最近、いろいろなところで話題になっているソニーの定額制の音楽サービス、「Music Unlimited」(ミュージックアンリミテッド)。約1,300万曲(2013年1月現在)という膨大な楽曲の中から、自分の好きな曲、好みにマッチした曲を、定額料金さえ支払えば、いくらでも聴き放題!というサービスだ。しかも、使えるデバイスが非常に豊富。ソニーのAndroid™搭載ウォークマンやPlayStation®Vita、PlayStation®3といったソニー製デバイスはもちろんのこと、他メーカーのAndroid™スマートフォン、Android™タブレット、さらにはiPhone、iPod touchやパソコンのWebブラウザーでも利用できるのだ。現在、30日間の無料体験キャンペーンが行われているので、気になったら手軽に試してみることができる。今回は、最新のアップデート内容等も紹介しつつ、サービスの魅力を体験してみよう。(藤本健)

3/1から30日間980円&さらなる高音質配信も!

2012年7月3日からサービスがはじまった「Music Unlimited」は、ある意味、音楽の楽しみ方を根底から覆すといってもいい画期的なサービスだ。

普通、CDを買うにしろ、配信サイトで楽曲データを買うにしろ、お金が無尽蔵にあるわけではないので、「好きなアーティスト」の曲だったり、「たまたまテレビやラジオで聴いて気になった」曲の中があったりしたら、まずは試聴などしてじっくり吟味し、納得した上で、ようやく購入に至ることが多いと思う。

一方「Music Unlimited」は、固定で払う月額利用料以外には、お金は一切かからない。深く考えなくても、気になった曲は片っ端から、フルサイズで聴くことができる。これまで知らなかったアーティスト、手を出しづらかった楽曲も気軽に楽しめるようになる。結果的に、音楽に出会えるチャンスが広がり、音楽の楽しみ方が一気に広がるのだ。

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最近は動画サイトなどで無料で音楽を聴く人も増えているというが、純粋に音楽を聴くという目的に使うには、検索性の無さや音質面での劣化が気になる。「Music Unlimited」は、流石に「音楽を聴く」ためのサービスだけに、ジャンル、アーティスト、アルバム、楽曲、はたまた曲のムードといった区切りで自由に音楽を探し、楽しめる。また、当然のことながら、非常に高音質。

というのは、これまで「Music Unlimited」のストリーミング再生コーデックはHE-AAC 48kbpsで、実際48kbpsというイメージにそぐわない音質で聴くことができていたのだが、去る1月31日からはなんと、対応するデバイスはまだ限られるものの、AAC320kbpsという高音質配信にも対応したのだ。

さらに、3月1日からはサービス料金が新価格となった。そう、サービス開始当初の30日間1,480円から、30日間980円となったのだ。ほぼCD1枚分未満。普通に音楽を購入するのと比較すれば信じられないくらいの低価格といっていいのではないだろうか?

さまざまなデバイスに対応する「Music Unlimited」

では、その「Music Unlimited」はどんなデバイスで使えるのだろうか? これが非常に自由度が高いのだ。現在、主に対応しているデバイスとしては以下の通りだ。

04 対応デバイスは多岐にわたる。上記のほかにも、一部のBlu-ray Disc プレーヤーやアンプでも利用が可能だ。また、機器によって利用できる機能に差がある場合がある。詳しくはこちらの対応機器一覧を参照してほしい

1つのSEN IDで利用可能なデバイス数は制限が無い(同時利用は不可)。そう、家ではのんびりPCやアンプを使って再生し、電車の中や外出先ではウォークマンやスマホを利用するといったこともできるのだ。1つのアカウントで複数のデバイスを切り替えて使うことができるということは、つまり自分のお気に入りのアーティスト/楽曲(「ライブラリ」として管理できる)や、プレイリストなどを共有できるのもポイント。

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ただし、デバイスによって一部使えない機能もあるので、その点はソニーのサイトで確認してみるといいだろう。

洋楽も邦楽も膨大な曲が選び放題。HQモードには満足!

