待ちに待ったダンボール戦機が、ついにPSP®でプレイできる日が来た!

 2008年9月、東京国際フォーラムで初公開されたレベルファイブの新作RPG「ダンボール戦機」が、ついにPSP®「プレイステーション・ポータブル」で発売される。

 同社10周年記念・大作RPGのひとつとして発表された本作は、産声をあげると同時に各方面から高い注目を集めた。2050年の近未来を舞台に、手のひらサイズのホビー用小型ロボット「LBX」と、それを操る主人公・山野バンと仲間たちが活躍する"プラモクラフトRPG"。ジャンル名にもあるとおり、劇中では「コアスケルトン」と呼ばれる本体に、自分の好きなパーツを組み合わせてオリジナルのLBXを作成。衝撃の大半を吸収する「強化ダンボール」のなかに作られたジオラマで、激しい戦いを繰り広げる。

 本作は、最初に発表されたゲームを原作として、アニメ、コミック、プラモデルなど、さまざまなメディアで展開中。メインターゲットの小学生を中心に高い人気を誇っている一方、主な情報チャンネルが低年齢層向け雑誌などに限定されていたため、弊紙の主な読者層たる30代前後の皆様の中には「実際、どんなゲームなの?」と思っている方もいるだろう。そこで今回は、いちファンでもある筆者が"同世代"向けにPSP®専用ソフトウェア「ダンボール戦機」の魅力をお伝えしたい。

 ロボット、プラモデル、自由に組み替えられる多種多様なパーツ群……30代以降の男性、特に"ガンプラ世代"や"ミニ四駆世代"は、心の琴線に触れるものが必ずあるはず。あの頃の胸のときめきを今でも覚えている人は、ぜひ本稿をチェックしていただきたい。大人の鑑賞にも十分堪えうるクオリティで作られたゲーム本編は、かつての興奮を必ずや呼び覚ましてくれるはずだ。

手のひらサイズのホビー用小型ロボット。劇中設定の2050年では、子供たちを中心に一大ブームを巻き起こしている。

 本作にはさまざまなゲームモードが用意されているが、メインとなるRPGパートはアクションアドベンチャー風のシステムになっている。主人公を操作して、仲間たちが暮らす「ミソラタウン」等を移動し、さまざまなイベントをこなしていく。世界観やストーリーはTVアニメと共通だが、ゲームならではの要素も楽しめる。

途中、自由に挑戦できる「クエストBBS」が多数用意されており、単にストーリーを追うだけでなく"寄り道"など好きなテンポで遊べるのもいい。

RPGパートの序盤は、主人公たちが住むミソラタウンが舞台。世界観やストーリーはTVアニメと一緒だ。

メインストーリーを進めるだけでなく、クエストBBSで"寄り道"することも可能。やりかたはメニュー画面から「クエストBBS」を選択するだけ。BBSには、ミソラタウン住人たちの悩みや頼みごとが多数掲載されている。

クエストをクリアすると、投稿者から報酬がもらえる。詳しくは後述するが、PlayStation Networkや友人とのプレイを介して新規クエストが追加されることもある。

 イベントはさまざまなバリエーションが用意されているが、メインは強化ダンボールのジオラマ内で行われるLBX同士のバトル。コマンド入力ではなく、実際にLBXを操作して戦うリアルタイムアクションとなっている。詳しくは後述するが、シンプル操作で戦略性に富んだ奥深いバトルが味わえる。バトルはプレイヤー自身のスキルも重要だが、やりこみによるレベル上げの要素も大切。好みのパーツを鍛え、育てていく醍醐味はまさにRPGならではのもの。アクションとRPG、一粒で二度美味しい作りになっているのだ。

強化ダンボールで囲われたジオラマ内で、プレイヤー自身が実際にLBXを操作して戦う。バトルで経験値を獲得し、パーツを少しずつ強くしていく。

 「パーツ総数2,500以上!」を謳う「カスタマイズ」は、本作最大の魅力。LBXには、ヘッド、ボディ、ライトアーム、レフトアーム、レッグといった各部位が存在し、組み合わせにより性能や特徴が千変万化。組み合わせたパーツの総重量に応じてA〜Eまでの「スピードランク」が設定され、バトル中の機動力が決まる。一見、同一のパーツにもNG(ノーマルグレード)、HG(ハイグレード)、MG(マスターグレード)という3つのグレードが用意されており、HGとMGには得意な武器を示す「スキル」アイコンが付く。この「スキル」を全身のパーツで計5個そろえると、スピードランクが1段階アップする。これをうまく利用すれば、ハンマー等の重い武器を装備しても、機動力を落とさずバトルすることができるのだ。

