これがテレビの理想型なのダ ハードディスクがテレビに入ると…… テレビが俺に合わせてくれる生活のはじまり!
東芝 / REGZA H3000シリーズ

ウワサのHDD搭載REGZAを速攻トライ!!

 もーそろそろ液晶テレビを本格導入しなきゃなぁ……と考えている俺。以前からかなり気になるテレビがあった。東芝のREGZA(レグザ)シリーズ。REGZAのZシリーズの表示を見て、あぁやっぱりこの“絵”がいちばんシックリくるし納得できるなぁと感じていた。

 そんなところへREGZAの新型登場。何でも、画質的にはREGZAハイエンドのZシリーズのそれを受け継ぎ、さらに本体内にHDDを内蔵しているという、REGZA H3000シリーズが出てきた。

拙者の物欲がグラ〜リグラリのREGZA H3000シリーズ
フレームは"硯"のような質感で、上質感漂うマットストーンブラック塗装。艶消しで映り込みがないので、試聴に集中できる。また、スタンドはエンジンのピストンをイメージしており、スタイリッシュな外観を際立たせている

 REGZA H3000シリーズは、フルHD放送の録画をテレビ単体で行えて、もちろんパネルはフルHD対応の1920×1080ドット表示(32V型のみ1366×768ドット表示)。パソコンとの接続も容易で、完全なDot by Dot表示が可能。さらにDot by Dotで美麗・精細な電子番組表を見られて、オマケに市販の外付けeSATA HDDの増設もできて……と、もーね、ぶっちゃけ、スペックを見ただけで揺らぐんですよ。拙者の物欲がグラ〜リグラリと大揺らぎ。こりゃ辛抱たまらん!!

 てなわけで、早速実機に触れてみた。ら!! コレが非常に良かった。画質的にも満足できまくりであったが、REGZAにHDDが載ったら、なるほど、こうなるのか!! こう使えるのか!! てコトは、生活変わっちゃうかもしんないゾ!? いや変わる。いやむしろ、REGZAで俺のテレビ視聴スタイルを大変革してゆきたい!! と鼻息が荒くなってしまった。

 いやホント、REGZA H3000シリーズは、今年の俺において最も欲しいハードウェアのひとつとなった。買うかも!! 予約注文か!? どうせなら仕事場用とリビング用に2台買……あ、すいません妄想世界に入り込んどりました。

 さて、以降、REGZA H3000シリーズの注目点をレポートしてみたい。REGZA H3000シリーズは、とりわけ“HDD入りREGZAならではの利便”がキてるんで、そのあたりを中心に見ていこう。

HDD REGZAでテレビ視聴スタイルが一変する!!

 REGZA H3000シリーズには300GBのHDDが内蔵されている。これをテレビにHDD型ビデオレコーダーが内蔵された、と考えても間違えではない。が、しかし、実際のトコロ、REGZA H3000シリーズと、テレビ+ビデオレコーダーは、実用上のイメージが全然まったく異なるのだ。

 まず、REGZA H3000シリーズの基本的操作を見てみよう。リモコンでREGZAの電源オン。で、テレビが見られる。また、リモコンの番組表ボタンを押せば電子番組表が表示され、そこから録画予約操作ができる。てなわけで、テレビだけで、テレビのリモコンだけで、非常にお手軽カンタンにテレビ放送視聴・録画を行える。

 ポイントは、REGZA H3000シリーズは、テレビ+ビデオレコーダーを使う場合よりもずーっと操作ステップが少ない点。スムーズ。ラク。でもまあ、多少面倒でも、そーとー観たい番組を録るとなれば、ビデオレコーダーでの録画予約操作を行いますな。

 ただ、観たい度が低い、いわばロープライオリティな感じの番組の場合はどうだろう? 「観たい気がしなくもない、かな!?」くらいの、ちょっと気になる程度の番組だ。恐らく、わざわざ外付けビデオレコーダーで録らないだろう。だが、REGZA H3000シリーズなら「一応録っておこう」となる。何しろ、前述のように既に手にしているリモコンをポポンと押す程度。操作のハードルがメチャ低いから“テレビを観ているついでに録画予約する”てな感覚なのだ。

 REGZA H3000シリーズはテレビ=レコーダーなので、チョー簡単に観たり録ったりできる、とも言える。が、REGZA H3000シリーズの真骨頂はソコではない。

 要は、わざわざ予約録画するほどでもナイけど、観ると役立ったり楽しかったりする番組が非常に多いこと。そして、それら番組は、REGZA H3000シリーズなら“録画しておく気になる”こと。で、「REGZAならカンタンだからいちおー録画しとくか」てな気分になると、何が起きるのか?