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「Music Unlimited」のPC版トップページ。新譜やユーザーの好みをもとにしたおすすめアルバムのほか、「グラミー賞特集」など、「音楽との出会い」を演出してくれる

ということで、「Music Unlimited」に登録してみよう。PCサイトまたは専用Android™アプリからアカウントの作成が可能だ。

早速PCで使ってみた。PCで使う場合は、Webブラウザーですぐに使えるというのが手軽でうれしいところ。ログインすると、さっそく新曲やヒットチャートなどから、いろいろとお勧め曲が表示されるが、まずはお気に入りのアーティストの曲があるのかをチェック。筆者はややマニアックな趣向なので、80年代のエレクトリックポップのバンド、「Scritti Politti」を検索してみると、しっかりと出てくる。最近チェックしてなかったので、1昨年に未発表曲収録のベスト盤が発売されていたのを知って驚いてしまったが、その辺も含めしっかりとカバーできている。また、「Cibo Matto」を検索してみると、インディーズ時代のものも含めて登場してくるくらいなので、安心して楽しめそうだ。

お気に入りのアーティストや楽曲は「マイライブラリー」に登録することで、以降はわざわざ検索しなくても探せるようになる。

08 09 検索時は推測候補が出るので、うろおぼえのアーティスト名でも探しやすい。アーティストの検索結果ページには、楽曲リストのほか、アーティストの基本情報や、似ている楽曲などの情報が集約
08 10 再生中の曲に対しては「マイライブラリーへの追加」や「好き/嫌い」ボタンなどの機能が使える。「好き/嫌い」ボタンはチャンネル等で再生する曲に影響する

音質は、基本的にはHE-AAC 48kbpsのストリーミングがデフォルトとなっており、実のところこれでも悪くはないが、やはりしっかりしたオーディオ環境で再生させると、多少音質の面で気になる面もある。とくに日頃から聴き込んでいる曲だと、いろいろと荒も目立つので、先日スタートしたという高音質モードを試してみた。

使い方は単純で、設定画面において「高音質モード」をオンにするだけだ。あとは、普通に再生させると画面上に「HQ」マークが表示され、高音質に再生されるのだ。聴いてみると、なるほどこれなら満足、まったく問題ないレベルのサウンドだ。とくにUSB-DACやオーディオインターフェイスを接続してPCオーディオ環境を整えておくと、かなり満足のいくサウンドで楽しめる。

持ち歩きにはオフラインモードが快適

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モバイルデバイスを使えば外出先でも、いつでも「聴き放題」が楽しめる

このように自宅でじっくり楽しむだけが「Music Unlimited」の使い方ではない。オーディオプレーヤーやスマホを使って外出先で楽しむ、という使い方も「Music Unlimited」はしっかりサポートしている。

ポータブルデバイスとしてサポートされるのは、各種Android™端末(Android™ウォークマン含む)と、iOSデバイスだ(iPadは現在、iPhone互換モードのみ)。

ここでは手持ちのスマホ、Xperiaで試してみた。まず「Music Unlimited」のアプリをGoogle Playからインストール(iOSの場合はApp Storeから)。インストール後、アプリを起動し、アカウントとパスワードを入力してログイン。すると、さきほどPCで「マイライブラリー」に登録しておいた曲、プレイリストがそのままこちらでも見えることが確認できる。

15 16 Android™版アプリの画面。モバイルでストリーミングできるのは高効率コーデック採用ならでは。Android™ならウィジェットや通知センターからのコントロールにも対応

デフォルトではストリーミング再生だが、外出時、通信がしにくい場所ではストリーミングが切れてしまったり、そもそもモバイルデータ通信に対応していないポータブルデバイスも数多くある。そこで、あらかじめプレイリストの楽曲をデバイス上にキャッシュし、オフライン状態でも使えるようにする機能が用意されている。

使い方はいたって簡単。プレイリストを選択すると、「オフラインで使用」という項目があるので、これにチェックをするだけでいいのだ。すると自動的にキャッシュがはじまり、アプリ内に楽曲データがキャッシュされる。

その上で「オフラインモードへの切替」を選択してオフラインモードにすればOK。するとストリーミングではなく、キャッシュした曲を再生する形になるので、電波がまったく入らないところでも問題なく再生できてしまうのだ。これならば音が途切れることもなく安心して聴ける。ちなみに、キャッシュ可能な楽曲は最大で4,000曲。ポータブル用途で持ち運ぶ楽曲数としては、十分過ぎるといっていいのではないだろうか?