LBXのカスタマイズ画面。攻撃力、防御力といった総合評価も一目瞭然

パーツの総重量でスピードランクが決定される。上画像・右のように重いLBXはスピードランクが低くなるものの、そのぶん頑丈な機体に仕上がる。

パーツの種類は、なんと2,500以上! 無限に等しいバリエーションのなかから、自分だけのオリジナルLBXを作り上げる楽しさは何物にもかえがたい。

 LBXの心臓部ともいえる「コアパーツ」は、CPU、コアメモリ、モーター、バッテリー、補助パーツの計5項目で構成される。CPUは攻撃力、コアメモリは必殺技、モーターとバッテリーはチャンスゲージ、補助パーツはピンポイント強化と、それぞれ影響する部分が異なる。コアパーツ内はマス目で区切られており、ここにパズルの要領で各パーツを配置していく。マス目をすべて埋めるよう配置するのが、強いLBXを組み上げるコツだ。

CPUとコアメモリは各1個、それ以外は3つまで同時に組み込める。大きなパーツを1個はめるよりは、性能が劣っても小さなパーツを2個はめたほうが効率が良い場合も。パズルの要領でマス目全体を効率よく使おう。

 武器は、ハンマー、槍、両手銃、片手銃、ナックル、剣、ランチャーといった7系統に大別される。攻撃力、範囲、盾の有無など、系統ごとに特徴が大きく異なる。まずはお気に入りの武器を決めて腕を磨いてもいいし、状況に応じて幅広く使いわけていくのもいいだろう。

ハンマー

全武器中でトップクラスの攻撃力を誇る。両手持ちのため盾が使えず、リーチと攻撃スピードに難点あり。

 

間合いは全武器中でも最長クラス。直線的な攻撃は得意だが、反面小回りにかける。盾が装備可能。

両手銃(スナイパーライフル)

片手銃

アウトレンジ攻撃が得意。遠くの目標を拡大できるスコープモードを活用すれば命中率アップ。

 

攻撃力は低めだが、扱いやすい中距離武器。エネルギーを溜めて放つチャージショットが使える。

武器腕

ナックル

別の武器を持つことはできないが、火炎放射、水の弾丸など特殊な攻撃方法を持つタイプが多い。武器系統としてはナックルに分別される。

 

アッパー、サマーソルトなど格闘に特化。リーチは短いが、スピードを活かしたラッシュで果敢に攻める。

ランチャー

攻撃力、スピード、リーチのバランスが取れた武器。広範囲を一閃する「大回転斬り」など技も使い勝手がいい。

 

装填数は少ないが、そのぶん一発の威力が大きい武器。チャージショットを使えば、さらに威力が増す。

 前述のとおり、バトルはプレイヤーがLBXを操作して戦うリアルタイムアクション。アナログパッドでLBXを移動させ、PSP®本体の各ボタンで攻撃、ジャンプ(2段ジャンプ)、ダッシュ、必殺ファンクションなどをおこなう。

 バトルでもっとも重要なのは、画面下・中央にある「テンションメーター」。ひらたくいえばLBXのスタミナのようなもので、攻撃やダッシュを実行するたびに一定量が消費されていく。ただ歩くなど何もしなければすぐに回復するが、やみくもに攻撃やダッシュを繰り返しているとアッという間に底をついてしまうため注意が必要だ。

画面下・中央のゲージに注目。攻撃やダッシュなどを実行するたびにメーターが減る。なくなると相手に畳み込まれるため、ガチャプレイは控えたほうが無難。

 武器は、各バトルに計2個まで持ち込むことが可能。持ち替えはボタンひとつでいつでもオーケー。各系統ごとに“必殺技”に相当する「必殺ファンクション」が用意されている。使えるファンクションの種類は、武器系統ごとの経験値をためることで少しずつ増えていく。バトル中、画面左下にある「C(チャンス)ゲージ」がたまったら発動可能。ファンクションによってはド派手なカットイン演出が挿入され、威力はもちろん爽快感もバツグン。ただし、レベルが高いほどゲージ消費量も増えるため、ここぞ! という場面で確実にヒットさせたい。ちなみに、バトルに持ち込める必殺ファンクションの数は、前述の「コアメモリ」によって決まるのだ。

各系統は、それぞれ使い込むことで経験値がたまっていく。レベルを上げれば、それに応じた必殺ファンクションがアンロックされる。

 

バトル中、こちらの攻撃がヒットすると画面左下にあるCゲージが増えていく。Cゲージを溜めて必殺ファンクションを発動させるのだ!

