法林岳之 執筆


7つのカラーで自分らしさを表現できる  防水スリム&コンパクトケータイ  SH005 by SHARP新入学・新社会人シーズンを控え、各社から春商戦に向けた端末が順次、発売されている。昨年10月、2009年冬から2010年春へ向けた新ラインアップを発表したauからも春モデルの販売が開始されているが、春モデルのラインアップの中で、幅広いユーザーに注目して欲しいのが7色のカラーバリエーションを揃えたシャープ製端末「SH005」だ。スリムで持ちやすいコンパクトなボディながら、IPX5/IPX7相当の防水性能を実現した美しさと実力を兼ね備えた端末だ。いよいよ発売された実機を見ながら、その内容をチェックしてみよう。

自分らしさにフィットする7つのカラーと美しいボディ

 ユーザーがケータイに求める要素は、さまざまだ。カメラやディスプレイサイズなどのスペックを気にするユーザーもいれば、ボタンの押しやすさや持ちやすさといった使いやすさに注目する人もいる。最近は販売方式の変更により、長く使うことができる端末に期待するユーザーも多いようだ。

SH005

 しかし、多くの人がケータイを選ぶときの重要なポイントとして、まず最初に必ず挙げるのが『デザイン』だろう。ケータイのデザインについては、キャリア及び端末メーカーともに、さまざまな形で取り組んでいるが、なかでもauは「au design project」や昨年のiidaなど、デザイン性を重視したシリーズに積極的に取り組んできたことで知られる。auのデザインに対する積極的な姿勢は、au design projectやiidaといったデザイン性を重視したラインアップ以外の端末にも活かされ、どの端末も細かい部分に至るまで、こだわって仕上げられており、各方面でも常に高い評価を受け続けている。

 今回、auから発売されたシャープ製端末「SH005」は、こうしたauの端末ラインアップの仕上がりの良さを活かしながら、今までのau端末にはなかった7つのカラーバリエーションを取り揃えた魅力的な端末として、仕上げられている。ボディカラーについては、他社でも10色以上のバリエーションを揃えた端末が登場しているが、バリエーションの数が多ければいいというものでもないだろうし、単純にボディカラーを変えただけのバリエーションでは、ユーザーとしてもあまりうれしくない。やはり、きちんとデザインが考えられたカラーバリエーションが揃い、自分らしさにフィットするボディカラーが選べるようになっていることの方が大切だ。

7色展開のSH005。左から「モーニングホワイト」、「サクラピンク」、「ベリーレッド」、「ハニーイエロー」、「フィールドグリーン」、「チョコミントブルー」、「ナイトブラック」

 SH005の7色のカラーバリエーションは、ボディの外装と内側でバランス良くツートーンカラーを上手に組み合わせ、それぞれに個性的でスタイリッシュなデザインに仕上げられている。たとえば、ハニーイエローは単純に黄色いカラーではなく、わずかに赤味を加え、まさにハチミツのようなイエローに仕上げているが、ボディの内側及び側面とトップパネルのストライプの部分にはチョコレートのような茶色を組み合わせ、方向キー部分はボディカラーと関連付けられたゴールド、キープリントは薄いイエローが使われ、全体的にポップながらも質感の高い「美味しそうな色合い」に仕上げられている。また、フィールドグリーンは青々とした芝生のようなグリーンで、これに少し鮮やかな紺青色を組み合わせ、アクティブかつスポーティーなイメージを演出している。チョコミントブルーはその名の通り、アイスクリームのチョコミントを連想させるカラーで、ボディ内側のカラーとのコーディネートにより、爽やかさと落ち着きをうまくバランスさせている。

 一般的に、ケータイでカラーバリエーションを増やすと、いずれかのボディカラーが今ひとつ地味だったり、人気が偏りそうな印象を受けるのだが、SH005については、それぞれに個性があり、持つ人の自分らしさにうまくフィットしそうなカラーバリエーションにまとめられている。トップパネルにはデザイン的なアクセントとなるストライプがレイアウトされているが、ここには7色から選べるLEDアイコンが装備されており、メールや音声通話の着信時、通話中などに光らせることができる。未読メールや不在着信なども見逃すことがないわけだ。

