みんな待ってた。最高性能と最高品質パイオニア製BD記録ドライブついに登場!


光学ドライブのトップメーカーとして走り続けるパイオニアは、各社からBlu-ray Disc対応の光学ドライブが続々と発売される中、沈黙を守っていた。そんなパイオニアがとうとうBlu-ray Disc記録型ドライブのリリースを行う。高い技術と信頼性から多くのファンをもつパイオニアだけに、今回のニュースは待望といえるだろう。


CEATEC JAPAN 2008にBD-Rドライブを出展


CEATEC2008でついにお披露目された、パイオニア製BD記録型ドライブ

CEATEC2008でついにお披露目された、
パイオニア製BD記録型ドライブ


 パイオニアといえば、国内の光学ドライブメーカーとして言わずとしれた存在であり、業界のトップをつねに走り続けている。たとえばパイオニア製のDVDドライブは、優れた技術と信頼性から、業界内で長らくリファレンス的な役割を果たしている。

 しかし、時代がDVDからBlu-ray Discに移り変わり、各社から続々と記録型Blu-ray Discドライブが発売されるなか、パイオニアはBD読み込み/DVD記録のコンボドライブ「BDC-S02J」を出したきりで、記録型Blu-ray Discドライブに関しては、今に至るまで沈黙を守ったままであった。

 そんなパイオニアがCEATEC JAPAN 2008においてとうとう沈黙を破り、記録型Blu-ray Discドライブを発表したのだ。CEATEC JAPAN 2008は、2008年の9月下旬から10月初旬にかけて開催された最先端のITとエレクトロニクスを紹介する展示会だ。ここではパイオニアが開発中のBlu-ray Discドライブが展示され、多くの関係者から注目を集めることになった。



なぜ、パイオニアは今までBlu-rayドライブを発表しなかったのか?


BD-ROM読み込み/DVD記録に対応したコンボドライブ「BDC-S02J

BD-ROM読み込み/DVD記録に対応した
コンボドライブ「BDC-S02J


DVD記録型ドライブの完成系を目指した「DVR-A16J/S16J」。「A16J」がパラレルATA、「S16J」がシリアルATAに、それぞれ対応している

DVD記録型ドライブの完成系を目指した「DVR-A16J/S16J」。「A16J」がパラレルATA、「S16J」がシリアルATAに、それぞれ対応している

 今回、関係者の取材や独自ソースの情報を通じて判明したのは、この記録型Blu-ray Discドライブはパイオニア内で「BDR-03 プロジェクト」と呼ばれており、今までのパイオニアの最新技術や既存技術を盛り込んだ新製品であるということだ。世界初の記録型BDドライブが業務用のBD-1であり、BDR-03は一般用としてはじめての記録型BDドライブとなる。

 記録型DVDのドライブメーカーとして名をはせたパイオニアだが、なぜ今更? という感も拭えないのが筆者としての印象でもある。このあたりについて、取材を通じて話をうかがうことができたので、この記事ではそれをまとめていきたいと思う。

 まず、ここ最近のパイオニア製光学ドライブのラインアップについて整理しよう。直近の製品は、2008年7月に発表されたBD/DVDコンボドライブ「BDC-S02J」と、DVD記録型ドライブ「DVR-A16」および「DVR-S16」である。

 「BDC-S02J」は従来の記録型DVDドライブにBlu-ray Discの読み出し機能が搭載された、いわゆる「BD/DVDコンボドライブ」で、Blu-ray Discへの書き込みには対応していない。DVR-S16/DVR-A16シリーズは高機能タイプの記録型DVDドライブである。

 思えば2008年、誰もがパイオニアの新製品としてBlu-ray Disc記録型ドライブを期待していたが、それは今に至るまでかなえられることはなかった。なぜパイオニアは記録型Blu-ray Discドライブについて沈黙を続けていたのか? それには新技術の開発と熟成を待ち、万全を期したパイオニアの戦略があったのだ。



パイオニアの技術の集大成であるBDC-S02JとDVR-S16J/A16J

 記録型Blu-ray Discの登場が期待されるなか、発売されたBDC-S02JとDVR-S16J/A16Jだが、この両製品の基本性能は、凡庸な光学ドライブに比べると図抜けている。記録速度・記録精度の向上、防塵、静音性能の追求、読み込み/再生支援機能など、光学ドライブとして考えられる限りの「最高」を追求した、贅を尽くした設計だった。そして、これらの技術/設計が、今回のBlu-ray Disc記録型ドライブ「BDR-S03J」に活かされることになった。