電子番組表から、非常にお手軽カンタンに放送視聴・録画を行える
リモコンひとつで、手間いらずですぐに録画スタート!


急な来客や電話があったときでも、「ちょっとタイム」ボタンを押すだけで録画を開始。用が済んだあとに再度ボタンを押せば、録画を開始した場面から再生できる

 俺的印象から言えば、テレビ放送っちゅーモンに生活を邪魔されなくなると痛感した。例えばですね、食事中にダラダラとテレビ観なくなりますな。あと着替えるのを中断してニュースの天気予報待ちとかもなくなる。「あ、ちょっとおもしろい番組が始まったから」とか言って、実はその番組よりずっとプライオリティの高い行為を中断するという無駄もなくなった。

 すなわち!! REGZA H3000シリーズによって!! 我々はテレビの放送時間的呪縛からエスケイプですよダンナ!! アニメに夢中で食欲減退お子様問題も解消ですよ奥さん!! 番組放送時間帯に振り回されがちだった生活が、我々の時間帯に放送を合わせさせるという優雅な生活パターンをゲット!! 「その衝撃映像はコノあとスグ!!」を実質このあとスグのトコまで早送りできる優位性&ストレスフリーが超イイんですよ!!

 REGZA H3000シリーズを使ってみると、録画系の操作が軒並みカンタンなんですな。基本的にはリモコンのボタンを数度ポポンと押すだけ。なので、繰り返すが、テレビ+ビデオレコーダーの組み合わせでは“やる気にならない”ような録画を、ビシバシ行うようになる。と、リアルタイムでテレビの前に居なきゃならない時間が激減し、自分の自由になる時間が増え、結果、生活がずいぶん変わってゆく。

 その好例を挙げるとすれば、例えば今すぐニュース機能。最大18までのニュース番組を、毎日自動録画しておいてくれる機能だが、コレ、マジで役立ちまくり。ホレ、朝とかのトップニュースって、見逃すと意外に見そびれちゃったりするでしょ。朝見逃したから夜見れば……と思ったら帰りが遅くてスポーツ結果ばかりかよ!! みたいな。世間の話題から取り残された気がしたりしてネ。

 でも今すぐニュース機能を使えば、いつでもトップニュースを見られる。毎日、REGZA H3000シリーズの中には自動的にフレッシュなニュースが入っている。見逃すことナシ。期待していた新番組がイマイチだったから、本日のニュースでも……と、今すぐニュース機能を使ったら、ニュースのほーがおもしろかったりして。てな感じで、より高い自由度というか開放感というか、ユーザー本位でテレビ番組を利用できるのは、REGZA H3000シリーズ独自の使用感だろう。

 この開放感、ゆとり、そしてこれを現実のものとするREGZA H3000シリーズの意義。テレビは嫌いじゃないし、便利なんだけど、なんていうかもっと自由に利用したいっていうかさぁ……てな鬱憤を感じているなら、ぜひ一度REGZA H3000シリーズを試して欲しい。

Dot by Dot でテレビもPCも超クリア!!

32V型を除く、全ての機種で1920×1080ドット表示の液晶パネルを搭載
全7チャンネル・6時間の番組表を一度に表示できる電子番組表。各チャンネル・長い時間帯の番組を一望できる視認性の良さはグレイト!!
画面の下にだけ、電子番組表を表示させることも可能。
「パソコン用液晶じゃなくて!?」という奇妙な感覚に襲われるほど、スゲく鮮明・クリアな表示が得られる