トップパネルのストライプ部分には、LEDアイコンが装備されている

美しく光るキーライトも、端末カラーごとに異なった色で光る

 カラーバリエーションが楽しいSH005だが、そのカラーバリエーションの良さをうまく引き出す要素のひとつとなっているのがスリムなボディだ。ここ数年、ケータイは高画素カメラやワンセグなど、高機能化が進んできた反動もあり、スリムな端末に期待する声も着実に増えてきている。なかには薄さ10mm前後を達成したスリム端末もいくつか登場したが、薄型化を狙うあまり、機能やスペック面でやや不足が感じられたり、ボタンのクリック感などがやや制限されてしまうケースも見受けられた。これに対し、SH005は薄さ14.2mm(最厚部14.6mm)という程よいスリムなサイズにまとめ、ボディ幅も49mmサイズにすることで、持ちやすく、操作しやすいスリムなボディに仕上げている。カバンやポケットに入れておいても違和感のないサイズでありながら、文字入力やブラウザなど、SH005のさまざまな機能を使うときの操作感を確保している。ボタン類の操作感もこのサイズの端末としては十分なレベルに達していると言えるだろう。

薄さ14.2mm(最厚部14.6mm)という程よくスリムなボディ

ボタン類も十分に操作しやすい

 SH005の魅力を語るうえで、もうひとつ欠かすことができないのがIPX5/IPX7相当の防水性能を実現している点だ。数年前まで、ケータイで防水と言えば、ごく一部の機種が対応するのみだったが、一昨年あたりから少しずつ対応端末が増え、シャープも昨年、au向けに「Sportio waterbeat」や「SOLAR PHONE SH002」を相次いで開発し、供給している。今回のSH005の防水対応も基本的には同等のもので、シャワーで水滴がかかったり、外出中に突然の雨に降られる、濡れた手でケータイを触るといった程度でも問題なく使うことができる。水没や水濡れといったトラブルに見舞われたり、危うく濡らしてしまいそうになった経験は誰にでもあるだろうが、SH005なら、安心して使うことができるわけだ。もちろん、長く安心して使える防水性能を維持するためにも外部接続端子や電池カバーをしっかりと閉め、パッキン部分などにゴミが入らないように使いたい。

IPX5/IPX7相当の防水性能を実現。外部接続端子や電池カバーはしっかりと閉めて使いたい

スタンダードモデルに相応しいスペックを実現

3.0インチ、フルワイドVGAのNewモバイルASV液晶を採用

5.3MピクセルのAFカメラを採用

 7つのカラーバリエーションと持ちやすいスリムなボディでまとめられたSH005だが、中身はどうだろうか。以前から筆者自身もよく指摘してきたことだが、どんなデザイン的に優れた美しいケータイだったとしても十分なスペックや機能を搭載していなければ、ケータイとして、ユーザーのニーズをきちんと満たすことができないからだ。

 

 まず、スリムなボディながら、ディスプレイは3.0インチのフルワイドVGA液晶を採用する。液晶パネルはSHシリーズでおなじみのNewモバイルASV液晶を採用しており、メールやコンテンツといった文字表示にはじまり、ワンセグやLISMO Videoなどの映像コンテンツも鮮やかに再現することができる。ちなみに、SH005のNewモバイルASV液晶は上下左右からののぞき見を防ぐことができる「新ベールビュー」も搭載されており、端末の[ダイレクト]キーを長押しすることで、周囲からはグラフィックが見えるようになる。新ベールビューで表示される「のぞき見防止グラフィック」はシャープのEZweb公式サイト「SH@ez」からダウンロードして、追加することも可能だ。また、表示周りでは標準のスタンダード(ゴシック)に加え、高精細ディスプレイでも見やすいアウトラインフォントとして、太ゴシック体と明朝体が搭載されている。利用する環境や好みに応じて、使い分けると便利だろう。

 カメラは5.3MピクセルのCMOSイメージセンサーを採用する。SHシリーズがau向けで昨年から展開しているCCDによるカメラではないが、最大2560×1920ドットの撮影が可能だ。撮影機能も最新のものをサポートしており、最大5人までの顔を検出する「顔検出AF」、ピントを合わせたいエリアを9カ所から選べる「スポットAF」、静止画撮影時に上下左右前後の揺れによるブレを抑える「6軸手ブレ補正」、動きの速い被写体のブレを補正する「被写体ブレ補正」などが搭載されている。本体に内蔵された加速度センサーにより、フォト(カメラモード)での撮影時には端末を縦と横のどちらで構えたのかを認識し、再生時にはその情報を基に正しい向きで画像を表示することもできる。