 実際のところ、記録型DVDとBlu-ray Discドライブの構造には共通点が多く、書き込み方法やエラー訂正の技術など、これまでの製品でつちかった技術を活用できる。


 たとえば、自社開発の高性能ピックアップやメカニズム、さらにそれらの専用回路だ。BDC-S02JとDVR-S16J/A16Jのピックアップやメカニズムは現在開発中のBlu-ray Disc記録型ドライブ用ピックアップやメカニズムと共通の仕組みを持つ部分が多い。ディスクの回転・半径方向に発生する収差、光学レンズに発生する非点収差(アス収差)ディスクの反りにより発生するコマ収差、ディスクの厚みにより発生する球面収差など、さまざまな収差を補正し、高い読み取り、書き込み精度を維持する機能が備えられている。また、リミットイコライザーが搭載された専用回路によって、読み取った信号波形は正確なものに補正される。




パイオニア独自開発の可動式コリメータレンズと
液晶素子が実装されたピックアップにより、確実な読み出しを実現する





リミットイコライザーは、ジッターを大幅に低減し、
美しく正確な信号を取り出すことを可能にする



 書き込み面では、安定した駆動波形を実現する「スマートレーザードライバー」がある。従来型のレーザードライバーと異なり、メイン基板上ではなくピックアップ上にストラテジ回路が搭載される。本来、ストラテジ回路をピックアップ上に搭載するのはコスト的な面で有利とはいえないが、メイン基板上にストラテジ回路を配置した場合、ピックアップとの接合部となるフレキシブルケーブル上でどうしても信号劣化が起きてしまう。スマートレーザードライバーなら、ピックアップ上の回路でピックアップの駆動波形を制御するため、メイン基盤との組み合わせによる特性のバラつきを防ぐことができるのだ。



スマートレーザードライバーと従来型レーザードライバーの比較図。
前者の方が伝送のロスがより少ないことがわかる


 さらに、PureReadやPowerReadなどの同社が開発した読み込み/再生支援技術も見逃せない。PureReadはオーディオCDなどの読み取り時、汚れや傷などが原因でデータが正常に読み取れない場合に、傷の状況を分析し、最適な再読み込みを行うことで、オーディオCDを「原音に忠実に」再生することができる。PowerReadは、DVD-VIDEO等を再生中、本来なら汚れや傷で再生が止まってしまう箇所を、「できるだけ止めないように」再生を進行させる機能で、ポリツシャーで磨き一見眼に見えない傷の多いレンタルDVDなどが「まったく再生できない」という最悪の事態を回避できる。これらの機能を高く評価するユーザーも多く、中には傷のある手持ちのオーディオCDをPureRead対応ドライブで読み込み・コピーして「より原音に近い状態の」CDに作り直してしまう人までいるという。


 静音関係の技術も非常に高く、ディスクの回転により発生する風切り音の発生の抑制と外部への漏れ出し防止を行っている。この風切り音の抑制は回転するディスクの安定性にも貢献している。これはディスクから発生する空気の流れをドライブ内でコントロールし、上方からディスクを押さえつける力として利用しているもので、この技術によって共振などによるディスクのブレを抑制し、高い読み出し、書き込みの制御を行うことを可能としている。



ドライブ内エアフローによって防塵・ディスク制震・放熱・静音などを実現する内部循環気流構造。非常に合理的だ


 これらの技術をあえてすぐにはBlu-ray Disc記録型ドライブには搭載しなかったというのは、技術の熟成と、量産効果による価格低下という目的があったわけだ。新たに開発された技術はBDC-S02JとDVR-S16J/A16Jに部分的に搭載され、より安定した形で新開発のBlu-ray Discドライブに採用されることになる。



CEATECでプレビューされたBD-4

 そして満を持して登場したのがパイオニアの記録型Blu-ray Discドライブである「BDR-S03J」だ。CEATECで初めて一般に公開されたこのドライブは、BD-R/R DL書き込み8倍速、BD-R/RE書き込み2倍速に対応し、前述の様々な技術が「全部入り」した、まさに現時点で「最強」のBlu-ray Discドライブだ。ちなみに、リテール版については、少なくとも当面は国内工場で生産が行われるとのことで、品質のほうも折り紙付きといえる。

 今までパイオニア製のBlu-ray Disc記録ドライブを待ち望んでいたユーザーにとっては、今回の「BDR-S03J」は間違いなく「買い」の決定版といえる。年末年始には市場投入されるとのことなので、発売を期待しながら待ちたい。







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