 REGZA H3000シリーズは、フルHD表示液晶テレビ。32V型を除いては、どの機種も1920×1080ドット表示の液晶パネルを搭載している。

 で、俺的に「これはイイ!!」と感じた点は、まず、スキャンモードをふたつから選べること。具体的にはオーバースキャンモードとジャストスキャンモードだ。

 例えばデジタルハイビジョン放送は、水平1920×垂直1080ドット相当の解像度で送られてくる。が、それがそのままテレビ画面に映っているのかというと、そうとも限らない。多くのケース(テレビ)で、上記解像度よりやや低い解像度へスケーリング(変換)して、画面上に映している。これは画面上端等に流れる映像以外の情報を考慮してのことだが、スケーリングした結果、元のデジタルハイビジョン映像は多かれ少なかれ劣化する。これがオーバースキャンモードだ。

 一方、ジャストスキャンモードは、元の映像を一切スケーリングせずに画面上に映すモードである。水平1920×垂直1080ドットのデジタルハイビジョン放送の全画素が、REGZA H3000シリーズの液晶パネル全画素上に、ピタリと、ありのまま、映し出される。

 ふたつの表示モードを見比べると、ジャストスキャンモードの方が明らかに解像感が高い。というか、スケーリングしちゃうと、元の画質の高さが少々失われて残念ですな、と感じる。

 ただ、ジャストスキャンモードの場合、番組によっては映像以外の信号が画面端等に見え隠れすることがある。これを「テレビの故障?」と思う方もあるそうだが、ジャストスキャンモードは送られてくる映像信号を包み隠さず全部表示するので、放送局側が(まさかジャストスキャンモードで見るとは)予期しなかった画面端の信号まで見えてしまっているだけのこと。

 ともあれ、デジタル放送を見るデジタルなパネルでHD対応なんだから、やっぱり映像をそのまま全部見られるジャストスキャンモードは気分がイイなぁと思う次第。

 要は、デジタルハイビジョン映像をDot by Dotで映せるREGZA H3000シリーズなのだが、Dot by Dotという点ではメニュー類の表示も非常に鮮明で美しい。例えば電子番組表であるレグザ番組表・ファイン。写真のとおりヒッジョーにクリアに表示される。また、1920×1080という高い解像度を持つ液晶パネルなので、全7チャンネル・6時間の番組表を一度に表示できる。さらに!! この番組表ったら、新聞のテレビ欄とほぼ同様の情報量。見栄えもそうだが、各チャンネル・長い時間帯の番組を一望できる視認性の良さはグレイト!! テレビ上でこんなにキレイで情報量の多い電子番組表、見たことあります?

 REGZA H3000シリーズはPCとの親和性も高い。今時的液晶テレビには必須と言われているHDMI入力端子はもちろん、ミニD-sub15ピン端子も備えているので、ほとんどのパソコンを接続可能=REGZA H3000シリーズをパソコンのディスプレイとして利用できる。

 パソコンとHDMI接続した場合、ここでもDot by Dotでの美麗表示が際立つ。ノートPCの液晶表示と同様、1ドット1ドットまでクッキリと表示される。また、PC接続時専用の映像メニューにより、長時間凝視しても疲れにくい表示がなされる。ちなみに、HDMI-DVI変換の市販ケーブルを使えば、DVI出力端子を持つパソコンをREGZA H3000シリーズに接続し、Dot by Dot表示できる。

 つーかですね、Dot by Dotでしかもパソコン専用の映像モードで見るとですね、「これ、REGZA? パソコン用液晶じゃなくて!?」という奇妙な感覚に襲われるほど、スゲく鮮明・クリアな表示が得られる。

 それから、ゲーム派にとってもちょいと嬉しい機能を持つ。REGZA H3000シリーズには環境・好みに応じて表示を変えられる映像モードが用意されているが、この中に“新・ゲームモード”というのがある。

 今時的な液晶テレビでは、入力された映像信号は、テレビ内の映像プロセッサで最適に表示されるよう演算処理されてから画面に映し出される。ので、映像が入ってきてから、映像処理して、画面に出るまで、僅かなタイムラグがあるんですな。しかし、ゲームをプレイする場合、攻撃とかのボタン押してから、タイムラグがあって、それから画面上に再現される、てなコトになり、快適にゲームができない。ばかりか、シビアなシューティングゲーム等だと、勝利不能。

