、新型フォレスターは車高がわりと高めのSUV。なのだが、なんかこう、走っていると「車高が高いクルマを運転している」という感じがどんどん薄れてくる。わりとキツいコーナーをグイグイ曲がっても、クルマがふらつかない感じで、あれ? 結構いけちゃう? みたいな。シャーシの剛性の高さや重心の低さからくるものだと思うが、走ることを楽しめるタイプのクルマですな♪ 箱根ターンパイクみたいな峠道を走ってると最高に気分イイっすよこのクルマ。

いざ伊豆を目指して出発! クルマの重さを感じさせない鋭い加速、だけどターボ車の扱いにくさは全然感じない   見た目のワイルドさとは裏腹に車内はとっても静か! スピードが上がっても普通に会話ができる
箱根のワインディングを通っていったけど、カーブを曲がってても車高が高いのにフラフラせず、普通の乗用車の感覚そのままに運転することができた

ブレーキを踏まなくても勝手に加減速!! EyeSight、も~の凄くラクっ!!

 さて、都内から伊豆まで4時間くらいドライブしたわけだが、ドライブ中たびたび「やっぱりコレはイイ♪」と感じたのはEyeSight。「プリクラッシュブレーキ」に代表される「ぶつからない技術」として広く知られているEyeSightだが、じつは「ドライバーを快適にサポートする技術」としてヒッジョォォォ~に優れているのである。

 新型フォレスターに搭載されているEyeSightは「アイサイト Ver.2」と呼ばれる世代のもの。いろいろな機能が含まれているが、中でも「全車速追従機能付クルーズコントロール」機能がスゲく快適なのだ。

 これはステレオカメラで前を走っているクルマを検知し、自動的にそのクルマに追従していく機能だ。追従と言ってもハンドルを切ってくれるわけではなく、EyeSightが行うのは「先行車と一定の車間距離を保って走り続ける」ということ。追従する速度も自動的に調節され、その車速域は0km/h~100km/hとなっている。

フロントガラス内側に付けられたこの2つのカメラで、前のクルマや障害物を検知し、自動でブレーキしたり、先行車の速度に合わせて自動でスピードをコントロールしたりする   EyeSightの機能の1つ「全車速追従機能付クルーズコントロール」作動中の画面。前のクルマを見つけると、ロックオンして、そのクルマに合わせた速度に自動で調整する

 この機能が超役立つのは、たとえば渋滞にハマったとき。ノロノロ運転ですな。クルマは、EyeSightにより先行車に追従し、走行速度も自動調節される。ドライバーはハンドル操作のみでOK。先行車が停止したら、こちらのクルマも自動停止する。

 実際に、今回の試乗でも神奈川県の厚木付近で渋滞に巻き込まれた。ノロノロ運転の渋滞。このときもEyeSightの「全車速追従機能付クルーズコントロール」機能が大活躍した。ノロノロ運転のとき何が疲れるかって、車速調節ですな。アクセルを微妙な力加減で踏んだり、ときどきブレーキで車速を落としたり。スネのあたりが痙りそうになるし、前方のクルマが急にブレーキかけたりするのは大きなストレスになる。イライラしちゃいますな。

 でも「全車速追従機能付クルーズコントロール」機能を使えば、前述のとおり、ノロノロ運転の渋滞時でも「ドライバーはハンドル操作をするだけでいい」のだ。足はフロアにペタリと置いていて大丈夫。アクセルもブレーキもEyeSightにより制御されるからだ。

走行中の映像と一緒に前後Gなどを記録できる「VIDEO VBOX LITE」。これを使えば、EyeSightをつかったオートクルーズがどれだけスムーズか検証できるのだ

 ちなみに、前方のクルマが停止した場合、こちらのクルマも自動停止するわけだが、そのブレーキングが超秀逸。も~の~す~ごぉぉぉ~くジェントル&ソフトにブレーキをかけ、静かに停止してくれる。そこら辺の人間様より上手いレベルかもしれない。

 どれくらい丁寧な操作ができるのか、試しにオートクルーズ中の前後Gを測定してみた。そのビデオが下のものだけど、普段普通に運転しているときのブレーキの減速Gは最大で0.3G程度なのだとか。で、EyeSightのオートクルーズを見てみると、まさに最大でも0.3Gに届かないくらいの範囲でコントロールしていることがわかる。EyeSightのジェントルな走りが証明されたぜ!