最大5人までの顔を検出する「顔検出AF」

ピントを合わせたいエリアを9カ所から選べる「スポットAF」

手書きの文字や絵などを撮影して、簡単にオリジナル絵文字が作成できる「絵文字メーカー」

端末内蔵のものに加え、さまざまなネット辞書も利用できる「スマートリンク辞書」

 カメラを楽しむための機能も充実している。たとえば、ケータイのカメラで撮影した写真はブログなどに投稿することが多いだろうが、SH005にURLなどの必要な情報を設定しておけば、撮影後に簡単にブログにアップロードできる。紙などに書いた手書き文字を撮影し、オリジナルの絵文字を作成することができる「絵文字メーカー」、名刺を撮影して、氏名や住所、電話番号、メールアドレスなどを認識する「名刺リーダー」、情報誌などに掲載されている店舗情報を一括して認識させ、アドレス帳に登録可能な「情報リーダー」など、実用性の高い機能が揃えられている。

 実用性という点においては、SHシリーズの定番機能のひとつとなってきた「スマートリンク辞書」も搭載されており、待受画面で方向キーの下方向を押し、待受ショートカットから辞書をすぐに呼び出すことができる。利用できる辞書としては、端末に内蔵されている国語辞典/英和辞典/和英辞典/日英翻訳に加え、ネット辞書として「ジーニアス和英辞典MX.net」「ジーニアス英和辞典MX.net」「明鏡国語辞典MX.net」「Yahoo!知恵袋」などが無料で利用でき、「家庭医学大百科」「イミダス百科」「医者からもらった薬」などの有料辞書も用意されている。

 このスマートリンク辞書はメールなどの日本語入力時にも利用することが可能だ。調べたい言葉があるときは文字入力中に[発信]キーを長押しすることで、スマートリンク辞書が参照され、言葉の意味を確認しながら、メールを作成することもできる。ちなみに、日本語入力の「ケータイShoin9」も進化しており、変換時に予測変換から通常変換への切り替えを[メール]キーのみで操作できる。たとえば、「てんき」と入力したとき、予測変換なら「天気予報」や「転勤」、「転居先」といった候補が表示されるが、通常変換であれば、「天気」や「転記」に加え、雪だるまや台風、晴れなどの絵文字が候補として表示される。

Audio&Visualエンターテインメント機能も充実

通話中に右上の[アプリ]キー長押しで「ノイズキャンセラー」、[EZ]キーの長押しで「スロートーク」が利用できる

 ケータイにとって、メールやコンテンツ閲覧などの機能は欠かすことができないものだが、もうひとつ忘れてはならないのが音声通話だ。

 音声通話を聞こえやすく、伝えやすくする機能というと、どうもシニアやシルバー向けの端末の機能と思われがちだったが、駅や街の雑踏など、ケータイは騒がしい場所でも通話することが多いため、最近では一般的な端末でも音声通話のサポート機能を搭載する端末が増えつつある。SH005には通話中に[アプリ]キーを長押しすることで、通話相手の周囲の雑音を軽減する「ノイズキャンセラー」、[EZ]キーを長押しすることで、相手の音声をゆっくり聞き取りやすくして、メモなどを取りやすくする「スロートーク」、通話中の相手の高音域を強調して、より聞き取りやすくする「ボイスクリア」が搭載されている。さらに、待受画面で[発信]キーを長押しして、着信があったように見せかけ、通話をしているように見せることができる「フェイク着信」もサポートされている。さりげなく、席を外したいときや夜道で不安なときなどに役立つ機能だ。

SH005でも、AQUOSブルーレイ連携に対応する

 また、エンターテインメントの機能も充実している。ワンセグを搭載していることは言うまでもないが、シャープの液晶テレビ「AQUOS」で培われた技術が十分に活かされた仕様となっている。たとえば、くっきりと鮮やかな映像を表現できる「SVエンジン+」、映像の内容や周囲の明るさに合わせ、画面の輝度などを調整する「自動輝度設定」、倍速フレームのでの表示が可能な「なめらかモード」などを搭載する。番組表からの予約録画にも対応し、適用番組を本体メモリーに録画したとき、microSD/microSDHCメモリーカード(別売)に9回のコピーと1回の移動ができる「ダビング10」にも対応する。

