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生まれも育ちも京都で、大学も京都だったけど、就職したのは東京の会社です。幸いにも第一希望の会社に入社できたけど、地元京都の音楽仲間と離れてしまうのが、いちばん心配な点でした。
僕のバンドでは、楽曲制作にパソコンを多用しています。ライブではシーケンサーも使うし、作曲の道具としてパソコンは欠かせません。仲間で使っているのは、Cakewalkの「SONAR 7」というソフト。いわゆるDAW(Digital Audio Workstation)というやつで、パソコンにソフトをインストールし、オーディオ・インターフェースをUSB接続すると、パソコンで録音・編集・ミキシングができるようになる。要するに、パソコンを使ってひとりスタジオが可能になるんです。
実は、DAWを導入したのは、僕が東京に来てから。だって、京都にいるときは、いつもバンドで集まって、その場で楽曲のアイデアを話し合ったり、作ってきたフレーズを弾いてみせたりできたわけですから。なので、京都ではリアルなスタジオが、うちのバンドの制作シーンだったんです。
ところが、僕が東京で就職し、さらに仲間のひとりは半年間の研修後に鳥取に配属になりました。バンド解散の危機か!? 離ればなれになっても、楽曲データのやりとりをメールでやったりしていましたが、これがどうにも効率が悪くて、どうにかならないものかと悩んでいました。 そこで知ったのが、「quanp」です。Impress Watchのニュース記事を読んで、さっそく試してみることに。
操作も直感的で、パソコン上でソフトを動かしているのではなく、quanpというサイバースペースに自分が入り込んだ気分なんです。もちろん自分だけじゃなくて、うちのバンドのメンバーも、そこにいる。バーチャルなのにリアルな気がする。それがquanpの使い心地です。
バンドでのquanpの使いかたは、基本的には各人が「SONAR」で作成した楽曲データを共有しながら“育てて”いくんです。メール添付でやりとりしていたときは大変でした。だって、一曲ずつ仕上げていくわけじゃなく、未完成状態の曲がたくさんあるんです。アイデアなんてすぐに浮かぶわけじゃないし、今「A」という曲のギタートラックを僕が入れても、鳥取のやつがすぐにボーカルをかぶせるわけにはいきません。ボーカルが何度もやり直すからです。京都のやつが「B」という曲のドラムとベースのトラックを送ってきても、僕がそれにギターをどのように乗せていくか、何日も悩むんです。でも僕はそのとき「C」という曲を作りはじめていて、ギターのリフを毎晩帰宅後に練っていたんです。
quanpでは、曲ごとに「プレイス」を作成しておき、アイデアが浮かんだときに、そのプレイス内にあるデータを育てていけばいいんです。
メール添付でやりとりしていたときは、あの曲はギターだけしかできていないとか、あの曲はあとボーカルを入れればできあがりだとか、曲の制作状況を頭の中で整理していました。なので、よくメンバー間で制作状況の認識がバラバラになることがありました。でも、quanpで共有するようになってからは、「プレイス」ごとに管理しているので、メンバー間で制作状況の認識がバラバラになることもなく、効率よく制作することができるようになって、メンバー間でもアイデアが出やすくなりました。
メンバーと連絡を取りながら、みんなで同じ画面を見ながら曲を作っていけるので、離れていても同じ方向を向いて曲作りができるようになり、メール添付でやりとりしていた時よりもずっと効率がよくなっていい曲が作れるようになりました。これからどんどんライブなども増えていくので、楽曲づくりも忙しくなってくるけど、quanpで共有しつつもSONARも一緒に起動しながら作業してるから使い勝手は最高だし、創作意欲もどんどんわいてきますね。
まだquanpを使い始めたばっかりだけど、これからメンバーと作り上げた楽曲がどんどんquanpにたまっていくのが楽しみです。
quanpは、とても便利なWebサービスです。でもその魅力はWebサービスとしての魅力だけじゃなく、quanpを使うこと自体がかっこいい。さっきもいったけど、自分が進化した気分。quanpを使っている僕自身も、かっこよく見えたらいいんだけど……。
辻太一