走行中ビデオ画面の説明。画面右下の『G』の値は、“-”が減速方向、"+”が加速方向、画面下のバーグラフは青が減速方向、赤が加速方向のそれぞれGを表している
【動画】先行車を追従中。右上のサブ画面にペダル周りの映像が映っているので、俺がペダルをまったく操作していないのがわかると思う。でも前のクルマがブレーキすると、とってもスムーズに減速してくれる。時速にして約70km/hから45km/hまで減速しているけど、このときの最大Gは0.27G。それもほんの一瞬なので、とってもなめらかな減速なのだ。EyeSightすげぇぇぇぇぇ!!   【動画】次はEyeSightによるオートクルーズ中に、前に割り込まれた場合。クルマが割り込むと素早くそれを検知、かつなめらかに車速を落とし車間を調整する。この時の最大減速Gはわずか0.05G。助手席に乗っていれば、人間の操作かEyeSightによるものか区別ができないほどなめらかな減速なのだ!

 ともあれ、そんな「全車速追従機能付クルーズコントロール」機能を使った結果、物凄くラクになるわけですよ♪ 「ナンだよ前のクルマぁ~急ブレーキ踏みやがってぇ~」とイラつくこともないし、たびたびのペダル操作で足が疲れることもない。EyeSightはドライバーの身も心も快適にしてくれる嬉しい「快適化技術」でもあるのだ。

 また、EyeSightによる通常速度~高速でのクルーズコントロールも快適。「全車速追従機能付クルーズコントロール」機能の対応車速域は、前述のとおり0km/h~100km/hだ。高速道路で「ハンドル操作だけでOKなクルーズコントロール」として使えるほか、ある程度直線で見通しの良い一般道でもクルーズコントロールが使える。

 で、実際に使っていて「あらま賢い」とか思えるのは、EyeSightが先行車を見失ったときの挙動。たとえば高速道路を走っていて先行車がレーンチェンジをした場合、EyeSightは先行車をロストした状態になるわけだが、このときは前のクルマがいなくなったと判断して、オートクルーズの設定した速度まで加速する。再度先行車を検知するまで、設定速度を保って走り続けてくれる(ブレーキをかけたりしない)ので、安全&安心して走行を続けられますな。

 と、ここまでは当たり前なのだが、もう1つのEyeSightが先行車をロストしてしまうケースがある。それが交差点を直角に曲がるといった急なカーブだ。EyeSightはフロントガラス上部にある2つのカメラで前方の検知しているが、鋭角なカーブだとその視野から前のクルマが外れてしまって、先行車の検知を続けられなくなるんですな。

 ここで、高速道路のときと同じように設定速度まで加速されてしまうと、結構おっかないことになる。だが、交差点などの急カーブなどでは、この挙動が変わるのだ。フォレスターに搭載されるEyeSightの場合、ハンドルの切れ角などから走行状況を検知していて「これは急なカーブらしい」と判断すると、オートクルーズを自動でキャンセルするのだ。結果、減速することになり、交差点などを安全に通過することができる。カーブ通過後にハンドルのレジュームボタンを押せば、再びオートクルーズが復活する。

高速道路を走っている時は、先行車がレーンチェンジしたりインターで降りたりして、前からいなくなると加速して、普通のオートクルーズのように設定してある速度での巡航を始める   街中の交差点みたいな鋭角なカーブだと、カメラの画角から先行車が外れてしまうことがある。そんなときに加速されると困るのだが、最新のEyeSightはハンドル操作などから状況を判断し、オートクルーズをキャンセルするのだ。EyeSightも日々進化を続けているんですな

 てな感じの「全車速追従機能付クルーズコントロール」機能。この機能を狙ってスバルのEyeSight搭載車を買っている人も少なくないと思う。ホントに超便利&実用的なので、機会があればぜひ一度試乗車などで試してみてほしい。

大きな安心をもたらすEyeSight

万が一ドライバーがブレーキを踏まなくても、自動でブレーキを掛け、衝突を回避したり被害を軽減する「プリクラッシュブレーキ」。緊急ブレーキで30km/h以下なら衝突を回避できる

 新型フォレスターに限らず、EyeSight搭載車を運転していて共通して感じるのは、「EyeSightがあれば多くのリスクを抑えて安心して運転できる」ということだ。ある種の「保険」としてのEyeSight、みたいな。

 代表的なのは「プリクラッシュブレーキ」機能ですな。これは、前のクルマに接近してしまったときなどに、ドライバーに注意を喚起したり、状況によっては自動的に減速~停止してくれるというものだ。