 REGZA H3000シリーズを新・ゲームモードで使うと、このタイムラグを最小限に抑えてくれる。ので、操作した反応が画面上に現れるのが速い。タイミングや操作の速さが要になるゲームを好むユーザーには、これまた非常に有り難い映像モードなのだ。

HDDで録りまくり+HDD増設しまくり

 REGZA H3000シリーズには300GBのHDDが内蔵されており、そこに番組を録画できる。録画時間は、例えば地上デジタル放送なら最高画質で約28時間、最大約70時間録画可能(画質モード「TS」時)。地上アナログ放送や外部ビデオ入力なら、最高画質で約60時間、最大約300時間、録画できる。

 REGZA H3000シリーズでの録画は、基本的には保存するのではなく、好きな時間に見るために一時的にためておく、という方向性だ。なので、内蔵HDDが一杯になったら、古い録画から自動消去されていく。ただ、録画をロックしておけば、古くなっても消去されることはない。

 また、内蔵HDDは交換することができる。オプションでH3000シリーズ交換用HDDユニット(300GB)のTHH-30U4を購入し、もとのHDDと入れ換えられる。入れ替えはレバーを倒してHDDユニットを抜き差しする程度。容易に行える。ただし、これは内蔵HDDが故障した時でも即交換できる、というイメージとして捉えるのが良さそうだ。というのは、より容易・安価にHDDを増設できるから。

 REGZA H3000シリーズは、ナンと市販のeSATAタイプ外付けHDDに対応している。PC周辺機器メーカーから発売されているPC用の安価な外付けHDDがつながっちゃう。ただし、外付けHDDに番組を直接録画することはできない。内蔵HDD→外付けHDDへと録画をムーブしての利用ですな。外付けHDD→内蔵HDDへのムーブも可能だ。また、同時に接続できる外付けHDDは1台となる。

 例えば、いつもの録画に内蔵HDDを使用。一度見たら消しちゃう番組から、保存版までビシバシ録画。で、残したいと思った番組は外付けの増設HDDにムーブ、てな使い方ですな。HDDという高速・大容量メディアをそのまま映像ライブラリとして利用できるので、便利&快適&省スペース。

 なお、HDDは内蔵・増設を含めて最大5台まで登録可能。750GBのHDDを4台増設と考えると……REGZA H3000シリーズって最大3300GBっていうか3.3TBの容量が確保でレコーダーなんですな。

内蔵HDDは、ユニットを抜き差しするだけでカンタンに交換できる
テレビ事業部の本村サンに、アツく話を聞いたゼ

 再生時は、内蔵HDDと外付けHDDを意識する必要がない。REGZA H3000シリーズで録画した番組は、リモコンのHDDメニューボタンで表示される録画リストで一覧できる。一覧は、曜日別、ジャンル別、連ドラ別等でソートできて便利。さておき、この時、内蔵HDDに入っているのか外付けHDDにあるのかを、ユーザーは意識せずともかまわない。内蔵HDDも外付けHDDも「REGZA H3000シリーズの中のHDD」という感覚で使えるので、機材に詳しくなくても録画済コンテンツを直感的に扱えるというわけだ。

 てなわけで、まずその画質でクラリとクるREGZA H3000シリーズ。しかもテレビにHDDを内蔵した時のメリットを、イキナリ、ドガーンと見せつけてくれる。さらにDot by Dot表示のクリアさ、気持ちよさ、PC接続利用。で、市販のeSATA外付けHDDを増設できるとキた。

 使用感としては実にハードルが低く、現実味タップリなんだが、モノとしては十分にハイエンドで高品位。ん〜む、やっぱり仕事場用に1台、リビングに1台、2台買うしか予約するしか!! と、REGZA H3000シリーズ激欲しいモード継続中の俺なのであった。

■関連情報
□東芝  http://www.toshiba.co.jp/
□東芝 REGZA  http://www.regza.jp/product/tv/top.html

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 −新ゲームモードや「Dot by Dot」表示に対応 (AV Watch)
 http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20070403/toshiba1.htm

■プロフィール
スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。フォトエッセイのスタパデイズをAlt-Rにて連載中。