15 16 プレイリストの設定で「オフラインで利用」にチェックを入れると、「オフラインモード」時にインターネットに接続していなくても再生可能になる

ただし、このオフライン再生機能は、Android™搭載ウォークマンやAndroid™スマートフォン/タブレット、PlayStation®Vitaなどに限定される。またキャッシュ可能なのはHE-AAC 48kbpsのみとなっている。iOSデバイスのオフライン再生対応も望みたいところだ。

ちなみに、Android™やiOSデバイスからなら、「Music Unlimited」で再生中の音楽をBluetoothで飛ばすことも可能だ。最近高音質なデバイスが増えているBloutoothヘッドホンやBluetoothスピーカーとも相性よく使うことができるのも大きなポイントだろう。

02 Bluetooth対応スマートフォンからBluetoothスピーカーに音声を飛ばせば、リビングで手軽に「Music Unlimited」が楽しめる

いろいろな聴き方、出会いを楽しむ

多かれ少なかれ音楽好きは、音楽に対して「探して」「選んで」というつきあい方をしているだろう

自分の好みのアーティスト、聴きたい曲を「探して」「選んで」再生するというのもいいが、そうした能動的な楽しみ方以外にも、ひたすら受け身で音楽を楽しめるのも、「Music Unlimited」のいいところだ。

「探して聴く」のではなく「なんとなく聴く」のに向くための機能が「チャンネル」だ。「Music Unlimited」には非常に多くの「チャンネル」が用意されているだけでなく、自分で「チャンネル」を作成することもできる。

まずはトップヒットやジャンル別、年代別等の「チャンネル」が用意されており、ここから適当に気に入ったのをつまんでみるだけでも、ラジオ的な楽しみ方ができる。

11 ずらりと用意された「チャンネル」。自分好みのチャンネルを聴くもよし、未知のジャンルに挑戦してみるもよしだ。気に入った曲は即、マイライブラリーに保存できる

また、アーティスト名を入力すると、そのアーティストと同傾向の曲を連続で流してくれる「マイチャンネル」というのも面白い。たとえば、前述の「Scritti Politti」を入力してみると、すぐに「Scritti Polittiチャンネル」なるものが作成され、80年代のエレクトリックポップ関連のアルバムがズラズラと並んでくるといった具合だ。

13 アーティストをもとに傾向が似た楽曲でチャンネルを自動作成できる「マイチャンネル」

さらに、ソニーの12音解析を利用した「SensMe」機能によるチャンネルも用意されている。12音解析とは、楽曲の波形を分析し、人間が感じる楽曲の「ムード」を解析してしまうという技術だ。「朝のおすすめ」、「リラックス」、「アップビート」、「アクティブ」……といったものがあり、気分に合わせて選べば、適当に再生する曲を選んでくれる。就寝BGMや作業BGMを探している……といったときにも便利だ。

12 出勤前などテンションを上げたいときは「アクティブ」や「エクストリーム」、休み時間には「リラックス」、作業BGMには「ソファラウンジ」など、気分や状況に応じた楽曲をなにも考えずに楽しめるのだ

ほかにも「ジャンル」や「年代」などのチャンネルが数多くあり、飽きることがない。また、チャンネルを聴いているときに、気に入った曲やアーティストに出会えば、その場でマイライブラリーやプレイリストに登録できるし、「好き」「嫌い」ボタンを押せば、それにあわせてトップ画面にオススメも提示してくれたり、チャンネルで再生する曲を調整してくれたりもする。新しいアーティストとの出会いもいろいろとありそうだ。

以上、「Music Unlimited」を試してみたが、いかがだっただろうか? 30日間980円で、膨大な音楽を存分に聴くことができ、音質もAAC320kbpsでの配信が開始され、高品位なサウンドとなっている。さらにPCでもモバイルデバイスでも利用できるため、利便性においても抜群だ。音楽三昧な生活を味わうことができる非常に便利なサービスだから、一度使い出すと、この楽しさからは離れられないかもしれない。

(Reported by 藤本健)

関連リンク

Music Unlimited

http://www.sony.jp/music-unlimited/

【AV Watch】ソニーの「Music Unlimited」、980円/30日間に値下げ。音質はAAC 320kbpsに対応

http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20130130_585624.html

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