必殺ファンクションは、バトル前にあらかじめ設定しておく。Rボタンを押すと現在のゲージ量で使えるファンクションがひとめでわかる。

 

レベルが高いファンクションほど威力も大きいが、そのぶんCゲージを大量に消費する。乱発せず的確に叩き込むべし!

遠距離攻撃や防御系の必殺ファンクションもある

通常の必殺ファンクションのほかに、カットインが挿入されるさらに強力な必殺ファンクションも…!

 細かい部分だが、各武器に設定された「属性」の要素も見逃せない。属性は攻撃の特徴を示す「斬、貫、衝」の3種類と、効果を示す「火、水、雷、光、無」の5種類があり、それぞれ相手のパーツとの相性によってダメージ量が変化する。こうした部分も踏まえ、バトルは“武器ごとの特徴”を活かしていくのが基本中の基本。前述のとおり2個まで持ち込めるので、柔軟に対応できるようしっかり準備しておきたいところだ。

攻撃と防御の相性も勝利のカギ。攻撃属性には「無」属性も存在する

ひとりで遊んで楽しいゲームは、みんなで遊べばもっと楽しいもの。本作は、PSP®本体のアドホック通信機能を介した最大4人までのマルチプレイに対応している。マッチングの内訳は、2対2のチーム戦、みんなが敵のバトルロワイヤル、1対3の変則マッチまで自由自在。人数が足りないときは、CPUのAIキャラが仲間になってくれる。マルチプレイは各自で育てたLBXを持ち寄るのが基本。育成度合いに差があるときは、レベルや使用ステージなど、各種レギュレーションを調整すればフェアなバトル環境が簡単に構築できる。

 人間同士のマルチプレイは、シングルプレイとはまったく様相が異なる。チーム戦であれば、パートナーの特徴や動きを把握しておくことが大切。高機動でかく乱していくのか、それとも攻撃力重視で一気に畳み掛けるのか。分断、集中、さまざまな要素が重なり合うマルチプレイは、一瞬たりとも気を抜けないハイテンションバトルの応酬だ。

チーム戦やバトルロイヤルなどは自由に設定できる。上の画像左のようなAチーム対Bチームのチーム戦、右のようなバトルロイヤルのほか、1対3のプレイも可能

シングルもいいが、人間同士で遊ぶマルチプレイの楽しさは、やはり格別のものがある。己の特徴を踏まえ、いかに相手の裏をかくか。そのせめぎあいがたまらない。

 マルチプレイは、人間相手ではなくCPU相手にプレイヤー同士が協力して戦える「ランキングバトル」が用意されている。G〜SSSまでの10段階にわけられており、各ランク10戦すべてに勝利すると次ランクに挑めるようになる。バトルはそれぞれルールが異なるほか、ランクが上がるほど強敵が出現する仕組み。シングルプレイでもCPUキャラのAIを仲間に挑戦できるが、アドホック通信機能で友人知人と一緒にチャレンジしたほうがクリアしやすいのはいうまでもない。

 ランキングバトルでランクが上がると、敵LBXを倒して入手するパーツの品質が向上する。高性能パーツを手に入れたいなら、ランキングバトルで少しでも上を目指すといいだろう。

ランキングは10段階にわかれており、各ランク全10戦で構成されている。上のランクになるほど手強くなる。

シングルでチャレンジも可能だが、クリアは極めて難しくなる。これはキツイ! と思ったら、友人知人と協力してチャレンジしてもいい。

 数あるやりこみ要素のなかでも特に注目したいのが、前述のランキングバトルと「LBXカードバトル」、「ガシャポン」のふたつ。どちらもゲーム中で稼いだクレジットを支払ってプレイする。

 LBXカードバトルは、ミソラタウン内のゲームセンターに設置されている筐体を使用。ゲーム中で入手した「LBXカード」をセットしてバトルをおこない、勝つとカードに設定されたデータのなかからランダムでパーツが入手できる。勝敗に関わらず、バトルに挑戦すれば、新LBXカードをゲット。LBXカードは、他プレイヤーにプレゼント(コピー)することも可能。コピーLBXカードは使用回数に限度はあるが、コピーそれ自体は何度でもおこなえる。