FMトランスミッターに対応しており、音楽データやEZナビウォークの音声をワイヤレス再生できる

 さらに、昨年10月に発売された「SH003」に引き続き、ブルーレイディスクレコーダー連携にも対応する。これはAQUOSブルーレイで録画した番組をUSBケーブル(別売)を使って、SH005に転送できるというもので、録りためた番組を外出先でも視聴することができる。SH005は前述のように、防水対応なので、入浴中に録画しておいたドラマをじっくり楽しむといった使い方もできる。特に、今年は冬季五輪やサッカーのW杯といった世界的なイベントが続くため、レコーダーとの連携はかなり魅力的だ。レコーダー連携に対応するAQUOSブルーレイは「BD-HDW50/BD-HDW45/BD-HDW43」の3機種だが、「BD-HDW40/BD-HDW35/BD-HDW32」の3機種についても昨年12月のソフトウェアのアップデートで仕様が追加され、利用できる環境が整っている。詳しい情報はシャープの「シャープ ケータイdaSH サポートページ」を参照して欲しい。

 そして、auの人気サービスであるLISMOにも対応しており、音楽や映像、電子書籍をダウンロードして、いつでも楽しむことができる。Bluetoothにも対応しているので、通勤や通学中にワイヤレスで音楽を楽しんだり、ワンセグを視聴することも可能だ。オーディオ関連で、もうひとつうれしいのが「EZ・FM」と「FMトランスミッター」の対応だ。EZ・FMはご存知、FMラジオを楽しめる機能で、Now on Air情報で着うたなどの楽曲を検索できる。FMトランスミッターはSH005に保存されている音楽を他のFMラジオで鳴らすことができる機能だが、実は「EZナビウォーク」の音声ガイドをFMトランスミッターで飛ばすこともできるので、友だちといっしょにドライブに行くときにも役立てることができそうだ。

 この他にも海外で利用できる「GLOBAL PASSPORT CDMA」、健康機器などを手掛けるオムロンの独自技術である「ActiveEngine」を活かした歩数計、指定した送受信メールフォルダを見えないように設定できる「シークレットフォルダ」など、日常生活にも役立つ便利な機能がしっかりとサポートされている。

自分らしく、美しく、楽しく使いたい人は「買い」

 ケータイはいつも手元に置き、毎日、持ち歩き、いろいろなシチュエーションで使うモノだ。自分の身の回りにあるモノとしては、おそらく、財布や時計、カギなどと変わらないか、それ以上に接する機会の多いアイテムと言えそうだ。

 auが発売するSH005は、そんなもっとも身近なアイテムであることを踏まえ、誰もがごく自然に使えるように、なおかつ自分らしさを主張できるように、そしてユーザーの期待に十分に応えられるように、「デザイン」「ユーザビリティ」「スペック」を非常にバランス良くまとめ上げた端末だ。7つのボディカラーとスタイリッシュなボディはそれぞれに個性があり、数々の実用機能は日々の生活をより一層、便利にして、Audio&Visualの機能は毎日を楽しく演出してくれる。自分らしく、美しく、楽しくケータイを使いたい人にこそ、SH005をオススメしたい。

 

法林岳之
1963年神奈川県出身。携帯電話をはじめ、パソコン関連の解説記事や製品試用レポートなどを執筆。「できるWindows Vista」「できるポケット+ BlackBerry Bold」(インプレスジャパン)、「お父さんのための携帯電話ABC」(NHK出版)など、著書も多数。ホームページはPC用の他、各ケータイに対応。Impress Watch Videoで「法林岳之のケータイしようぜ!!」も配信中。

 

■関連情報
□「SH005」製品情報(au)
 http://www.au.kddi.com/seihin/ichiran/kishu/sh005/
□「SH005」製品情報(シャープ)http://www.sharp.co.jp/products/sh005/

■関連記事
□スリム・防水で7種類のカラー展開「SH005」
 http://k-tai.impress.co.jp/docs/news/20091019_322727.html

 

※キャップ類はしっかりと閉じ、電池パックカバーは確実に取り付けてから、ロックをかけてください。海水・プール・温泉の中に浸けないでください。内径6.3mmのノズルを用いて、約3mの距離から約12.5L/分の水を3分以上注水する条件で、あらゆる方向からのノズルによる噴流水によっても、電話機としての性能を保ちます(IPX5)。また、常温で、水道水、かつ静水の水深1mの水槽に電話機本体を静かに沈め、約30分間水底に放置しても、本体内部に浸水せず、電話機としての機能を保ちます(IPX7)。

 

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