 たとえば前のクルマに接近し過ぎてぶつかっちゃいそうな状況のとき。前のクルマとの速度差が30km/h以内なら衝突を回避、もしくは被害を軽減し、つまりはEyeSightがブレーキ制御を行ってクルマを停止させたりする。ちなみに、EyeSightが検知するのはクルマだけではなく、歩行者や自転車も対象として認識する。それがレーダーではなくカメラを使っているメリットなのだとか。

 実際に体験してみたが、ホント凄いっすね「プリクラッシュブレーキ」機能。試すのに少々勇気が要ったが、対象物に近づき過ぎると警告音と鳴らし、それでもドライバーが反応しないと、対象物に当たる寸前で急ブレーキをかけて停止してくれた。もちろん、対象物には衝突しない。

【動画】実際にプリクラッシュブレーキを体験してみた映像。助走の距離が短かったので最初の速度は20km/hくらい。結構ギリギリまでブレーキは踏まない感じで、一気に急ブレーキする。乗っているほうも結構怖い   【動画】インカー映像を見ると分かるがブレーキは全く踏んでいないのが分かるはず。この時の最大減速Gは0.7Gほど。オートクルーズの時とは違って、明らかな急ブレーキになる。これはあくまで非常ブレーキとしての考えからなんだとか

 ただ、実際にはEyeSightがクルマを停止させるのは「ホントに万が一のとき」だと思う。というのは、そういう緊急的なシチュエーションになる前あたりで、ドライバーが反応して危険を免れるケースが非常に多いと思うからだ。

 具体的には、前のクルマに接近し過ぎたとき、前述のとおり、あらかじめEyeSightが音や表示で警告する。多くのケースで、その時点でドライバーがすぐ反応し、自ら急ブレーキをかけると思う。が、そうならないときでも、最終的にEyeSightがブレーキをかけてくれる。EyeSightは、「危険の検知」「ドライバーへの警告」「危険の回避」という三重の安全策を取っているということになる。

 EyeSightはこれ以外にもイロイロとドライバーに注意を促してくれる。たとえば走行中にクルマがふらついたり、車線からはみ出しそうになったときは、「ピピピッ」てな警告音を鳴らしてくれる。余裕をもって警告してくれるようで、この警告音が鳴ってすぐに対応すれば、「おっと、まずいまずい」くらいの感覚でクルマの制御できる。まあまず「あ~危なかった(汗)」なんてコトにはならないと思う。

うっかり前のクルマが発進したのに気がつかなかったとき、ポピッと優しく教えてくれる。なんだかEyeSightに愛着がわいてくるのだ

 注意を促すという点でもうひとつ、信号待ちで先行車が発進しても、こちらのクルマが自車が発進しない場合、「ポピッ」という警告音で「前のクルマ走り出しましたけど」的に教えてくれる。この機能もなかなか便利。そして「EyeSightってカワイイかも♪」などと思える瞬間だったりもする。

 まさかの事故を防止してくれるような機能もある。具体的には「AT誤発進抑制制御」機能。たとえば駐車スペースに駐めていて、発進するとき、EyeSightが前方に壁や生け垣などの障害物を検知した状況下。発進の様子をEyeSightが検知して「これは誤発進だな」と判断したとき、警報音と表示でドライバーに注意しつつ、エンジン出力を抑えて発進をゆるやかにする。「急に飛び出さない技術」てな感じですな。

 発信時のシフト入れ間違いやペダル踏み間違いによる「まさか」の事故が起きてますな。コンビニ前に停車していたクルマがいきなり加速して店内に突っ込むんだ、とか。この「AT誤発進抑制制御」機能は、「そんな間違いありえない!!」の「まさか」の事故を先回りして防いでくれるというわけだ。

 これらの「ぶつからない技術」「ついていく技術」「飛び出さない技術」「注意してくれる技術」で作られたEyeSight。EyeSight搭載車を運転すると「どうなのか?」と言えば、まずは物凄い安心感があるわけですよ。「でも万が一……」という不安や恐怖からだいぶ解放されて、運転がすごく楽しくなったりも♪ そしてクルースコントロールは超ラク。

 安心で楽しくて超ラクで、これまでどんだけストレスフルだったんだよ~わーい♪ 的に、心底とても明るい気分でクルマを楽しめるようになるのだ。これホント。ウソだと思うなら試乗してくださいっ!! スバルのEyeSight搭載車マジ欲しくなるから。

 っと、少々脱線したが、次回の後編では、新型フォレスターで悪路を走破してのレポートを。信じられないダートの激坂を上ったり下ったりしちゃいますヨ。SUVとしての新型フォレスターの実力はいかに? みたいな。乞うご期待!!。

プロフィール

スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称 衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。

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