ミソラタウンのゲームセンターにあるゲーム筐体。手持ちのLBXカードをセットし、クレジットを投入してプレイする。

バトルに勝利して全ルートを制覇すると、セットしたLBXカードに設定されたデータからランダムでパーツが入手。もちろん、新LBXカードもゲットできる。

 ガシャポンは、実機同様にクレジットを入れて回すとランダムでパーツが払い出される。これまた実機同様に「シリーズ」が設定されており、「アイテムリスト」でアソート内容が確認できる。クレジットはかかるが、アイテムリストにある"欲しいパーツ"が出るまで、リアル同様延々と回し続けることも可能なわけだ。

 さて……ここでひとつ重要な点に言及しておきたい。ショップで購入できるパーツの属性は常に一定だが、LBXカードバトルとガシャポンで手に入るパーツの属性やスキルは、なんと“ランダム”。このふたつを活用すれば、ショップパーツではありえないLBXを作ることが可能。尖った性能の超個性派LBXを目指すなら、絶対に避けて通れない要素になりそうだ。

ガシャポン実機をリアルに再現。シリーズとアソート内容はあらかじめ確認できる。

何が出てくるかは運次第。パーツであれば、自分のLBXに取り付けられる。属性とスキルがランダムに付加されるため、ある意味リアルのガシャポン以上に熱いことになりそう。

なんとゲームソフトにプラモデル「AX-00」を同梱! 手のひらに載せれば、ダンボール戦機の世界をもっと身近に感じられそうだ

 本作は、ゲーム発売から1年にわたり、PlayStation® Network(PSN)にて「LBXカード」、「クエストBBS」、「ガシャポンアイテム」といった新規データのダウンロード配信がおこなわれる。PSN経由でしか手に入らないレアアイテムもあり、コアプレイヤーにとっては絶対に見逃せないものとなっている。

 こう書くと「それではPSNに接続できないユーザーが損じゃないか!」と憤慨される方もいそうだが、そこはちゃんと対策が施されている。前述のマルチプレイの際、PSNからダウンロードしたデータを持っているユーザーがいたら、そのデータが未接続のプレイヤーに自動配信されていく。学校、放課後、職場etc、みんなで一緒に遊べば、自然とダウンロード配信データが伝播していく。友人知人、お子様がいる人は一緒に遊ぶなど、世代を超えて楽しめるコミュニケーションツールとして申し分ない機能が備わっている。

 PSN以外にも、プラモデル、トレーディングカード、書籍、CDなど関連メディアに同梱されているパスワードを入力すれば、それぞれ限定パーツが入手できる。「ダンボール戦機」シリーズは、ゲームを核(コア)にすえた幾層ものエンターテインメント要素で成り立つ、とてもゴージャスなトータルホビーといえる。スケール、奥行き、厚み、すべての面でハイクオリティが追求された"レベルファイブの本気"がギッシリ詰まった作品。繰り返しになるが、かつてガンプラやミニ四駆などで胸を熱くたぎらせた30代以降の大人たちにも、ぜひお試しいただきたい。

(Reported by 豊臣和孝)

次回の記事では株式会社レベルファイブ 日野晃博社長のインタビューを掲載予定!

レベルファイブのホームページ
http://www.level5.co.jp/

「ダンボール戦機」のページ
http://www.danball-senki.jp/

【2011年6月14日】2,500以上のパーツを自由に組み合わせられるプラモクラフトRPG
レベルファイブ、PSP®「ダンボール戦機」遂に発売
http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20110215_427035.html

【2011年2月15日】レベルファイブ、PSP®「ダンボール戦機」
「全ての面白さを詰め込むためには、もう少し時間が必要」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20110215_427035.html

【2010年10月20日】レベルファイブ、「LEVEL5 VISION 2010」開催
3DSを中心とした新作情報を一挙公開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20101020_401172.html

【2010年9月17日】東京ゲームショウ2010レポート、レベルファイブブースレポート
「ニノ国 白き聖灰の女王」と「ダンボール戦機」の試遊台を初出展
http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20100917_394730.html

【2009年8月26日】レベルファイブ、「LEVEL5 VISION 2009」で新作情報を公開
TGS2009ブースに250台のDS試遊台とプレミアム配布物を用意
http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20090826_310754.html

【2008年9月26日】レベルファイブ、「LEVEL5 VISION 2008」開催
完全新作や新規プロジェクトを多数発表
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080926/lv5.htm

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